中小企業が導入している人気の福利厚生とは?導入事例やメリット・注意点を解説

人手不足が進行し人材獲得競争が加熱していくなか、中小企業においても充実した福利厚生制度の整備が求められるようになってきています。

しかし、投入できるコストや工数、リソースが限られている中小企業において、大企業のように福利厚生を充実させることは簡単ではありません。過剰なコストを割くことなく、満足度が高い福利厚生メニューを導入するための工夫は欠かせないでしょう。

本記事では、中小企業が福利厚生制度を整備するメリットやおすすめの福利厚生メニュー、導入する際の注意点について考察します。

中小企業にも大企業並みの福利厚生を

\初期費用無料、おひとり様月額280円〜でご利用可能/
中小企業が大企業並みの福利厚生を充実させようとすると、多くのリソースがかかりがちです。
そんな課題を解決するためには、福利厚生のアウトソーシング化することが有効な手段となります。
福利厚生サービス「Perk」は、
ライフスタイル・グルメ・子育て・ファッション・旅行・など豊富な特典を低コストでご利用いただけるサービスです。運用管理の面でも手厚いサポート体制が整っているので、担当者の工数削減にも貢献します。

詳しくはこちら

中小企業こそ福利厚生が必要

中小企業は大企業と比較して、福利厚生の内容が充実していないと一般的に見られがちです。

しかし、優秀な人材を採用・確保するためには、中小企業であっても求職者や従業員の需要に応えられるような充実した福利厚生の整備が必要です。求職者や現在はたらく従業員に企業の魅力をアピールするには、給与など基本的な条件面はもちろん、福利厚生の内容も重要なポイントになり、福利厚生の拡充を目指す企業が増加しています。実際に、2024年4月にjinjer株式会社が実施した「福利厚生を通した人的資本への投資に関する実態調査」によると、法定外福利厚生を実施している企業は全体の71.2%でした

中小企業「だから」福利厚生はほどほどに、ではなく、中小企業「こそ」福利厚生を充実させて、さらなる事業成長の牽引を図るべきでしょう。

【参考】福利厚生費とは?法定福利費と法定外福利厚生費https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_expense/

中小企業における福利厚生の課題

中小企業が福利厚生を導入・運用する際には、いくつかの課題に直面することがあります。これらの課題を理解したうえで、適切な対策を講じることが重要です。

大企業は多数の従業員による利用でスケールメリットを得られますが、中小企業は従業員数が限られるため、従業員一人あたりの福利厚生費用が高くなる傾向があります。

運用・管理の面においても、人事・総務の担当者が少ない中小企業では福利厚生の企画立案から導入、継続的な運用管理まで十分な体制を整えることが難しい場合があります。投入できるコストやリソースが限られている中小企業にとって、福利厚生の充実は容易ではありません。

また、社会保険料の上昇に伴い、企業が負担する法定福利費も増え続けています。法定福利費の支出だけでも重い負担となるなか、法定外福利厚生に充てられる予算は制約を受けるのが中小企業の現実です。

中小企業が福利厚生を導入するメリット

中小企業が福利厚生を導入するメリット福利厚生の導入は、中小企業にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。以下の5つの観点から具体的に深掘りしていきます。

  • 求職者へのアピールを強化できる
  • 従業員満足度を高め育成した人材の流出を抑止できる
  • 大企業にも引けを取らない充実した福利厚生サービスを利用できる
  • 健康経営の実践ができる
  • 生産性の向上が期待できる

▶︎ローコストで手軽に福利厚生を導入。無料資料をダウンロード

1.求職者へのアピールを強化できる

近年の採用市場では、求職者は給与以外のさまざまな要素にも目を向けて企業を評価する傾向が強まっています。その判断基準のひとつが、充実した福利厚生です。

大企業と比較して中小企業は福利厚生の充実度が乏しいイメージがありますが、そうしたなかで福利厚生を充実させられれば、逆風は追い風に変わります。求職者の期待を上回る価値がうまれ、大きなアピールポイントとなります。

2.従業員満足度を高め育成した人材の流出を抑止できる

中小企業にとって、育成した人材の流出を抑制することの重要性はいうまでもありません。福利厚生を充実させ、従業員の企業への愛着や就労環境への肯定感、エンゲージメントを高めることは、離職率の低下にも大きく貢献します。

【参考】エンゲージメントとは?従業員満足度(ES)との違いや向上のメリット
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/engagement_improvement/

