- プロジェクトマネージャー
- Webエンジニア
- 飲食店店長・マネージャー候補
- 他25件の職種
- 開発
- ビジネス
- その他
――「人」はふとしたとき、「自由」に「旅」がしたくなるときがある。
「Human、Freedom、Journey」人が、自由に、旅を果たしたとき、その先に「創造」が生まれ、五感が研ぎ澄まされ、この星のすべての才能が開花され、未来に必要な世界初の「アイディア」、「サービス」、「解決」に繋がると信じている。
今すぐ Extraordinaryをやろう。実現するためには普段とは違う行動を選ぶ。その一歩は、「革命」そのもの。
これは、Freewill, Inc.が大切にしていること。
年間を通じ、Freewill CEOは国内だけでなく、海外を飛び回る機会が多いのですが、社員の同行を認めているため、若手だろうと関係なく、手を挙げれば貴重な体験を共にすることができるようになっています。
今年の夏、インド出張へ同行した一人に、グローバル事業推進室の新人メンバーがいました。
社会人経験が浅い彼女の、未来へ対する憧れの気持ちと、現実の未熟な心とが拮抗する中、どんなことに直面し、学んでいったのか?
そのレポートを、前編・後編でお届けします。
特に、活躍する未来への期待と、不安とで悩む若手の方に読んでいただけたら幸いです。
「なんでインドに来たの?」「ハンピに来てまで、何をしたかったの?」
6日間の出張で、私が何度も投げかけられた問いです。1日目にこの言葉を向けられたとき、私は答えに詰まってしまいました。
思い返せば、出張の打診をいただいた瞬間に「行きます!」と即答したのは、深い理由があったわけではなく、「きっと自分の成長につながる」と直感したから。ただそれだけでした。けれど、いざ現場で問われると、答えはあまりに浅く、形にならない。旅のはじまりは、自分の動機の曖昧さを突きつけられるところからでした。
出張前に与えられた役割は「事業推進室としてCEOをアシストすること」そして「来年の新入社員の研修場所を作り上げるため、今年の新入社員としてその体感をし、学びを持ち帰ること」。
その説明は受けていたけれど、実際のところは、自分にとってプラスになるから、という自分本位の考えがほとんどでした。そこまで重くとらえられていなかったというのが本音で、その期待に応えられるほど、視野を持って動けていたわけではありませんでした・・・。
出張は、CEOと、HRリーダーのLisaさんとそのパートナー、そして私の4人のパーティーで始まりました。
出張のアクティビティの合間でも、常に会社をより良くしていくための議論が絶えません。ランチの時間や朝のコーヒータイムのひとときでさえ、LisaさんやCEOは、自分たちの考えや想いを熱く語り続けていました。その姿を間近で見て、私は自分の熱量の不足を痛感しました。また、こんなに真剣に会社のことを考え、社員たちの育成や成長を期待しながら、夢を描くCEOの姿を目の当たりにして、経営者と一般人との違いを見せつけられた気持ちにもなりました。こんなにも、全体を考えてくれる、そしてその先に日本や世界のあり方にまで向き合う人がいなければ、たぶんこうも恵まれた機会を得ることは難しいのだと、少しずつ、その知らない世界を見ることができたという気持ちです。自由な環境や、楽しい環境などは当たり前ではなく、誰かの努力によってもたらされるものなのだと、まだどこか学生気分が抜けていない私の頭に、とても大きな刺激を与えてくれました。
自分はまだ、ここまで熱く語れるほどの熱量を持って働けていないと実感したのです。しかし同時に、その姿から「私もここまで熱く、想いを持って仕事に向き合いたい」と素直に思った瞬間でした。目の前で会社の未来やビジョンについて語り合う二人を見て、考えと情熱を両立させて働く姿のかっこよさを、肌で感じる旅の始まりでした。
入社前の私は、「仕事をテキパキとこなし、100%の成果を出せる人」が理想のビジネスパーソンだと思っていました。しかし、そんな単純ではありませんでした。泥臭い努力と、葛藤、幾度もの困難を乗り越えてでも必ず作り上げるぞ!という信念、目標を達成するまであきらめない姿勢と、信じる心。Freewillでのたった数ヶ月の経験は、その考えを大きく変えました。もちろん、成果を出す力も大切ですが、社内で最も会社の核となって活躍しているのは、「会社のビジョンを共に理解し、同じ方向を向いて切磋琢磨できる人」だということに気づいたのです。現地での議論に参加してみても、自分の理解不足から的外れな発言、つまり気が付いてみれば自分本位の発言ばかりしてしまい、とても恥ずかしく思え、全く力になれていない自分に落ち込みました。
