従業員エンゲージメントとは?向上のための施策と事例

従業員エンゲージメントとは?

従業員エンゲージメントとは、従業員の、会社に対する共感や仕事へのモチベーション、それらによる従業員と会社とのつながりの度合いのことです。従業員エンゲージメントが高い会社では、従業員は「働きがい」を感じながら意欲的に仕事に取り組み、いわば「仕事に没頭している」状態となっています。

アメリカののGallup社が2017年に82,000の企業、180万人の従業員に対して、エンゲージメントの度合いを測定するエンゲージメントスコアと企業の様々な数値との相関関係を調査しました。調査結果によると、エンゲージメントスコアの高い企業は、売上や顧客の評価が高いだけでなく、離職率や欠勤率も低いことが分かりました。(出典:Gallup,  “The Relationship Between Engagement at Work and Organizational Outcomes” )この調査結果からも従業員エンゲージメントを高めることが、単なる従業員の満足度に止まらない影響をもっていることが分かります。

もともと日本では「終身雇用」の考え方が根強くあったため、従業員エンゲージメントはあまり注目されてきませんでした。従業員は、「会社に対して不満があるから環境を変える」という選択肢を持ちにくく、「一生この会社で働く」という心理的制約が、仕事のパフォーマンスの枷としても防波堤としても機能していました。

しかし近年では日本でも「終身雇用」が崩壊し、人材の流動性が高まってきています。それに伴い、離職率を下げる観点を中心に、従業員エンゲージメントの考え方は急速に注目を集めています。従業員エンゲージメントに課題を感じている企業は9割を超えており、課題認識が強くなっています。(出典:ウォンテッドリー「エンゲージメントに関する調査」)

従業員エンゲージメントを高めるには?

ミッション、ビジョンの共感と浸透

会社のビジョンやミッションといった、目指す方向の言語化と浸透は、従業員エンゲージメントを高める上で重要です。従業員が日々取り組んでいる仕事が、社会や人々に対してどのような影響を与えているのかを実感することができるからです。従業員がミッションやビジョンに共感できていれば、従業員は自らの仕事を有意義なものであると感じ、意欲的に働くことができます。逆に、ミッションやビジョンの共感がないと、業務で負荷がかかった時に、「何のために自分は頑張るのだろうか」という迷いが生じてしまうのです。

ミッション、ビジョンの浸透には、まずマネジメント側がきちんと自分たちの目指す方向性を言語化して、誰にでもわかる状態にし、伝えていく努力を行う必要があります。マネジメント側の責任として、ミッションやビジョンが、シンプルかつ誰にでも伝わる状態で言語化されているかどうか、再確認してみましょう。

入社時には高かったビジョン、ミッションへの共感も、日々業務に取り組む中で薄れていくことがあります。そのため、従業員が会社の目指す方向に共感できているのかを、1on1などの機会を設けて、直接確認し、すり合わせることも有効です。

働きやすい環境の整備

従業員が働きやすいと感じる環境が整っていることも必要な要素です。福利厚生の充実やオフィス環境を整備するといった一般的な施策はもちろんのこと、従業員の生産性を下げているようなものがないかを確認しましょう。定期的に従業員に対してアンケートを取ってみるのも有効な手段です。また、従業員が「仕方のないこと」として受け入れてしまっている可能性もあるので、アンケートを取るだけでなく、細かく社内の手続き等に無駄がないか目を光らせましょう。

コロナウイルス対策としてリモートワークが増えているため、リモートワークでも生産性を落とさずに働くことができる環境が整っているかどうかも、確認が必要となってきています。弊社が2020年に実施した調査では、同年に30%もの人が「作業環境を整えるためにお金を使った」と回答しており、特にエンジニアでは数値が高く、51%にも達しました。(出典:ウォンテッドリー「働き方に関する調査」)リモート環境では、仕事に最適化された環境になっていないと感じている人が多いと言えるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化

従業員が同僚や上司などと良好な関係を構築できていることも、従業員エンゲージメントを高める条件の一つです。コミュニケーションがうまくできていない場合、情報共有がスムーズにいかなくなることで生産性が下がる他、会社に対する愛着も低下してしまいます。

具体的な対策としては、社員同士の相互理解を目的とした、社内報やレクリエーションの実施があげられます。

弊社の調査では、「上司や同僚のブログがあれば読んでみたいか」という設問に対して20代の60%が読んでみたいと回答しており、これは50代の35%に対して1.7倍という結果になっていることからも、若手の社内報に対するニーズは特に強いと言えます。(出典:ウォンテッドリー「働き方に関する調査」)

従業員エンゲージメント向上の取り組み事例

11月4日にオンライン開催された「FUZE 2020」にて、株式会社セールスフォース・ドットコムの鈴木雅則氏、Slack Japan株式会社の生垣侑依氏のお二人をお迎えし、「組織を成功に導く従業員エンゲージメントの高め方」というテーマでセッションを行いました。(当日のレポートはこちら)以下では、両社の取り組みを抜粋して紹介いたします。

セールスフォース・ドットコム

  • 4つのコアバリュー(信頼、カスタマーサクセス、イノベーション、平等)を単なる社内標語に留めるのではなく、具体的な人事施策に落とし込む
  • 年に2回行う従業員サーベイを通じて、従業員がどれだけ働きがいをもって仕事に取り組めているかを定点観測
  • 定期的にフィードバックを得られる仕組みを構築し、社員の声を受け入れながら施策の優先順位を判断する
  • リーダーからトップダウンで積極的に情報を共有する

Slack Japan

  • 組織としてバリューをメッセージに落とし込んで発信をし、さらにエンゲージメントサーベイを通じて社内からそれに対するフィードバックを募る
  • 社内の情報の透明性を保つために社内での部門間フィードバックを目的としたSlackチャンネルを開設し、各チームが自分たちの取り組みの内容およびその振り返りを全社員に向けて発信し、コメントや絵文字を通じてフィードバックを得られるような仕掛けをつくる
  • 組織としてはサーベイを定期的に行うほか、マネージャーからメンバーへのフィードバックを行うだけでなく、メンバーからマネージャーへのフィードバックを行う機会を年2回設けている

 

著者プロフィール

伊藤佑介

Marketing

東京大学文学部卒。新卒でスタートアップに入社し、マーケティングを担当。現在はウォンテッドリー株式会社のマーケティングを担当し、メディア「HirinGeek」の立ち上げを始め、webマーケティング業務に従事。再現性をもってLTVを最大化させることをミッションにしています。

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