採用ブランディングを成功させるには?8事例を4つの課題ごとに紹介

国内の人口減少に伴う若年層の不足やZ世代における価値観の変化など、企業の採用活動がますます難しくなっています。

またIT化の進展により、求職者は給与や待遇を簡単に検索し、条件の優劣をシビアに判断するようになっています。今や採用活動は条件以外の面で自社の魅力をどのようにアピールできるかの勝負になっているという状況です。

こうした背景から、採用ブランディングに取り組む企業が増加しています。しかし、採用ブランディングに成功した企業の事例や、どのように進めたら良いのか理解できている採用担当者はまだ多くありません。

そこで今回は、採用ブランディングを成功させ、採用活動で優位性を持っている企業の事例を「企業認知度を向上させる」「質の高い候補者を集める」「競合企業と差別化する」「採用コストを削減する」という4つの課題ごとに紹介します。また、採用ブランディングの手順についても解説しています。

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【課題別】採用ブランディングに成功した8事例

企業認知度を向上させる

ユニファ株式会社

ユニファ株式会社では「”家族xテクノロジー”で世界中の家族コミュニケーションを豊かにする」をミッションに掲げ、保育施設向けのIoT・ICTサービスを提供しています。

以前は20名ほどの規模でしたが、2017年の「Startup World Cup」優勝をきっかけに採用活動の強化に乗り出し、採用ブランディングを開始。採用ブランディングに注目した理由は、まだ認知度が低く外部に対して発信している情報も少なかったため、同社で働くイメージをもってもらいにくいという課題があったためです。

また、ユニファの社内には理念への共感や社会貢献意欲の高いメンバーが集まっていましたが、募集要項ではこれらのカルチャーを伝えにくいという理由もありました。そこでストーリーをSNSで拡散しやすいWantedlyを導入したところ、同社にはミッションを自分ごとと捉えるメンバーが多いため、記事を積極的にシェアしてくれたといいます。

採用活動の積極化によって、メンバー数は20名から220名に増えるなど採用ブランディングの効果を実感しています。さらにユニファでは、人数の増加によって社内でどんな人材が働いているのかわかりにくくなっているという懸念を解消するためにも採用ブランディングを活用しているそうです。

メンバー紹介を社内向けに利用できるようコンテンツを工夫するなど、インナーブランディングにも配慮しているのです。同社では時間の経過とともに流れてしまうSNSとは異なり、Wantedlyのストーリーは資産となり、長期にわたって候補者に読んでもらえる点をメリットと感じています。

創業年度 2013年
採用職種 新規事業,事業推進メンバーなど
雇用形態 中途/インターン
従業員規模 101名-1000名
業界 教育・官公庁
地域 関東
URL https://unifa-e.com/

インタラクティブ株式会社

沖縄県で急成長しているインタラクティブ株式会社は「日本を代表するインターネット企業になる」というビジョンを掲げ、インターネットサービスや次世代人材育成、戦略投資などの事業を行っています。

以前から沖縄最大の求人マッチングサービス「ジョブアンテナ」や転職支援サービス「ジョブアンテナ・エージェント」などを提供し沖縄県内の転職市場では大きなシェアを獲得していました。しかし、事業拡大にあたって、沖縄という限定された地域では欲しい人材がなかなか獲得できないという悩みがあったといいます。

沖縄にはベンチャーやインターネット企業が多くなく、即戦力となる候補者が限られているため、首都圏の人材と接点を持つ必要があります。そこで同社では、県外から人材を募集するために採用ブランディングを開始しました。

Wantedlyのストーリーを広報活動の一環として活用した結果、知名度の向上や情報拡散に効果があり、県外の候補者に出会える機会が確実に増えた、と述べています。またWantedlyで同社を認知した候補者が他の採用媒体から応募してくるケースもあるといい、会社を知ってもらう、情報を拡散する、興味を持ってもらうという点で高く評価しています。

インタラクティブではストーリーを利用した採用ブランディングに力を入れるだけでなく、オンライン会議サービスで何度も面談したり、出張の際に会うなど、候補者が移住によって感じる不安要素を払拭する努力も実施。優秀な人材の確保に力を入れています。

