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チームで決めて、納得感のあるプロダクトを作る~TRUSTDOCKのチーム文化~

今回は、TRUSTDOCKでCTOを務める肥後彰秀にインタビューしました。

肥後は2001年にガイアックスに入社後、PM(プロジェクトマネージャ)を歴任し、2007年からはエンジニアの 組織運営に従事。2015年に技術基盤部長、2016年、ガイアックスの執行役に就任。2017年にTRUSTDOCKを立ち上げ、 取締役 CTOを務めています。

CTOとしてTRUSTDOCKのプロダクトや組織の働き方についての考えを伺いました。

「エンジニアの組織運営のプロ」として歩んできたキャリア

ーーまずは、現在のお仕事について教えてください。

肥後:現在は、情報セキュリティ、組織の制度やルールの整備、法務や労務や資金調達などを主に担当しています。CTOらしくない?そうかもしれません。当社において、もちろんプロダクトは非常に重要度が高いです。攻めのフェーズです。ここは、パワフルなプロダクトオーナーとエンジニアチームに任せています。

少ない人数で役割分担をする中で、私は、将来事業と組織がスケールするのに耐える組織の基盤を作るところに注力しています。情報セキュリティ全般はその中でも特に力を入れています。弊社は個人情報をお預かりするサービスを展開しているので、ポリシーやルールの作成、外部の認証に適合するためのギャップを把握しサービスの実装に落とし込んでいます。

ーーガイアックスで働かれていた時のことをお聞かせください。

肥後:2000年に学生インターンとしてガイアックスに関わり始め、その1年後の2001年に入社しました。初めはプログラミングに従事していましたが、当時はコミュニティサービスの開発など顧客からの受託の仕事も多かったので、要件定義やプロジェクト管理をするようになり、プロジェクトマネージャー(PM)の仕事をする機会が増えていきました。レベニューシェアの共同事業として大規模サイトをビジネス企画から取り組んだこともあります。

――エンジニアとして始まったキャリアだったんですね。

肥後:そうですね。2007年からは、エンジニアの組織運営、組織づくりにシフトしました。エンジニアのキャリア採用、新卒採用、配属や評価といったマネジメント、アジャイル開発の浸透など、エンジニアが働きやすく成長できるような環境づくりを行ってきました。

後半は、会社全体が、機能組織から事業組織へ大きく舵を切った時期で、その適応というのが大きなテーマでした。会社というものは、営業、技術、管理ほか様々な機能とそのプロフェッショナルたちの集まりですが、組織の単位を機能から事業に変えていきました。

例えば従来は、エンジニアは開発部に属し、上司は、チームリーダー、開発部の部門長というような体制でした。それが事業部制になると、所属が変わり、事業リーダーが上司になります。そうなった場合に、事業リーダーがエンジニアを評価できるのか、エンジニアに長く活躍してもらえるような環境づくりができるのかといった点が課題になってきます。

この課題を解決するために、評価の仕方を整えたり、評価自体を手伝ったりと、事業リーダーにバトンタッチしながら進めて行きました。

――その後、TRUSTDOCKの立ち上げへはどのように移行されていったのでしょうか。

肥後:ガイアックスの事業領域のシェアリングエコノミーに関係する課題として、本人確認の課題があります。シェアリングエコノミーがB2CからC2Cの取引への変化だとすると、取引相手の身元が予め確認されていることは、取引における相手の信頼を補い、また不正に対する抑止力になります。

この課題について深く考察をしていると、シェアリングエコノミーに限らずデジタル上へとシフトしていくあらゆる取引において本人確認に関する課題が広がっていることに気づきました。ガイアックスのユニークな点なのですが、事業を子会社化し、関わるメンバーがより高いオーナーシップを持って事業を推進していく選択肢があります。

TRUSTDOCKは、シェアリングエコノミー以外にも広がる本人確認の課題に取り組むにあたり、広く社会の資本や協力を得ながら、成長を目指す道を選択しました。その後、本人確認というワードや課題感はメディアで取り上げられる機会も増え、私たちの認知度も高まってきています。これまでに2回の資金調達を完了し、一層の成長の為にアクセルを踏むところです。



TRUSTDOCKのエンジニア組織は、自分たちで働き方を決める

ーーTRUSTDOCKのエンジニアの働き方の特徴はありますか?

