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テレビ東京系「ガイアの夜明け」にて放映予定!ファイナンスサービスって?

こんにちは。マネーフォワード広報です。

ここ数年のFintechにおけるトピックスのひとつに、ファイナンスサービスがあります。今日はマネーフォワードが提供するファイナンスサービスのMFクラウドファイナンスに携わる3人に話を聞いてきました。

また、1月16日(火)のテレビ東京系「ガイアの夜明け」では、このMFクラウドファイナンスについて放映いただく予定です。放映前の前知識としても参考にしていただければと思います!

日経スペシャル ガイアの夜明け : テレビ東京
毎週火曜夜10時「日経スペシャル ガイアの夜明け」~事実はニュースで、真実はガイアで。~ 案内人/江口洋介 ナレーター/杉本哲太
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/

語り手

神田 潤一
1994年東京大学経済学部卒業、同年日本銀行入行。2000年に米イェール大学より修士号取得。2004年より日本銀行金融機構局で、主要行や外国金融機関等のモニタリング・考査を担当し、2014年に同考査運営課市場・流動性リスク考査グループ長。2015年に金融庁に出向し、総務企画局 企画課 信用制度参事官室 企画官として、日本の決済制度・インフラの高度化、およびFintechに関連する調査・政策企画に従事。2017年9月マネーフォワードに入社。

山田 一也
2006年に公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツに入所。その後、株式会社パンカクにて執行役員経営企画担当 兼 最高財務責任者、株式会社Bridgeにて執行役員ベンチャーサポート事業を担当。2014年に株式会社マネーフォワードに入社後、社長室長を経て、現在は執行役員MFクラウドサービス開発本部長として、MFクラウドシリーズのサービス開発を統括。

加藤 拓也
2006年4月ソフトブレーン株式会社に入社。パッケージ製品のカスタマイズ部門でSI業務を経験する。2009年7月フリーベル株式会社に入社。Railsを使った自社システム全般の開発と運用を行う。2015年8月マネーフォワードに入社。

バックオフィスをゼロから構築

青木:今日はインタビュー初登場の山田さんの自己紹介からお願いします。

神田:え、山田さん、初登場?

山田:実はそうなんです(笑)。緊張しますね。

青木:緊張するタイプじゃないですよね。

山田:(笑)。僕は大学時代に会計士試験に合格し、卒業後は監査法人トーマツに入社しました。そこで4年半程、主に監査に携わり、内部統制監査の構築支援、IFRS(国際会計基準)の導入コンサルティング、IPO準備やその支援なども担当していました。企業買収時の財務デューデリジェンスなどにも携わるなど幅広く経験させてもらいましたが、次はより開放的な環境、ベンチャーで仕事がしたいと思いまして。

青木:ふむふむ。

山田:そしてITベンチャーに転職して2年程CFOを務めた後、その会社を売却しました。そこではバックオフィス関連の知見が得られたので、次は幅広くバックオフィスに関係する仕事をしたいなと思って。その後、ほぼフリーランスで1年程いろんなベンチャーのバックオフィス構築のコンサルティングをしていました。良い経験にはなりましたが、立ち上げがメインなのでそれが終わると…どうしても寂しくなるというか。

青木:会社の一員でないとそういう感情がわきますよね。自分の会社じゃないし…みたいな。

山田:そうなんです。もう1度チームの一員として大きなゴールを描いて頑張れる環境で働きたいと思い、そんな時に再会したのが代表の辻さんでした。

青木:なんというタイミング…!

山田:そこで誘っていただいたことをきっかけに、2014年10月に入社しました。

青木:辻さんとの最初の出会いはいつだったのでしょう?

山田:当時、いくつか会計事務所のお手伝いもしていた際に、辻さんとお会いしたんです。コンサル先でMFクラウドシリーズを導入することもあり、ユーザーとして使っていて。それが2014年の春か夏頃で、入社の半年程前ですね。

神田:当時、この会社に入るみたいな予感ってあったんですか?

山田:全くなかったんです。他社でファンド系はいくつか見てましたが、やはり事業会社に行きたいと思い、いろいろ探す前の段階でマネーフォワードに決まった感じです。

加藤:タイミングとご縁ですね。

山田:ですねぇ。入社前に中の人とお会いして、みなさん優秀だと思いましたし、会社のミッションに共感する部分も大きくて。自分自身、会計や給与などのバックオフィス領域に関する知識を持っていましたし、当時は今後いろんな領域でサービスを提供していくフェーズだったので、自分の経験や強みが生かせるかなと思ったことも大きいです。

加藤:MFクラウド会計のリリース後ですよね?

