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家電クリエイターからWebエンジニアへ - 職種越境モデルでサービスの成長と強いチームづくりに挑戦

法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」のメディア開発部では、現在約20人のエンジニア・デザイナーといったクリエイターが所属しています。そのメディア開発部でクリエイターのマネジメントをしているのが、今回ご紹介する河原塚 有希彦です。

2018年3月に弁護士ドットコムへ入社し、今まさにチームづくりに励んでいる河原塚に、これまでのキャリアや弁護士ドットコムへ入社した経緯、目指しているビジョンなどについて話を聞きました。

語り手:河原塚 有希彦
弁護士ドットコムのメディア開発部・開発チームのマネージャー。専門家の持つ知識や経験・創意工夫を、それを必要としている人に適切に伝えてマッチングしていくことをミッションに日々仕事に取り組んでいる。
仮説検証を通じてユーザーについて深く学んでいく手法を紹介した書籍「リーン・スタートアップ」が大のお気に入り。
子育てと仕事をうまく両立させるために、無理せず頑張らなくてもトラブルが起きにくい体制や仕組みづくりにも積極的。
聞き手:石原(人事)

もっと使いやすい家電を目指して飛び込んだメーカーの世界

— 河原塚さんは学生時代、どんな勉強をしていたのでしょうか。

大学では工業デザインを学び、大学院では情報設計を勉強しました。私が大学に通っていた2000年前後はまだWebが盛んではなく、コンシューマー向けのモノづくりに携わろうと思うと家電くらいでした。なので、将来は家電の開発などプロダクトプランニングをしたいと思い、勉強していました。

— どうして家電に興味を持ったのでしょうか。

中学生・高校生くらいの時にウォークマンが流行って使っていたんですが、プレイリストをつくるにもなんだか使い勝手が悪い。もっと使いやすくできるのではないかと考え始めたのが、プロダクトデザイナーを目指したきっかけでした。

— では、就職は家電メーカーに決めたのでしょうか。

はい、志望通りに家電の開発に携われるメーカーの研究所に就職し、カーナビや携帯電話などのソフトウェア開発に従事しました。当時、タッチパネル式のガラケーが出始めたところで、その開発に携われたのは良い経験でした。最先端の開発だったので、未来を感じる仕事でしたね。実は当時、タッチパネルの端末は絶対流行らないと予測したのですが、その予想は見事に外れました(笑)。

研究所では製品化に向けた先行検討を行うのですが、当時はユーザビリティ調査の結果、特にトレンドをつくる若い女性たちに誤タッチが多かった。ネイルをしているとうまく押せなかったんですね。だから「タッチパネルは流行らない」と予測したんです。タッチパネルの操作にはある程度の反復学習が必要で、多くの人はそれを越えられないだろうと思っていました。それが今ではスマートフォンが主流になり、その時の予測とは違う未来が訪れています。こんな風に予想を裏切られると、とてもワクワクします。「〇〇と言われていたけど、実は…」のような発見を大事にする考え方は、現在のWeb開発の仕事でも活きています。

— おもしろいですね。Webの開発にシフトチェンジするきっかけは何だったのでしょうか。

研究所に入社して半年くらい経つと違和感を感じるようになりました。組込機器と呼ばれる家電の開発現場は大規模開発になります。「仕事は上から降ってくるもの」「売れるかどうかはマーケティング部門が考えるもの」となりがちで、ユーザー視点でのモノづくりの話が出てきませんでした。家電の開発は1年で1000人月・数十億円の人件費を投入して一つのモノをつくっていくような世界です。そして完成したら市場に並び、プロジェクトは終了。ユーザーの声を聞きながら機能改善していくという工程はやりにくいです。「それって誰のためのプロダクト開発なんだろう」と疑問を感じ、より小規模に裁量を持って開発できそうなWeb・IT業界に興味を持つようになりました。システムやマーケティング、UI/UXを密接に絡ませながら、プロダクト開発ができるのではないかと思ったからです。それと当時に、子供が生まれたこともあって、4年半くらい働いた研究所から転職することを決意しました。