CEOからも出張中、「会社に対しての想いや理解度が足りていないように見える」と率直な指摘をいただきました。入社からこれまで、CEOは私の社交性や誰とでもコミュニケーションを取れる能力に可能性を感じ、日本でいう“新卒”の立場で何もない私を、事業推進室というポジションにアサインしてくださいました。しかし、目まぐるしく日々が過ぎていく中で、その期待されることが特別なことと甘えた考えが生まれ、内心、安堵していたのかもしれません。肝心の会社や自分の役割と真剣に向き合う時間を十分に取れていなかったことに、この指摘を通じて気づかされました。
その指摘を受けた出張3日目。私は「なぜインドにまで来たのか」という問いを自分に対して繰り返す旅が始まりました。単なる好奇心や学びの機会としての出張ではなく、自分の成長、そして会社にどのように貢献できるかを深く考える時間へと変わっていったのです。
その問いを持つことは簡単ではありませんでした。
実力不足は致し方なくても、自分の姿勢に対する指摘を受け、叱られ、何時間も時間を使ってもらって対話を重ね、ようやく素直に受け止めることができた問い。最初は相手を信用したり、会社を信用したりするよりも、言い訳がましい感情があったのだと思います。私は素直に自分の落ち度を見つめられず、抵抗していたような気がします。なぜなら、これまで地元の友人や、学校では一度もこれほどまで自分という人間に、文字通り全力でぶつかってくれる人は、誰もいなかったのだから。褒められることはあっても、こんなにも叱られたことはありませんでした。
よくSNSから流れてくる情報も、誰かの投稿も、実は自分が読みたいものや、聞きたかったであろう耳触りの良い、たぶんコンフォートゾーンと呼ばれるようなニュースばかりで、そういったグループに属することが、まるでみんなと一緒にいられるような感覚があったのだと思います。
そういったものに知らぬ間に私の感情が流され、自分の意見ではないことを信じていた自分がいたのだと思います。これはきっと、誰もがそうした経験があるのではないでしょうか。
現実は、もっともっと奥深く、頑張って努力していたり、真剣に前を向いて取り組んだりしている人たちがたくさんいるのに、その存在をこれまで見ようとしていなかったのではないか。
そんな気持ちが芽生えたのは、実際にその熱のこもった偽りのない眼差しが、心に届いたからかもしれません。
もしインドに来るという決断がなければ、ひょっとすると変わらなかったかもしれません。なぜ新卒の私に声がかかり、連れてこられたのか。事業推進室に抜擢され、ようやく自分が何を期待されているかが分かりはじめ、素直にこのシンプルな問いに真剣に向き合うことが出来るようになったのだと思います。
後から思えば、これが、Freewillの会社の中でよく言われている「非日常 - EXTRAORDINARY - 」を取り入れるという意味なのだということを、こういうことなのか・・・と、自分の内面を見つめ直す貴重なきっかけになったことを思い知りました。
――そう、インドの旅は、私にとって、これまでマントのように私に覆いかぶさっていたものを捨て去る、“禊(みそぎ)”の旅だったのです。
序盤の結論として言いますが、同じ境遇の方がいたら、「非日常」を取り入れてみてください。見えなかった価値観や、新しい真実に気が付くことが出来ると思います。
固定観念が崩れ去り、自分を取り巻くいらない思考を振り払うことができるでしょう。
それは、今のあなたにとって怖いことだけれど、それによって、徐々に今の自分よりも、もっともっと前に進めるのだということを、私は実体験をもって、皆さんにお伝えしたいと思います。
Freewillと想いが近い、4P’s Pizzaでの体験
インド出張の前半で訪れたのはバンガロール。日本人夫婦が経営するピザ屋「4P’s Pizza」を訪れる機会がありました。
お店に入ってまず目に飛び込んできたのは「Oneness」という言葉。
Onenessとは、すべてがひとつにつながっていること。
地球から人へ、人から人へ、そのつながりに気づいた時に感謝やコンパッションが生まれる。
そう記された一文を読んだ瞬間、この場所がただのレストランではなく、“物語を持った空間”であることを強く感じました。
店内に置かれたジャーナルには、創設者の想い、関係者のメッセージ、さらにはインドの工芸品を使ったテーブルセットの紹介まで。ひと皿の料理の向こうに生産者や職人の顔が見えてくるようで、まるで食事を通じて世界と会話している感覚でした。
この「人と人、文化と文化をつなぐ」という姿勢は、私たちTellingが目指すものにも重なります。Toshiさんから「Tellingを世界に広げたい。パリやバリで日本文化を発信する場をつくりたい」というお話を聞くたびにワクワクしますが、4P’s Pizzaで実際に多様な人たちが一つの空間に集い、楽しんでいる光景を目にして、「こういう未来が実現できる場所に自分はアサインされているのか...」と想像とわくわくが膨らみました。