3.大企業にも引けを取らない充実した福利厚生サービスを利用できる

特別休暇の付与など定番とされる制度からセミナー受講費用補助など細やかなものまで、福利厚生の内容は多様です。しかし、従業員の年齢層や家族構成などを考慮した福利厚生メニューを幅広くそろえることは簡単ではありません。

そこで注目されているのが、セミナー受講費用補助など企業が独自に提供する「法定外福利厚生」を外部に委託できる、福利厚生のアウトソーシングサービスです。福利厚生の導入・運用ナレッジを持たない企業であっても、豊富な福利厚生メニューを従業員に提供できるようになります。

比較的ローコストで導入できるサービスもあることから、中小企業であっても無理なく、手軽に福利厚生を導入できる環境が整ってきています。

【参考】福利厚生アウトソーシングサービスの選び方|種類・目的など選定基準を考察
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_outsourcing/

4.健康経営の実践ができる

健康診断の充実や運動促進プログラムなど、従業員の健康意識を高める福利厚生は健康経営の実践にもつながります。具体的には、人間ドックの費用補助、スポーツジム利用料の支援、健康相談窓口の設置などが該当します。

これらの施策により、従業員が心身ともに健康な状態で業務に取り組める環境が整い、結果的に長期的な企業価値の向上に貢献します。健康経営は従業員の幸福度を高めるだけでなく、企業の持続的成長を支える重要な投資ともいえるでしょう。

5.生産性の向上が期待できる

福利厚生の充実は、従業員エンゲージメントの向上を通じて生産性向上に直結します。

GALLUPの調査によれば、エンゲージメントが高い企業は、低い企業と比較して生産性が14〜18%高く、収益性も23%高いという結果が示されています。

福利厚生が整った働きやすい環境では、従業員は仕事に対する熱意や意欲が高まり、自発的に業務改善やイノベーションに取り組むようになります。例えば、柔軟な勤務体系により通勤時間が削減されれば、その分業務や休息に時間を充てられます。学習支援制度によるスキルアップは業務の質を高め、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。

こうした福利厚生への投資は短期的なコストではなく、長期的な生産性向上を実現する戦略的な施策として捉えるべきでしょう。

【参考】GALLUP:What Is Employee Engagement, and How Do You Improve It?

中小企業が導入しやすいおすすめの福利厚生

ワークライフバランスを重視する志向性の高まりや、テレワークの定着など労働環境の多様化を受け、従業員が望む福利厚生メニューも多様化しています。ここでは、中小企業が導入しやすく、かつ従業員満足度が高い福利厚生を8つ紹介します

  • 住宅手当・家賃補助
  • 特別休暇
  • 柔軟な勤務体系
  • セミナー受講の費用補助
  • テレワーク環境の備品補助
  • レジャー優待
  • 旅行支援や保養所の利用補助
  • 人間ドックなどの法定外健康診断

【参考】あると嬉しい福利厚生制度10選|従業員満足度が高い人気の福利厚生とは?
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/welfare_demand/

1.住宅手当・家賃補助

住宅手当や家賃補助は、従業員にとって実質的な手取り増加ともいえる制度であり、常に人気の高い福利厚生です。金額なども企業の裁量にて取り決められることから、中小企業でも提供しやすい福利厚生といえるでしょう。

一方、実家から通勤しているなど、家賃負担がない従業員には恩恵がないため、不公平感が生じる可能性があります。持ち家の住宅ローン返済補助など、居住形態に応じた補助も検討し、従業員全体の満足度向上を図ることが重要です。

2.特別休暇

特別休暇とは法定休暇とは異なり企業が独自に定める休暇のことで、オリジナルの休暇制度を用意するなど、中小企業が比較的導入しやすい福利厚生のひとつです。

一般的な特別休暇として、慶弔休暇、病気休暇、夏季・冬期休暇、リフレッシュ休暇などがあります。最近では、失恋休暇、推しメン休暇、親孝行休暇など、一風変わった特別休暇を用意する企業も増えています。

金銭的負担は生じず導入しやすい一方、休暇中の従業員のタスクをカバーする仕組みづくりなど、管理体制の整備も必要です。

3.柔軟な勤務体系

出社時間や退社時間、勤務場所などに柔軟性を持たせた勤務制度も、中小企業が提供しやすいおすすめの福利厚生です。

出社時間や退社時間、勤務場所などに柔軟性を持たせた勤務制度も、中小企業が提供しやすいおすすめの福利厚生です。

時差出勤制度、フレックスタイム制度、テレワーク制度などが該当します。従業員の通勤ストレスを緩和し、ライフステージにあわせた働き方を尊重できる点は、エンゲージメントの向上にも大きく寄与します。

