採用戦略とは自社が必要とする人材を、適切なタイミングで、最適な手法によって採用するための戦略や戦術のことです。
採用戦略の重要性が高まった背景、戦略の立て方を整理しました。求人広告・人材紹介・スカウトなど主要な採用手法の比較や、KPI設計、よくある失敗とその回避策、企業事例やフレームワークも紹介。採用課題の本質を見極め、戦略的に採用活動を進めたい方に向けた実践的な内容をまとめました。
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採用戦略とは?

採用戦略とは、自社が必要とする人材を、適切なタイミングで、最適な手法によって採用するための戦略や戦術のことを指します。
単に「採用活動を行う」ことではなく、事業戦略や組織課題と連動しながら、誰を・どのように採用するかを明確にすることが特徴です。
例えば、「営業職を◯名採用する」といった目標を立てるだけでなく、下記のような採用の目的や方法を戦略的に設計することを「採用戦略」といいます。
- なぜその職種が必要なのか
- どんなスキル・マインドを持つ人材がフィットするのか
- どの採用チャネルを使えばターゲット層に届くのか
採用戦略の重要性と目的
採用は、企業の未来を左右する重要な経営課題の一つです。
特に人材市場が激化している今、戦略なくして成果は出せない時代になっています。
採用戦略を立てる目的は、単なる人手不足の解消ではなく、事業成長に貢献する「組織づくり」を実現することにあります。
具体的には、採用戦略を立てることで以下のようなメリットが得られます:
- 誰を採るべきかが明確になる(=採用ターゲットの明確化)
- 手法の選定や施策に一貫性が出る(=チャネル・手段の最適化)
- 採用にかけるリソースの配分がしやすくなる(=予算や人員の有効活用)
- 成果を定量的に評価し、改善につなげられる(=KPIの設計)
戦略的に動けていない企業ほど、「思ったように応募が集まらない」「採っても定着しない」「求人媒体の費用対効果が悪い」といった課題に直面しがちです。
採用を経営戦略と切り離さず、一貫した視点で設計することが、これからの採用成功のカギとなります。
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採用戦略の必要性が高まった背景
日本の採用市場は今、構造的な変化の真っただ中にあります。
企業が持続的に人材を確保し、成長を実現するためには、従来のような「場当たり的な採用」では対応しきれず、戦略的な採用活動が求められています。以下、その背景にある主な要因を解説します。
生産年齢人口の減少による構造的な人手不足
総務省の「労働力調査(基本集計)」によると、日本の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。これは一時的な景気変動ではなく、少子高齢化という構造的な要因によるもので、今後も確実に進行します。
リクルートワークス研究所の予測によると、日本の労働供給は2030年に約341万人、2040年には約1,100万人も不足する「労働供給制約社会」に突入するとされています。シニア層や女性の就業率向上といった補完的な現象だけでは補いきれず、根本的な人手不足を前提とした採用戦略の構築がすべての企業にとって急務となっています。
求人倍率の高止まりと中途採用市場の難化
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によれば、令和7年(2025年)平均の有効求人倍率は1.22倍となり、依然として求職者よりも求人数が多い「売り手市場」が高水準で継続しています。
また、マイナビの最新調査によると、2025年の中途採用活動について「前年より厳しかった」と回答した企業の割合は80.6%に達しています。人材不足を背景に企業側の採用意欲が高い状態が続いており、他社との差別化や独自の魅力訴求を行わなければ、優秀な人材を獲得できない競争の激しい時代になっています。
出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)」
出典:株式会社マイナビ「中途採用状況調査 2026年版(2025年実績)」
働き方・価値観の多様化と採用戦略の再定義
企業が導入する働き方の制度は多様化しており、フレックスタイム制や副業・兼業の容認、テレワークの推進など、柔軟な働き方を支援する動きが広がっています。
たとえば国土交通省「テレワーク人口実態調査(令和5年度)」によれば、全国の雇用型テレワーカーの割合は24.8%にのぼり、特に都市部を中心に一定の普及が進んでいます。
加えて、Z世代を中心とした仕事観やキャリア観の変化により、求職者が働き方に求めるニーズや価値基準も多様化しています。
このような背景から、企業側には「条件提示型の採用」ではなく、「どんな価値観やスタンスで人材を迎え入れるか」という姿勢が求められるようになってきました。
人材サービスの多様化と選択判断の難易度上昇
あわせて注目すべきは、人材サービスの急速な多様化です。
かつて主流だったハローワークや求人広告といった「募集型」の手法に加え、近年ではダイレクトスカウト、リファラル採用、SNS採用など、企業側から能動的にアプローチする新たな採用チャネルが急増しています。
さらに、それぞれのチャネルには「ハイクラス人材向け」「第二新卒向け」「特定職種(エンジニア・営業など)向け」に特化したプラットフォームも数多く登場しており、人材属性や採用目的に応じた選択が求められるようになっています。
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採用戦略の立て方(採用戦略立案の全体像と基本手順)

採用戦略は、経営戦略との整合から始まり、要員計画、採用要件の整理、ターゲットの絞り込み、競合・候補者調査、自社の魅力整理、ペルソナ設計、訴求メッセージの策定、施策選定、KPI設定という一連の流れで組み立てます。
各段階は前の工程の結果を踏まえて次を決める依存関係にあるため、順序を保って進めることが精度の高い戦略につながります。
| 採用戦略立案のステップ | 実行者・関係者の例 | アウトプット(成果物) |
