ウォンテッドリー株式会社が主催する、採用と組織づくりをリードするイベント『FUZE2025』。同イベントでは、ミッション・ビジョン・バリュー、パーパスへの共感を軸にした人と人、人と会社の出会いを産み出すビジネスSNS「Wantedly」を活用し、素晴らしい運用実績と採用実績を誇る企業を表彰しています。
今回、想いが伝わり読了されるストーリーを届けた企業として、STORY CRAFT部門のGOLDに輝いたのが、NTTデータ フィナンシャルテクノロジー 決済イノベーション事業部。銀行や証券、生命保険、損害保険などあらゆる金融系情報システムの開発を手掛け、特に決済イノベーション事業部では、日本最大級のキャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS(キャフィス)」の開発・サービス提供を行なっています。
キャリア採用の本格化や入社後のオンボーディングの強化のために、リアルな現場感を伝えるべくストーリーを活用。工夫と改善を重ねてきた結果、採用目標達成率は180%を超えるまでになりました。「採用は長い目で見ることが大切」と語る事業部部長の山崎俊一さんと大川汐音さんに、コツコツとストーリー発信を続けてきた今日までの歩みを伺いました。
採用広報を始めたいけど、何から始めれば良いかわからない方へ
【登場人物】
山崎 俊一 さん(決済イノベーション事業部 部長 / ハイヤリングマネージャー)
https://www.wantedly.com/id/shunichi_yamazaki_c大川 汐音 さん(決済イノベーション事業部 キャリア採用担当)
https://www.wantedly.com/id/shione_ookawa
働き方やチームの文化。よりリアルで深い情報を候補者に届けたい
―NTTデータ フィナンシャルテクノロジー 決済イノベーション事業部の事業内容について教えてください。
山崎さん(以下、山崎):当社は、銀行や証券、生命保険、損害保険などあらゆる金融系情報システムの開発を行っている会社です。
私たちの所属する決済イノベーション事業部では、キャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」の開発・サービス提供を担っています。「CAFIS」はクレジットカードやQRコード決済など、多様な決済手段を提供するシステムで、普段、利用者の目には見えませんが、実はCAFISが日本のキャッシュレス市場を作ってきたと言っても過言ではありません。
弊社が直接やりとりするのは、クレジットカード会社や金融機関ですが、CAFISを利用いただくことで、たとえば店舗業務がスムーズになったり、日々のお買い物や金銭の取引を安心して行えるようになります。
―決済イノベーション事業部が掲げるミッション「人をつなぐインフラを、日本の未来を、私たちの手でつくる∞」には、どんな思いが込められていますか?
山崎さん:私たちの出発地点は、キャッシュレス決済を「社会の当たり前」として広げたいというところにあります。1984年の「CAFIS」のサービス開始以来、単にシステムを作るだけではなく、CAFSをご利用いただくお客様、ひいては社会のために、本当に意味のある価値を、自分たちの手で届けていきたいという思いがあります。
―これまで採用にはどんな課題があったのでしょうか?
山崎:もともと採用は人事部が新卒を中心に担当していて、キャリア採用はそこまで取り組んでいなかったんです。でも、ある時、事業の拡大や体制の変化にともなって、即戦力となるエンジニアの中途採用が必要になった。現場のことは現場がいちばんよくわかるということもあり、2017年頃から各事業部でキャリア採用を進めるようになりました。
Wantedlyの活用をはじめ採用は現場のチームで取り組んでいる
―そのような背景があったんですね。実際にキャリア採用を始めてみていかがでしたか?
山崎:それが実際にやってみるとなかなか難しくて。スカウトを送っても返信が少なかったり、面接を受けていただいても他社に決まったりすることが続いてしまって。
慢性的な人材不足と企業間の採用競争が続くITエンジニアの転職市場では、給与や案件だけではなく、働き方やチームの文化といった、より深い情報が求職者の意思決定に大きく影響します。でも、弊社の場合、候補者の方からは「仕事のイメージが湧かない」という声をいただくようにもなってしまいました。
考えてみれば、エンジニアの仕事と一言に言っても開発、PM、クラウド、データ連携……いろんなタイプの職種があります。求人票で伝えきれないことも多く、そもそもお伝えする情報が足りていないのかもしれないと感じるようになったんです。
―その情報を発信するためにストーリーを活用し始めたのですね。
山崎:そうですね。足りない情報をどうやって伝えたらいいのか模索する中で、Wantedlyのストーリー機能なら自分たちのことをちゃんと発信できるかもしれないと思いました。また、候補者それぞれに合いそうなストーリーをピックアップしてスカウトも送れる点も魅力でしたね。
―ストーリーを活用するうえで苦労したことがあれば教えてください。
山崎:現在は風通しがよくなりましたが、当初は事業部内に外部へ向けて情報発信を行う文化がなかったこともあり、なかなか理解を得ることができず苦労しました。
でも、当時から実績を発信したいと独自にメディア取材を受けるエンジニアもいたんです。まずはそんな人たちに声をかけ、記事化していきました。
ストーリーでは、あえての失敗談も。“リアルな現場感”にこだわる理由
―月1〜2本の更新を継続されていますが、記事の企画はどのように決めているのですか?