山田:そうです。当時は今と比べると機能は少なく、徐々にブラッシュアップしていきました。

青木:山田さんは社長室長だったこともありますよね。

山田:おお、そうなんですよ。

青木:広報は社長室という組織の直下なので、私は入社時に山田さんに面接していただきました(笑)。

山田:そうでしたね(笑)。当時、バックオフィスメンバーが誰もいなかったんですよ。

青木:え、そうだったんですか。

山田:当時は広報含めバックオフィス全てが社長室管轄だったんです。選択肢としてIPOを見据えていたので経理の体制を整え、全体の体制を構築していましたが、だいぶ進んだ段階で開発側にコミットすることになって。その後に最初の経理である小桐くんを採用し、お願い!と引き継いだのがその頃ですね。

青木:なるほど(笑)。

日銀・金融庁からFintech業界へ

神田:私は23年間日銀にいて、直近2年間は金融庁に出向してFintechを担当していました。2017年の夏頃に金融庁への出向が終わって日銀に戻ることが決まったのですが、中途半端に投げ出したくないというのと、この変革のタイミングで自分自身がここから身を引くのは後悔するだろうと思ったんですよね。

この2年間、Fintechは金融庁が制度整備を進めてきたこともあって当初の想像以上に広がり、金融機関自体も変わり始めています。それで、日銀を辞めてFintechの業界に入ることを決めました。

青木:そして、マネーフォワードへジョインされたのが2017年9月ですね。

神田:はい。マネーフォワードはビジネスラインはもちろん、中で働く人の個性も強くて非常に面白いです。私の入社背景はこちらでも詳しくお話しています。

全部署での開発、マーケを経て、プロダクトオーナーに

加藤:僕は2015年8月の入社です。経歴としては、新卒で営業支援ソフトの会社に入り、営業ができるエンジニアか、技術ができる営業のどちらかをやらせてくれと相談した結果、エンジニアになりました。そこでは3年程働き、次は2人しかいない会社でひたすら新しいサービスをつくっていて。

その後、2015年3月頃から業務委託でマネーフォワードに入社しました。すべての部署で開発をやらせてもらい、マーケティングチームなどを経て今はMFクラウドファイナンスのプロダクトオーナーを務めています。

青木:加藤さんも何度もご登場いただいていまして。インタビュー慣れしていますね。

加藤:いや、毎回ドキドキしますよ(笑)。僕の話はこちらとか、こちらに詳しく載っています。

ファイナンスサービスの概念

( MFクラウドファイナンスより)

青木:ここからは、ファイナンスサービスについて伺います。レンディングやファイナンスって聞いたことはあるけれど、実際どんなものなんだろう?という方に向けてお伝えできればなと。

山田:まずは、売買や資金決済、顧客評価などの取引履歴を元に審査をする融資スキームの「トランザクションレンディング」についてお話します。元々、私は借り入れのコンサルもやっていましたが、中小企業がお金を借りるのって結構ハードルが高いんですね。優秀なCFOがいる場合、条件を交渉・調整して調達はできますが、そういうノウハウを持つ企業は少なく、特に社員が数十名規模の中小企業の経営者の方だと、得意ではないことが多いです。

青木:ふむふむ。

山田:「ノウハウはないけどお金は借りたい」という人達が存在するんですが、既存の融資スキームだと非常に属人化しています。まず、どの金融機関の誰宛に連絡するんだろう、からスタートし、実際に交渉が始まるといろんな資料の提出を求められますが、その作成も結構大変で非生産的なんです。資料が出来上がったら銀行に2、3回は説明しにいく必要があり、お金を借りるまでに2、3か月程かかってしまいます。

青木:なかなか遠い道のりですね…。

山田:その間に会社が成長し、いろんな数字が変動し、いろんな業務がある中でのこれらの作業の効率化については、非常に課題感を持っていました。そんな課題が「トランザクションレンディング」で解決できるのではということで、マネーフォワードでも取り組んでいて、こういった背景から少しずつ広まりつつあるのだと考えています。

加藤:借りる理由は何が多いんでしょう?一般の方からすると、自分の会社がお金を借りると聞くと「あれ、ウチの会社潰れるのかな...」みたいに捉えがちな気がしています。

山田:実際は、運転資金や事業の成長のために借り入れるのが、正しい形ですね。例えば、すごく流行っている飲食店が、1店舗目を出して好調だとします。そこから店舗を増やすには資金が必要ですが、1店舗目を作った時点で資金は減っていますよね。日々の売り上げでお金は貯まっていきますが、2店舗目となるとさらに資金が必要ですと。

青木:1店舗だけの売り上げが貯まるのを待つには時間がかかると?

