「ペルソナを設計する際は、どのような点に注意すべきか」
「ペルソナを設計した後は、どのように活用していけばよいのだろう」
新卒採用や中途採用において、はじめてペルソナ設計しようと考えている方や、過去にペルソナ設計したものの、思うような成果が得られず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、ペルソナの具体的な設計方法や設計時の注意点について解説していきます。
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採用ペルソナとは?
「ペルソナ」とは主にマーケティング領域で用いられる概念で、「商品・サービスを利用する顧客モデル」のことを指します。年齢・性別・家族構成・趣味・ライフスタイルなどの要素から架空の人物像を作り上げ、顧客イメージを具体化することでマーケティング戦略を立てていきます。
そしてこの概念を採用活動に置き換えたものが「採用ペルソナ」です。年齢・性別・学歴・職歴・価値観などの要素をもとに、「採用したい人物像」を具体的に作り上げていきます。
採用したい人物像を明確化すれば、自社にマッチする人材に絞って適切なアプローチができるようになり、採用活動の効率化やミスマッチ防止がはかれます。
求職者の価値観や働き方が多様化し、労働人口の減少によって採用競争が激化している今、自社にマッチした人材を採用するためにはこのような「マーケティングの視点」が必須です。
採用ペルソナが重要になった背景
採用マーケティング、ひいては採用ペルソナの必要性が高まっている背景には、転職への抵抗感の低下と価値観の変化があります。キャリア形成などを理由に転職は一般化し、優秀な人材ほど「合わない」と感じた職場から早期に離れる傾向があります。
パーソルキャリアの2025年調査では、83.3%が「企業風土」を転職の検討要因に挙げています。いまやスキルや条件だけでなく「価値観の一致」が採用・定着の鍵といえます。
労働人口の減少により人材獲得競争は今後さらに激化する見込みです。その中で、「誰を採用すべきか」「どう魅力を伝えるか」を明文化する採用ペルソナの重要性が増しています。
出典:パーソルキャリアJob総研「2025年 企業風土の実態調査」
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採用ペルソナと採用ターゲットの違い
| ターゲット | ペルソナ | |
|---|---|---|
| 設定方法 | 絞り込む | 作りあげる |
| パーソナリティ | なし | あり |
| 人物像 | 大まかな人材像 | 1人の人物を想定 |
| 具体例 | ・男性 ・30代 ・3年以上営業経験あり | ・男性 |
「ペルソナ」とよく混同される言葉として「ターゲット」がありますが、それぞれ上記のように異なります。
「ターゲット」は年齢・性別・職歴などの属性によって対象を絞り込んでいくのに対し、「ペルソナ」は架空の人物を想定して詳細な人物像を作り上げていきます。またペルソナは、ターゲットと違ってパーソナリティをもっているのが特徴です。
「30代・男性・営業職」といった採用ターゲットのみの設定では、どんな価値観・行動特性・ビジョンをもっている人材なのかイメージできないため、採用担当・現場・経営層の間で認識のズレが生じる恐れがあります。
しかし採用ペルソナを設計すれば、具体的な人物像を思い描けるため、社員間で共通認識をもてるようになります。
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採用ペルソナを設計する3つのメリット
採用ペルソナの設計によって得られるメリットは次の3つです。
1.求める人物像の認識をそろえられる
採用ペルソナを設計すれば、採用したい人物像に対する社員間の認識のズレを防げます。
面接官が複数人いる場合でも、各々の主観による評価を防げるため公平な面接ができるようになります。
2.採用活動の効率化につながる
採用ペルソナを設計すれば、求める人物像のパーソナリティまで細かく想定できるため、どのような手法でアプローチし、どのような情報を発信すべきかなど、求職者の視点で採用戦略を立てられるようになります。
自社にマッチする人材に対してもっとも効果的な採用手法・採用広報施策・スカウト文面などを選択できれば、採用活動の効率化がはかれるでしょう。