4.セミナー受講の費用補助

近年、厚生労働省などが推進するリカレント教育や、リスキリングなどへの注目度が高まっています。

外部セミナーの受講費用を支給する制度は特別なノウハウや環境構築なども不要であり、中小企業でも取り組みやすい福利厚生です。

従業員のスキル向上は、企業の生産性にもポジティブな影響をもたらします。向上心のある優秀な人材を採用できるチャンスも広がるでしょう。

5.テレワーク環境の備品補助

デスク環境の快適性や使用デバイスのスペックなどは、労働生産性とも密接に関連します。

パソコンなど業務デバイス購入費、デスクや椅子の購入費、インターネット環境整備費などを一部負担する制度を設計します。

費用補助の規定を定め、条件にあてはまる支出のみに適格な補助をする仕組みづくりがポイントです。

6.レジャー優待

レジャー優待とは、遊園地やテーマパーク、アミューズメント施設などのレジャー施設を割引料金で利用できるようにする福利厚生です。ストレス解消やリフレッシュ効果が大きいことから、従業員からの人気も高い福利厚生となります。

住宅手当などと比較すれば支援および運用コストは大きくなく、かつ従業員のモチベーションやエンゲージメントを高める効果が見込めることから、中小企業にとっても導入ハードルが低く、取り組みやすい福利厚生のひとつです。

7.旅行支援や保養所の利用補助

旅行支援や保養所の利用補助も人気の高い福利厚生です。旅行にかかる交通費や宿泊費、あるいは保養所の利用料金の一部を負担するといった仕組みで運用されます。

家族と過ごす時間が何よりもリフレッシュになると考える従業員にとって、より大きな魅力として映る福利厚生となるでしょう。

従業員の家族にも歓迎される制度であるため、採用活動にもポジティブに作用します。

8.人間ドックなどの法定外健康診断

法定福利厚生の対象外となる健康診断関連を支援する福利厚生も人気です。

人間ドック、メタボチェック、食生活指導、各種がん検診などが該当します。

これらは通常の健康診断には含まれず、自己負担となることが一般的です。

ヘルスケアサービスを福利厚生として用意することは、従業員のパフォーマンスの向上や離職率の低下に大きく寄与します。

中小企業が福利厚生を導入する際の注意点

中小企業が福利厚生を導入する際の注意点福利厚生の導入は、以下のポイントを考慮のうえで検討しましょう。

  • 導入後に管理運用コストが発生する
  • 従業員が利用しやすいメニューに絞る
  • 従業員のスキルアップにつながる内容とする
  • 福利厚生メニューを定期的に見直す

なかでも管理運用コストは中小企業にとって大きな負担となりえるものです。また、利用要件の最適化や内容の精査も欠かせません。

▶︎従業員の利用率にこだわった福利厚生制度をお届け!Perkとは?

1.導入後に管理運用コストが発生する

福利厚生制度の管理運用には、金銭コストと人的コストが発生します。

住宅手当・家賃補助では手当分の金銭コストや給与計上にかかる人的コスト、特別休暇や柔軟な勤務制度では勤怠管理やタスク管理にかかる人的コスト、セミナー受講の費用補助やテレワーク環境の備品補助では補助分の金銭コストが必要です。

限られたリソースのなかで適切に運用できる範囲を見極めることが、中小企業の福利厚生導入には不可欠です。

2.従業員が利用しやすいメニューに絞る

中小企業の場合、福利厚生に割ける予算やリソースはそれほど大きくないケースがほとんどです。福利厚生メニューは従業員が利用しやすいものに絞り、過剰な導入・管理コストを抑制することがポイントになります。

さまざまな種類の特別休暇を乱発すると管理コストばかりが増大し、企業全体の生産性にも悪影響を及ぼしかねません。そのため、すべての従業員が利用しやすい福利厚生制度を設計することが重要です。

3.従業員のスキルアップにつながる内容とする

福利厚生の充実化の目的として、従業員の労働生産性を高め、企業への貢献度の向上を図ることを意識しましょう。

特にマンパワーが限られている中小企業の場合、貴重な人材のスキルアップを支援できるよう、福利厚生の種類や中身を整えるアプローチは欠かせません。

4.福利厚生メニューを定期的に見直す

福利厚生制度の運用に伴うコストに見合った効果が出ているかの見極め、および見直しも欠かせない視点です。

従業員の満足度は高まっているのか、社内アンケートなどを用いた定期的なESチェックなどの施策が検討されます。コメントの収集など定性的なアプローチのほか、業務への貢献意欲やモチベーションをデータとして分析する定量的な効果測定も含め、福利厚生メニューなど施策の見直しに定期的に取り組みましょう。