一方で、感じたのは“華やかさの裏にある努力”。
4P’s Pizzaのホスピタリティは、ただ笑顔で接客するだけではなく、お客様一人ひとりのニーズを先回りして対応する細やかさが光っていました。それは、日々の準備やトレーニングの積み重ねがなければ決して生まれないもの。文化や言語の異なるスタッフをまとめるマネジメントの難しさについても、日本人マネージャーの方からお話を伺い、その覚悟に圧倒されました。
「海外で日本文化を伝える」。言葉にするとキラキラして聞こえますが、その実現には膨大な努力と継続が必要なのだと改めて実感しました。
だからこそ、まずは私たちが手掛ける東京・青山のTelling Cafe & Gallery店舗をしっかり育てていきたい。日々のオペレーションを磨き、「また来たい」と思っていただける場を積み重ねていくことが、未来の海外展開へとつながっていく。4P’s Pizzaでの学びは、そんな確信を与えてくれるものでした。
小さな積み重ねを大切にしながら、チームの一員として「日本文化を世界へ」という挑戦に力を尽くしていきたいと、強く、強く心に刻みました。
ハンピをバイクで疾走!グローバル化で変わった今と、変わらない人の想いを、風に感じて
10年前に一度ハンピを訪れていたToshiさんは、「10年前に比べてハンピは観光地化が進み、町の景色や空気感がずいぶん変わった」とおっしゃっていました。実際に現地で出会ったカフェの店員さんも、2019年あたりから次々と外国人富裕層向けのホテルが建設され、地元の人々が長年大切にしてきた土地や文化が少しずつ変わっていく様子を、複雑な思いで見守っていると話してくれました。「自分たちが一番土地に想いを持っているのに、それが尊重されず変化していくのは寂しい」と。その言葉を聞いたとき、私は同じ感覚を日本に対しても感じました。観光地化やグローバル化が進む日本では、インバウンド向けに作られた文化やサービスが優先され、本来の日本文化の美しさや本質が見過ごされてしまう場面が少なくありません。
私はその瞬間、自分がFreewillに入社した理由を改めて思い出しました。「日本のよき文化を残していきたい」という想いを胸に、この会社ならその目標に挑戦できるのではないかと感じたのです。私の故郷である福井県にも、後継者不足で仕方なくお店を畳んでしまう例や、長年受け継がれてきた伝統や文化が次の世代に伝わらないまま止まってしまう可能性があります。
そのもどかしさと悔しさを、ハンピの現状に重ね合わせながら、私は「自分にできることは何か」を深く考えました。グローバル化や資本主義の波が押し寄せる中でも、ありのままの姿で文化や伝統を後世に伝えていく価値は、世界中に確かに存在する。ハンピの壮大な景色や、歴史と文化が織りなす土地の力強さを目の当たりにしながら、私は自分の原点を思い出しました。「伝統継承こそが、自分が本当にやりたいことなんだ」と強く確信する瞬間でした。
しかし、想いを確信できたからこそ、次に突きつけられる課題はそれを「行動で示すにはどうすればよいか」という現実的な問題でした。ハンピをバイクで移動している間、目に映る景色は今までに見たことがないほど美しく、まるで映画『センター・オブ・ジ・アース』のワンシーンのような壮大さでした。その景色の中でToshiさんと交わす会話は、私自身を深く見つめ直す貴重な時間になりました。
これまで私は、好奇心や興味だけで行動してきましたが、「なぜそう感じるのか」「どうしてそう考えるのか」と自分の内面を言語化することの難しさを痛感しました。会話のスピードについていこうとするあまり、言葉に詰まり「うーん…」と考え込む場面も多々ありました。それほどまでに、私はこれまで「考えること」を避けてきたのかもしれません。
この出張を通して学んだことは、ただ行動するだけでなく、まず自分の中で考え抜き、感じたことの根源を明確にして言葉にすることの重要性です。「なぜそう考えるのか」を自分の中で整理できなければ、人に伝えることはできません。インド出張では、その意識を徹底しながら会話に臨みましたが、まだまだ未熟で、十分に実践できたとは言えません。だからこそ、この学びを日本に持ち帰り、日々の仕事や行動の中で「まず考え抜く」ことを意識し、少しずつ自分の行動に反映させていきたい――!
出張開始から、壁にぶつかり、自分自身と向き合う毎日。きっと、これだけ悩み、考えた経験はなかったかもしれません。
出張の後半では、自分自身の使命と向き合うまでの物語が展開されます。
後半の公開をお待ちください!