また、採用ペルソナという軸があるからこそ、社員間の議論もスムーズに進められ、途中で意見や方針がブレることもありません。
3.ミスマッチによる早期離職を防げる
採用担当・現場・経営層の間で求める人物像のイメージが異なると、入社後のギャップが生じてしまいます。
現場や経営層の意見も取り入れて採用ペルソナを設計すれば、自社にマッチする人材のみを採用でき、早期離職を防げます。
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採用ペルソナの作り方【テンプレート付き】

次に、ペルソナを設計するための方法を3ステップで解説していきます。
「ペルソナの作り方や考え方がわからない」「自社にマッチしたペルソナを設定するためのコツが知りたい」という方はぜひ参考にしてください。
また、採用ペルソナをゼロから作成しようとすると、項目の洗い出しや書き方に迷うことも少なくありません。そこで本記事では、実務ですぐに使える採用ペルソナのテンプレートをご用意しました。
新卒採用向けと中途採用向けを用意していますので、自社の状況に合わせてカスタマイズしながらご活用ください。
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1.求める人物像の要件を書き出す
まずは、求める人物像の要件を思いつくまま書き出していきましょう。
経営陣や現場の意見をもとに考えるだけでなく、実際に活躍している社員へインタビューし、入社理由や就職活動時のエピソードを聞くとイメージが湧きやすくなります。
また、求める人物像に近いと思われる優秀な社員に対して適性検査を実施するのもオススメです。適性検査の結果を参照し、求める人物像の価値観や行動特性についてイメージを膨らませていきましょう。
新卒採用・中途採用共通の採用ペルソナ基本要件
- 年齢
- 性別
- 学歴
新卒採用でよく使われる採用ペルソナ要件
- 部活動/アルバイト
- 企業選びでもっとも重視すること
- 学生時代一番力を入れたこと
- 長所/短所
中途採用でよく使われる採用ペルソナ要件
- 現在の仕事内容/経歴
- 年収
- 希望する働き方
- 現職への不満や離職理由
- 転職するうえでもっとも重視すること
- 保有スキル
その他にも趣味や家族構成など自由にパーソナリティを書き出していき、質よりも量を重視して要件を書き出していくのがポイントです。
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2.要件をまとめて詳細な人物像(ペルソナ)をつくる
求める人材の要件が書き出せたら、その要件をまとめつつ詳細な人物像を作りましょう。
小説に出てくるキャラクターを創るような感覚で、イメージを膨らませていくのがポイントです。

採用ペルソナの各要件の具体的な記入例
社会的特徴
・年齢:33歳
・性別:男性
・家族構成:妻1人、娘1人(2歳)
・所得:650万円
・学歴:国立高校〜早稲田大学
・職歴:メガベンチャー(2012〜2017)〜教育系スタートアップ(2017〜2023)
会社的特徴
・業種:toB 向けに無形商材を提供
・職種:営業〜マネージャー
・地域:東京
・チーム人数:5名程度
心理的特徴
・ライフスタイル:子育て優先。柔軟な働き方をしつつチャレンジしたい。
・パーソナリティ:人当たりが良く、誰とでも分け隔てなく接する。
・仕事で大事にしていること:自由度が高い。新しいことに挑戦できる。
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3.社内でブラッシュアップする
ペルソナを設計したら、経営陣や現場の社員に再度意見をもらいましょう。設計していく過程で、当初の目的や求める人物像からズレが生じてしまっている場合があるからです。
またペルソナを活用した採用活動を開始しても、思ったような人材と出会えない可能性があります。その場合は、理想ばかりを追い求めて存在し得ない人物設定になっていないか、見直しや再設計を行いましょう。
ペルソナの設計は一度で上手くはまらない場合が多いうえに、年度によっても求める人物像が変わっていきます。
一度設計したペルソナに固執することなく、柔軟に調整や修正を行い、PDCAサイクルを回すことで徐々に精度を高めていくようにしましょう。
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採用ペルソナシートとは?