大川さん(以下、大川):当初は私ともう一人のメンバーが中心となり、企画を考えていました。私はもともとアプリケーションエンジニアとして勤務していたのですが、2021年から採用広報担当になり、現在はスカウトやキャリア採用入社社員のオンボーディングを担当しています。
ストーリーの運用を始めた頃は、右も左もわからないまま、他社のストーリーを参考にしながらコツコツと記事を作っていました。そんな中、外部パートナーさんからサポートの申し出があり、2023年からジョインしてもらうことになったんです。
NTTデータ フィナンシャルテクノロジー 決済イノベーション事業部のストーリー
―外部パートナーのサポートによって、ストーリー制作にどんな変化がありましたか?
山崎:自分たちだけで制作していた時は、どうしても場当たり的になっていた部分がありました。記事一本一本はなんとか書けても、「全体としてどう見えるか」「どんな設計が理想的か」といった観点はなかなか持てていなくて。
外部パートナーと一緒に取り組むようになってからは、採用広報全体を俯瞰した設計や、求職者の視点を踏まえたストーリー企画など、内部だけでは見えにくかった視点がどんどん入ってきました。
―ストーリーでは苦労話や失敗談など、あえてリアルな部分も見せていますが、それはなぜですか?
山崎:ストーリーは候補者にとって、「この会社、自分に合うかも」と思っていただける最初の接点です。
NTTデータグループは大手な上に、金融機関など堅実なお取引先様も関わるシステムを担っていますそのためどうしても、若手のエンジニアにとっては「堅そう」「真面目」と思われがち。でも実際はみんな失敗や苦労も経験していて、それを乗り越えようとする熱量や人間味がすごくあるし、現場ではみんな試行錯誤しながら進んでいます。
そうしたイメージとのギャップを埋め、「自分も働けるかも」と思ってもらうことが、ストーリーの大切な役割だと思っています。

山崎:また、私たち自身がエンジニアだからよくわかるのですが、候補者が重視しているのは、「自分の経験が活かせるか」と「ここで何を学べるか」の大きく2つだと思っていて。
ストーリーはリアルなエピソードを丁寧に伝えられるので、候補者も自分に照らし合わせて考えやすいですし、成功だけじゃなくつまずいた話なども読んでいただくことで心理的ハードルを下げられたらと思っています。
ストーリーは発信し続けることに意味がある。7年コツコツ続けた手応え
―Wantedlyストーリーを発信するうえで大切にしていることはなんですか?
大川:ただ記事を書いて発信するだけでなく、スカウトを送る相手に合わせてどの記事が響くかをしっかり考えるようにしています。
たとえば、PM職の方にはチームマネジメントについて語ったリーダーのインタビュー、20代の若手エンジニアには未経験からフルスタックエンジニアを目指した方のストーリーなど、職務経歴書から転職のきっかけや志向性まで読み取りながら、一人一人の候補者に合いそうな記事を添えてお送りしています。
【特別企画:オープン1on1】中途社員と上司の本音トークを大公開!入社4か月・30代エンジニアのリアルに迫る
【社員インタビュー】未経験からフルスタックエンジニアを目指す。若手女性エンジニアの挑戦
―「この会社、ちゃんと向き合ってくれそう」と感じてもらうきっかけになりますね。
大川:実際にスカウトの返信率が、この1年で4.1ポイントも上がりました。一次面接で「記事、読みました」と言っていただくことが増えましたし、「働くイメージが具体的に湧きました」と言ってくださる方もいます。また内定辞退が減ったり、「NTTデータ」という会社の知名度ではなく「やりたいこと」で選んでもらえる機会もできたという変化も感じています。

―コツコツ続けてきたことで、社内ではどのような変化がありましたか?
大川:まず感じるのは、発信することへの抵抗感がだんだん薄れていったことですね。社内のキックオフなどで、社長から採用活動を紹介してもらえたこともあり、採用の取り組みを全社で応援してくれる空気ができてきたことを感じます。ほかの事業部から「うちでもストーリーをやってみたい」という声も聞くようになり、情報交換も活発になってきました。採用が、事業部の壁を越えて組織を繋げる軸になっている感覚があります。
―改めてストーリーは、採用活動の中でどんな役割を担っていると感じますか?
山崎:私たちはストーリーを、単なる記事ではなく、最初の接点からオンボーディングまでを繋ぐ設計の一部だと捉えています。読み手が「この会社、一貫しているな」「伝え方にブレがないな」と感じられることが、ギャップを減らし、安心感や信頼感に結びつきます。そうした候補者第一優先の目線が、結果として180%の採用目標達成にも繋がったのだと思っています。
―最後に、採用に悩んでいる方に向けてメッセージをお願いします。
山崎:採用担当者は孤独を感じている方が多い印象がありますが、周りの人を巻き込むというのは大事なポイントかもしれません。私たちはもともとエンジニアだったこともあって、何事もチームでやる意識があり、それがモチベーションに繋がっていると感じます。
とはいえ、社内のマンパワー的に難しいという場合もあるでしょう。外部に頼るのも手ではありますが、大切なのは一緒に納得できるものを作っていくこと。自分事として関わっていく姿勢は、採用広報を続けるうえでとても重要な気がしています。また、ウォンテッドリー主催の交流会「Lab W」などに参加し、他社の採用担当の方と意見交換をしてみるのもおすすめです。私もそうした機会に刺激をもらっていました。
大川:NTTという看板があると思われるかもしれませんが、私たちも最初は手探りでできることから少しずつ始め、ここまで来るのに7年かかっています。それでもコツコツと続けてきたことが今実を結び、数字としての成果になっている。実際に自分がスカウトした社員が入社し、成長していく姿を見られることが何よりの喜びです。時間は必要かもしれませんが、ストーリーは発信し続けることに意味があります。ぜひ諦めずに続けてみてほしいです。