|---|---|---|
| 1. 経営戦略や事業計画のすり合わせ | 経営層、事業責任者、人事責任者 | すり合わせ議事録 |
| 2. 要員計画及び採用計画の策定 | 経営層、事業責任者、人事責任者、採用担当者 | 要員計画書/採用計画書 |
| 3. 採用要件や募集要項の策定 | 採用担当者、現場責任者 | 採用要件定義書/募集要項など |
| 4. 候補者のニーズと競合の調査 | 採用担当者、現場責任者 | 競合分析シート/候補者インサイトメモ |
| 5. 自社の強みや魅力、競合差分の整理 | 採用担当者、現場責任者 | 強み・弱み整理シート(3C/SWOT分析結果)など |
| 6. 採用ペルソナの設計 | 採用担当者、現場責任者、現場社員(ヒアリング対象) | 採用ペルソナシート |
| 7. 訴求方針の策定(自社の魅力の言語化) | 採用担当者、現場責任者、人事責任者 | 訴求方針アイディアシート(バリュープロポジションキャンバス分析結果)など |
| 8. 採用手法や採用チャネルの選定 | 採用担当者、人事責任者 | 採用チャネル選定表/採用ファネル設計図 |
| 9. 採用KPIの設定 | 採用担当者、人事責任者、経営層(合意形成) | KPI設定シート/採用計画書のブラッシュアップなど |
| 10. 施策実行と改善サイクル | 採用担当者 | 施策管理表/採用KPI管理表など |
1. 経営戦略や事業計画のすり合わせ
採用戦略は、経営戦略や事業計画と切り離しては機能しません。まずは経営陣や事業責任者と対話し、今後どの事業を、どの規模で伸ばしていくのかを確認しましょう。
その際、必要な人員の「数」だけを聞き取るのではなく、「なぜその体制が必要なのか」という背景まで踏み込むことが重要です。ここでの理解が浅いままだと、後続の要員計画やターゲット設定の精度が下がり、採用活動全体の軸がぶれる原因になります。
2. 要員計画及び採用計画の策定
経営戦略とのすり合わせができたら、それを実際の人員数に落とし込みます。どの部署に、どの職種を、いつまでに、何名増やす必要があるのかを一つずつ具体化していく作業です。
事業側の希望人数をそのまま鵜呑みにせず、現在の組織体制や在籍者のスキル、今後の退職見込みなども踏まえて精査すると、より実態に即した計画になります。
あわせて、選考にかかる期間や入社時期の希望なども整理しておくと、後の施策選定やスケジュール管理がスムーズです。ここで作成した要員計画書・採用計画書は、以降のステップ全体の土台になります。
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3. 採用要件や募集要項の策定
要員計画で定めた人数・ポジションに対し、必要なスキルや経験、資格などの採用要件を具体化します。
現場任せにすると、必須要件と歓迎要件の切り分けが曖昧なまま進んだり、要件を細かく詰め込みすぎた結果、実際にはその条件に合う候補者が市場にほとんど存在しない、という状態に陥ったりしがちです。そのため、採用担当者自身が転職顕在層・潜在層といった市場の存在量も踏まえながら現場とすり合わせ、現実的な水準に落とし込むことが欠かせません。この段階では人物像の細部までは詰めず、あくまで対象となる範囲を定義するにとどめます。
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4. 候補者のニーズと競合の調査
絞り込んだ対象層が転職において何を重視しているのか、そのニーズを調査します。給与や待遇だけでなく、キャリアパスや働き方への価値観まで理解することが、後の訴求設計の精度を左右します。
あわせて、同じ人材を取り合う競合他社がどのような条件や訴求で募集を行っているかも確認しましょう。求人票の内容や口コミサイトの評判、SNSでの発信内容などを見ていくと、候補者から見て競合他社がどう映っているかが具体的につかめてきます。
5. 自社の強みや魅力、競合差分の整理
候補者ニーズと競合の状況を踏まえ、自社の強みや魅力、競合との違いを整理します。ここで大切なのは、強みを一方的にアピールすることだけが正解ではないという点です。
自社に弱みがある場合も、それを補う制度や取り組み(例えば経験不足を研修体制でカバーするなど)を示すことで、訴求として成立させる採用戦略も十分にあり得ます。
自社の強みや弱みを思いつきや感覚だけで洗い出しすると、抜け漏れや思い込みが混ざりやすくなりますので、3C分析やSWOT分析といったフレームワークを活用し整理すると良いでしょう。
自社・競合・候補者(市場)という3つの視点、あるいは強み・弱み・機会・脅威という4つの視点から整理することで、体系的に採用戦略を構築する土台が整います。
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6. 採用ペルソナの設計
絞り込んだターゲットや、自社の強み・競合差分の整理を踏まえ、より具体的な人物像であるペルソナを作り込みます。
年齢や職歴だけでなく、価値観や転職理由、情報収集の仕方まで解像度高く描くことで、訴求方針の策定精度が上がります。とはいえ、ゼロから項目を洗い出すのは手間がかかる作業です。項目に迷う場合は、採用ペルソナシートのテンプレートを活用すると、効率的に設計を進められます。
【関連記事】採用ペルソナとは
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7. 訴求方針の策定(自社の魅力の言語化)
設計したペルソナに向けて、何を、どのような言葉で伝えるかを具体化する工程です。前段で整理した自社の強みや差別化ポイントを、ペルソナが実際に求めている情報や言葉遣いに翻訳していきます。バリュープロポジションキャンバス(VPC)を使い、候補者が抱える課題や期待と自社が提供できる価値を照らし合わせることで、単なる条件提示にとどまらない、「なぜこの会社で働く価値があるのか」を伝えるメッセージに仕上げやすくなります。
また、認知段階では興味を引く情報を、比較検討段階では他社との違いを、意思決定段階では入社後の具体的なイメージを、というように、候補者が今どのフェーズにいるかに応じて訴求する内容の重みづけを変えることも意識しましょう。