採用ペルソナシートとは、ペルソナを設計する際に役立つテンプレートやフレームワークを指します。ペルソナを思いつくままテキストでまとめると、見落としや見づらさが問題になったり流用しづらかったりするため、ペルソナシートを利用しての設計をおすすめします。
採用ペルソナシートに必要な項目について
まず基本となるのが「募集概要」です。新卒向けであれば対象学年や職種、中途向けなら配属部署やポジションを明記しておきましょう。その上で「基本情報」として、年齢・性別・居住地・学歴・専攻分野などの属性を具体化します。
続いて「職務経歴やスキル」を設定します。中途採用ではこれが中心となり、これまでの業務内容や成果、専門スキル、マネジメント経験、保有資格まで記入するのが望ましいでしょう。一方、新卒採用ではスキルや経験よりも「志向性」「価値観」がカギを握ります。挑戦意欲や安定志向、また学外活動やインターン経験など行動特性を盛り込むことで、成長ポテンシャルを把握できます。
さらに「価値観・動機」を整理することも欠かせません。働く上で大事にしたいことや企業選びの基準、転職理由などを明文化しておけば、求人票や面接時の評価基準に直結させられます。こうして属性から志向、価値観までを一貫して言語化することで、自社が本当に採用すべき人物像を立体的に描けるでしょう。
これらをゼロから作成するのは時間がかかりますし、採用活動に慣れていない方はどのようにペルソナシートを作ればいいのかイメージしづらいかもしれません。
ここでは採用ペルソナシートの書き方【テンプレート付き】を無料配布していますので、ぜひご利用ください。
採用ペルソナシートの書き方
採用ペルソナ設計でも先述しましたが、採用ペルソナシートは「どの観点をどこまで具体化するか」がポイントです。基本情報の欄では、単に「20代・営業経験あり」と書くのではなく、「31歳・食品会社で営業8年経験・年収500万円」といった形で具体的に記入するとリアリティが増します。
新卒の場合は、学歴や専攻に加えて「学外活動の取り組み」「キャリア形成に対する姿勢」まで書き出すと効果的です。たとえば「経済学部出身・サークルでリーダー経験あり・成長環境を重視」と整理すれば、選考基準が明確になります。
中途の場合は「業界経験」「役職」「担当業務と成果」などを数値とともに記載すると、スキルや即戦力性を客観的に評価できます。
また価値観や動機の欄では、自社で長期的に活躍できるかを見極める観点が大切です。「現職の不満:意思決定が遅い → 希望条件:裁量を持って動ける環境」といった具合に、候補者の動機と自社の特徴への紐付けを具体的な内容で落とし込み、入社後のミスマッチ防止につなげます。
テンプレートを活用する際は「人物像の詳細メモ」欄を積極的に活用してみてください。表の項目を埋めるだけでなく、候補者が惹かれる自社の魅力や想定シナリオを補足すると、採用担当や現場の間で訴求方針までイメージのすり合わせができ採用活動がスムーズになります。
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採用ペルソナ設計時の3つのポイント
ここでは、ペルソナ設計時に押さえておきたいポイントを解説していきます。
1.自社の魅力を客観的に知ってから設計する
ペルソナを設計する際は、自社の魅力を客観的に理解してから行いましょう。
自社の魅力や強みを十分に理解していなければ、自社にマッチする人材がどのような人物であるかわかりません。
また、自社の魅力を知らないまま設計をしても、ペルソナに対してどのような情報を発信していけばよいか見当がつかないでしょう。
次の5つの要素に基づいて「他社にはない自社ならではの魅力」を見つけてから設計をするようにしましょう。
▼会社の魅力を構成する5つの要素
・仕事内容
・事業内容
・社員
・文化
・制度
また、入社したばかりの若手社員に対してインタビューし、入社の決め手や他社よりも優れていると感じた点を聞くことで、自社ならではの魅力をさらに発見できるでしょう。
「自社の魅力がうまく洗い出せない」「情報発信などにも苦戦している」
という方は、「なぜ採用がうまくいかないのか」について解説した、以下の記事からご覧ください。
採用への考え方をアップデートすることで、自社にマッチした人材の採用に繋がるでしょう。
【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook
また、こちらの記事では採用における「ファンづくり」について実践方法と共に解説しています。
ぜひあわせてご覧ください。
なぜ採用に”ファンづくり”と”カジュアル面談”が必要なのか【採用の新常識】https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook_2
2.複数パターン想定する
ペルソナは1つだけでなく、複数パターン想定しておくと良いでしょう。
ペルソナ設計は1人の人物像を作り上げることで成り立ちますが、1人だけの人物像に絞ることが正解ではありません。