肥後: 「チーム」が中心にあります。

実装の方針、コードの書き方、メンバーの働き方、 全てチームで決めています。例えば、プロジェクトの進め方は、スクラムぽいですが、長くチームの中で工夫しながら足したり引いたりして自分たちに合うやり方に変えて来ています。

ペアプロも非常に根付いていて、大きなスコープに着手し始めた時や、複雑に入り組んだ箇所などペアで書いていることが多いですが、分担して進める時もあります。でも、分担していても、メソッドの命名レベルから随時相談したり、議論して決定しながら進んでいく。

働き方についてもそうです。

こういう開発スタイルですから、リモートワークよりはオフィスで隣同士に座って開発していることが多い。でも、ご家庭の事情でペアプロ相手がお休みだったり、オフィスの工事で集中できなそうならリモートにする合意をする。リモートワークに関する可・不可のルールや、何かの承認制度がある訳ではないんです。

もちろんまだ小さい会社だから、というのもありますが、意図してルールは少なくしようと心がけています。あとは個別判断、つまりチームの決定を組織としても承認できるルールの余白です。成熟したチームが議論して決めることって、正しくないはずがない、と思っているんですよね。

ーーセキュリティの責任者として日々意識していることはありますか?

肥後:扱っているデータがまさに個人情報の塊なので、流出することは絶対にあってはならないんですよね。アプリケーションのコード、サーバーサイドのアーキテクチャには細心の注意を払っています。

一方で、サービスをセキュアに保つには、管理運用の視点も欠かせません。管理運用がチェック・牽制になっていることが重要なのですが、いざ実際に実装を進めていくと、利便性とのトレードオフが発生しがちです。そこをどう仕組み化するか、というところですね。また、自前主義にせず、必要な外部リソースをうまく使うことも重要だと考えています。

ーー今後、改善していきたい点はありますか?

肥後:自分たちの努力を外部の関係者に対していかに効率的に伝えるか、という点に興味があります。私たちは、監査監督を受ける立場に立つことが多いですが、その際に、ひたすら説明したり、第三者監査により適合状況を説明したり、ということが多くあります。

ひとえに自分たちのアカウンタビリティを果たすため、ではあるのですが、ここのコミュニケーションがもっと効率的になってほしい。例えばマシンリーダブルな基準とその実装、定期的な監査が自動化されていて、その状況が相手方に見える。このあたりは、RegTechでも言われてますがSupTechなどと言われることも増えてきているようです。


自分のキャリアに悩むより、「プロダクトの成長」に集中できる環境がある

――どんな人がTRUSTDOCKのエンジニアとして活躍できそうでしょうか?

肥後:TRUSTDOCKでは、納得感を持って、プロダクトを作れる経験ができます。自分のキャリアに思い悩みながら働くというよりも、プロダクトの成長に集中して働きたい人が向いているのではないでしょうか。私自身も、プロダクトやチームの成長に応じて柔軟に、その時々に必要な役割を担っていける存在でありたいと思っています。

ーーTRUSTDOCKのエンジニアの特徴として「法律知識が身に付けられる」ということがあると思いますが、どのように身に着けていけば良いのでしょうか?

肥後:まず入社時に法律知識は必須ではありません。  ただ、法律は論理的に書かれているものなので、実はエンジニアにとって興味を持てる対象だと思っています。法律は「してはいけないこと」が書いてあるイメージが強いかもしれません。しかし、実際には反対なんです。「できること」が書いてあるのが法律なんですよね。その論理構成を紐解いていくことは面白い仕事ですよ。

ーーTRUSTDOCKとして目指していることを教えてください。

肥後:身分証をおサイフの中からなくすことです。その世界に至るためには、既存のレギュレーションにしっかりと寄り添う必要があります。既存のレギュレーションをいかにスムーズに実現させるか、そしてレギュレーションを先にシフトさせるアプローチを進めたいですね。それはつまり、既存のレギュレーションへの適合をスムーズにすることであり、その先にはレギュレーション自体を変えることも視野に入れています。

そうすることで、デジタル取引において、オンラインのアカウントとリアルに存在している人がスムーズに紐づいている未来を描いています。

ーー本日はTRUSTDOCKのエンジニア組織の在り方から、TRUSTDOCKのエンジニア像を話していただきました。ありがとうございました。

【参考インタビュー】

「身分証のいらない未来」をテクノロジーの力で実現する~株式会社TRUSTDOCK・CEO千葉が描く未来~(前編/事業領域編)

「おサイフに身分証がいらない、デジタルアイデンティティの世界」をテクノロジーの力で実現する~株式会社TRUSTDOCK・CEO千葉が描く未来~(後編/人・組織・採用編)

TRUSTDOCKはプロダクトファーストな考えが根付く少数精鋭チーム~女性エンジニアから見た社内は「プロダクトの成長」に時間を割いていた~

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