【関連記事】採用メッセージとは
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8. 採用手法や採用チャネルの選定
誰に何を強みとして訴求するかが決まったら、それをどのプロセスでどう届けるかを検討します。ここで役立つのが、採用ファネルやカスタマージャーニーといったフレームワークです。
候補者が自社を認知してから入社に至るまでの理想的なプロセスを描き、それを自社の現状のプロセスと突き合わせることで、どこにギャップがあるかを可視化できます。
このギャップを踏まえて、求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用など、数ある採用手法の中から自社に合ったものを絞り込んでいきましょう。
単に「どの媒体を使うか」を決めるだけでなく、認知から応募、選考、入社までの一連のプロセス全体をどう設計するかという視点を持つことが、一貫性のある採用プロセスの構築につながります。
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9. 採用KPIの設定
選定した施策の進捗と成果を測るため、KPIを設定します。KPIがないまま採用活動を進めると、施策がうまくいっているのかを感覚でしか判断できず、改善の打ち手も後手に回りがちです。
代表的な指標には応募数や選考通過率、内定承諾率などがありますが、それぞれ見るべきタイミングや目的が異なるため、自社の採用目的と照らし合わせながら選ぶことが大切です。すべての指標を追おうとすると管理が煩雑になるため、まずは自社の課題に直結する指標のみに限定するとよいでしょう。
【関連記事】採用KPIとは
| ▍採用KPIの例 ・応募者数 ・選考通過人数/率 ・内定者数/率 ・内定辞退者数/率 ・採用チャネルごとの費用対効果 ・採用コスト ・採用単価 ・入社配属後の評価(本人・同僚・上司) ・採用後の離職率/定着率 |
10. 施策実行と改善サイクル
ここまでのステップで定まった採用戦略の方針に対し、具体的な施策化を行うフェーズです。
実際のアクションに落とし込み、誰が・いつ・何をするのかを明確にした施策管理表を作成しましょう。あわせて、設定したKPIを追えるよう、KPIダッシュボードやスプレッドシートなどを使った管理表を用意しておくことをおすすめします。
数値を定点観測できる環境が整えば、計画と実績のズレにいち早く気づき、施策の見直しや優先順位の調整といったPDCAを回しやすくなります。
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採用の悩みは、フレームワークを活用し可視化することで打ち手が見えてきます。
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採用戦略立案に役立つフレームワーク
採用戦略は属人的に組み立ててしまうと、施策の一貫性が失われ、成果に結びつきにくくなります。そこで役立つのが、論理的な設計を助けるフレームワークです。ここでは、採用の全体設計や訴求設計、分析・改善など、フェーズごとに活用できる代表的なフレームワークを紹介します。
【関連記事】採用戦略立案に役立つフレームワーク
| フレームワーク名 | 関連する立案ステップ | 活用の目的 | 活用場面 |
|---|---|---|---|
| ペルソナ設計 | ステップ6:採用ペルソナの設計 | ターゲット像を具体的な人物像として明確にする | 訴求方針の策定、採用チャネル選定 |
| 3C分析/SWOT分析 | ステップ5:自社の強みや魅力、競合差分の整理 | 自社・競合・候補者(市場)の視点から強み・弱みを整理する | 訴求ポイントの明確化、差別化戦略の検討 |
| STP分析 | ステップ3〜7:ターゲット設定〜訴求方針の策定 | 採用市場を細分化し、自社が狙う層とポジションを定める | ターゲティング、差別化戦略の設計 |
| バリュープロポジションキャンバス(VPC) | ステップ7:採用メッセージ・訴求方針の策定 | 求職者の課題・期待と自社の提供価値を照らし合わせる | 求人票・スカウト文・説明会資料の設計 |
| 採用ファネル分析 | ステップ8:採用手法や採用チャネルの選定 | 候補者の理想的なプロセスと自社の現状プロセスのギャップを可視化する | 採用チャネル・手法の選定、採用プロセス全体の設計 |
| RFM分析 | ステップ10:施策実行と改善サイクル | 過去の応募者・内定者・活躍人材データをセグメント化し、対応方針を整理する | 選考プロセス、候補者体験、スカウト設計の改善 |
ペルソナ設計
採用ターゲットのスキルや価値観、志向性を具体化するための設計手法です。現場や事業責任者との認識を統一するうえでも有効で、応募者の質や訴求設計のブレを防ぐことができます。面談や社員ヒアリングを通じて設計精度を高めましょう。
【関連記事】採用ペルソナとは
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採用ファネル分析
応募から内定・入社までの各プロセスを数値で分解し、どこで離脱や歩留まりが起きているかを可視化します。施策を感覚で語るのではなく、定量的に評価・改善する土台を整えることで、再現性の高い採用が可能になります。
【関連記事】採用ファネルとは
3C / SWOT分析
自社・競合・市場(3C)や、強み・弱み・機会・脅威(SWOT)などを用いて、自社の採用競争力を俯瞰的に分析できます。魅力の言語化や、どこにどんな人材を訴求すべきか戦略を立てる際に役立ちます。
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STP分析
STP分析はマーケティング領域で有名なフレームワークですが、採用戦略にも応用可能です。「どんな人材市場があるか(S)」「誰を狙うか(T)」「自社はどう差別化するか(P)」を整理することで、母集団設計や訴求設計に役立ちます。
バリュープロポジションキャンバス(VPC)