たとえば新卒採用の場合、特定の人物像だけでなくさまざまな個性をもった人材を採用した方が組織の多様性に繋がります。
同一ペルソナによって特定の人材を一定数採用するよりも、「主力事業を支える人材」「将来の幹部候補となる人材」「新規事業を開拓する人材」など、活躍してほしい方向性によってペルソナを複数用意した方が組織の活性化に繋がるでしょう。
またペルソナを複数用意することで、対象範囲を狭めすぎて機会損失してしまうリスクも避けられます。
ただしペルソナが多すぎてしまってもわかりづらくなるため、中途採用の場合は募集職種につき1〜2つ、新卒採用の場合は2〜3つほど用意するとよいでしょう。
3.労働価値観の変化をふまえて設計する
ペルソナの志向性は、近年の労働価値観の変化を把握したうえで設計しましょう。
時代によって、求職者が企業選びで重視するポイントや、働き方の価値観は変化しています。そのため、設計したペルソナの価値観が古いままだと、「ペルソナに当てはまる人材が存在しない=採用失敗」となってしまうでしょう。
たとえば、従来の求職者は給与などの条件面を重視する傾向にありましたが、最近の求職者は「仕事のやりがい」や「成長環境」を重視する傾向にあります。コロナ禍以降は、副業や移住に前向きな求職者も増加傾向です。
とくに、採用難易度の高いデジタル人材は「スキルアップが奨励される社風」に魅力を感じる傾向にあります。

つまり、時代にあったペルソナを設計すると同時に、成長環境の整備やテレワークの推進など、現代の求職者が理想とする職場に近づけていくことが、採用成功のポイントといえるでしょう。
引用:ウォンテッドリー「コロナ禍の転職と副業に関する調査」「移住と働き方に関する調査」「デジタル人材に関する調査」
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職種・状況別で見る採用ペルソナ設計の注意点
採用ペルソナの設計は、職種や採用状況によって着眼点が変わります。同じテンプレートを用いても、どの要素を深掘りするかで実効性が大きく変わるため注意が必要です。ここでは代表的なシーンごとに設計のポイントを整理します。
中途採用/新卒採用/第二新卒での違い
中途採用では「即戦力性」と「カルチャーフィット」の両立が欠かせません。特に過去の職務経験や成果を具体的に書き込み、スキルセットや行動スタイルを詳細に落とし込むと実務での評価基準に直結します。転職理由や志向性も重要で、前職での不満と自社の強みがどの程度マッチするかを見極める材料となります。
新卒採用はポテンシャル重視です。スキルよりも「価値観」「成長意欲」「挑戦姿勢」など将来性を評価する要素を中心に設計するのが効果的です。ゼミやサークル活動、学外の取り組みなどを通じて見える行動特性を具体化すると、面接時の質問設計にもつながります。
第二新卒の場合は、新卒と中途の中間に位置します。社会人経験はあるものの短期間での転職であるため、「なぜ早期に転職したのか」という動機を丁寧に整理する必要があります。現職のギャップが解消される環境を提供できるかどうかが定着率を左右するため、ペルソナ設計においても志向性や不満点を詳細に落とし込むことが欠かせません。
エンジニア採用における特徴と注意点
エンジニア採用では、スキル要件と志向性のバランスをどう設計するかが鍵となります。プログラミング言語やフレームワークの経験年数、開発規模などの定量要素は必須ですが、それだけでは不十分です。
「学習意欲が高く新技術に積極的」「一人で黙々と取り組むよりチーム開発を好む」といった行動特性や志向性を具体的に記載することで、組織に合う人材を見極めやすくなります。特にスタートアップではマルチタスクへの柔軟性やスピード感への適応が求められるため、スキルの裏にある価値観を丁寧に設計することが成功のポイントです。
また市場の供給数が限られているため、必須条件を絞り込みすぎないことも重要です。例えば「Python経験3年以上」から「Python経験1年以上+AWSの利用経験」といった形で条件を組み合わせ、候補者母数を確保しながら現実的な設計を行う工夫が求められます。
営業職における価値観の切り分け方
営業職は経験者が多く母集団形成が比較的しやすい一方で、「どんなタイプの営業が欲しいのか」を明確にしなければミスマッチが起こりやすい職種です。
成果主義の環境で力を発揮するタイプなのか、顧客関係を長期的に構築するタイプなのかによって、必要な志向性や行動特性は大きく異なります。ペルソナ設計の段階で「成果報酬にモチベーションを感じる」「チームで情報を共有しながら提案を行う」といった価値観を描き分けると、採用後の定着率が向上します。
また、営業職は転職動機として「成長環境を求める」「報酬アップを狙う」といった要素が多いため、候補者の動機と自社の提供価値が一致しているかどうかをペルソナに組み込むことも欠かせません。
リモート可・地方採用で考慮すべき要素
リモートワークや地方採用を前提とする場合、ペルソナ設計には追加の観点が必要です。
