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すべてのストーリー

「読まれるメニュー」から「無ければ止まる欄」へ——MenuMenuが見ている次の仕事

私たちMenuMenuは、QRコード一つで10か国語の写真付きメニューを出すサービスを、福岡で作っています。この夏、自分たちの仕事の定義が少し変わった気がしています。きっかけは、Googleが2026年3月に更新した買い物エージェント向けの仕様でした。エージェントが店のカタログから取りに行く情報として挙げられていたのは「variants, inventory and pricing」——選択肢・在庫・価格。飲食店に置き換えると、サイズや辛さやアレルギー対応、売切と空席、そして価格です。私たちが毎日扱っているメニューの項目そのものでした。これまで多言語メニューは「読んでもらうもの」でした。...

原文を並べて読むまで、私たちも同じ制度だと思っていた

「日本から韓国へ出たいが、現地の作法が分からない」。最近、こうした相談が増えています。日本語の情報がほとんどない、という声です。私たちMenuMenuは、福岡を拠点に、QRコード一つで10か国語の写真中心メニューを提供しています。日本のお店と、日本語を読めないお客様の間をつなぐ仕事です。この本業の延長で、冒頭のような相談が届くようになりました。8月20日、韓国の個人情報保護委員会が発表しました。AI技術開発のために個人情報を活用できる特例を含む「個人情報保護法」改正案が、国会本会議を通過した、と。日本でも同じ年に、令和8年改正個人情報保護法が7月10日に成立し、17日に公布されています。...

攻略法を売らない、という一線について

私たちMenuMenuは、お店の情報が「誰に、どう見つけられるか」をずっと追いかけています。8月24日、その問いの形が少し変わる発表がありました。NAVERが8月20日から、ユーザーがネイバー地図に作って公開した「保存リスト」を、統合検索の結果で推薦し始めたのです。対象は江陵・釜山・済州など10地域から。どのリストを出すかはNAVERの非公開基準が決めていて、店舗が介入できる経路は発表に書かれていません。私たちが引っかかったのは、機能の新しさそのものではありませんでした。これまでのローカル検索対策は、自分のお店を単体で整える仕事でした。情報を正確にし、写真を良くし、口コミに向き合う。主語...

要約を引き写さない、という仕事の仕方

私たちMenuMenuが今、社内で一番よく話しているのは「調べ切る」ことの価値についてです。きっかけは、EUのAI法をめぐる一本のニュースでした。「EUの規制だから、EUに法人がある会社の話だろう」。社内でも最初はそう受け止めていました。ところが原文に当たると、AI法第2条(1)(c)は第三国に所在する提供者・利用者であっても、そのAIシステムの出力がEU域内で使われるなら適用対象に含めています。東京で作ったページでも、欧州の利用者が見るなら射程の内側でした。ずれるのは思い込みだけではありません。制裁金は「年間売上高の最大3%」と紹介されることが多い。しかしAI法第99条(4)の原文は「...

数字の出どころを確かめる仕事

AIが「どこを見るか」を先に決める時代に、私たちが向き合っている課題私たちMenuMenuは、飲食店の情報がデジタル上でどう扱われるかを見続けてきました。この夏、その前提が一つ動いています。計測会社Promptwatchの自社計測によると、ChatGPT Searchが裏側で投げる検索(ファンアウトクエリ)のうち、特定ドメインの中だけを対象にする「site:」を含む比率が、2026年8月8日に0.37%から16.8%へ移りました。数週間0.3〜0.5%で推移していた数字です。別の計測会社Nectivは、約4,000プロンプトを再実行した自社調査で、同じ現象を「全ファンアウトクエリの64%...

「日本語で1位」は、海外では何も保証しない

私たちMenuMenuが今、一番面白いと思っているのは「日本語で見えている景色は、海外では通じない」という当たり前の事実が、AIの登場でもう一度効いてきたことです。きっかけは、二つの公的調査を並べてみたことでした。JETROの第24回「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」で、今後海外で事業拡大を図る国・地域の首位は米国40.7%。中国25.5%、EU23.6%と続きます(n=1,421、拡大先は最大3つまでの複数回答)。総務省『令和8年版 情報通信白書』が測った生成AIの利用経験率は、日本58.8%に対して米国75.6%・ドイツ75.6%・中国93.6%(2026年1〜2月のイ...

「誰が書いたデータか」——AI検索時代に飲食店が握るべきもの

私たちMenuMenuが、今一番よく受ける質問は「AI検索に載るにはどうすればいいですか」です。先日公開されたShopifyのQ2 2026コマースデータを読んで、この質問の立て方そのものを考え直しました。Shopifyの発表によると、同社のECストアフロントへのAI経由セッションは前年同期比197%増。ただ私たちが手を止めたのは、その先の一行でした。AI経由で来た買い物客のうち、構造化されたShopify Catalogのデータを読んだAIから来た人は、スクレイピングや第三者フィードに頼ったAIセッションから来た人の2倍の率で購入していた。比較相手はオーガニック検索ではなく、AI経由の...

