【M&A(グループジョイン)対談①】「正直、最初は大嫌いでした」──切磋琢磨したライバルが、店舗経営の未来を創る"共創"の仲間になるまで。|株式会社カンリー 公式note
株式会社カンリーは、一つの大きな転換点を迎えました。 店舗支援領域における3つの事業のM&A(グループジョイン)。 そして、世界170カ国以上で利用される情報管理プラットフォーム「Uberall」との国内独占契約の締結。 ...
https://note.com/canly/n/n1a2329b62280
※このストーリーは、noteで発信した記事を転載しています。
株式会社カンリーは、一つの大きな転換点を迎えました。
店舗支援領域における3つの事業のM&A(グループジョイン)。
そして、世界170カ国以上で利用される情報管理プラットフォーム「Uberall」との国内独占契約の締結。
これらは単なる規模の拡大を目指した「事業買収」ではありません。私たちが掲げる「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」というミッションを完遂するために欠かせない、必然的な「共創」の形です。
私たちはM&Aを、単なる「買収」ではなく、志を同じくする仲間が合流することと捉え、「グループジョイン」と呼んでいます。
しかし、異なる文化や歴史を持つチームが一つになることは、決してきれいごとだけでは進みません。
今回、この大きな決断の裏側にあるドラマを紐解くべく、グループジョインに至った各社のインタビューを実施しました。
第一弾となる本記事では、株式会社リカバリー代表・原口浩一氏との対談をお届けします。
総合広告代理店、ITベンチャー、DBマーケティング等、法人営業を経験した後、2018年1月、株式会社リカバリーを立ち上げ、「Uberall」の国内統括代理店事業を牽引。現在は自らUberall事業を牽引し、新たなパートナーシップ戦略に注力している。オフは釣り、ゴルフ、ランニング、畑仕事と多趣味。
国内外125以上の媒体に掲載されている自社情報を一括管理できるクラウドプラットフォーム「Uberall」の日本総代理店。
世界170カ国、130万店舗超で採用される実績やノウハウを活かし、AI時代の検索体験最適化を実現しています。
ーー お二人の接点は2020年9月、辰巳さんから送られた一通のメッセージだったと伺いました。当時の状況を教えてください。
辰巳:
当時のことは鮮明に覚えています。僕らは「カンリー店舗集客」をリリースして間もない頃で、とにかく必死でした。そんな時、知人を通じて「原口さんというMEO領域において凄い人がいる」と聞いたんです。直感的に「この人を巻き込んでカンリーを大きくしたい」と思い、メッセンジャーを通して面談を申し込みました。
原口:
当時連絡がきた時は、てっきり「Uberallを売りたい」と、お願いをしにくるのかと思っていました。ところが、Zoomに現れた辰巳さんは、開口一番こう言ったんですよ。
「カンリーを売ってください」と。
驚きましたね。「立場が逆なんじゃないか」と思いました(笑)。こちらは外資の看板を背負って、実績を積み上げてきている自負があって。それなのに、まだ実績も乏しい若者が「僕たちのプロダクトを担いでほしい」と言ってきた。
ずいぶん生意気なやつだな、というのが正直な第一印象でした。なので当時は全く乗り気じゃなく、辰巳さんの申し出を丁寧に断ったんです。そしたら最後に辰巳さん、何て言ったと思いますか?