求職者の課題・期待と、自社が提供できる価値をマッチさせるフレームワークです。求人票やスカウト文の設計で、単なる条件提示から一歩踏み込み、「この企業で働く理由」を明確化したいときに特に有効です。
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RFM分析
過去の応募者・内定者・活躍人材のデータを、接触時期(Recency)、接触頻度(Frequency)、人材期待価値(Monetary)という3軸で分析します。これによりタレントプール内が可視化され、セグメントごとにどのような対応方針でアプローチしていくか整理できるようになります。選考プロセスや候補者体験、スカウト設計の改善など、活用方法は様々です。
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採用戦略立案に必要な基礎知識

採用戦略を実践するには、前提となる知識の理解が欠かせません。初めて採用に携わる方でも安心して読み進められるよう、ここでは立案のために必要な基礎知識を紹介します。
採用予算の考え方
採用活動におけるコストは、「内部コスト」と「外部コスト」の2種類に分けられ、採用媒体の利用料だけでなく、人件費などの社内で発生したコストも含まれます。
採用コストと採用単価の違い
1人あたりだといくらかかったのか計算し直したものを「採用単価」と呼びます。採用コストとよく混同されますが、以下のように定義が異なるため注意しましょう。
- 採用コスト:採用活動全体で発生した費用の総額(円)
- 採用単価:1人あたりの採用コスト(採用コスト ÷ 採用人数)
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
【関連記事】採用コストと採用単価とは?
採用施策の種類とチャネルごとの特徴
採用チャネルにはそれぞれに特性があり、どのチャネルを使うかで応募者の質やコスト効率に大きな差が出ます。
以下は代表的なチャネルごとの特徴をまとめた表です。採用目的、予算に応じて最適な手段を選定しましょう。
| チャネル | メリット | デメリット | 想定予算(目安) |
| 求人広告 | 即効性がある / 複数人採用成功で単価が下がる / 母集団形成しやすい | 応募の質にバラつきあり / 応募がなくても費用発生 | 約20〜180万円 |
| 就職・転職イベント | 直接会って魅力を伝えやすい | 準備工数とコストが大きい | 約50〜150万円 |
| 人材紹介(エージェント) | 即戦力を効率よく獲得できる | 成功報酬が高額 / ノウハウが社内に残らない | 年収の30〜35%程度 |
| ダイレクトリクルーティング | 工夫次第ではスピーディーな採用可能 / 魅力を伝えやすい / 転職潜在層にアプローチ可能 | 運用に工数がかかる | 約10万円/月(6カ月契約)+成果報酬型あり |
| リファラル採用 | ミスマッチが少ない | 制度構築・運用が必要 | 無料(必要に応じインセンティブ) |
| SNS採用 | 企業の雰囲気を伝えやすい | 炎上リスク / 運用体制が必要 | 無料(広告利用時は有料) |
| オウンドメディア | ブランディングに有効 | 成果に時間がかかる / 集客施策が必要 | 無料〜約50万円 |
| ミートアップ | カジュアルな接点が作れる | 効果測定が難しい | 数万円〜十数万円/回 |
求人広告
最も一般的な手法で、求人サイトなどに情報を掲載することで広く告知できます。即効性と費用のバランスがよく、応募者数の母集団形成に向いています。
想定予算は約20〜180万円ほどで、掲載期間や媒体によって価格帯が大きく異なります。成果報酬がかからない代わりに、応募が来なかった・採用できなかったという結果でも支払いが発生する点がデメリットです。
【関連記事】求人広告とは
就職・転職イベント
就職・転職イベントへの出展は、Web上で求人情報を伝える求人広告と違い、求職者と直接会って話せるのが最大の魅力です。
また、ブースへの呼び込みや装飾によって求職者の興味を引けるため、認知度の低い企業でも工夫次第で多くの求職者と接触できます。
ただし、準備にかなり時間を要することや、当日の担当者のトークスキルに左右される点も注意が必要です。
人材紹介(エージェント)
採用成功した場合、他の採用手法に比べるとコストは割高ですが、「忙しくて採用に工数をかけられない」「応募者数こそ多いが、なかなか自社にマッチした人材と出会えない」という企業にはおすすめの採用手法です。
基本的に成果報酬制のため、採用できなかった場合のコスト面での痛手がほとんどありません。
想定予算は、採用人材の理論年収の約35%程度が目安です。
(例)成果報酬が35%の場合、年収400万円の人材を採用すると140万円の支払いが発生
詳しくは、以下の記事をご確認ください。
【関連記事】人材紹介とは
ダイレクトリクルーティング(スカウトサービス)
自社にマッチした人材を企業自らが探し、直接アプローチする採用手法のことで、人材紹介よりも自社にマッチした人材を獲得しやすいところが最大のメリットです。
ターゲットの絞り込みやスカウトメールの作成に工数はかかるものの、「母集団の質をあげたい」「知名度が低く、求人広告等での応募が見込めない」という企業にはおすすめです。
想定予算は月間利用料は約10万円ほどで、これに成果報酬が発生するサービスもあります。
【関連記事】ダイレクトリクルーティングとは
リファラル採用
社員からの紹介によって人材を採用する手法です。
カルチャーフィットする人材と出会いやすく、定着率が高いという傾向があります。一方で、制度設計や運用を誤ると属人的になりやすい側面もあります。
制度設計→社内浸透→紹介と選考…と、工数や時間がかかる点もデメリットとしてよく挙げられます。
【関連記事】リファラル採用とは
SNS採用
SNS採用とは、ソーシャルリクルーティングとも呼ばれ、SNSを通して求職者へアプローチする採用手法のことです。
X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、LinkedInなどが主流で、企業の考えや文化に共感する層にリーチしやすく、認知拡大やブランディング施策とも併せて行うことができます。