山田:そうです。例えば、あと1年間待って2店舗目をつくるより、当たるとわかっている出店先があるなら、経済合理性はありますよね。そういう時に借り入れをする、そういう例が正しい借り入れのパターンです。

加藤:なるほど。これは設備投資における話ですね?

山田:そうです。もうひとつが運転資金のパターンです。それはもう少しシンプルで、例えばECサイトですごく商品が売れ出しましたと。ただ、仕入れて売るという商習慣において、仕入れによって先にお金が出て行きますよね。その後に、売れてお金が入ってくる流れですが、業容を拡大するとなると、どうしてもある程度お金を持っておかないと辛い。そんな時、運転資金という形で借り入れるのがもうひとつの例かと思います。

加藤:「お正月商戦のために商品をたくさん仕入れたいけど、売れるのは1月」みたいなことですね。

山田:そういうことです。

トランザクションレンディングって?

( MFクラウドファイナンス )

神田:2000年代中盤頃、金融機関側でスコアリングをして、それをベースにお金を貸すというスキームに各金融機関が取り組み始めたことがありました。金融機関側は一旦モデルを組んだら審査のためにコストはかからないし、企業側はスコアリングをしてもらえば短期間でお金を借りられるという仕組みで、双方のハードルを下げましょうというものでしたが、それが一旦下火になったんですよ。

青木:何か問題があったんでしょうか?

神田:バランスシートをベースに書類を作成するんですが、バランスシートは一時点のデータを区切って見せるので、粉飾的な見せ方ができてしまうんです。それでスコアリングをすると正確性に欠けますし、意図的によく見せようと思った人に対してもお金を貸せちゃうんですよね。それで、やや詐欺的な人たちが入ってきてしまい、一気に「このスコアリングは使えないね」という流れになって。それが数年で下火となった背景です。

青木:今は当時の流れとは違うと?

神田:全く違う流れだと思います。それは、MFクラウドファイナンスはじめ今のファイナンスサービスの場合、日々の資金の動きや会計など会社のデータ全てがスコアリングに使えるからです。例えば、1年間のデータを使う場合、非常にきめ細かいデータから資金の動きがわかりますし、運転資金のサイクルからその用途まで細かい粒度でわかることもあるので、粉飾がし辛いんですよね。旧来の過去の実績をベースにしたバランスシートよりも格段に精度が上がると言われています。

あとは、1年間きちんと会計を付けてきた実績が、この会社の社長、経理はちゃんとしてると捉えてもらえるという見方もあります。そういう意味でトランザクションレンディングというのは、非常に期待されている分野だと思います。

山田:その通りで、トランザクションの本質はフロー情報を更新し続けられるのが利点だと思います。会社の変化に応じて適切なタイミングで融資を受けるというのが、非常に意味があるんだろうなと。

貸す側である金融機関にとってのメリット

青木:ここまで借りる側のお話でしたが、貸す側にとってもメリットがありますよね?

山田:まさにその通りですね。

加藤:トランザクションレンディングでもスコアリング的なものを出していますが、昔のものは1年間365日の中で、とあるタイミングだけを抜き出す形でした。その時点での仕訳が積み重なってバランスシートになるんですが、断面しか見れませんでした。それがMFクラウドファイナンスだと、全ての仕訳が見れるんですよね。一部分の断面図だったものが、CTスキャンのように全てみれるという。

青木:ふむふむ。

加藤:以前だと、ずる賢い人たちは一時的にダイエットできているように見せられたんですが、「前日に巻き戻したらめっちゃ太ってるじゃん」と。経営状況が良いと思っていたのに、遡ってみたら実はすごく状況悪くない...?みたいなことがわかるようになったんです。そういう意味で、貸す側は過去と同じ過ちを犯さず貸すことができるわけです。

神田:あとは、貸す側である銀行側には「きちんとした人に、きちんと貸したい」というニーズがあります。カードローンや消費者ローンみたいに多くの人に貸して何割か貸し倒れても、たくさん金利を取ればいいというビジネスモデルとは違ってもう少しロットが大きいので、貸し倒れると影響が大きいんですよ。