琉球インタラクティブ株式会社
創業年度 2009年
採用職種 ビジネス職、エンジニア職
雇用形態 中途
従業員規模 31名-100名
業界 受託開発・制作
地域 九州・沖縄
URL https://www.inta.co.jp/

質の高い候補者を集める

KURAND株式会社

KURAND株式会社は「お酒の新しい価値をつくり、世界中のあらゆる人々の人生に、楽しさ、豊かさ、幸せを届ける」をミッションに掲げ、お酒のオンラインストアKURAND(クランド)を運営しています。

レガシーな「お酒」の業界で、伝統を守りながらも革新を起こしたいと考える同社は、お酒の生産から日本酒専門店・梅酒/果実酒専門店の店舗展開まで製造小売モデル(SPL)を構築しているのが特徴です。

しかし、事業拡大を図る中、スタートアップであるためミッションフィットした人材の採用に苦戦していました。自社の取り組みを発信する機会がなく、とくにコーポレート部門における人材確保に課題を抱えていたのです。

そこでKURANDではWantedlyを人材募集と採用ブランディングの両軸に取り組める媒体として注目し、運用を開始しました。ストーリーに社員インタビューや勉強会レポートを掲載し、求職者が「一緒に働きたい」「社風がわかる」と感じるよう工夫したところ、応募数や選考通過数が以前より改善。

カルチャーフィットしている人材がほとんどという結果にも、採用ブランディングの効果を実感しています。採用ブランディングのコンテンツは社内でも好評だといい、「読んだよ」「面白かった」といった感想のほか、「自分や◯◯さんも取材してほしい」という要望まで上がっているそうです。

同社は採用ブランディングが採用活動だけでなく社員のモチベーション向上につながっている点を評価しており、今後はストーリーのリリース頻度をさらに高めていくと話しています。

創業年度 2013年
採用職種 全職種
雇用形態 中途/新卒
従業員規模 30名以下
業界 飲料・食料・生活用品
地域 関東
URL https://corp.kurand.jp/

株式会社ワンコイングリッシュ

株式会社ワンコイングリッシュは世界の共通語としての役割を担う「英語」教育のインフラ整備に注力しています。

「日本人のグローバル化を促進する」を企業理念に掲げ、授業料を誰でも受講可能な「500円=ワンコイン」に設定した英会話スクールを運営。また留学事業や国際交流イベント事業にも進出するなど「日本人が一人でも多く英語を話せるようになること」を追求しているのが特徴です。

同社の事業は順調に拡大していますが、採用活動においては戦略性が課題となっていました。事業規模の拡大に伴って、即効性を求めた採用だけでなく、理念に共感しファンになってくれる人材を長期的・計画的に獲得する重要性が高まってきたのです。

採用活動に「良い出会い」を構築できる場を求めたワンコイングリッシュは、採用ブランディングツールとしてWantedlyの運用を開始。ストーリーや募集ページを中心に、求職者に対して同社の想いを伝える点を重視した展開を行っています。

採用ブランディングでは「ここで働いてみたい!」と感じてもらえるよう、「アットホーム」「グローバル」「風通しの良さ」が伝わる写真を用いるなど工夫しているそうです。

ワンコイングリッシュでは長期的に理念に共感してもらえる方や自社のファンを採用するために即採用にはこだわっていないといい、候補者のタイミングで応募できる点もWantedlyの評価につながっています。スキル・条件ではなく「想い」優先の応募をさらに増やすためにも、採用ブランディングを今後も強化していく考えです。

創業年度 2014年
採用職種 広報
雇用形態 中途
従業員規模 101名-1000名
業界 教育・官公庁
地域 関東
URL https://onecoinenglish.com/

競合企業と差別化する

こと京都株式会社

こと京都株式会社は京都の伝統野菜である「こと九条ねぎ」を世に広める、をミッションとして、栽培から加工、販売までを一貫して行っています。

国内シェア20%を誇る同社では、現在も全国のスーパーやラーメン店に九条ねぎを安定供給する体制を構築しており、今後は農業生産法人として築いてきたノウハウを用いて日本の農業の発展に貢献したいと考えています。