「一緒に業界を盛り上げませんか?世界を変えましょう!!」と。
辰巳:
そうでしたね...(笑)
でも、僕は本気でした。原口さんという圧倒的な突破力を持つリーダーと、僕らのプロダクトが合わされば、市場に大きなインパクトを与えられると確信していたんです。ただ、その時は全く相手にされなくて。
原口:
初回打ち合わせの最後の辰巳さんが爽やかに言った「一旦、さよなら」は今でも忘れられません。呆れる反面、妙に耳に残る強烈な自己主張でした。そこから数年、カンリーは猛烈な勢いで成長し、僕らと同じ市場で切磋琢磨する存在になった。僕にとってカンリーは、常に動向をチェックしなければならない、最も手強く、意識せざるを得ないライバルになったんです。この時は世界一嫌いなのが辰巳さんでしたね。(笑)
ーー 切磋琢磨してきた関係だったところ、なぜ「M&A」という選択に至ったのでしょうか。
原口:
少し時は進んで2024年、リカバリーは文字通り「最大の危機」に直面していました。自社の組織課題が深刻化し、僕の経営手腕のなさから、内部崩壊に近い状態に陥っていたんです。
自己資金だけでこの状況を立て直し、ふたたび成長軌道に乗せるには、あまりにも時間が足りない。会社を、そして残ってくれたメンバーを守るためにはどうすべきか。3~4カ月間、四六時中悩みました。本当に人生のどん底でしたね。
そんな折、起業から一緒にやってきた谷口取締役が、「原口さんをこんなところでは終わらせない。僕がリカバリーを立て直す」と言って、共同代表を引き受けてくれたんです。
谷口さんとどうすべきか、日々話し合い、立て直しの最善策はM&Aではないかと結論付けました。
そんな時、谷口さんの信頼できる知人から、「カンリーの冨岡さん(現カンリーCFO)を知っている」と紹介を受けたのが、再会のきっかけでした。
辰巳:
原口さんたちの合流は、僕たちにとってまさに「悲願」でした。しかし、契約締結に至るまでには、包み隠さずお伝えすると実は2度の「ディールブレイク(交渉決裂)」の危機があったのです。
1度目は、経済条件の壁でした。リカバリーさん側で主要顧客の解約が発生し、前提条件が崩れてしまったのです。そして2度目はこれは完全に僕自身の不徳の致すところなのですが、「信頼」の危機でした。あろうことか、僕は重要な交渉の場に2回も遅刻・欠席をしてしまったのです。理由の如何に関わらず、最も重要な局面でのそうした振る舞いは、相手に「この人と組んで大丈夫か?」という疑念を抱かせます。
一度は完全に信頼を失いかけました。その後、誠心誠意背景をお伝えし、謝罪と対話を重ねることでなんとか信頼を回復できましたが、私はこの時、猛省とともに大きな学びを得ました。
M&A(グループジョイン)は、単なる条件面のマッチングではありません。「人として、相手とどう向き合うか」。そのプロセスの一つひとつが試されているのだと。ビジネスである以前に、人と人との信頼契約なのだという当たり前の事実を、僕はこの失敗から痛烈に学ばせてもらいました。
原口:
M&Aを検討開始した当初は、「なぜ、最競合の軍門に降らなきゃいけないんだ」という経営者としてのプライドが、どうしても邪魔をしていました。
それに、並行して別の会社からも非常に魅力的な提案をいただいていたんです。その提案内容は「50社をロールアップして上場を目指す、その中核を担ってほしい」という内容でした。まさに、カンリーか別の会社か。極限の状態まで、僕の心は揺れ動いていました。
でも、ある出来事が僕の考えを根本から変えたんです。
ーー それは何だったのでしょうか。
原口:
運命が決まったのは、ドイツにあるUberall本社への視察を終えた帰り道でした。羽田空港に降り立ち、自宅へ向かうタクシーに辰巳さんと二人きりで乗り込んだ時です。それまで仕事の話をしていた辰巳さんが、ふと真剣な表情になり、僕の目を真っ直ぐに見てこう言ったんです。
「原口さん、これまで競合として色々なことがありました。でも、僕はやっぱり原口さんと一緒にやりたい。カンリーは本気で店舗経営のあり方を変え、世界的なインフラを目指しています。その高い山に登るためには、原口さんの力が、どうしても必要なんです。一緒にアジアへ、そして世界へ行きましょう」
その言葉には、経営者としての駆け引きや損得勘定といった打算は、一切なく、ただ純粋に、一人の人間として僕を必要としてくれている、震えるような誠実な熱量が伝わってきました。
「この人の掲げる夢になら、自分のこの先の人生を賭けてみてもいい」これが運命なんだと腹が決まったんです。
辰巳:
原口さんが最後まで迷い、葛藤されていることは痛いほど分かっていました。でも、僕の心の中では答えは一つだったんです。「ここで原口さんというパートナーと一緒に仕事をできなかったら、一生後悔する」と。
原口さんが長年かけて築き上げてきたUberallとの強固な信頼関係、ゼロから市場を切り拓いてきた圧倒的な「突破力」、そして何より原口さん含めたリカバリーメンバーの「人間性」。それは、僕らが「店舗経営を支えるインフラ」という壮大な理想を実現するために、絶対に欠かせない最後のピースだと強く確信していました。
