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第3回_未経験者を積極採用するAdjustHRの仕事の進め方と人材に求める資質

社会保険労務士法人AdjustHRでは、現在、人事労務や社会保険労務士の業務経験に囚われず、未経験者も積極的に採用しています。これには、「AdjustHRと一般的な社労士事務所では仕事の内容が異なる」という背景があります。

具体的にはどのような違いがあるのか、そしてAdjustHRが理想とする社労士・人事労務専門職に必要な資質とはどのようなものなのか、代表の中野さんに教えていただきました。

企業の成長にコミットするため、人事労務の仕組みづくりから行う

―最初に、AdjustHRと一般的な社労士事務所の業務の違いについて教えてください。

中野:一般に社労士事務所というと、企業から「この手続きをやってください」と依頼を受けた仕事をこなすイメージが強いかもしれません。しかし本来社労士事務所が目的とすべきは、手続きや、給与計算を代行することではありません。社会保険労務士法第1条の目的で定められている「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」なのです。つまり、とにかく顧客企業の成長と、従業員の安心して仕事ができる環境は不可分な関係だと法律も説明しており、いずれにもコミットすることが重要な目的なのです。

こうした本質を理解して業務を行っている社労士は非常に少ないのが現状ですが、AdjustHRのミッションは、「会社と従業員の幸せを最大化する人事労務の専門家集団」です。よって、その目的に沿い、単に依頼を受けた仕事をする業務ではなく、企業ごとにその課題や状況を踏まえ、自ら仕事を作っていくことで、より幅広く人事労務を支援し、経営や従業員に資する仕事を常に志向しています。そのため、顧問先の企業ごとにオーダーメイドに近い仕事が増える傾向にあります。

―具体的にどのようなプロセスで仕事を行うのでしょうか?

中野:給与計算を例にしてみましょう。一般的な社労士事務所における、給与計算の業務は、「指定のフォーマットに勤怠や変更点を記録して資料を提出してくれれば、私たちが給与計算システムに流し込みや、打ち込みを反映し、給与明細をお渡しします」という流れになります。つまり、多少高度な事務入力作業の範囲を出ないのです。

一方で、AdjustHRの場合は、給与計算はそのような業務ではありません。給与明細を発行することがゴールなのではなく、給与計算という業務全体を捉え、より良い結果を生むことがゴールだと捉えます。まずそもそもその企業が勤怠の集計システムや集計方法について、問題がないかの確認から始まります。また、その設定や法的な問題だけではなく、例えば、勤怠の取得から給与明細発行までのプロセスに、オペレーション上の非効率が無いかも担当者と一緒に検討をします。問題があれば、原因を追求し、システムやエクセル等の設定や処理にあるのか、はたまた人事労務担当者のオペレーションや、AdjustHRの工夫次第で改善可能なことの処理にあるのかなど、現状を細かに確認。その上で改善の提案をし、業務をより精度が高く、効率的なものに変えていきます。また、ゴールである経営サイドが何を望むか、という仮説を常に共有して業務設計や成果物のイメージを作り、給与明細という資料の前後における業務にわたり、支援を進めます。必要によりスプレッドシートやエクセルのフォーマットをご用意して、上手く勤怠管理を行うイメージを共有します。きちんとデータを取得できた段階で、実際の給与計算の処理を行う流れになるでしょう。

―給与計算の処理業務においても、幅広く支援する必要があるのですね。

中野:そのとおりです。給与改定の連絡があれば、どのタイミングでどのような形で給与を支払うのか整理もします。制度を運用した結果、ルールの改定が必要であれば、就業規則等の考慮をした上で、新制度の提案や制定し、雇用契約書の用意や、社員向け説明会をご支援するなど、包括的に改定プロセス全体を支え構築する所まで積極的にフォローしていきます。

この様な業務をさせて頂いているので、特にスタートアップ企業や人事労務専門職が少ない企業からのご相談においての場合は、人事労務の立ち上げ時点からご相談いただくケースが多いです。AdjustHRは「単なる手続き」の代行業務ではなくではなく、「適切でスムーズな人事労務業務を軸とした、会社を成長させるための仕組みづくり」を積極的にご支援させて頂いています。


「人事労務はこうあるべき」という固定概念と取り払って働いてほしい

―なぜ、今ご説明いただいたような業務の違いが生まれるのでしょうか?