だから、ちゃんと会計をつけていて、ちゃんと経理がいて、それがデータとしてみえて、この経営者はちゃんとしている、というのがわかるのは良質な判断材料になるんです。

加藤:きちんとしている経理がいることって、信頼度がアップするんですね。

神田:そうですね。最後はちゃんと会いに行くとか、本当に会社があるのか確かめるというのはあると思いますが、その前段階で「この人は信用できる」というのがデータとしてみられるのは銀行側としても安心感が大きいと思います。

これまでリーチできていなかった人たちへ

青木:以前は、貸し倒れのリスクが高かったんでしょうか?

神田:それもありますし、零細企業などの場合、銀行側としてはコストをかけてもリターンが見合わないため力を入れない分野でした。MFクラウドファイナンスだと低コストで企業の実態把握ができ、ある程度正確なスコアリングを元に貸せるので、今までコスト倒れのリスクがあって着手していなかったマーケットにリーチできるようになります。それは銀行側の大きなメリットだと思います。

山田:実際に某金融機関さんも「今までリーチできていなかった層に貸せるようになってきた」と仰っています。

加藤:確かに「リーチできていない地域からのお申し込みも増えており、可能性を感じる」という話も聞きましたね。

青木今まで貸す対象になっていなかった小さな企業、個人事業主にも貸せるようになってきていると。

山田:はい。口座を開設した人のうち、金融機関がリレーションを取れているのはごく僅かだと思います。けれど、リレーションが取れていない先には、なんらか困っていて、金融機関から付加価値を提供でき、助けられる可能性があっても、費用対効果を理由に今までサービス提供できていなかった人達がいるはずで。そういった層へのリーチを可能にするのがMFクラウドファイナンスだと思います。

加藤:某金融機関さんのお話ですが、口座を持っていない方からの融資の依頼が多いという話もありますね。

青木:え、そうなんですか。

加藤:その金融機関さんに借り入れの審査依頼を出したユーザーさん達って、そこの口座を持っていない方が多いらしいんです。

青木:それが可能になると、今後はその金融機関さんとお取引したい、というお客さんが増えていくってことですね。

加藤:そうですね。地銀さんから借り入れの際の最低貸付額ってどれくらいなんでしょうか?

山田:旧来型の融資で地銀さんから借り入れる場合、期間が2か月程かかります。例えば、2か月をかけて500万だけ借りても、その会社のバーンレイトが2000万なら1/4か月分にしかならず、費用対効果が良くないですよね。なので、最低向こう数か月分の資金になる数千万くらいから交渉がスタートして、落とし所を見つける感じです。借りる側からは、クリックしてすぐに入金されるなら、500万でも借りたいというニーズはあると思います。でも大抵は、手間をかけるなら一瞬でなくなる資金よりも数ヶ月分がいいよねという考えだと思います。

加藤:それは銀行側も一緒ですよね。審査の手間は大きくは変わらないわけで。

神田:はい。銀行側で大きいのは、MFクラウドファイナンスだと、これまでは自行の口座しか把握できなかったのが自行以外の金融機関との取引履歴も確認でき、それをひっくるめてその会社の財務状態を判断できることです。これは金融機関としては喉から手が出るくらいほしい情報で、それが手に入るんですよね。

情報提供する方、つまり借りる側が他行さんとの取引について「他との取引はあまり開示したくない」と言ってしまうと、貸す側も疑念を抱いてしまいますが、MFクラウドファイナンスだと会計情報の開示に関して同意すれば、それが銀行側に提供できます。それは非常に貴重で、銀行側としては他行の取引情報を手軽に把握できるのは、融資の判断にとって非常にメリットがあると思いますね。

クラウドサービスによってもたらされた価値

青木:こういうスキームが提供できるようになったのは、決済サービスやクラウドなどの発展によるものですね。

山田:元々、審査に必要なデータが今までは紙やインストール型の会計ソフトに眠っている状態だったのが、今はクラウドに上がっています。そんな流れがある中でアカウントアグリゲーションという技術により、入出金明細やクレジットカードの購買情報が生データとしてクラウド上に溜まっていきます。トランザクションレンディングが出てきたのは、そのデータの活用という観点もあると思います。