結果として、こうして同じ船に乗っていただけたことを、心から嬉しく思っています。と同時に、原口さんのような覚悟を持った方を仲間に迎えた以上、僕自身もさらに器を広げ、成長し続けなければならない。改めて、経営者として身が引き締まる思いでした。
ーー 実際グループジョインを実行して、カンリーのメンバーと密にコミュニケーションを取る機会も増えたと思います。率直に今の心境はどうですか。
原口:
ジョインを決める前から感じていたことではありますが、実際に中に入って改めて驚かされたのは、カンリーという組織の「誠実さ」ですね。
実は、グループジョインに向けたデューデリジェンス(資産査定)の過程で、僕らは自社の内部課題もすべて、包み隠さずお伝えしたんです。
本来であれば、買い手側に不利な情報を出せば、条件を厳しく引き下げられたり、最悪の場合は破談になったりしてもおかしくない局面でした。でも、辰巳さんたちはそれらを受け止めた上で、「それも含めてリカバリーさんの歴史であり、現状ですよね。全部一緒に乗り越えていきましょう」と言ってくれた。
辰巳:
僕は、企業と企業が一つになることは、人生における「結婚」と同じだと思っているんです。調子が良い時だけ一緒にいるのは、本当のパートナーではありません。泥臭い部分も、苦しい局面も共有し、背中を預け合えるかどうかがすべてです。
カンリーは「カルチャー経営」を掲げ、何よりもバリューを重視しています。今回ジョインしてくださったリカバリーのメンバーの皆様が、当社のカルチャーとフィットするかどうかは、戦略以上に重要視した点でした。原口さん、共同代表の谷口さん、そして関わるリカバリー関係者が見せてくれた誠実さは、まさに僕たちが大切にしているバリューそのものでした。
ーー 「誠実さ」というキーワードが出ましたが、特にどのあたりでそれを感じられたのでしょうか。
辰巳:
原口さんの誠実さはもちろんですが、「共同代表制」という経営スタイルでうまくいっていることも大きいです。実は、共同代表という体制を維持し続けるのは、決して簡単なことではありません。
僕ら自身、創業から今日まで共同代表の辰巳、秋山と二人三脚で経営してきましたが、エゴを捨てて常に同じ方向を向き続けるには、並大抵ではない相互理解と忍耐、そして信頼が必要です。
リカバリーという会社が、今日まで共同代表制で力強く歩んでこられたこと自体が、原口さんと谷口さんがいかに誠実に、逃げずに、お互いと向き合ってきたかの何よりの証明だと思うんです。その「誠実さの土台」を築き上げてきたお二人だからこそ、僕らは一切の迷いなく背中を預けられると確信しました。
原口:
そう言っていただけると、これまでの苦労も報われますね。世界一嫌いだったのに(笑)。
ジョインしてからは、僕は「カンリーの父」……いや、本音を言えば「兄貴」的な存在として(笑)、若手のメンバーとも積極的に関わっています。彼らと話していると、本当に優秀で、僕が過去に試行錯誤しながら苦労して作り上げようとした組織のあり方を、すでに高い次元で形にしている。そこに、僕が現場で培ってきた「泥臭い突破力」や、「営業経験」を掛け合わせれば、今までにない大きな化学反応が起きる。今はその確信しかありません。
ーー 今回の統合に合わせ、世界170カ国以上で利用される「Uberall」の国内独占販売契約を締結されました。これを「自社だけで囲い込まない」と明言されていますが、その真意を教えてください。
辰巳:
正直に申し上げると、以前の僕たちであれば「自分たちだけの強みとして囲い込もう」と考えていたかもしれません。これまでは、自分たちが勝つこと、シェアを広げることに必死で、ある種狭い視野で戦っていた時期もありました。
しかし、日本には520万(※1)を超える膨大な数の店舗が存在します。これらすべての店舗が抱える課題を、カンリーという1社だけの力で解決し、支援し続けることは、物理的にも時間的にも不可能です。
私たちが目指すのは、一部の店舗だけを勝たせることではなく、日本の店舗経営を支える「インフラ」になることです。であれば、私たちがUberallという世界基準のプラットフォームを日本に根付かせる「責任主体」となり、その機能を競合他社も含めたパートナー企業の皆様へ広く開放すべきだ、という結論に至りました。
(※1)GMOインターネットグループ「エキテン」の掲載店舗数より引用
原口:
この決断は、店舗支援業界にとって極めて大きな一歩だと思います。
これまでは、似た領域のサービスを持つ会社同士が、わずかな機能の差を競い合い、激しい価格競争など不毛な消耗戦を繰り広げてきた側面が否めませんでした。
しかし、その戦いに費やしていたエネルギーを、本来向き合うべき「店舗の成功」のために全力で注げれば、業界全体がもっと良くなるはずです。
カンリーが独占権を取得したのは、決して利益を独占するためではありません。日本市場におけるサポート品質を世界基準で担保し、誰もが安心して利用できる「公道」を整備するためなんです。
