リード・イノベーションの小柳です。
はじめに、本記事を開いてくださりありがとうございます!
今回は、「経営陣ひとり旅」の取り組みでブータンを訪れた、副社長COO 野里にインタビューを行いました。経営陣ひとり旅の目的は何なのか、野里がブータンで見たかった景色、得た学びについて、そして、LIで生きるとは?について深掘りました。
ぜひ最後までご覧ください!
目次
経営陣ひとり旅の概要を教えてください
なぜブータンを選んだのか🇧🇹
〜不便さの中で取り戻した、人間らしい時間〜
〜Humanityを土台に、Performanceを進化させる国家〜
GNHを重視する国として知られているブータンですが、そのことを感じられた出来事はありましたか?
ブータンでの学びは、私たちの組織や仕事にどう還元されるのでしょうか?
野里さんにとって、LIで生きるとは?
未来の仲間へメッセージをお願いします
経営陣ひとり旅の概要を教えてください
AIが急速に進化・進展する時代だからこそ、私たちは「変わり続ける世界を、自らの目で見て、肌で感じること」を大切にしています。
そこで、経営陣があえて日常から離れ、新しい土地・文化・価値観に触れ、自ら問いを持ちながら旅をする「経営陣ひとり旅」を行いました。いかなる場所でも学び続ける姿勢そのものが、これからのリーダーに必要な在り方だと考えているからです。
単に視察をするだけではなく、自ら“ヒュッゲな時間”を過ごし、豊かな生き方や余白ある時間の価値を体感し、カルチャーとして体現することも重要な目的の一つです。
そして、ひとり旅の最後には旅立った経営陣三名が一箇所に集まり、自ら見て、感じ、考えたことを語り合う。その体験を、リード・イノベーション(以下「LI」)の経営や組織づくりにどう活かせるのか。本気で議論し、意思決定する。
それが、「経営陣ひとり旅」の趣旨です。
なぜブータンを選んだのか🇧🇹
今の社会は、便利さや効率化が加速する一方で、「何のために生きるのか?」という問いを見失いやすくなっていると感じています。だから今回は、あえて不便さも残るブータンを選びました。
そしてもう一つ。「なぜブータンは幸福度が高いと言われるのか?」を、自分の目で確かめたかったことです。幸福度というと、ヒュッゲのような“豊かな時間の過ごし方”や“心の在り方”が根付く北欧諸国がよく注目されます。一方ブータンは、発展途上国でありながら幸福度の高さで語られる非常にユニークな存在です。そこには、国政と宗教哲学が対立するのではなく、絶妙なバランスで共存している背景があるのではないか。そしてその構造は、AI時代の企業経営にも大きなヒントがあるのではないかと思い、強く興味を持ちました。
(ブータン国旗)
〜不便さの中で取り戻した、人間らしい時間〜
ブータンの主要都市は標高2000~3000mの高地に点在しており、鉄道はなく、移動は基本的に車か自分の足です。道路も曲がりくねった山道が多く、都市間移動でも数時間から半日以上かかることも珍しくありません。また、町を離れると通信環境も乏しく、道路上や地方の村では圏外になることも多い。日本のように「いつでも繋がる」「すぐ着く」が当たり前ではない世界でした。
でも、その“不便さ”や“余白”があるからこそ、人との会話や自然、自分自身と深く向き合う時間が生まれていた。効率化された世界では、人はつい「正解」を探してしまう。でも旅には、予定外や偶然がある。そこにこそ、人間らしい学びや感情が宿ると思っています。
AI時代だからこそ、“非効率な体験”が、人間の価値を磨く。ブータンは、そのことを強く教えてくれた場所でした。
(ブータンの首都:ティンプー)
(ブータンの中央政庁:タシチョ・ゾン /「タシチョ」とは「祝福を受けた砦」を意味する言葉)
〜Humanityを土台に、Performanceを進化させる国家〜
実際に訪れてみて驚いたのは、ブータンが「伝統を守る国」であると同時に、「未来への投資を極めて戦略的に進めている国」だったことです。
例えば、GMC(ゲレフ・マインドフルネス・シティ)特区では、新技術や外資を活用しながら、若者流出の抑制と経済成長を同時に狙っている。「守るべき文化=OS」と、「アップデートすべき経済=App」を切り分けながら両立させている姿は、まさに“両利きの経営”でした。また、水力発電による売電だけでなく、余剰電力を活用したビットコインのマイニングやデジタル資産運用にも挑戦している。Humanityを軸にしながら、極めて現実的かつ進化的なPerformance戦略を持っていることに驚かされました。
一方で、その根底に流れていたのは、「コンパッション(慈悲・思いやり)」でした。効率や利益を追う前に、まず他者への貢献や共感を大切にする。この“HumanityのOS”が、社会全体の安心感や信頼を生み、結果として国家の持続的なPerformanceを支えているように感じました。
さらに印象的だったのは、「国家を自分事として捉える空気感」です。ブータンでは教育や医療の無償化を支えるために、国民が単なる受益者ではなく、フィードバックやボランティアを通じて国家運営に参加している。実際、GMC構想でも多くの国民や海外在住のブータン人が、自主的に建設や準備活動に関わっていました。トップダウンではなく、“共創”によって未来をつくっている。その姿は、企業経営における「エンゲージメント」や「当事者意識」の本質を見ているようでした。
GNHを重視する国として知られているブータンですが、そのことを感じられた出来事はありましたか?