— 河原塚さんのスケジュールを見ると、「育児のため早退します」と予定を入れている日がありますよね。

はい。子育てと仕事の両立はすごく重視しています。研究所で働いてる時は、そもそもの開発計画が、皆が9時〜22時まで働いてどうにか仕上がるように組まれていたので、自分だけ労働時間を短くできるような環境ではありませんでした。ワーク・ライフ・バランスをうまくとりたいという理由もあって、転職先の会社は徒歩圏内の会社を選び、少しずつWebの技術を身につけていこうと思いました。

クリエイターの創意工夫をきちんと伝えたい

— どんな会社に転職したのでしょうか。

Web・IT領域に特化した編集プロダクションの会社です。転職した時はエンジニアではなく、編集とコールセンターの仕事をしていました。

— 意外な経歴ですね。

当時は電話を1件1件かけて、電話したところにFAXを送り、返送されてきた手書きの情報を編集してPCに打ち込んでいくというものすごく労働集約的な仕事をしていました。これはITで業務を改善する余地があるなと思い、業務の合間にツールをつくったりして少しずつ仕事の比率をITに寄せていきました。そのうちに新商品の開発も任されるようになり、そこそこ売り上げることができたんですよ。カーナビの会社向けの情報商品で、新しく建設された施設情報などを企業のプレスリリースなどネット上から収集して、その情報を提供するという商品でした。

— 転職するきっかけはなんだったのでしょうか。

その商品は売れたは売れたんですが、ほとんど一人でプランニングとプログラミングをしている状況で、一人の力の限界を感じました。仲間がいないので、売上の限界も感じましたね。自分一人だけでなく、仲間と一緒に社会にインパクトのあるプロダクトを提供していきたいと感じていた頃、目に留まったのがネット系企業だったリブセンスです。社長の村上 太一さんは26歳で史上最年少の社長として東証一部に上場した方で、「自分がやれなかったことをやっているすごい人の元で働きたい」という想いから、リブセンスへの転職を決意しました。

— リブセンスではどんな仕事をしていたのでしょうか。

新規事業として、Ruby on Railsを使った開発をしていました。その他にも、広告・マーケティングや人事などさまざまなことに関わりました。

また、デザイナーと2人で新規事業コンテストに出たことがありました。以前から、デザイナーなどのクリエイターという専門家の創意工夫がなかなか世の中にオープンにされていないことに課題感があり、きちんと彼らの創意工夫が還元される環境をつくりたいという想いから、デザイナーやクリエイターと広告主を繋ぐプラットフォームを構想しました。コンテストではファイナリストまで残ったんですが、残念ながらビジネススキームをうまく設計できず、優勝はできませんでした。この時からビジネスのことも考えられるクリエイターになりたいと強く思うようになったんです。そして、この経験が後に弁護士ドットコムへ転職するきっかけになりました。

— なんだか「弁護士ドットコム」と構造が似ているサービスのような気がします。

そうなんです。「弁護士ドットコム」のことはそのときに知って、似ている部分のあるサービスだなと思いました。その後ご縁があり詳しく話を聞いたところ、専門家の創意工夫を、それを必要としている人に届けるという「弁護士ドットコム」のコンセプトに共感し、弁護士ドットコムで働きたいと思いました。

メディア成長のためのコンセプトは「越境モデル」

— 弁護士ドットコムに入ってからどんな仕事をしていますか。

法律相談ポータルサイト「弁護士ドットコム」の開発チームに所属しています。私の好きな本に「リーン・スタートアップ」という本があるんですが、その本では仮説検証を通じてユーザーについて深く学んでいくための手法が解説されています。それを実践していくために、チームでは仮説検証を意識して開発を進めています。

— たとえば、どんな仮説検証がありましたか。

そうですね、たとえば秋田の弁護士を探すと、現在登録いただいている11名の弁護士が表示されます。1ページで表示できる程度の人数なので、特に相談したい内容で絞り込みさせずに、一覧で見られるようにした方が便利かと思ったんですが、実は先に相談内容を選べるようにした方が、ユーザーにもっと活用してもらえるという結果が出ました。

— なるほど。発見がありますね!