採用ブランディングを開始したきっかけは、他社と差別化する目的から異業種出身で「農業をやってみたい」と考える人材と出会うためでした。

こと京都では以前から自社のウェブサイトやFacebook、Instagramで情報を発信してきましたが、取引先や顧客が閲覧する程度で、採用ツールとしての利用は積極的に行っていなかったといいます。そこでWantedlyを活用した採用ブランディングで差別化を開始。

運用にあたっては、築いてきた企業のブランドイメージを崩さないように配慮し、写真にこだわったページ作りを心がけています。またストーリーは社員インタビューやイベントの内容、社内の制度を中心に採用担当者ではなく候補者の目線で、職場の雰囲気や農業に対する想いをありのままに伝えるよう意識しているそうです。

同社はストーリーが情報のストックとなり、就職活動中の求職者や入社予定の内定者にとっていつでもアクセスできるコンテンツである点を評価しています。さらにWantedlyなら候補者とカジュアルに話せる点も採用ブランディングに手応えを感じる理由となっており、今後は幹部候補の獲得も目指すと語っています。

創業年度 2002年
採用職種 営業
雇用形態 中途/インターン
従業員規模 31名-100名
業界 メーカー・商社・小売・サービス
地域 近畿
URL https://kotokyoto.co.jp/

株式会社アンビスホールディングス

株式会社アンビスホールディングスは医療施設型ホスピスを通じて医療の透明性確保や効率化、そして在宅医療の質を向上させる事業を行っています。

「志とビジョンある医療・ヘルスケアで社会を元気に幸せに」をミッションに掲げ事業を拡大させていますが、採用に課題を抱えていました。医療や介護の分野は競合が多く、人材獲得が難しい業界であるためです。

同社では採用ブランディングの重要性を認識し、試行錯誤していましたが、自分たちの魅力や働くスタッフを身近に感じられるコンテンツを発信するまでには至っていなかったといいます。一方で人材紹介サービスを利用するためのコストも増加していたため、同社ではWantedlyを活用した採用ブランディングに乗り出します。

最初はWantedlyのユーザーとアンビスホールディングスの求めるペルソナを持つ人材の相性に疑問を持っていたそうですが、ストーリーを用いた採用ブランディングの効果は大きかったそうです。同社ではWantedlyであれば求職者が企業の「素」を見て、活躍している人材を身近に感じられるためだと分析しています。

ストーリーと募集ページによってターゲットに刺さるメッセージを追求した結果、週に3桁の候補者を獲得するまでに成長。医療や介護の業界ではまだWantedlyを採り入れている企業が多くない点も追い風となり、競合との差別化を成功させています。

医療・介護業界は担い手が不足しているという課題があるため、アンビスホールディングスは業界で働く方たちが誇りやプライドを持って働ける環境作りへの貢献も、採用ブランディングを通じて行っていきたいと考えています。

創業年度 2016年
採用職種 看護師、介護士
雇用形態 中途
従業員規模 101名-1000名
業界 飲料・食料・生活用品
地域 関東
URL https://www.amvis.com/

採用コストを削減する

株式会社オンリーストーリー

株式会社オンリーストーリーは「つながりを通して経営課題を解決」を掲げ、企業の経営者や経営課題の解決を支援する事業を展開しています。決裁者マッチングアプリ「ONLYSTORY」や決裁者マッチングSaaS「チラCEO」、それに決裁者マッチングイベントの開催など多岐にわたるビジネスはいずれも順調に拡大中。

しかし、人材採用に課題を感じていました。人事組織が十分に形成されておらず採用活動に時間をかけるのが困難で、カルチャーや雰囲気を発信できるチャネルを作れずにいたためです。

そこで同社では、人事組織の構築とともに企業カルチャーを発信するための場を用意して人材の獲得を本格化させました。オンリーストーリーではカルチャーフィットする人材を採用するため、想いありきで繋がれる場所が必要との考えからWantedlyを採用ブランディングに活用します。