あるブータン人の言葉が深く印象に残っています。
スマートフォンが普及して外とのつながりが強くなり、若者の流出も気になる中、「外の世界をうらやむことはないのか?」という問いに対し、彼女は静かにこう答えました。
「確かに外の世界に魅力を感じ、旅立つ若者は少なくありません。しかし、彼らの多くは結局この国に戻ってきます。それは、「他者と比較し、物質的な豊かさ・際限なき豊かさを追い求める欲求は、苦しみを生む」という真理を悟るからです。世界で繰り返される紛争の火種も、本質はその欲求にあるのではないでしょうか。ブータンには、家族があり、平穏があり、確かな幸福があります。人が生きる意味に立ち戻って、帰る理由が ここにはあるんです。」
その言葉を聞いた時、自分の中にあった“豊かさ”の定義が、大きく揺さぶられました。
世界では、GDPや効率、生産性が重視される。でもブータンでは、「家族との時間」「人とのつながり」「心の平穏」が、豊かさの中心にある。もちろん、経済課題もあります。でも彼らは、単なる精神論ではなく、「Humanityを基軸にPerformanceを伸ばす」という国家経営に本気で挑戦していた。
その姿は、AI時代の企業経営にも、大きな示唆があると感じました。
(ブータン民家での食事)
ブータンでの学びは、私たちの組織や仕事にどう還元されるのでしょうか?
今回の旅を通じてあらためて感じたのは、Performanceだけを追い続ける組織は、どこかで限界を迎えるのだろうということです。短期成果だけを追うと、人は疲弊し、関係性が壊れ、挑戦しなくなる。これは、今の多くの企業で起きていることでもあります。
だからLIでは、スキルやノウハウだけではなく、「どんな在り方で働くのか」「誰の何のために挑戦するのか」を大切にしています。コンパッションや信頼、仲間への貢献意識。一見遠回りに見えるものこそが、実は長期的なPerformanceを最大化する。
ブータンは、それを国家レベルで実践していた。そして LI もまた、「Performance & Humanity」を本気で両立する組織でありたいと思っています。
野里さんにとって、LIで生きるとは?
僕にとってLIで生きるというのは、「成果」と「人間らしさ」の両方を諦めないことです。
成果を出すために自分を削り続ける働き方もある。一方で、優しさだけで終わってしまう組織もある。でもLIは、その二項対立を超えたい。
本気で挑戦する。仲間とぶつかる。自分の弱さとも向き合う。その上で、“人としての温度”を失わない。そして何より、「人生そのものを、おもしろく、ごきげんに生きる」ことを大切にしたいと思っています。
AIが進化する時代だからこそ、人間にしかできない「感動すること」「心を震わせること」「ティームで喜びを分かち合うこと」が、ますます価値を持つと思っています。
未来の仲間へメッセージをお願いします
これからの時代、知識やスキルだけならAIが代替していきます。だからこそ最後に問われるのは、「あなたは、誰と、どんな景色を見たいのか? そして、何を感じ、何のために生きるのか?」。
LI には、簡単な道はありません。でも、自分自身と本気で向き合い、人としてもビジネスパーソンとしても成長したい人にとっては、最高に面白い環境だと思います。
Performanceだけでもない。Humanityだけでもない。その両方を本気で追い求めながら、人生そのものを、おもろく、ごきげんに生きる。
そんな未来を、一緒につくっていけたら嬉しいです。