測れないものを、どう仕事にするか

私たちMenuMenuは、福岡で飲食店の多言語メニューやデジタル集客を支援しているスタートアップです。この夏、社内で一番議論になったのは「測れないものを、どう仕事にするか」という問いでした。きっかけは、2026年6月3日にGoogleがSearch Consoleへ追加した生成AIパフォーマンスレポートです。AI OverviewsやAI Modeでの露出が、ようやく公式に見えるようになった。私たちも当然、歓迎しました。ただ、ヘルプ文書を読み込んで分かったのは、記載されている指標が表示回数(impressions)だけだということです。クリック数もCTRも検索クエリもない。しかも映るのは...

検索の「次」を測る道具を、自分たちで作りました

私たちMenuMenuは、福岡で飲食店の多言語メニューやデジタル集客を支援しているスタートアップです。この夏、新しいプロダクト「見るAI(ミルAI)」を公開しました。きっかけは、現場で感じた違和感でした。お店や会社の情報をどれだけ整えても、ChatGPTやGeminiが「おすすめ」を答えるとき、そこに載っているかどうかは本人には見えない。検索順位は毎日測れるのに、AIの答えの中の露出は、多くの事業者にとって見えないままです。なら、測れる道具を自分たちで作ろう——それが見るAIの出発点でした。やっていることはシンプルです。ブランド名を含まない、実際の顧客がしそうな質問をChatGPT・Ge...

「予算がない」の手前で止まっている、飲食店の情報の問題

MenuMenuが飲食店の現場で何度も見てきた光景があります。課題ははっきりしているのに、打ち手を検討する前の段階で会話が終わってしまう。今週、その構図を数字で見せる調査が出ました。飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)が会員の飲食店経営者・運営者271人に実施したアンケート(2026年8月1日〜8月4日、インターネット調査)です。回答者の69.0%は1店舗を自分で回している事業者、64.9%が首都圏。私たちが普段話している相手そのものです(原文も構成の影響を注記)。目を引いたのは、2025年6月1日に施行された改正労働安全衛生規則の熱中症対策義務を、55.7%が「知らなかった」と...

店が「見つけられる」入口が、検索語から会話に変わる

私たちMenuMenuが今、目を離せずにいるのは、お店が「見つけられる」入口の形が変わり始めていることです。2026年8月7日、Googleが日本で「マップに相談」の提供を開始しました。日本語版の発表に、対話型検索の例としてこんな質問が載っています。「長い列に並ばずにコーヒーが買えて、充電ができる場所を教えて」。店名がありません。駅名も入っていない。あるのは条件だけです。私たちが日々向き合っているお店の現場から見ると、この一行の意味は小さくありません。これまでの店舗集客は「地図で上位に出るか」を追う作業でした。質問が条件の束になると、その手前に一段挟まります。候補に入るか、入らないか。電...

統計は、怖がるためではなく翻訳するために読む

私たちMenuMenuは、飲食店の多言語対応と店舗まわりの運用を支えるプロダクトをつくっています。今週、社内で読み合わせたのは東京商工リサーチが7月8日に公表した一本の調査でした。2026年上半期(1-6月)の「飲食業」倒産が509件。前年同期比5.3%増で、上半期としては2年ぶりの増加、1997年以降の30年間で初めて500件台に乗せた、と書かれています。対象は負債1,000万円以上の全国企業倒産のうち日本産業分類の「飲食業」。閉店・廃業の総数ではありません。話題になったのは件数ではなく内訳でした。見出しには「居酒屋倒産が初の100件超」とあります。ただ業種別の最多は「専門料理店」15...

「開示」の一行が、誰の担当にもなっていない

私たちMenuMenuは、飲食店の多言語対応と店舗まわりの運用を支えるプロダクトをつくっています。2026年7月24日(UTC)のGoogleの一行は、社内で読み合わせをしました。更新されたのは、自社サイトに埋め込む Review / AggregateRating 構造化データの技術ガイドラインです。Googleマップの口コミルールの話ではありません。追記された一文はこうでした。"Don't include fake or undisclosed incentivized reviews on your page or in your structured data markup."例...

同じ発表が、東京と鹿児島で別の意味になる日

私たちMenuMenuは、飲食店の多言語対応と店舗まわりの運用を支えるプロダクトをつくっています。日々データを追っているのですが、7月28日の発表は社内で一度手が止まりました。厚生労働省が公表した令和8年度の地域別最低賃金額改定の目安。Aランク54円、Bランク56円、Cランク56円です。Aランクに入るのは埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪の6都府県。引上げ額の目安が小さいのは、大都市を含む側でした。報道の見出しは「引上げ率4.9%」で揃います(昨年度は6.3%、いずれも全国加重平均で見た数字)。ただ、その平均はどの都道府県にもそのまま当てはまりません。私たちがお客様と話していて感じるの...

訪日消費の首位が替わった日、私たちが見ていた一行

私たちMenuMenuは、飲食店の多言語対応と集客を支えるプロダクトをつくっています。日々データを追っているのですが、先日の観光庁の発表には手が止まりました。2026年4-6月期の訪日外国人旅行消費額(1次速報)で、国籍・地域別の首位が中国から米国に替わったのです。米国3,848億円(構成比15.3%、前年同期比8.5%増)に対し、前年同期に5,064億円(20.2%)で首位だった中国は2,592億円(同10.3%、48.8%減)。順位の話だけなら、私たちの仕事は変わりません。変わるのは、その先を開いたときです。費目別の金額を米国籍の訪日客に限って開くと、飲食費804億円が買物代761億...

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