エンゲージメント経営とは?導入のメリットや実践のポイントを解説

従業員と企業の信頼関係に重きを置く経営方法である「エンゲージメント経営」。従業員が自分の組織に抱いている愛着度を表すエンゲージメントが高いほど、従業員は高いモチベーションで業務に取り組んでくれると期待できます。しかし、エンゲージメント経営をどのように導入すべきか、お悩みの経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

今回は、エンゲージメント経営の概要と導入のメリット、実践のポイントを解説します。従業員の定着に問題を抱えている、または自社の問題点や課題が分からないと悩んでいる企業の経営者・人事担当者の方は参考にしてみてください。

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エンゲージメント経営とは

エンゲージメント経営とは、従業員と企業の信頼関係を重視する経営方法です。従業員一人ひとりが自社に愛着を持ち、企業の目標達成に向けて積極的に貢献していく状態を目指しています。

従業員とのエンゲージメントを高めることで、業務のパフォーマンスが上がり、企業全体の生産性や社会的価値の向上させることが可能です。

エンゲージメント経営が注目される背景

ここでは、エンゲージメント経営が注目される背景を解説します。

労働力人口の減少

エンゲージメント経営が重視されている背景として、少子高齢化による労働力人口の減少があげられます。多くの企業にとって人材不足は大きな課題となっており、新規での採用活動も難しい昨今において、今いる従業員を定着させていくことが非常に重要です。

従業員を定着させることができれば、事業継続していくうえで重要な基盤になってくれるでしょう。

日本企業の社員エンゲージメントの低さ

米国の世論調査・コンサルティング会社のギャラップ社が公表している「グローバルワークプレイスの現状2023年版」によると、日本は熱意溢れる(従業員エンゲージメントの強い)社員の割合がわずか5%で、調査対象125カ国中124位と報告されています。

世界全体では過去最高の23%に達していることと比較すると、日本企業の従業員エンゲージメントの低さが目立つ結果となっています。

熱意を持てない従業員が多いと、生産性の低下や企業価値の低下、企業の存在意義も危うくなるおそれがあると懸念されています。

顧客エンゲージメントとの関連性

エンゲージメント経営を上手く活用できている企業は、顧客から支持されやすくなるため、顧客エンゲージメントも向上している傾向が明らかになっています。従業員が企業のビジョンや目的を達成できるよう自発的に取り組むことから、必然的に商品・サービスの質も向上していきます。

その結果、売上などにも好影響をもたらし、企業価値の向上につながる好循環を生み出していくのです。

働き方に対する多様な価値観

かつての日本では、終身雇用によりひとつの企業で働き続けるといった働き方が重視されていました。しかし、近年は急速なデジタル技術の進歩により、フリーランスやリモートワークなど多様な働き方がみられるようになりました。

自分のスキルに合わせて会社や働き方を選べる時代になっているため、人材の流動化も顕著になりつつあります。そのため、企業側としては今いる人材が自社に愛着をもって貢献し、長く働き続けてもらうためにも、エンゲージメント経営が注目されています。

エンゲージメント経営を導入するメリット

企業の経営課題を解決できると期待されるエンゲージメント経営には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、エンゲージメント経営を導入するメリットを4つ紹介します。

  • 離職率の改善
  • 生産性の向上
  • 組織力の強化
  • 社会的評価の向上

それぞれ詳しく解説します。

離職率の改善

エンゲージメント経営を導入すると、離職率を改善させる効果が期待できます。エンゲージメントの高さは、離職率の低さと相関関係があり、エンゲージメントを高めることで既存人材の定着につながると考えられています。

人材の流動性が高まり、転職がより身近になっている近年では、今まで以上に従業員の離職率を改善するために、待遇を見直して既存人材の流出を予防していくことが求められています。

待遇面の改善にあわせて、従業員エンゲージメントを向上させることで、従業員が働きがいを感じられる労働環境を整備できれば、離職を考えるきっかけや離職の原因を解消することを見込めます。

生産性の向上

エンゲージメント経営に注力すると、各従業員の生産性が大幅に向上するメリットがあります。組織が目指すべき姿を理解した従業員の中から、強い熱意を持って業務に取り組む者が現れ、企業の成長に大きく貢献してくれるはずです。

強い熱意を持った従業員に引っ張られる形でチーム全体の生産性が向上するため、限られたリソースの中で、最大限の成果を生み出すことができるでしょう。

組織力の強化

エンゲージメント経営によって企業と従業員の結びつきが深まり、関係性が良好になる効果が期待できます。エンゲージメントが高い企業では、従業員自身が自分の置かれている環境を前向きに捉えている傾向があります。

従業員が組織を信頼する相互関係を構築できれば、どんな課題にも果敢にチャレンジして、苦難を自ら乗り越えようという心理が働き、より主体的に行動できる環境が整うでしょう。

エンゲージメント経営の導入は、組織を活性化させ、従業員のモチベーションを高め、結果的に組織力の強化につながります。

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社会的評価の向上

従業員が積極的に企業へ貢献することにより、商品・サービスの品質が向上します。それにより、顧客エンゲージメントを高めることにもつながり、社会的評価も向上していきます。

