ChatGPTに働く上での自律とは何?と聞くと「自律とは、自分で考え、選び、行動すること」と答えてくれました。
うん、確かにその通り。でも、実際のところ言葉の意味はわかっていても、社会に出てから「自律して働く」とは、分かるようで、分からないものですよね(笑)
社会に出ると、どんな場面においても「自律」が求められるようになります。
自分で考え、選択し、行動する。
それは簡単なようで、最初は誰にとっても大きな壁かもしれません。
多くの人は、社会人としての第一歩を踏み出すとき、「ただ生活のため」だけに会社を選ぶわけではないと思います。
自分のやりたいことや理想の姿、つまり自己実現を目標に、自分のビジョンと会社のビジョンが重なる所を求めて入社を決断する。
私自身も、かつてそうでした。
弊社では会社と個人の目線合わせのために、組織および個人として必要なマインドや能力をスキルマップ(通称:PSマップ)として明文化しています。
このスキルマップは、現場と対話を重ねながら検討し、アップデートしています。
その検討の中でよく出てくるテーマが『自律』です。
私自身も十数年と社会人として働き、今ではリーダーとしてスタッフと向き合っています。
その中で、『自律』って何だろう?と改めて考えることが増えました。
今日は、私なりの『自律』について、少しお伝えできたらなと思います。
一つの考えとして読んでもらえたら嬉しいです。
会社視点:一人の自律からチームの信頼関係が生まれる
会社では「成果を出す」ことが求められる場面が多いです。
経済的な価値を生み出すためには、組織の一員として役割を果たし、クライアントや周囲から信頼を得ることが必須です。
特に若手のうちに、こうした信頼を少しずつ積み重ねていくことが、成長と自律に向けた足がかりになります。
まず私の経験で意識したことは、自分の役割を客観的に理解すること。
自分の役割を少し俯瞰して見てみると、チーム内で自分が何を担っているのかが見えてきます。最初は、少し離れた視点から全体を眺めてみるだけでも、新しい気づきがあるかもしれません。
ここで大切なマネージャーの視点は、自律を育む事は個人に任せっぱなしにすることではなくマネージャーが伴走し、自らの考える力を引き出す「きっかけ」となることを心がけています。
例えば、目標設定の場面では、単に指示を出すのではなく、メンバー自身が「何が課題で」、「何を達成すべきか」それには「どんな行動が必要か」を考える過程を伴走します。
この時、答えを開示するのではなく、問いを提示し、選択肢や判断基準を一緒に整理することが大切な事ではないでしょうか。
また、行動の振り返りや成果確認の場面でも、単なる評価ではなく、自分の行動がチームや組織の成果にどの様につながったか、本人と一緒に整理することが重要と考えています。
こうしたプロセスを通じて関わることで、メンバーは「自分の判断や行動がチーム全体に価値を生む」という実感を持てると思います。
個々の自律が育まれることで、チームの中にも自律的に動く文化が自然と根づきます。
また、それぞれの自律が重なり合うことで、チームは指示を待たずとも動けるようになります。
その結果、良い成果や前向きな変化を生み出し続けられるよう、建設的で前向きなチームを目指しています。
次に私が意識したことは、相手の発言や意図を正しく理解し、対話を通じて共に成果をつくっていくことです。
私たちのチームは会社の目標を踏まえつつ、チーム目標を設定しているため、各自がその目標を正しく理解し、対話しながら遂行することで、成果を少しずつ形にできるよう協力しています。
ただ受け身で仕事をこなすのではなく、さらに一歩進んで自分の考えやアイデアを加えてみると、チームにとっても個人にとっても、より良い成果につながることもあります。
ただし、自分の考えや感情に囚われすぎると役割を正しく理解できず、客観的に見ることが難しくなります。
その結果、誰かの助力を得て達成したことを、一人でやり切ったと思い込んでしまったり、自分のすべき事を蔑ろにし、役割外の行動を優先して「必死に頑張っている」と感じてしまうことがあります。
こうした状態では、会社の視点と個人の視点にズレが生じ、努力しても会社からは評価されず、また自己実現につながりにくくなってしまいます。
これは若手が陥りやすい“落とし穴”だと感じています。
まず、自分の立ち位置を意識しつつ、チームとの信頼を少しずつ積み重ねること。
これが、自律への確実な第一歩です。
当時の私は、ただ”与えられた仕事をする”ことが自律だと思っていました。
また、役割の中での”正しさ”に囚われすぎていたこともあります。
でも、少しずつ経験を積む過程で、本当の自律とは「働くことの意味を考え、自分の成長や社会とのつながりを意識しながら、仲間と一緒に前に進むこと」だと感じるようになりました。
こうした姿勢を持つことで、日々の仕事や経験が、より意味のあるものになり、少しずつ自分の可能性を広げられる気がしています。
個人視点:成長と自己実現に向けての自律
働くことは、自分の能力や個性を発揮し、挑戦を通じて成長する「自己実現のプロセス」です。
その中で、仕事が「生きがい」や「アイデンティティ」と重なる瞬間もあります。
ここでの自律とは、自分なりに考えたことを「計画」→「学習」→「実践」→「検証」し、自分のスキルとして定着させる。この一連のサイクルを自分の力で回しながら成長する力を指します。
具体的には、なりたい姿を描き、客観的な自己評価を行うことで課題を明確化し、課題に対して具体的なアクションプランを立てて能動的に取り組むこと。
そして、習得した知識やスキルを実践で活用することです。
自律の第一歩は、なぜその行動を選んだのか、その行動がどんな価値を生むのか、「自分がどう考えて行動したのかを整理すること」です。
また、その課題は自分に起因するのか、それともチームや会社、外部パートナーなのか、クライアントなのかなど、どこに要因があるのかを見極めて、自分の役割を全うする。
こうした考えと行動の積み重ねが、自律の“幅”を広げ、仲間から信頼される自律へとつながります。
信頼は行動の一貫性と責任感、課題の解決から生まれます。
私たちは、スタッフ一人ひとりが自律的に成長できるよう、目標とする5年後の自分の像からバックキャスティングを活用した目標設定と定期的な1on1を実施しています。
会社の方向性と本人の自己実現が重なり合う領域を一緒に探りながら、新なチャレンジを支援する。
その過程で生まれる課題や困難を共有し、ともに解決策を考えることで、自分の責任で仕事を全うする力を育んでいます。
自分で考え、学び、実践して、信頼を積み上げることで、「この人に任せれば大丈夫!」という仲間からの信頼が生まれ、任される裁量と責任の幅が広がり、自分が描いたキャリアの実現に着実に近づいていきます。
「自律した人」とは、与えられるものをただ受け取るだけではなく、
自分で考え、行動し、仲間と協力しながら新しい価値を創り出せる人だと思います。
私は、つまり『自律』とは信頼のことだと考えています。
まずは、小さな一歩でも、自分で考え、行動してみてください。
不完全でも大丈夫です!みんなも同じように少しずつ進んでいます。
私もたくさん失敗しながら、少しずつ前に進んでいます。
その一歩一歩の積み重ねが、これからの歩みをより力強く、確かなものにしてくれると思います。