Wantedlyを選んだのは、他社サービスと比較して導入コストが低く、創業初期であった同社にとっても利用しやすいのも理由だったそうです。代表が事業にかける想いをストーリーで発信したところ、閲覧数が2万5千を超えるなど、採用ブランディングの効果を実感。

現在までにインターンからPM、人事、デザイナー、ライターなどのスキル人材まで幅広く採用に成功しており、他媒体と比較して採用コストの低減にもつながっています。同社では組織のフェーズにあわせて募集職種が変化しているため見せ方を変えながら、引き続き採用ブランディングの強化を図っています。

創業年度 2014年
採用職種 PM、人事、デザイナー
雇用形態 中途/インターン
従業員規模 31名-100名
業界 広告・メディア・エンターテイメント
地域 関東
URL https://onlystory.co.jp/

株式会社ソリューション

株式会社ソリューションは、組織におけるコミュニケーションに特化したコンサルティング事業を展開しています。

同社ではチーム作り、想いや価値観について円滑に意思疎通できる組織支援を行っているため、採用活動においても「共感」を重視していました。しかし、以前は自社のウェブサイト以外に魅力を伝える手段を持っていなかったため「他社と比べてどこが変わっている企業なのか」を発信するのに苦労していたといいます。

また、共感型マッチング採用を志向するソリューションの場合、採用面談に長い時間をかけていたため、大手採用媒体による母集団形成では、タイムパフォーマンスやマッチング率向上の観点から非効率であるのも課題となっていました。

そこで同社ではWantedlyのストーリーを活用した共感マッチング採用を開始。代表の人となりや、どんなメンバーが働いているのか、メンバーの体験記なども掲載しています。

するとストーリーの公開をはじめてから、ソリューションの事業や理念に共感した人材からの応募が増えてきたといいます。

同社では採用ブランディングに加え共感マッチング採用の工数削減に価値を感じており、他媒体による母集団形成から選考にかかるプロセスより効率性が高まったため採用コストの低下にも寄与しているそうです。Wantedlyは運用を続けるほど効果が出る、と考えるソリューションでは、今後も採用ブランディングに力を入れていく方針です。

創業年度 2006年
採用職種 コンサルタント
雇用形態 中途/新卒
従業員規模 30名以下
業界 コンサルティング・リサーチ
地域 近畿
URL https://solution-hr.com/

採用ブランディングの進め方

採用ブランディングはどのような手順で進めればよいのでしょうか。ここでは、採用ブランディングを実施するためのプロセスを6つにわけて説明します。

自社の魅力や強みを分析する

最初に、自社の魅力や強みがどこにあるのか、調査・分析して再認識しておきましょう。他社と差別化できるポイントや求職者が魅力を感じられるポイントを整理して、採用ブランディングの効果を高めるためです。

自社については、経営陣や採用担当者、現場のスタッフに加え、取引先などステークホルダーにヒアリングを実施します。ヒアリングを通じて得られた強みや弱みは、KJ法を応用すると効果的に整理できます。

KJ法とは情報をひとつずつ付箋やカードに記載し、並べ替えグループ化して本質的な価値を見つけ出していく手法です。

また、マーケティングにおける3C分析のフレームワークも活用しましょう。3C分析の「3C」とは「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字を表し、自社の強みや弱みを客観的な視点で俯瞰し戦略立案に活かします。

自社の強みを分析し再認識できたら、ターゲットとなる求職者がどこに魅力を感じるのか、言語化しておきましょう。

採用ターゲットを明確化する

採用活動では、一般的に応募数を増やすという点を重視する傾向があります。しかし、人材要件にあわない候補者からの応募が増えても、選考に工数がかかるばかりで採用活動としては非効率に陥ってしまいます。

そこで採用ブランディングでは、自社の魅力を「誰に伝えたいのか」という点にも注目して、最適なターゲットを事前に設定しておきましょう。ターゲットの設定には、ペルソナを活用します。