ただし、これらSNSそのものは本来採用サービスではないため、他の手法と比較した時効率がやや悪くなります。長期的な視点で施策化すると良いでしょう。
【関連記事】SNS採用とは
オウンドメディア
自社が保有するサイトやブログなどのオウンドメディアで採用に関する情報を発信する手法は、無料で始められる上、表現の自由度も高くおすすめです。
一方で、知名度がない、ページへのサイト内導線が目立たない、ページが検索上位ではないなどの理由で、せっかく作っても見てもらえないといった悩みもよく挙げられます。
サイト構築から始める場合は工数も時間も費用もかかるため、代替手段としてWantedlyのブログ機能や長文SNSのnoteを使う案が採用されることも多いです。
【関連記事】採用オウンドメディアとは
ミートアップ
数人〜30人程度で集まる交流会や勉強会のことで、転職潜在層と直接交流することで自社のファン化を促し、転職のタイミングで自社を選択してもらう確率を上げられます。
母集団形成の長期施策のため即効性はありませんが、ブランディングが低コストでできることから、近年注目を浴びている採用手法です。
ミートアップ自体は外部サービスを利用しなくても開催できますが、SNSやオウンドメディア上の告知のみでは集客数に限界があるため、WantedlyやMeetupなどの告知媒体を活用するのがオススメです。
【関連記事】採用ミートアップを手軽に開催するには?
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採用戦略を立てるメリット

採用活動は「とにかく人を集める」だけでは成果に直結しません。採用戦略を立てることで、ミスマッチの防止や応募の質向上、コストの最適化など、多くの面で効率と効果が高まります。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。
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1. ミスマッチや早期離職が防げる
戦略的な採用活動の最大のメリットのひとつが、入社後のミスマッチを防げる点です。採用戦略では、あらかじめ「どんな人物が自社にフィットするのか(採用ペルソナ)」を明確にし、それに沿って採用チャネルやメッセージ、選考プロセスを設計します。
これにより、応募者と企業側の相互理解が深まり、入社後の「思っていた仕事と違った」「社風が合わない」といったすれ違いを減らすことができます。また、選考時点で自社の価値観や業務内容をしっかり伝えることで、入社前の期待値コントロールも可能になります。
結果として、早期離職のリスクが下がり、オンボーディングや教育コストの無駄も減少。人材の定着率が高まることで、組織の安定化にもつながります。
【関連記事】「採用ペルソナ」が「採用ターゲット」より重要な理由
2. 応募数が増加し、応募者の質も改善される
採用戦略を立てることで、「誰に」「どのように」アプローチするかが明確になり、結果として応募数・応募者の質ともに改善が期待できます。
ターゲット層を明確にしたうえで、その層に届きやすいチャネルを選定し、彼らに刺さるメッセージを設計する。これらを意図的に組み合わせることで、無関係な層への露出を減らし、関心度の高い層からの応募を集めやすくなります。
さらに、採用ブランディングやコンテンツ設計に戦略的な一貫性を持たせることで、求人広告やダイレクトリクルーティングなどの各施策の効果も高まります。「応募が集まらない」「いい人が来ない」といった悩みの多くは、戦略の不在が原因となっているケースが少なくありません。
【関連記事】採用広報が必要な理由とは?
3. 採用コストの最適化につながる
採用活動にかかる費用は、求人広告、人材紹介、選考工数など多岐にわたります。戦略を立てずに進めると、不要な媒体への出稿や過剰な施策投下などによって、無駄なコストがかかってしまうことがあります。
採用戦略を設計することで、チャネルの選定や予算配分に根拠が生まれ、「効果の出るところに集中投資する」という発想が可能になります。たとえば、過去のデータから自社にとって反応率の高いチャネルを見極めたり、リファラルやSNSなど低コストの施策を計画的に活用したりといった工夫ができます。
結果として、同じ予算でもより高い成果を上げることができ、経営的な視点からも「コストパフォーマンスの良い採用」が実現します。限られたリソースで最大の成果を出すには、戦略設計が欠かせません。
【関連記事】採用手法の比較
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採用戦略でありがちな失敗とその回避法

採用戦略を立てても、「思ったように応募が来ない」「採用してもすぐ辞めてしまう」といった失敗は珍しくありません。よくある失敗には、戦略設計の初期段階で見落としやすい共通点があります。ここでは、陥りがちな課題とその対処法を紹介します。
チャネル選定の誤りと予算配分の偏り
「とりあえず求人広告を出す」「過去に使った媒体をなんとなく継続する」といった惰性のチャネル選定では、十分な成果が得られないことも少なくありません。チャネルごとにリーチできるターゲット層や必要な運用工数が異なるため、採用目的と手段がずれると、応募数や質に大きく影響します。
また、ひとつのチャネルに採用予算をすべて投下してしまい、成果が出なかった際に他の手段に切り替えられず、打ち手が尽きてしまうというケースも、採用経験の浅い企業に多く見られます。
たとえば、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用なども選択肢に入れながら、複数の施策を組み合わせて柔軟に設計することが、失敗リスクを減らすポイントです。
KPI設定のズレと振り返り不足
採用KPIは、活動の進捗や成果を可視化し、改善につなげるための重要な指標です。しかし実際には、KPIの設定自体が目的と合っていなかったり、そもそも測定されていなかったりと、評価の軸が曖昧なまま進められてしまうことが少なくありません。