リモートワークでは「自己管理能力」「オンラインでのコミュニケーション力」が特に重視されます。出社型のペルソナをそのまま流用すると、採用後に意思疎通の不足や孤立感の問題が生じる恐れがあります。ペルソナシートには「定期的に自己発信できる」「チャットツールで円滑に議論できる」といった具体的な行動特性を加えるとよいでしょう。
地方採用では、居住地や転勤意欲の有無を詳細に書き込むことが求められます。例えば「Uターン希望」「地元志向が強い」「将来的に転居可能」といった要素を設計に含めることで、採用後の生活基盤やキャリアの安定性まで想定できます。さらに、地方採用では「企業ブランドより働きやすさを重視する傾向」があるため、ペルソナにおいても制度や福利厚生への価値観を丁寧に整理しておくことが有効です。
このように、採用ペルソナは職種や状況ごとに着眼点を変えて設計する必要があります。同じテンプレートを使っていても、どこを深掘りするかによって実務での活用度合いは大きく異なります。
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採用ペルソナを活用する場面と方法
採用ペルソナは設計して終わりではなく、採用活動のあらゆる局面で実務に活かすことが重要です。ここでは代表的な活用シーンを3つに分けて解説します。
採用手法や媒体の選定
たとえば「若手エンジニア(経験3年以上)」という条件だけでアプローチを検討している場合、単純に20代のエンジニアが多い媒体を候補に入れる、といった選び方になりがちです。
しかし、採用ペルソナを設定しておくと、より具体的で効果的な施策を検討できるようになります。
たとえば、「27歳、エンジニア経験3年、JSやPythonが得意で、コミュニケーション能力が高く、将来的にはマネージャー職を希望している」というペルソナを作成すると、次のような検討が可能です。
- 単純に若手エンジニアが多い媒体で募集をかけるだけでなく、そのペルソナのプロフィールに合った候補者が確認できる媒体はどこか検討できる
- 採用サイトや求人情報に、マネージャー職を目指せるキャリアパスや社員紹介を盛り込むことで、応募意欲を高められる
- ペルソナの関心に合わせたメッセージやコンテンツを作ることで、限られた予算でもより効果的な接触が可能になる
このように、ペルソナを起点にすると、単なる媒体選定にとどまらず、候補者に響く採用施策全体を設計できるようになります。
求人票・スカウト文の精度向上
求人票やスカウト文の作成においても、採用ペルソナは強力な指針になります。単に条件を列挙するだけではなく、「この人物なら魅力を感じるだろう」という視点で文章を設計できるからです。
たとえば新卒向けのペルソナで「成長環境を重視」と設定した場合、求人票には「若手から裁量を持てるプロジェクトが多い」といった情報を盛り込むと効果的です。中途向けでは、ペルソナの特性に合わせて文面を調整するとさらに効果的です。たとえば「双方向のコミュニケーションを重視するタイプ」をペルソナとして設定すれば、スカウト文や求人票には「社内で意見交換や議論が活発に行われる環境」といった具体的な情報を盛り込むことで、候補者に「自分に合った募集だ」と感じてもらいやすくなります。
こうした具体性が、候補者に「自分のための募集だ」と感じさせ、応募率の向上につながります。
運用・改善サイクルの回し方(定期的なアップデート)
採用ペルソナは一度作って終わりではなく、運用の中で更新していく必要があります。募集を重ねる中で「想定より安定志向の人材が集まる」「入社後に活躍しているのはリーダータイプより協調性の高い人材だった」といった気づきが得られるはずです。これらをシートに反映すれば、より現実に即した設計図へと進化します。
また、労働市場のトレンド変化にも注意が必要です。リモートワーク普及、副業解禁、地方移住といった価値観の変化は、求職者の志向に直結します。設計したまま放置すれば、現場と市場の乖離が進み、せっかくのペルソナが形骸化してしまうでしょう。半年〜1年に一度は見直しの場を設け、採用データや現場の声をもとにブラッシュアップするのが理想です。
このように採用ペルソナは、媒体選定から求人票の表現、さらに運用サイクルの改善まで幅広く活用できます。単なる理想像に留めず、実際の採用施策に結びつけることで、精度と効率を大きく高められるのです。
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採用ペルソナでよくある失敗と回避策
採用ペルソナは有効なフレームワークですが、使い方を誤ると逆効果になることもあります。ここでは実務で起こりやすい失敗と、その回避策を紹介します。
ペルソナを細かく作りすぎて現実と乖離する
ありがちな失敗のひとつが「理想を詰め込みすぎる」ことです。年齢・学歴・職務経験・趣味・ライフスタイルと細かく設定しすぎると、実際の市場に存在しない人物像になってしまう恐れがあります。結果的に採用が進まなくなることも少なくありません。