ペルソナとは採用したい人材像の詳細な定義で、設定しておくとミスマッチの防止に役立つため広く用いられています。ターゲットの場合、大まかな人材像として「30代男性、3年以上の営業経験あり」といった形で設定しますが、ペルソナはパーソナリティを作り上げるのが特徴です。

「31歳男性、都内在住の独身で食品会社で営業を8年間経験。年収500万円で趣味はスポーツ観戦」など、架空の人物像と言っていいほど詳細に定義します。

ペルソナを設定しておけば、誰にどのようなメッセージを伝えるのか、採用ブランディングに一貫性がもたらされるため、採用ターゲットの明確化は非常に有効なプロセスです。ペルソナについてはこちらの記事で設計するためのステップや押さえておくべきポイントについて詳細に解説しています。

「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由|設計方法も解説

採用コンセプトを定める

自社の強みを分析し、採用ターゲットを設定したら、採用コンセプトを定めましょう。採用コンセプトとは、求める採用ターゲットの心を揺さぶるためのキャッチフレーズです。

キャッチフレーズである採用コンセプトの存在は、採用ブランディングに統一性を持たせ、継続的な情報発信に役立ちます。採用コンセプトを定めるには、自社について採用ターゲットにどんなブランドイメージを抱いてほしいのかを念頭におきましょう。

そして、企業理念をもとに事業を展開している目的を核としたメッセージとするのが基本です。採用活動は優秀な人材を集めれば良いというわけではなく、実現したいと考える未来に共感してもらえる人材の獲得が目的であるためです。

採用ターゲットである人材に共感してもらえるよう、自社の価値や魅力を採用コンセプトに落とし込みます。Wantedlyでは企業活動を「なにをやっているのか」「なぜやるのか」「どうやっているのか」に分類し、自社の魅力を整理しやすくしています。

採用コンセプトに基づいた情報発信を続け、企業ブランドや商品ブランドと並ぶ自社の「採用ブランド」を確立していきましょう。採用コンセプトの決め方や事例は以下の記事で解説しています。

【参考】採用コンセプトとは?重要性・決め方・人気企業の事例を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/concept/

候補者体験を設計する

採用コンセプトを定めたら、候補者の視点で採用活動全体の見直しを行います。候補者が応募から内定、入社に至る過程にはさまざまなタッチポイントが存在しています。

採用サイトやオウンドメディア、採用ブログなどのオンライン媒体だけではありません。企業説明会や採用パンフレットに採用ピッチ資料、それに採用イベントなど候補者との接点はさまざまです。

また選考プロセスではカジュアル面談や面接の担当者も候補者にとってのタッチポイントに該当します。ほかにも新卒採用であればインターンシップがありますし、内定後の内定者フォローもタッチポイントに含まれます。

採用活動のロードマップが長期化しており、タッチポイントを増加させる一因になっているという認識も重要です。潜在的な候補者に「自分の選択肢になりうる企業」と思ってもらう必要性から「採用は応募前から始まっている」という考えが一般化。

さらに、採用のゴールラインも内定出しから入社後のエンゲージメントまでという視点が広がっており、採用活動の長期化が進んでいるのです。候補者が企業を認知してから応募・内定そして入社して定着するまでのすべてのプロセスで、採用コンセプトに基づく一貫したメッセージを伝えられるよう候補者体験を設計しましょう。

候補者体験における一貫性は、採用ブランディングの効果を高めるためには不可欠です。採用ロードマップの長期化や潜在候補者へのアプローチなど、採用活動全体に求められている新しい考えについてはこちらの記事で詳細に解説しています。

ぜひご覧ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方

手法やツールなど発信方法を決定する

自社の魅力を整理し、採用ターゲットを定義し、採用コンセプトを定め、候補者体験の再設計を行ったら、次は手法やツールなど採用ブランディングにおける発信方法を検討しましょう。

素晴らしいメッセージを打ち出しても、ターゲットとなる求職者に届けられなければ採用ブランディングの効果は高まらないためです。「誰に」「何を」を決定したら、次は「どのように」伝えるかを考えるのです。