中野:繰り返しになりますが、やはり企業の成長にコミットしようとする姿勢があるかどうか――すなわち、経営視点を持って経営者や経営者の思いと向き合っているかどうかが大きな違いを生んでいます。私たちは企業の事務員となるために居るわけではありませんが、ただ業務の依頼を待って、言われた作業をしていれば、それは作業員や、1問1答のQA解説員に近い仕事になっていきます。

しかし、経営視点で人事労務に向き合ってみれば、「人事」の一部として、労務が非常に重要な存在であることが見えてきます。第1回目のインタビューに記載の通り就業環境を整えることは、既に会社にとって当然の責務となっており、働く従業員にとっても就業を継続し、活躍する上で最も基礎となる要件と言えます。労務は「守り」の業務に見えますが、裏を返せば企業の土台であり、また昨今の労働環境に対する社会的な要求を企業が満たして行くために、人事労務は「前進する守備」という業務に変質していく必要があります。

経営戦略を実行するために強固な労務が必要だという視点は、実は経営者自身ですら抜け落ちているケースが間々あります。また、社会保険労務士や人事労務の担当者も従来の業務内容に縛られ、「誰も変化に対応する」行動を起こさない状況が起きがちです。ですから、私たちAdjustHRはご支援の際、顧客に対して労務の重要性をお伝えし、人事労務が前進し、より幅広く企業に活かすことができるようにご支援しています。

―AdjustHRが未経験者採用に積極的なのは、こうした一般的な社労士事務所との違いも背景にあるのでしょうか?

中野:そうですね。AdjustHRは今までの社労士がこなしてきたのとは違う、「新しい人事労務の在り方」をご提案しようとしています。そうなると、社労士事務所での経験がかえってネガティブに働くケースがあるかもしれません。特に「社会保険労務士業務は標準的にこう実施すべきだ」とか、「顧問先企業に深く入り、幅広く業務をすると仕事が増える」など、事務的な固定概念が強いと、AdjustHRが理想とする社労士に成長してもらう上で、足かせになってしまうのではないかなと。

未経験でなんの先入観もないフラットな状態でジョインしていただいたほうが、AdjstHRでは活躍しやすいだろうと考えて、未経験者の採用を行っています。もちろん、社労士業務や人事労務業務の経験があり、その業務内容に不足を感じたり、より幅広い業務にチャレンジしたいと感じた方も歓迎しています。


顧客の声にじっくり耳を傾けた上で専門性を発揮できる人が必要

―では、AdjustHRが求める人物像についても教えてください。

中野:大きく2つの軸があります。

一つは、人の話を聞くのが好きな方ですね。組織が掲げるバリューの中でも「聞く姿勢」を重視しており、実際に相談を受ける際は「聞くが8割、話すが2割」がベストだと考えています。まずはじっくりお客さんのお話を聞いて、そこから最適な答えを導く必要があるからです。

逆に、自分のアイデアを積極的に発信して顧客に売り込みたいタイプの方は、なかなか上手く業務をこなせないと思います。相対するのは何十年も企業を経営している社長や、強い思いを持って起業したベンチャー企業の方々、経験値のある人事責任者ですから、深く理解し、丁寧に地道な業務で信頼関係を構築した上でないと、意見を言ったとしてもなかなか受け入れてもらえないのです。

人事労務の特性を考えても、今日明日で企業をどうにかするような発想ではありません。また、何かを売れば終わりという仕事でもありません。5年、10年という長いスパンで関係性や顧問先企業の未来を見据え、役に立つコンサルティングをし、必要な仕事をお届けする必要があります。そういった深いご提案をするには、やはり「聞いて、相手を受け入れる」姿勢が必須です。

―もう一つの軸はなんですか?

中野:専門性を高めたいという、職人気質を持った方ですね。私たちの領域とする分野は、「人事労務の支援」や「労働法を含む知識の提供」、さらに「業務最適化の支援」などですが、全て際限なく追求できます。特に、私たちの仕事は100点を取ることが当たり前という仕事も多いです。外部専門家に委託料を支払い、サービスを受けているのですから、顧問先の企業は90点ならOKなどと考えていないシビアな仕事です。「社労士の業務を多少覚えて使ってみたい」程度の覚悟では、活躍することが難しい仕事です。様々な顧問先企業と積み重ねた人事労務の知見が豊富にあり、さらに労働法等の法的な枠組みに基づいた判断ができる、そういう職人として確固たる経験値を持つパートナーとして、企業に戦略労務のコンサルティングを提供することが私たちの役目であり、顧客からも期待されている要件です。AdjustHRは未経験者がその道のプロフェッショナルとして、活躍できるように支援しますし、身につければ専門職として、今後の人生において非常に広く活躍する場所が広がります。一方で、一朝一夕で叶うものではないという点は、理解しておく必要があるでしょう。

社会保険労務士事務所の中には、助成金のロジックを紐解いて「こうしたら助成金をもらえますよ」とオンラインで提案する助成金受給支援や、手続きを仕組み化して大量に実施するような業態、企業のDX化を積極的に推進することに特化する業態などで、新たなビジネスを切り拓く事務所もあります。しかし、私たちAdjustHRは、顧問先のニーズは、大きな変化のフェーズが訪れても、ほころびのない盤石な人事労務を常に構築・維持することとだと捉えています。現状はそこをしっかり支える実務家や専門家が不足しています。

将来的に顧問先の企業が、上場する、バイアウトするといった変化があったとしても、無かったとしても常に「AdjustHRに任せていたから、何も問題なくいつも通り経営に邁進できた」という状態を永続的創るご支援をする。戦略労務により、企業を盤石にすることで「企業と従業員の幸せを最大化する」ことに、一緒に誇りを持ち、縁の下で多くの会社や人を永く支えたいと感じる方と共に働きたいですね。

本ブログは以上です!

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