「Financial Times・Statista「High-Growth Companies Asia-Pacific 2026」にてアジア303位・日本41位に選出されたスパイスファクトリー株式会社(グループ全体116名 ※2026年1月時点)。DXパートナー事業という安定した収益基盤を軸に、AIイネーブルメントや自社プロダクト開発といった挑戦領域にも同時に踏み込む急成長フェーズの中で、年間40名規模の採用を推進。100名を超える候補者との接点を通じて、事業成長を支える人材獲得に取り組んでいます。
同社は採用において、スキルや経歴だけでなく、社会への当事者意識やミッションへの共感を重視。カルチャーマッチを軸とした採用へのシフトを進めてきました。しかし、人材の姿勢を選考の場で見極めるための評価基準や、分析を行うためのデータ基盤をどう整備するかが、長らく課題として残っていました。
そうした状況を変えるためにWantedly Hireを導入し、分析の一元化と評価の型化を実現。本記事では、人事担当の前田さんに、導入の背景から具体的な活用方法、そして採用の先に見据える組織開発の構想まで詳しくうかがいます。
【登場人物】 前田 優 さま |
理想の採用を追求するほど、感覚と手作業の限界にぶつかった

━━ スパイスファクトリーが未来の仲間に求める人物像を教えてください。
私たちが未来の仲間に求めているのは、不確実な未来に臆さず飛び込む野性的な姿勢と、他者や社会と響き合おうとする意志。すなわち「”アニマルスピリッツ”を持っていること」です。
それゆえに採用では、スキルや経歴だけでなく「どう考え、どう判断するか」に焦点をあて、ミッション・パーパスへの共感深さやカルチャーへのマッチ度を大切にしています。
━━ 姿勢や意思まで求めるのはなぜですか?また、年間40名採用、候補者対応100名超の中で、人材をどのように見極めているのでしょうか。
背景のひとつは、AIの普及により職種の垣根が薄れてきたことです。例えば、デザイナーがAIを駆使してフロントエンド開発を行う、エンジニアがAIでデザインを作るなど、こうした動きは今後さらに加速し、社会からも求められるようになることでしょう。
また、会社としても、職種をこえて協業しあうカルチャーが浸透しています。このような背景から、採用において人材の姿勢を多角的に見極める必要性が高まっていました。
見極める方法としては、他職種や事業部の管掌役員が面接を担当するなどの体制が自然と構築されつつありました。協業する仲間同士が責任をもって、未来の仲間を探す。これを理想的な採用と位置づけていた一方で、理想を選考プロセスで体現する仕組みは正直長らく整っていませんでした。
━━ どのような問題が起きていたのか、具体的に教えてください。
一番の課題は、面接官ごとに評価の判断が属人化していたことです。評価基準の定義がそもそも曖昧で、評価の記録場所も存在しない。面接官の感覚に依存し、評価軸がブレてしまうケースが発生していました。さらに、採用改善に必要な流入経路・選考進捗などのデータ管理についても苦労していたんです。
エンジニア中心の採用から職種も採用人数も拡大する中で、「採用思想を仕組みに落とし込まなければ」という意識が、チームの中で芽生えました。選考に関わる面接官の時間を守りながら、スクリーニングの質をどう担保し、改善を推進していくのか。理想を追求すればするほど、仕組みの限界にぶつかっていました。
データで人事を解放し、共通言語で面接を仕組み化する