採用ブランディングにおいてメインとなる手法やツールとしては採用サイトのほか採用ブログ、オウンドメディアやSNSなどが多く活用されています。最近では動画を用いた採用ブランディングも増えてきました。

オンラインイベントを開催し採用ターゲットに訴求するというケースもみられています。さらに口コミも有力な採用ブランディングツールになっています。

多くの人が友人や家族の口コミを信頼するという傾向があるため、話題になりやすい、シェアされやすいコンテンツの発信を心がけている企業も少なくありません。

実行しPDCAを回す

採用ブランディングは長期的な施策であり、PDCAを回すのが重要です。必ず、定期的な振り返りを行って改善を図っていきましょう。

採用ブランディングツールとして選定したメディアや手法の閲覧数、コンバージョンの効果測定をはじめ、応募の増加数などの定量的データの分析が必要です。

また、採用ブランディングの場合、主に以下の点についても定期的に調査します。

・採用ターゲットの設定に問題はないか
・メッセージはターゲットにしっかりと届いているか
・採用コンセプトに求職者ニーズとのズレはないか
・手法やツールは採用ターゲットにマッチしているか
・面談・面接担当者の対応は適切か

調査にあたっては、入社したスタッフや内定者、内定辞退者へのアンケートを活用するのが効果的です。採用ブランディングが最適化されているかどうか、常にチェックして採用活動をアップデートしていきましょう。

採用ブランディングを成功させるためのポイント

採用ブランディングを成功させるために心がけるべき2つの点について説明します。

全社的に取り組む

最近まで、多くの企業の採用活動は経営陣や採用担当者が中心になって進められてきました。しかし、スクラム採用という言葉が広まっているように、現在の採用活動は全社が一丸となって取り組むケースが増えています。

採用ブランディングも全社的に取り組む必要がある施策です。発信している情報と現場にギャップがあれば、せっかく社員が入社しても、失望して離職してしまうかもしれないからです。

採用ブランディングで発信している企業理念は全社員に浸透しているでしょうか。

打ち出している価値観は社内で共感を得ているでしょうか。

また、カルチャーは現実を正しく表現しているでしょうか。

採用ブランディングにおける情報と実際の社内に乖離が生じないよう、意識の統一を図る必要があります。

長期的な施策とする

採用ブランディングは長期的に取り組むべき施策です。短時間で効果を実感できるわけではありません。企業ブランドや商品ブランドの認知が進み、一定のイメージを獲得するまでに長い時間がかかるのと同様です。

誰もが想起する強いブランドの多くは、数年から数十年かけてブランディングを継続してきた価値の集積です。採用ブランディングにおいても、少なくとも数年単位でメッセージを伝え続け、少しずつ定着させていく必要があります。

また、短期間でメッセージが変化しないよう、長期的な施策である点を前提に骨太の採用コンセプトを設定しておくべきです。そして、長期の計画に基づいた予算や人員の配置をしっかりと考えた上で、採用ブランディングに乗り出しましょう。

採用ロードマップの長期化や採用活動の意識を「量」から「質」へと改革する必要性など、採用ブランディングは採用活動における新しい考え方を前提として進めるべきです。採用の新常識とも言うべき考え方については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方

採用ブランディングにおすすめなサービス

Wantedlyは、企業のミッションや価値観への「共感」で求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。

会社の想いが伝わりやすいフォーマットで募集を出すことができます。さらにブログ機能があり、会社の雰囲気やどのような人が働いているかを発信する事ができます。

発信したコンテンツを添付してダイレクトスカウトを送信したり、応募を出したりできるので、コンテンツをそのまま採用に活用できるのが利点です。

採用ブランディングを手軽に始めたい方におすすめです。

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まとめ

採用ブランディングに成功した企業の事例を、課題別に分類して紹介しました。企業認知度を向上させ質の高い候補者を集める、競合企業との差別化が可能など、企業が採用活動で優位性を持つために採用ブランディングは大きな役割を担っています。

今回ご紹介した事例を参考に、手順に沿って採用ブランディングを成功させましょう。

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