青木:昨年のMFクラウド Expo 2017のテーマは「Connect」でしたが、事業会社や金融機関、サービス、データなどが、クラウドやAPI等で繋がり始めているからこその動きでもありますよね。

山田:そうですね。クラウドの本質で最も大きいのは、クラウド上のデータに複数の人がアクセスできることなんです。それは事業会社、金融機関、会計事務所などあらゆる方たちにとって貴重なものです。これまで、とある会社を支えたい、育てたい、価値提供したいと思っている人たちにとって、その会社の現状を知ることが難しかったんですが、それが低コストで把握できるのが、クラウドの価値だと考えています。

聞く、並べる、つくる

青木:みなさんの役割について教えていただけますか。

神田:私は、金融機関側のニーズを聞いてくる役割です。事業推進のメンバーと一緒に金融機関さんと直接お話をし、MFクラウドファイナンスのみならず、MFクラウドシリーズ全てとマネーフォワードで解決できるどんなニーズがあるか、どんなデータをどう使いたいのか、それは顧客のニーズをどう満たすのか、という話を聞いて、開発側に還元しています。

APIでの連携や専用PFMサービスの開発は、収益を含め双方にどんなメリットがあるかがイメージしづらいかもしれませんが、これまでとは違ったマーケットにアプローチできる可能性に対する金融機関の期待は非常に大きいですね。

青木:金融機関ごとに課題は異なるんでしょうか?

神田:MFクラウドファイナンスに関するニーズや課題は共通していると思います。より多くの方に貸したいということと、スコアリングをどこと組むかということ、の2つが論点になると思います。

青木:なるほど。

神田:マーケットや顧客ベースの拡充の話や、或いは今まで応えられなかったニーズに応えられる可能性などへの期待は大きいかもしれません。

山田:僕は、神田さん達にヒアリングしてきていただいた金融機関の課題やニーズを受けて開発側におとすのが役割です。マネーフォワードにはTechnology DrivenというValueがありますが、今のテクノロジーでどう課題を解決できるか、サービスの方向性はどうすべきか、といったことを可視化しています。当然、絵を描いただけでは実現できなくて、実現のために重要なことは、「物を作る」「サービスを開発する」ということなので、その想いを開発の加藤さんに託しています。

加藤:山田さんはその他にも、どの課題を解決するか、解決する課題の粒度などもMFクラウドシリーズ事業責任者としてハンドリングしています。どの機能をどのサービスに持っていくのか、MFクラウド会計、MFクラウドファイナンスの両方に必要なのか、どちらか一方なのか、みたいな検討の部分です。

山田良いものがあっても、どう組み合わせてどうユーザーに届けるかを掛け違えてしまうと、本当の価値は届かないですよね。それが届くように最適な構成を考え、チームごとの役割を切り分けて…みたいなこともやっています。意外と仕事してました(笑)。

青木:いやいや(笑)。解決する方法は開発メンバーに任せているんですか?

山田:はい。「こういう課題があるから、解決する何かを作ってほしい」という粒度で渡します。割と荒い粒度で渡すことが多く、具体的な解決方法はお任せてしていて。どんな手法を選択するかは、テクノロジーを知っている人が考えた方が良いと思っています

青木:そこで加藤さんが方法を検討して、作るってことですね。

加藤:そうですね。山田さんが「解決したときに最もインパクトが大きい課題」を選定してくれてますので、その課題をどのように解決するのか考えて実装する部分が私の役割ですが、ユーザーにとってはストレスなく目的が達成できるものが一番良いと考えています。

借りようと思ってこのサービスに来た時に、気づいたらもうお金が借りれてた!という世界が最高だと考えていて。ログインして1分後には入金されてる世界っていうのが理想です。

青木:おおお。いいですね。

加藤:でも今はそれが実現できていません。なので、どうしたらより多くの方に使おうと思ってもらえるか、どうしたら審査依頼に進んでくれるか…などいろんな部分での課題を整理して、どう解決していくかをKPIにして開発を進めます。仕組、金利、ファイナンス商品など、課題解決のためのボトルネックがどこかを計測・検討したり、デザイナーさんと一緒にUIを考えたりしています。

社内でMFクラウドファイナンスには馴染みがない人に、経理担当者として使ってもらうユーザーテストを実施することもあって、その時に「そこで操作に詰まるのか」「なんでこの機能は使わないんだろう」などに気づくことができます。こちらが意図したものがユーザーには伝わっていないとか、色々発見できるんですよね。

会計や給与であれば、実際のユーザーに話が聞けるじゃないですか。でも、お金を借りたい人に話を聞きに行くのはすごく難しいんです。

青木:確かにそれはそうですね...。

加藤:そこは開発する上で課題なので、お金を借りたい方でユーザーテスト受けてもいいよっていう方がいたら教えてほしいです!