外部から「社員を大切にする企業」というイメージが定着することで、優秀な人材が集まりやすくなります。さらにその人材が企業の社会的価値を向上してくれるといった好循環が生まれるでしょう。

エンゲージメント経営の流れ・実践方法

ここまで、エンゲージメント経営が注目される背景と導入のメリットを解説してきました。そのエンゲージメント経営のメリットを享受するために、導入・実践手順をしっかり押さえていきましょう。

ここから、エンゲージメント経営の流れと実践方法のオーソドックスな流れを紹介します。

エンゲージメントスコアの測定

自社のエンゲージメントを改善するにあたり、まずはエンゲージメントスコアを測定します。エンゲージメントスコアの測定は、社員と企業の絆を可視化し、愛着心や信頼などの目に見えない要素を数値化する重要な手法です。

エンゲージメントスコアの診断は、専用の診断サービスを利用することで簡単に把握できます。自社の状況に合わせてエンゲージメント経営を導入するために、エンゲージメントスコアの診断を有効に活用しましょう。

問題点・改善点の可視化

エンゲージメントスコアの測定後は、結果の詳細を確認して、自社が抱えている課題や強みなどを明確にしていきましょう。

スコアの分析を通じて、「社員教育の時間不足」や「中堅社員の成長機会の不足」など、具体的な問題点を抽出して課題の整理をします。それにより、組織が直面する具体的な課題を可視化でき、効果的な改善策の検討へとつなげることが可能です。

具体的な施策とガイドライン作成

エンゲージメントスコアの測定結果から生まれる課題に対処するため、研修制度の改善や目標設定方法の見直しなど、具体的なガイドラインを作成していきます。

ガイドラインがあることで、問題解決へのアプローチ方法を明確にすることが可能です。同時に、企業側も改善に向けて動いていることを従業員へアピールできるため、できる限りオープンにしましょう。

改善実施後の再測定

改善対策を実施後、改めてエンゲージメントスコアを測定します。スコアに改善が見られない場合、新たなエンゲージメント向上施策を策定することが必要です。

PDCAサイクルを回し、効果測定を実行、正確な改善プランを策定して実行に移すことが重要です。このステップを踏むことにより、持続的かつ効果的な従業員エンゲージメントの向上が実現できます。

エンゲージメントを向上させるポイント

ここでは、エンゲージメント経営に取り組むうえでのポイントと従業員エンゲージメントを向上させる方法を7つ紹介します。

  • 長期的な視点で取り組む
  • MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の浸透させる
  • 働く環境を整備する
  • 従業員からの意見に耳を傾ける
  • 社内コミュニケーションを活性化させる
  • 管理職のマネジメントスキルも高める

適切な人事評価制度を構築する

それぞれ詳しく確認していきましょう。

長期的な視点で取り組む

エンゲージメント経営の成果を得るには、持続的なアプローチが不可欠です。長期的な計画を立てて、エンゲージメントスコアの着実な向上を目指しましょう。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させる

企業を成長させていくには、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を組織全体に浸透させることが欠かせません。MVVとは、「ミッション=使命」「ビジョン=理念」「バリュー=行動指針」を意味し、企業と社員が同じ目的や目標を共有するために欠かせない指標です。

MVVの概念を社内で普及し、社員に浸透させることで、組織への帰属意識が高まります。

働く環境を整備する

エンゲージメント向上において、職場環境は重要な要素です。従業員が人間関係や業務工程にストレスを感じることなく、心身ともに健康で仕事ができる環境が理想的です。このような職場を整備できれば、従業員のモチベーション向上や生産性の向上が期待できます。

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従業員からの意見に耳を傾ける

上層部だけではなく、従業員の意見も参考にしながらエンゲージメント向上の対策を進めましょう。現場の声をしっかりと把握し、そのフィードバックをもとに具体的な施策へ落とし込むことで、企業への信頼感を高めることにもつながります。

社内コミュニケーションを活性化させる

エンゲージメントを向上させるには、従業員同士のコミュニケーションを活性化させることが重要です。異なる部署同士を結ぶネットワークができることで、信頼関係を築きやすくなります。また、チャットツールや関連システムの導入もひとつの手です。

管理職のマネジメントスキルも高める

エンゲージメントの向上には、管理職のマネジメントスキルの向上が不可欠です。上司からの適切な業務指導があってこそ、部下のスキルは伸びます。従業員が自分のスキルに不安を抱いている場合には、セミナー参加などの提案を通じてスキル向上の機会を提供してあげるのもひとつの手です。

適切な人事評価制度を構築する

従業員に対して、納得感のある人事評価基準を確立しておくことが重要です。実力に応じた役職や報酬が公平に約束される評価制度を構築することで、社内競争を促進し、従業員の定着率の向上を実現できます。

まとめ

エンゲージメント経営をすることで、従業員が企業への愛着度を高めることを背景に業務へのモチベーションを向上させることが可能です。離職率を下げられることはもちろん、生産性を上げて企業価値そのものを向上させられるメリットもあります。

エンゲージメントを高めるためには、優れたミッション・ビジョン・バリューを浸透させることが重要です。あわせて、従業員にとって働きやすい環境を整備し、社内コミュニケーションの活性化に取り組むようにしましょう。

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