回避策としては、「必須条件(MUST)」と「歓迎条件(WANT)」を明確に分けることです。すべてを理想通りに求めるのではなく、実現可能な範囲で優先順位をつけることが重要です。
関係者とのすり合わせ不足で活用されない
ペルソナを作成しても、現場や経営陣との合意形成が不十分なまま進めると、実務で活用されないケースがあります。人事が描いた理想像と、現場が求める人物像が乖離していれば、面接評価やスカウトの基準がバラバラになり、結局形骸化してしまうでしょう。
回避策は、設計段階からステークホルダーを巻き込み、共通認識を醸成することです。特に面接官や現場マネージャーには積極的にペルソナを共有し、評価基準として使えるレベルまで落とし込む必要があります。
採用チャネルとの整合性がとれていない
せっかく設計したペルソナも、実際に活用するチャネルと整合していなければ成果につながりません。たとえば「45歳・営業出身で事業戦略を担う管理職」というペルソナを設定したのに、大手求人媒体だけで募集をかけても効果は限定的です。なぜなら、シニア層やハイクラス人材は優秀な人ほどエージェント経由やスカウト、リファラルでの採用が中心となっており、求めている人材がピンポイントで求人に反応してくれる確率はかなり低いでしょう。
回避策としては、ペルソナを基準にチャネルを見直すことです。経験豊富な人材にはエグゼクティブ向け採用サービスやリファラルを、若手ポテンシャル層には若手向けの採用サービスの他にもSNSやダイレクトスカウトを追加検討するなど、特性に応じた媒体を選定することで、採用戦略が実効性を帯びます。
ペルソナを「作って終わり」にしないための工夫
最も多い失敗が「一度作ったペルソナを更新せずに放置する」ことです。求職者の価値観や市場のトレンドは常に変化しており、古いままのペルソナでは効果が薄れていきます。
回避策は、定期的なアップデートを仕組み化することです。半年や1年に一度、実際の応募者データや内定承諾率、入社後の活躍状況を振り返り、必要に応じて項目を修正します。さらに、現場や経営陣とのフィードバックサイクルを設けることで、常に“生きたペルソナ”として活用できるでしょう。
このように、採用ペルソナには「細かすぎる」「合意形成不足」「チャネル不一致」「更新不足」といった典型的な落とし穴があります。設計時だけでなく運用段階での工夫を徹底すれば、単なる理想像ではなく実務に活きるフレームワークとして機能するはずです。
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採用ペルソナについてよくある質問
Q1. 採用ペルソナとは何ですか?
採用ペルソナとは、企業が採用したい理想の人物像を明文化したものです。学歴や職歴、価値観、志向性などを具体的に設定することで、採用活動の精度と効率を高めることができます。
Q2. 採用ペルソナとターゲットの違いは何ですか?
「ターゲット」は抽象的な属性(例:20代の営業経験者)を指すのに対し、「ペルソナ」は特定の1人を想定した具体的な人物像(例:◯◯大学卒、SNSに強い◯歳の営業担当)として設計されます。より深く人物像を描くのがペルソナです。
Q3. 採用ペルソナの作り方にはどんな手順がありますか?
一般的には「目的の明確化 → 情報収集 → 共通項抽出 → 具体化 → 可視化 → 社内共有 → 運用と改善」というステップで進めます。採用ペルソナシートの書き方【テンプレート付き】を無料配布中です。ぜひご利用ください。
Q4. 採用ペルソナはどんな場面で活用できますか?
求人票の作成、スカウト文の作成、面接評価の基準設計など、多くの採用業務で活用できます。ペルソナを事前に設計しておくことで、一貫性のある選考とミスマッチの防止が可能になります。
Q5. 採用ペルソナ設計に役立つフレームワークにはどんなものがありますか?
代表的なのは「カスタマージャーニー」「3C分析(市場・競合・自社)」「SWOT分析」などです。採用に応用すれば、候補者が就職先を選ぶプロセスや競合企業との違い、自社ならではの強みを整理できます。これらを併用することで、単なる理想像ではなく、市場性と再現性を備えた実践的なペルソナを設計できるでしょう。また、汎用的な項目を網羅した採用ペルソナシートのテンプレートをお配りしています。採用ペルソナを作成するにもイメージができないという方はぜひ採用ペルソナシートの書き方【テンプレート付き】をご利用ください。
まとめ
今回は、採用活動におけるペルソナ設計の方法やポイントについて解説しました。
ペルソナ設計は、社員同士の認識を統一して円滑に採用活動を進めるため、そして母集団形成や選考の戦略を立てるために欠かせません。
ぜひ今回紹介した内容を参考にし、自社にマッチした人材へアプローチしていきましょう。
Wantedlyでは、ペルソナに沿った人材に直接アプローチできるダイレクトスカウトが可能です。
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