前回の記事では、NANICAが大切にしている組織の考え方についてお話ししました。
今回は少し視点を変えて、代表である辻自身の失敗や葛藤、そしてこれからのNANICAについて聞いてみました。
「自分の成長が止まった」と感じた33歳
イ)これまでの経営人生で、一番しんどかった時期はいつでしたか?
辻)今から約10年前の33歳くらいの時期ですかね。
イ)どんな時期だったのでしょうか?
辻)会社としては順調でした。
メンバーも育っていましたし、数字も出ていました。
でも、その時に初めて感じたんです。
「自分の成長が止まったかもしれない」って。
教える側だった自分が、置いていかれる感覚
イ)成長が止まった。
辻)はい。
それまでは、自分が先頭を走っていた感覚がありました。
教える側でしたし、引っ張る側でした。
でも、初期メンバーたちがどんどん成長していったんです。
その時に、自分とのギャップを感じました。
イ)焦りのようなものですか?
辻)そうですね。
周りは前進している。
でも、自分は過去の経験や能力で何とかしている。
そんな感覚がありました。
否定されているような気持ちになることもありました。
本当に苦しいのは、数字ではない
イ)経営者というと、資金繰りや売上の悩みを想像します。
辻)もちろんあります。
でも、一番苦しいのはそこじゃないですね。
イ)何でしょう?
辻)仲間が去る時です。
これは今でも苦しいです。
「育てられなかった」が残る
イ)仲間が辞める時ですか?
辻)はい。
もちろん人生なので、それぞれの選択があります。
でも僕はいつも、
「自分がもっと力をつけさせられたんじゃないか」
って考えるんです。
イ)自分の責任として考える。
辻)そうですね。
その人自身が悪いとは思わないです。
どちらかというと、
「もっとできたんじゃないか」
という気持ちになります。
「いい人」で終わると失敗
イ)人材育成で大事にしていることはありますか?
辻)“いい人”で終わらないことですね。
イ)どういう意味ですか?
辻)優しいだけだと、人は成長できないんです。
親友みたいな関係だけでは足りない。
時には厳しいことも言わないといけない。
本当に相手の人生を良くしたいなら、成長につながる関わり方をしないといけないと思っています。
今だから言える失敗
イ)これまでの経営で失敗したと思うことはありますか?
辻)たくさんあります(笑)
イ)例えば?
辻)商材選びですね。
これは伸びると思った。
でも伸びなかった。
その状態で採用まで進めてしまったことがあります。
結果的に、入社してくれた人にも苦労をかけてしまった。
あれは反省しています。
「相手の本音」を聞けていなかった
イ)他にはありますか?
辻)人とのコミュニケーションですね。
相手が言っている言葉だけを聞いて、本当に伝えたいことを受け取れていなかったことがあります。
今振り返ると、「もっと聞けたな」と思います。
経営もマネジメントも、結局は人との関わりですから。
NANICAの次の目標
イ)これからのNANICAはどうなっていくのでしょうか?
辻)まずは、自分の代わりになれる人を増やしたいですね。
営業力。
教育力。
組織を作る力。
そういったものを引き継いでいきたいと思っています。
「辻がいないと回らない会社」にしたくない
イ)それはなぜですか?
辻)僕一人でできることには限界があるからです。
そして、本当にやりたいことがまだあるんです。
イ)新しい事業ですか?
辻)はい。
今やっている通信事業もそうですが、まだ世の中にない価値を作っていきたい。
特に高齢者向けのサービスは可能性を感じています。
設定サポートや生活支援など、困っている人を助けられる事業をもっと作っていきたいですね。
一緒に会社を創れる人と働きたい
イ)どんな人と働きたいですか?
辻)人生を変えたい人ですね。
もっと豊かな人生を送りたい。
でも、その方法が分からない。
そんな人です。
イ)経験よりも考え方?
辻)そうですね。
学ぶ意欲がある人。
基準が高い人。
一緒に会社を創ろうと思ってくれる人。
そういう人と働きたいです。
受かることをゴールにしないでほしい
イ)最後に、転職を考えている方へメッセージをお願いします。
辻)転職活動をすると、どうしても「受かること」がゴールになりがちです。
でも、本当に大事なのはその先です。
受かることがゴールになると、また数年後に同じ悩みで転職することになる。
だからこそ、
「自分はどんな人生を送りたいのか」
を考えてほしいと思っています。
その人生に近づくための選択をしてほしいですね。
会社を経営していて、一番嬉しいのはメンバーの成長を見ること。
そして、一番苦しいのは仲間が去ること。
辻が15年間向き合い続けてきたのは、事業だけではなく、“人の人生”そのものだったのかもしれない。