たとえば、「応募数」を増やすことだけを目標にした結果、ミスマッチが多発し、採用後の定着につながらない──といったズレは典型的な失敗例です。
また、KPIを設定していても、振り返りや改善に活かす仕組みが整っていないと、PDCAが回らず施策の効果が見えなくなります。自社の採用目的とフェーズに合ったKPIを設計し、定期的な検証・調整の体制を整えることが、戦略の精度を高める第一歩となります。
ペルソナ設計が不完全なまま進めてしまう
採用活動では、事業責任者・現場・採用担当の間で「理想とする人材像」がすり合わないまま施策を進めてしまうケースが少なくありません。その結果、選考段階で評価がぶれたり、入社後に「思っていた人物と違った」といった認識齟齬が起き、定着率の低下にもつながります。
また、スキルや属性だけに注目した人物設定にとどまってしまい、「その人にとって自社はどこが魅力になり得るか」という視点が抜け落ちているケースも多く見られます。結果として、魅力的な訴求ができず、応募自体が集まらないといった事態にもつながります。
こうした課題を回避するには、採用戦略を「一気通貫」で構造的に設計することが重要です。
たとえばペルソナのほか、ファネル分析、3C/4C分析、TMP(タレントマネジメントプランといったフレームワークを活用することで、感覚や過去の慣例に頼らず、目的に沿った論理的な設計が可能になります。
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採用戦略を実行に移す際のポイントと注意点
採用戦略は立てただけでは成果につながりません。設計した内容を現場でブレなく実行し、継続的に改善することが重要です。ここでは、実行フェーズにおいてつまずきやすい5つのポイントを解説します。
人事戦略との整合性を保つ
採用戦略は、事業や人事全体の方針と連動していなければ意味をなしません。中長期の組織構想や育成方針と接続してこそ、戦略的な人材確保が可能になります。とくに「入社後にどう活躍してもらうか」を見据えて設計することで、採用の質と定着率が向上します。
選考フローの設計
ターゲットに合った人物を見極めるには、戦略に基づいた選考設計が欠かせません。ジョブディスクリプションや評価項目を明文化し、面接官の判断がブレない仕組みを整えることが重要です。また、選考プロセスが長すぎたりレスポンスが遅いと、候補者体験が悪化し、優秀人材の離脱を招く恐れがあります。
社内体制の整備と巻き込み
採用成功には、人事だけで完結させず、現場や経営層を巻き込むことが欠かせません。あらかじめ面接担当者やスカウト協力者を確保し、募集ポジションの背景や期待値を共有しておきましょう。
例えば、スカウトの選定を現場エンジニアに依頼したり、採用広報記事の作成にインタビューという形で参加してもらったりする連携が、組織全体の採用力を底上げします。全社的に「このように採用を進めていく」という戦略を共有し、リファラルを促すことも有効です。
スケジュール・リソース管理
「誰をいつまでに何人採るか」が明確でも、実行するリソースが不足していては実現できません。とくに中小企業やスタートアップでは、採用以外の業務との兼務が多く、スケジュール管理が重要な成功要因となります。施策ごとの工数を見積もり、現実的な実行計画を立てましょう。
属人化を防ぎ、標準化を進める
複数チャネルを用いた採用活動では、情報が分散しやすく運用が煩雑になります。ATSの導入やSlackなどのチャットアプリ連携、選考フローのドキュメント化などにより、運用を標準化することが欠かせません。ナレッジの蓄積と共有を仕組みに落とし込むことで、再現性とスピードが向上します。
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採用戦略の成功企業事例5選
最後に、採用戦略を立て、優秀な人材を採用した企業の事例を紹介します。自社でも真似できる部分を見つけていただき、より採用に成功する確率を上げてきましょう。
1.ディップ株式会社
ディップ株式会社様は、以下の方法でコロナの影響を受けながらも結果として2000名以上の応募、5名の内定承諾、過去最速の採用活動終了と21卒新卒採用に成功しました。
・オウンドメディアの運営
・Wantedlyにおけるストーリー投稿、スカウト
・選考過程での長期間のリモートインターン
ディップ株式会社が活用したWantedlyの料金やサービス詳細については、以下の資料からご確認いただけます。ぜひ、あわせてご確認してみてください。
2.株式会社TBM
株式会社TBM様は、以下の方法で3ヶ月という短期間の中で内定承諾率9割以上、11名の新卒採用に成功しました。
・Wantedlyにおけるトップページ広告
・リクルーターによる学生への魅力づけやフォロー
・オウンドメディア「Times Bridge Media」の活用
株式会社TBMが活用したWantedlyの料金やサービス詳細については、以下の資料からご確認いただけます。ぜひ、あわせてご確認してみてください。
3.株式会社アンドパッド
注目のスタートアップ企業の1社である株式会社アンドパッドは、早期からさまざまな採用チャネルを活用して、採用を成功させています。
- ダイレクトリクルーティングを内製化し、ハイレイヤーの採用を推進
- 紹介数ではなく、質にこだわるリファラル採用
- 人材紹介の有効活用
▶︎株式会社アンドパッドの採用成功事例を無料ダウンロードする
4.株式会社Dai

株式会社Daiは、BtoBの受発注業務をIT化するクラウド型ECプラットフォーム「Bカート」の開発・運営で流通業界にイノベーションを起こしている企業です。
以前はハローワークに求人を掲載していましたが、自社にマッチした人材となかなか出会えないことが悩みでした。しかし、以下の取り組みによって3名のエンジニア採用に成功しています。
・エンジニアが多く登録しているWantedlyでダイレクトスカウトを実施
・事業内容や企業理念を積極的に発信
・コーポレートブランディングを目的としたFacebook広告を出稿
5.キャディ株式会社
注目のスタートアップ企業の1社であるキャディ株式会社は、創業期から数々の採用施策を積極的に行い、採用に成功しています。
- 採用のスケーラビリティを鑑みて、全社でのリファラル採用文化を形成
