◇スマイルズでは、2019年より新卒・第二新卒採用をはじめます。
スマイルズは、1999年に食べるスープの専門店「Soup Stock Tokyo」の1号店をオープンし、創業いたしました。
あれから20年—“生活価値の拡充”という理念のもと、ネクタイ専門店やセレクトリサイクルショップ、ファミリーレストラン、海苔弁専門店などあらゆる業態を展開し、既成概念にとらわれず新たな生活の在り方を提案しています。
そんなスマイルズで、ともに“世の中の体温をあげる”仲間を募集いたします。
ここでは、そんなスマイルズで活躍する社員たちをご紹介。個性あふれるメンバーたちの人となりや哲学に触れてみてください。
今回は、2015年4月に新卒でスマイルズに入社し、現在はクリエイティブ本部 クリエイティブディレクターの木本をご紹介します。
木本 梨絵(キモト リエ)
1992年、和歌山県有田市生まれ。
武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科専攻修了。
在学中に受講した遠山の講義に衝撃を受け、2015年4月にスマイルズに新卒として入社。
ギャップに苦しむ日々と、それを変えたひとつの気づき。
順風満帆に見えるかもしれませんが、実は当時、かなり悩んでいたんです。というのも、私は美大を卒業していてクリエイティブの仕事がやりたかった。現場からスタートするのが前提、ということは理解していてもやはり「デザイン」の仕事をしたい、という気持ちは大きくありました。やりたい仕事とやるべき仕事のギャップは常にあったんです。
私以外の大学の同級生は、みんな入社一年目から「デザイン」の仕事をしているんです。会わなくても、SNSなどでもその姿が見えてくるので、否応でも知ることになります。一方の私は、レストランで接客の仕事。“私、何してるんだろう……” と思い悩む日もたくさんありました。久しぶりにあって、「今どんな仕事してるの?」と質問をされるのは正直辛くて、一時期は、友達とも気軽に会えないような気持ちで過ごしていました。
その時のことを表すなら、いわば、「真っ暗なトンネルの中をひたすらに歩き続けている」ような状態。出口が見えない、どうしたらいいのかという気持ちが募る日々でしたが、駅でたまたま見かけたポスターのコピーが私にヒントを与えてくれました。それは、ベルギーの画家「マグリット」の展示のポスター。その言葉は、今後も一生忘れない様な気がします。
『目に見えるものは、いつだって他のなにかを隠してる』
それはまさに、仕事の中で自分がきづいていない真実を突いた言葉でした。たとえば、目の前の現場仕事。たとえば、当時やりたかったデザインの仕事。ひとつのものを集中して見ようとすると、つい他のものがないがしろになりがちです。現場に配属されているうちは、まず眼前のやるべき事は店舗での仕事。デザインの提案ばかりで、店舗業務がおざなりになってしまうなんて、もってのほかです。デザインに関わる仕事は、目の前になくても、いつもその先にある仕事。だからといって、目の前の仕事に追われ、ずっとやりたかった仕事を諦めるのは、違うと気づいた。あのポスターを見たとき、「二つの目線をしっかり持ち合わせながら、真っ直ぐ進みなさい」と言われた気がしました。
「100本のスプーン」メニューデザイン用のスケッチ
「現場目線」は最強の武器。社内外問わず活躍するディレクターに成長。
クリエイティブ部門に異動し、その後の企画・提案などを評価され、現在は「クリエイティブディレクター」というポジションとして仕事をしています。これまでデザインや企画に関わる仕事をするなかで強く感じることは、辛い日々の中で養ってきた「現場目線」こそが、私の最強の武器になっているということです。
それは接客を通じて、現場スタッフやお客様が誰でどんな方なのか、本当に何を求めているのか、が理解できているということ。社内でも、クライアントとの企画会議の中でも「現場目線」で、「これはお客様が望みません」「こちらの方がよい」、とはっきりとした軸で伝え、納得いただけています。
細かな部分ですが、お皿一枚のセレクトに関しても「現場目線」が強みになります。例えば高台が付いていない皿だと、スタッフがお皿を下げる際に掴みにくく、時間のロスやミスにつながる。スタッフがもたついてしまったら、お客様の満足度はあがらない。そういった「細部」にまでとことん気を使えるようになったのは、まさに現場仕事を経験できたおかげだと思っています。
今の仕事は新規事業の企画考案から、ロゴの製作、パッケージデザイン、コンテンツのディレクションをまるっとすべて行っています。すごくかっこよく聞こえるかもしれませんが、具体的な仕事は地味な事が8割です。新業態の店舗の備品探しに、ECサイトやメーカーのWEBサイトをとにかく何時間も見続けたり、仕入れてきた素材を、工具で削ったり、切断したり。でも、そうした仕事も「現場目線」でみれば、とっても重要な意味を持っています。
自身がアートディレクションを手掛けた、入場料1500円の本屋「文喫」
ポジションや業務が変わっても、現場を起点にすることの大切さは変わりません。 “お客さまはこんな時どう思うか、こんなシチュエーションなら何が必要なのか、じゃあこんな時は? あんな時は? どんなデザインなら問題を解決できる?” といったように、「常にお客様が見えているからこそできる思考」が身についたと思っています。
だからこそ、必ずスタッフやお客様の像が完全に見えた状態で企画できている、という自負がありますね。マグリットのコピーでいえば、机上で作られた企画では見えない、“別のものが隠れている” ことに気づいて、どんな本質的な価値があるか、常に考えながら仕事を進めています。これも、現場の仕事があったからこそですね。
主体的にどんどん進んでいけば、暗いトンネルは抜けられる。
木本がスープストックトーキョーのスタッフだった頃にデザインした、現在もパートナー(アルバイトスタッフ)に配布されている社員証「パートナーズカード」。店舗毎にデザインが異なる。
やるべきこととやりたい事の間で、私が持っていた「真っ暗なトンネルの中をひたすらに歩き続けている」という感覚も、今ではもう全然ありません。むしろ日々、仕事が楽しくてしょうがないです。店舗業務で自分なりのアイデアで改善し続けたり、デザイン案を作り続けた日々も、とにかくひたむきな姿勢で取り組んでいたら、気づいた時には仕事は楽しくなっている。目の前のやるべきことをやりながらでも、自分の努力次第で“やりたい仕事”に挑戦していける、と私は思っています。そして、これも私の意見ですが“ちょっとうるさいな” と思われるぐらいに貪欲にやったほうがそこに近づけると思います。“やりたい” という気持ちは全力で伝える。どんどん動いて、ひたすら諦めず、まっすぐ突き進めば、自分で仕事は楽しくできる。
ちょっと嘘っぽく聞こえてしまうかもしれないけれど、私は毎日楽しんで仕事してます。これ、本当の気持ちです。スマイルズで、昨日の自分よりも、絶対に今日の自分の方が成長している自信があるから。そういう環境のある会社なんです。比較したことはないですけど、こんなに成長できて、楽しい会社、(他に)ないんじゃないか、って思います。これからもずっと前のめりで、仕事を楽しんで、もっと成長していきたいと思っています。
Text: Nozomu Miura
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