神田:時間をかけて書類を揃え、銀行にアポを入れ、偉い銀行の人に説明をして、でもだめだった…と、うなだれて帰る方達にMFクラウドファイナンスを使っていただくためにも、ストレスなくサービスを使える状態にするのは非常に重要です。とある金融機関さんは、諦めていた人達に「このボタンで申請できちゃうの?じゃあやってみる」という世界が提供できるのは、すごく借り入れへのハードルが下がる可能性を秘めていると仰っていました。

もうひとつは、時間をかけて審査していただいている間に、チャンスを逃すことがあるんです。今資金調達してこれを仕入れたらこれだけ儲けが出そうだけど、借りられる時にはもうチャンスはない...と。それがスピーディにできるなら、金利が少々高くてもいいかという人達がいるんですよね。手続きとスピードの観点でハードルが下がって、そのニーズに応えられるようになっていて。我々は非常に意味があるものを作っているんだなと。そう感じています。

元気の秘訣は◯◯◯◯◯と想い

青木:話が変わるんですが...神田さんって毎週日本全国に出張に行かれてますよね。且つ夜は会食が多いですが。元気の秘訣は何ですか?お肌ツヤツヤじゃないですか。

神田:えっ(笑)。

青木:代表の辻さん、取締役の瀧さん、事業推進のメンバーもそうですが、全国各地に出張に行って会食があって、毎日元気で。体力がすごいなと尊敬しています。

神田:えーっと...実は結構辛いですよ(笑)。

加藤:ここでにんにく卵黄とか出てきたり...?

神田:あ、そういえばここ1か月程は黒にんにくを朝晩で2個食べてますね。

一同:(笑)。

神田:ただ、自分が金融機関さんの所に行って直接お話を聞くまでに、社内で企画してきたメンバー、開発しているメンバーがいるので、それをちゃんと届けたいという想いは原動力ですね。あとは、金融機関さんにお会いすると元気が出るというのもあります。人並みに疲れてますし、移動中に寝落ちしたりしていますが(笑)。

青木:変な話ですが、もっとゆっくりお仕事することもできるはずですよね。

神田:いやぁ、こんなにこき使われるとは思いませんでしたよ(笑)。

一同:(笑)。

加藤:ずっとフルスロットルですもんね、神田さん。

神田:毎日朝4時頃に起きてますね(笑)。

山田:すごい。

青木:そんな山田さんの元気の秘訣はなんですか?

山田:僕の秘訣は...運動しています。週1回は泳いだりボルダリングに行ったり。あと、水はたくさん飲みます。水で元気になってるって言い聞かせてます。

神田:どのくらいですか?

山田:1日2リットルは飲みますね。

青木:OLっぽい。

山田:あとはよく寝ています。

神田:睡眠時間...もう少し欲しいなぁ。

加藤:(笑)。移動時間で確保されてますもんね。

神田:僕は飲みにも行きますが、お酒の場は楽しいのでそれも元気の秘訣ですね。いろんな人と飲みながらお話する時間は好きなので。

加藤:体重とか尿酸とか…。

神田:体重がちょっと右肩上がりで危険です(笑)。

青木:でもお肌はつるつる...。

神田:(笑)。

1分後に借りられる世界のその先

青木:最後に今後のことを伺いたいです。使いたいと思ったら借りられている世界の実現がこの先の展望でしょうか?

加藤:借りたいと思ったら1分後に借りられているのは理想のひとつですね。それ以外には、ロボットCFOみたいなのが作れるといいですよね。例えば、今は借りる必要はないんだけど市況としては金利が下がっているから今借りておいた方がいいよとか。

どのくらいの金額を、どのくらいの金利で、どのくらいの返済期間で、借りた方がいい、とか。そういうのもあるといいかなと。

神田:そうするとその先の資金ニーズもカバーできますね。

青木:ありがとうございます。今日はファイナンスサービスの基本から今後まで色々伺えました。あとは、元気の秘訣も伺えてよかったです。

山田:神田さんに黒にんにくのスポンサーを。

青木:それも今後の目標ですね。

一同:(笑)。

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