- オンラインで採用する手法の確立
- ミートアップを使った母集団の形成
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採用形態別にみる戦略の違い(新卒・中途)
採用戦略は、対象となる人材の採用形態によって重視すべき視点や設計方針が異なります。とくに新卒採用と中途採用では、採用市場の構造・候補者の志向・企業の関わり方が大きく異なるため、それぞれに合った戦略設計が必要です。
| 採用形態 | 採用目的 | 主な採用施策 | 主な採用KPI |
新卒採用 | 将来の中核人材の育成・組織文化への順応性 | 採用広報、インターン、合同説明会、SNS、オウンドメディア | エントリー数、説明会参加率、内定承諾率、入社後定着率 |
中途採用 | 即戦力による業務推進・スキル補完 | 求人広告、人材紹介、スカウト、リファラル、ミートアップ | 書類通過率、面接通過率、内定率、採用単価、入社後活躍度 |
新卒採用の特徴と戦略
新卒採用は、「潜在能力」や「ポテンシャル」を重視した長期的な人材投資の側面が強い採用です。学生の多くが初めての就職を経験するため、企業側の情報発信力やブランド力が、応募・志望度に大きく影響します。
また、就活スケジュールが年単位で動くため、採用広報やインターンなど、早期接点づくりも重要になります。オンライン化の進展により、短期的な勝負よりも、「企業のカルチャーや社員の魅力がどう伝わるか」が問われる時代になっています。
- 長期視点での母集団形成が重要
- 採用広報・選考フローの“納得感”が志望度に影響
- 説明会・イベント・SNS発信などの多面的な訴求設計が鍵
【関連記事】新卒の採用戦略とは
【関連記事】新卒採用のメリットとデメリットとは
中途採用の特徴と戦略
中途採用は、スキルや経験がある即戦力人材を対象とした、短期勝負型の採用です。求職者の就職活動期間が短いため、スピード感と情報の的確さが成果を左右します。
中途層は「条件比較」に敏感な層でもあるため、ポジションの具体性や自社で働くメリットがクリアに伝わる設計が不可欠です。また、チャネルによっては「潜在層」にリーチする必要もあり、複数チャネルを組み合わせた設計も有効です。
- 欲しいポジションに対するスキルの明確化が必要
- スカウト・人材紹介・リファラルなど複合チャネルの活用
- 選考スピードや現場の巻き込みが決定率を大きく左右
【関連記事】中途採用とは?新卒・第二新卒との違い
【関連記事】中途採用戦略の事例
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企業タイプ別の採用戦略の工夫
企業の規模やフェーズによって、採用の課題や打ち手は大きく異なります。とくに中小企業・ベンチャー・スタートアップは、知名度やリソースで大手に劣る分、独自の工夫や設計が成果を分けるポイントになります。ここでは、各タイプの企業における採用戦略の特徴と工夫を紹介します。
企業タイプ | 直面しやすい採用課題 | 求人広告ポイント | 人材紹介ポイント | スカウトサービスポイント |
中小企業 | ・知名度が低い ・応募が集まらない | ・費用が比較的安価 ・応募の質が不安定 | ・選考支援がある ・コストが高い | ・認知度に関係なく直接訴求 ・運用に手間 |
ベンチャー企業 | ・即戦力が欲しい ・カルチャーマッチ重視 | ・短期で母集団形成可 ・マッチ度が低くなりがち | ・業界経験者を獲得可 ・スピード感に欠ける | ・ピンポイント人材にアプローチ可 ・返信率が低い |
スタートアップ | ・採用体制が未整備 ・会社の魅力を伝えにくい | ・知名度向上の入口に ・競合に埋もれる可能性 | ・プロに任せられる安心感 ・カルチャー理解に課題 | ・初期フェーズの仲間探しに有効 ・工数がかかる |
※表に載せていませんが採用広報も組み合わせて検討しましょう。採用広報は自社の認知・魅力を中長期的に伝えるために必要で、すべての企業タイプにおいて重要な基盤施策です。
中小企業の採用戦略
中小企業では、「そもそも応募が来ない」という課題が顕在化しやすく、母集団形成において大手との競争が避けられません。だからこそ、「なぜこの会社なのか」を言語化し、企業規模のハンデを逆手に取るようなストーリーデザインが有効です。
- 企業の理念や人間関係の近さなど、働く意義を丁寧に訴求する
- SNSやオウンドメディアを活用し、発信力の底上げを図る
- 自社で活躍する社員の声を積極的に届けることで共感を醸成
ベンチャー企業の採用戦略
成長フェーズにあるベンチャー企業では、「スピード感と柔軟性のある人材」が求められる一方で、制度や体制が整っていないことへの懸念が応募者の心理的ハードルになることもあります。
- 将来的なビジョンや挑戦の意義をストーリーで伝える
- 少数精鋭で裁量が大きい環境であることを強みとして訴求
- リファラルやミートアップなど、信頼を軸とした接点づくりが有効
スタートアップ企業の採用戦略
スタートアップでは、「知名度ゼロ・採用初期・組織未整備」といった状況からのスタートも珍しくありません。その分、採用=経営活動と捉え、トップ自らが採用にコミットする体制づくりが重要です。
- 創業者の想いやビジョンを“顔が見える形”で届ける
- SNSや登壇など、トップの個人発信が採用広報として機能
- 役割やミッションの曖昧さも「自分で形づくる楽しさ」として訴求
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- 採用戦略を感覚ではなく、根拠を持って立てたい
- 自社の採用課題がどこにあるのか、整理できていない
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採用戦略におけるコンサルティング会社の活用方法
採用戦略を立案・実行するうえで、すべてのプロセスを社内だけで完結させるのが難しい場合、採用のプロフェッショナルである「採用コンサルティング」の活用が有効です。社内のリソースや知見に不安があるとき、客観的な視点からの戦略設計や施策提案は、大きな助けになります。
採用コンサルの役割とは?
