九州大学大学院 / 経済学府経済システム専攻
修士論文『付加価値貿易データを用いた対中輸入が日本の地方雇用に与える影響の検証』
中国からの輸入増加が、日本の製造業雇用にどのような影響を与えるのかについて分析を行いました。国際分業を正しく計測できる新たな貿易指標、付加価値貿易データを当該分野で初めて用いた分析です。結果として、中国からの輸入による国内製造業雇用の減少は、中国が加工貿易による再輸出として用いた海外からの付加価値によって生じていることを明らかにしました。付加価値指標を用いることで、各国から中国への中間財の輸出が、巡りめぐって日本への最終財輸出として国内競争を激化させるというチャネルを明らかにした功績を高く評価していただきました。