辰巳:
今回、Uberall社との独占契約が実現したのは、他でもない原口さんをはじめとするリカバリーの皆さんが、長年かけて築き上げてきた深い信頼関係があったからです。そのバトンを私たちが受け取った以上、自分たちの利益のためだけに使うようなことはしたくない。
「競合」を「共創」に変える。昨日のライバルであっても、店舗業界をより良くしたいという志が同じであれば、僕らはいつでも喜んで手を取り合います。
実際、今回の発表にあたって事前にいくつかの事業者様にお話しした際も、「これこそが本来あるべき姿だ」「共に業界を盛り上げたい」という前向きな声を多数いただきました。私たちが理想としていた、手を取り合って業界を底上げする「インフラ」の形が、ようやく見えてきたと感じています。
(※1)総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査結果」より
ーー 原口さんは、カンリーが掲げる「店舗経営を支える、世界的なインフラを創る」というミッションを、一人の経営者としてどう捉えていますか。
原口:
カンリーの事業計画を初めて見せてもらったとき、その視座の高さには驚かされました。「本気でここまでやるつもりなのか」と。でも、同時に納得もしたんです。これくらい圧倒的な器の大きさ、そして良い意味での「目指す理想」がないと、世界的なインフラなんて創れるはずがない。
彼は単に一企業の「経営」をしているのではなく、店舗という巨大な「産業」そのものをアップデートしようとしている。その覚悟に触れたとき、かつてライバルとして戦っていた頃の感情は消え、純粋に一人の起業家としてリスペクトの念が湧いてきました。
辰巳:
僕らにとっては、それは単なる「目標の数字」ではなく、背負わなければならない「使命」に近いものなんです。
今の店舗産業は、いまだにアナログで労働集約的な部分が多く、テクノロジーの恩恵を十分に受けられていない「負」が至る所に放置されています。AIの力を使い、ヒトの温かみを最大限に活かしながら、マーケティングからバックオフィスまでを一貫して支える仕組みを全世界で展開したい。お店で働く方々が、もっと創造的な仕事に集中できる世界を創る。それが僕たちの責任だと思っています。
原口:
僕は今回M&Aという選択をしましたが、これで引退して隠居するつもりなんてさらさらないんですよ(笑)。
この大きな志を、辰巳さん・秋山さんという二人の稀代のリーダーと共に、同じ船に乗って向かっていける。それが、今の僕にとって何よりも面白い挑戦なんです。
辰巳:
原口さんのような百戦錬磨の先輩が、こうして本気でこの挑戦を楽しんでくれている。それが僕らにとって、どれほど大きな勇気になっているか計り知れません。
今回の事業統合は、あくまで第一段階に過ぎません。僕らはこれからも「店舗経営を支えるインフラ」という高い山を共に登る「仲間」を増やし続けます。自社だけで完結するのではなく、志を同じくする人たちと手を取り合うことでしか、この山は登りきれない。そう確信しています。
ーー 最後に、この記事を読んでいる読者、そして未来の仲間へメッセージをお願いします。
原口:
もし、今この記事を読んでいる経営者の方の中に、一人で戦い続けることに限界や孤独を感じている方がいたら、ぜひ一度、カンリーの門を叩いてみてほしい。
ここには、過去のわだかまりさえも笑い飛ばし、より大きな理想のために手を取り合える誠実さと懐の深さがあります。一社では成し得なかった景色を、このチームなら見ることができるはずです。
辰巳:
「良いお店」が、正しい情報発信ができないという理由だけで、お客様に選ばれなくなってしまう。そんな悲しい未来を、僕らはテクノロジーとヒトの力で変えたい。
店舗業界の歴史を塗り替えるインフラを、僕らと一緒に創りませんか。切磋琢磨したライバルだった僕らが、今こうして同じ未来を向いて肩を組んでいる。それこそが、僕たちの掲げる「共創」の本気の証明だと思っています。
かつて市場で切磋琢磨し合うライバルだった二人が、今は互いの強みを認め合い、同じ船に乗って世界を見据えている。対談中、時折冗談を交えながらも、店舗業界の未来を語るその眼差しは、終始、熱気に満ちていました。
カンリーが進める「グループジョイン」は、単なる資本の移動や事業の買収ではありません。それは、バラバラだった個の力を束ね、まっすぐに店舗業界を支援するという「意志の結集」です。
店舗経営を支える、世界的なインフラへ。 “第2創業期” を迎えたカンリーの挑戦は、ここからさらに加速していきます。
Uberallの活用・パートナーシップ
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M&A(グループジョイン)・アライアンス
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