そうなんです。あとは、メディア開発だけでなくビジネス的な判断を行うこともあります。たとえば、いわゆるガラケー、フィーチャーフォン向けサイトの廃止ですね。サービスって、立ち上げる時よりも、撤退の判断をする時の方が難しいと思います。売上やユーザーの利用状況と現状の開発コストや蓄積されていくエンジニアリングの負債を比較したうえで、ビジネス側・開発側と調整しながら推進しました。負債を背負う現場エンジニアからも感謝されたのは達成感がありましたね。

— これからチャレンジしていきたいことは何かありますか。

まず、中長期的なプロダクトのプランニングをすること。そして、「エンジニアやデザイナーが、ビジネスサイドの良きパートナーになる」ようなチーム体制をつくっていくことを考えています。「弁護士ドットコム」は法律を扱うサービスなので、ビジネス判断が難しいことが多くあります。エンジニアやデザイナーは、ただモノをつくるだけでなく、ビジネスサイドの課題を理解して主体的に動いていけるようにすることが必要だと感じています。

こちらはメディア開発部で掲げているエンジニア・デザイナーの役割として期待しているものです。

https://www.slideshare.net/i2key/devsumib の図をもとに改変

これまではエンジニア・デザイナーはモノづくりの領域(図の右の円)を中心に考えていましたが、これからはよりビジネスサイドの領域(図の左の円)も考えながらプロダクトをつくっていきたいと思っており、デザインマネージャーの金子と共に推進しています。法律が関連する難易度が高いテーマを扱っているサービスだからこそ、プロデューサーはビジネスの創出に集中してもらい、その分エンジニア・デザイナーは自分の役割の視野を広げていってもらいたいと考えています。

そのために現在、職種越境型のチームづくりを掲げています。エンジニア・デザイナーはプロデューサーの素地を持つように、プロデューサーはエンジニア・デザイナーへの理解を持つように、評価制度も越境を意識したものにしました。チームで仮説立案・検証のプロセスを高速回転させながら、良いプロダクトをつくっていきたいと思います。

— 河原塚さんが重視しているワーク・ライフ・バランスはどうでしょうか。

ワーク・ライフ・バランスもきちんと取れていて、毎週1日は18時前に帰宅し、子供の迎えに行くこともできています。弁護士ドットコムでは、エンジニア・デザイナーなどの職種は裁量労働制が可能なので、時間に縛られず働きやすいです。育児と仕事を両立させている女性社員もいますし、もっと皆が働きやすい環境にしていくのも自分の仕事だと思っています。

— 今感じるやりがいは何でしょうか。

やりがいしかないんだよなぁ(笑)。ビジネスを考えるのも楽しいし、この規模のマネジメントも初めての経験で、やり遂げたら達成感があるだろうなと思っています。

社会人になってから13年が経ちましたが、これから13年経つと50歳になっています。50歳の自分を想像して、どうすればその歳でも活躍できる人間になれるのかを考えた時に、2つのことに取り組みたいと考えていました。一つは自分でビジネスを構築すること。もう一つはチームをうまくつくること。弁護士ドットコムでは今、両方チャレンジさせてもらえていて、まだまだ手探りな状況ではありますが、とても楽しいです。

「弁護士ドットコム」は、創業者が弁護士ということもあり、たくさんの弁護士と良い関係性を築きながら運営しています。登録いただいている弁護士数は16,000人を超え、国内弁護士の3人に1人以上(40.1%)が登録しているような状況です。自分たちの創意工夫を通じて、業界全体の発展に繋げていけると感じられるところが、弁護士ドットコムの魅力ですね。

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