【参考】ES(従業員満足度)とは|向上のメリットや高め方・取り組み事例からわかるポイント
https://www.wantedly.com/hiringeek/organization/employeesatisfaction/

中小企業の福利厚生導入の事例

採用の売り手市場化や人材流動性の高まり、それに伴う従業員定着率向上施策の活発化などを受け、多くの中小企業では充実した福利厚生制度の構築に取り組んでいます。

豊富な福利厚生メニューや独自性の高い制度を用意する、各企業の事例を見ていきましょう。

1.株式会社スタンディングポイント

1.株式会社スタンディングポイント家財・財産鑑定事業や教育関連事業を展開している株式会社スタンディングポイントでは、住宅手当や子供手当などの制度のほか、多彩な表彰式を用意する「ヒーロー&ヒロイン制度」や、ランチ代の全額を企業が負担する「シャッフルランチ制度」といった独自の福利厚生メニューを取り入れています。

なかでも「シャッフルランチ制度」は、若手社員に嬉しい福利厚生です。対象者は入社3年以内のメンバーに限定されており、単純に社内メンバーをシャッフルしてランチをともにするのではなく、後輩から先輩を誘える制度として親睦を深められるよう設計されています。

【参考】福利厚生・ランチ代の補助⁉
https://www.wantedly.com/companies/www-standingpoint-co/post_articles/494643

2.株式会社NXTED

2.株式会社NXTEDシステム開発・ニアショア開発事業などを展開する株式会社NXTEDでは、コアタイムに出勤すれば出社・退社時間は変動可とする「準フレックスタイム制」を福利厚生として導入しています。

時間的制約が軽減されることで、家庭の都合や通院などに柔軟に対応できるようになるほか、自己研磨や趣味の時間も充実。効率的な働き方を推進する原動力になっています。

また、同社は北海道コンピュータ関連産業健康保険組合に加入し、契約保養所やスポーツジム、ゴルフ場の割引など、組合が提供する各種レジャー優待を利用できる仕組みも提供しています。

【参考】NXTED|福利厚生の一部を紹介します
https://www.wantedly.com/companies/company_4247092/post_articles/403953

3.株式会社ウェブサポート

3.株式会社ウェブサポートWEBマーケティング事業やメディア制作事業などを展開する株式会社ウェブサポートでは、フレックスタイム制度や書籍購入補助制度、健康手当といった充実の福利厚生メニューをそろえています。

なお、健康手当はスポーツジムやテニス、ヨガなどの月会費を1万円まで補助するという制度です。1万円は一般的なスポーツジムの月会費をほぼ賄える金額であり、6割以上の従業員が利用する人気の高い福利厚生となっています。

【参考】福利厚生を徹底解剖!~全部見せちゃいます!~
https://www.wantedly.com/companies/company_6928329/post_articles/490871

1,000以上の特典を提供する福利厚生サービス「Perk」

1,000以上の特典を提供する福利厚生サービス「Perk」従業員が望む福利厚生には、さまざまな内容があります。しかし、人気の福利厚生を導入したくても、いち中小企業のアクションだけでは、対応しきれない場合もあるのが実情です。

そんなときは福利厚生のアウトソーシング化。つまり代行サービスを利用することも有効な手段となります。

Wantedlyの福利厚生サービス「Perk」は、各企業に代わって充実した福利厚生を提供するサービスです。在宅勤務の従業員でも利用できるような福利厚生を含む、1,000以上のメニューを、最小限のコストで導入できます。

中小企業にも大企業並みの福利厚生を

\初期費用無料、おひとり様月額280円〜でご利用可能/
中小企業が大企業並みの福利厚生を充実させようとすると、多くのリソースがかかりがちです。
そんな課題を解決するためには、福利厚生のアウトソーシング化することが有効な手段となります。
福利厚生サービス「Perk」は、
ライフスタイル・グルメ・子育て・ファッション・旅行・など豊富な特典を低コストでご利用いただけるサービスです。運用管理の面でも手厚いサポート体制が整っているので、担当者の工数削減にも貢献します。

詳しくはこちら

まとめ

割けるコストや人的リソースが限定されている中小企業であっても、工夫次第では大企業にも劣らない魅力を備えた福利厚生制度を整備できます。優秀な人材を確保・育成し企業成長につなげるために、福利厚生アウトソーシングサービスの活用なども視野に入れて制度設計を検討しましょう。

 

タイトルとURLをコピーしました