━━ そのタイミングで、「Wantedly Hire」へのリプレイスを決められたのですね。何が決め手になったのでしょうか。
多角的に分析できるレポート機能と、カスタマイズ性の高さです。いくつかの採用管理システムを比較する中で、Wantedly Hireにまず抱いたのは「データを多角的に見れるので、分析が充実しそう」という直感。これまでスプレッドシート管理で手作業だった分析が、ダッシュボードひとつで完結するイメージをもてたのは大きな魅力でした。
採用サービス「Wantedly Visit」とシームレスに連携し、同じエコシステムの中で一元管理できること。直感的に操作できるほどUIがシンプルで、採用に関わる現場メンバーの学習コストを下げること。この2点も導入の後押しになりました。
━━ Wantedly Hireによって、採用データ管理がどう改善したのか教えてください。
データを見ることへのハードルがなくなったと思います。以前は数字をまとめる作業だけで相当な時間を使っていましたが、Wantedly Hireを導入してからは準備工数がほぼゼロに。ダッシュボードを見ればそのまま話せる状態です。数字を見ることが、業務の一部として自然に組み込まれた感覚があります。
━━ 具体的に、どのような数値をどのくらいの頻度で確認していますか?
「カジュアル面談から本選考への転換率」は特に大切にしています。人事の説明の質で改善できる部分だと考えているためです。「この説明はもっと改善できそう」を数字で振り返り、あとから修正をかけ、改善のサイクルをちゃんと回せるようになりました。
他にも、週次では媒体別の応募数と書類通過率、選考フェーズごとの滞留状況を。月次では、オファー承諾率やエージェントのパフォーマンスを確認しています。
━━ 判断の属人化を解消するために、評価基準の「型化」にも取り組まれたのですね。
はい。自社が定めた「6つのコンピテンシー」を、Wantedly Hireのスコアカード上に反映しました。
面接官が迷わないよう、具体的な行動例もセットに組み込み、点数ではなく行動証拠で判断できるように仕組みを変えたことがポイントです。たとえば「Will-driven」という評価軸では、行動例として『“自分”を主語に動き、苦しい場面で自分なりに踏み込み面白くしようとした経験があるか』という形で言語化しています。
1次面接はカルチャーマッチ重視、2次面接ではスキル・AI活用重視など、選考フェーズごとにスコアカードを切り替えられる点も魅力です。
━━ スコアカードを充実させて、採用の質はどう変わりましたか?
面接担当者から「わかりやすくなった」という声が上がっています。評価すべき項目が明確になると、事前準備の内容も変わってくる。人事にとっても共通言語が生まれ、面接後のすり合わせで「この項目をなぜ低く評価したのか」という具体的な議論ができるようになりました。以前の「あの人どうでしたか?」という曖昧なやり取りとは、会話の質がまったく変わっています。
また、職種の垣根を超えて一貫した基準で候補者を見極めることができるようになりました。結果として面接をスムーズに実践できるようになり、いまや採用そのものがスパイスファクトリーのカルチャーを体現する場へとなっています。
━━ 新しいツールを現場に浸透させるのはハードルもあったかと思いますが、Wantedlyのサポート体制はいかがでしたか?
導入当初は、面接担当者に向けてレクチャーするためのMTGを開催してもらいました。サポート担当者とは、今でもSlackを通じて連携しながら、定期的なオンラインMTGを開催しています。遅くても翌日までには必ず返答がありますし、新機能についての情報共有もこまめにいただけるので、キャッチアップがスムーズにできて助かっています。
機能アップデートのスピードが速く、要望を伝えると数ヶ月後に実装されていることも。システムを一緒に作っている感覚で、丁寧な伴走体制だと感じています。
データを駆使して組織成長のハブに

━━ スパイスファクトリーが描くこれからの展望を教えてください。
「こういう評価だった人は定着率が高く、活躍している」という傾向の見える化です。Wantedly Hireに蓄積した選考データをはじめ、入社後に毎月実施している社内アンケートなどのエンゲージメントデータを掛け合わせて、内定・承諾にいたった方のコンピテンシー傾向や、入社後の活躍ポジションを抽出できると考えています。
採用して終わりではなく、組織成長のハブになることが、人事チームのこれからの挑戦。その上で、組織の成長を支えるデータ基盤として、Wantedly Hireをさらに使い倒していきたいです。
━━ 同じように、採用の属人化や分析不足に悩んでいる企業へ、メッセージをお願いします。
評価軸を言語化することで、現場との認識を格段に合わせやすくなります。データについてもWantedly Hireを通じて一元化する方が、PDCAをより素早く回せるはずです。
Visit を利用して共感採用に取り組んでいるのであれば、なおさら「Wantedly Hire」をお勧めします。スコアカードやデータで自社の思想を貫き、熱い想いを持つ候補者に対して誠実に向き合うことができるはずです。何より、Visitの候補者情報をWantedly Hireにすぐ連携できるので、導入直後から恩恵を感じられると思います。