採用コンサルティングの主な役割は、企業の採用活動全体を支援することです。具体的には、以下のような支援が可能です。
採用戦略の立案支援
企業に必要な人材像の設計や、ターゲット層へのアプローチ手法の提案を行います。ハイロー分析や社員インタビューなどを通して、訴求すべき魅力やコンセプトを整理します。
採用計画の策定と実行支援
事業計画や人員計画をもとに、採用媒体やチャネルを選定し、施策の実行支援まで担います。施策単体で終わらせず、年間計画としての落とし込みをサポートするのも特徴です。
採用担当者の育成支援
面接官トレーニングや評価基準の設計など、社内に採用ナレッジを残すための支援も行います。属人化の防止や社内体制の強化にもつながります。
採用コンサル導入の判断軸
次のような課題を感じている企業には、採用コンサルの導入を検討する価値があります。
- 自社だけで採用戦略を設計するのが難しい
- これまでの採用手法が通用しなくなってきた
- 選考プロセスや評価基準の見直しが必要
- 母集団形成がうまくいかず、打ち手が見つからない
採用成功を「偶然の産物」にせず、「再現可能な仕組み」として整備したい企業にとって、採用コンサルは強力なパートナーとなるでしょう。
詳しくは、以下の記事で実例を交えながら解説しています。あわせてご覧ください。
【関連記事】採用コンサルティング会社9選
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採用戦略に関するよくある質問(FAQ)
採用戦略とは何ですか?
採用戦略とは、自社が必要とする人材を計画的かつ効果的に採用するための設計図です。採用の目的や対象、手段を明確にし、事業成長に直結する採用活動を実現するための方針を指します。
採用戦略はどのように立てるべきですか?
経営戦略とのすり合わせから、要員計画、採用要件の整理、候補者・競合調査、自社の強み整理、ペルソナ設計、訴求方針の策定、施策選定、KPI設定、実行・改善まで、段階を踏んで構築するのが基本です。体系的に戦術を組むためにフレームワークを活用した分析がおすすめです。
採用戦略の成功事例にはどんなものがありますか?
リファラル制度の整備やSNSを活用した訴求、特定のチャネル特化など、戦略的な取り組みによって成果を上げた事例が多数あります。詳しくは本記事の「採用成功企業の戦略事例5選」をご覧ください。
中小企業でも採用戦略は必要ですか?
採用リソースが限られる中小企業こそ、戦略的に「誰に・どんな手段でアプローチするか」を明確にすることが重要です。限られた予算でも成果を出すには、事前の設計力が問われます。
採用戦略と採用活動の違いは何ですか?
採用活動は選考や求人掲載などの実務的な行動を指し、採用戦略はそれらをどのように設計・運用するかの全体方針です。採用活動は戦略の一部として位置づけられます。
採用戦略では、どんなKPIを設定すべきですか?
応募数・選考通過率・内定承諾率・定着率などが一般的です。自社の採用目的に応じて、定量的に振り返り可能な指標を設計することが成功の鍵です。
SNS採用やスカウトも戦略に含まれますか?
はい。SNS採用やダイレクトリクルーティングなどの手法は、目的やターゲットに応じて戦略的に組み込まれるべき施策です。単体で使うのではなく、戦略全体の中での役割を明確にしましょう。
採用戦略で最も重要なポイントは?
採用目的とターゲットの明確化がカギです。誰を採るのか、なぜその人材が必要なのかを事業戦略と連動させることで、選考や訴求も一貫したものになります。
採用コンサルはどのようなときに必要ですか?
自社内で採用ノウハウが不足していたり、ターゲットや手法の選定に迷いがある場合に有効です。第三者の視点を入れることで、課題の可視化と改善提案が得られます。
まとめ
採用戦略は、組織の未来を見据えて「誰をどう採るか」を設計する、経営に直結する重要な取り組みです。採用活動のあり方が多様化する今、目的に合った戦略を描けているかどうかが、成果を大きく左右します。
これからの採用は「転職潜在層へのアプローチ」がカギ
ここまで、ペルソナ設計や採用手法、募集〜内定後フォローまでの戦略を中心に解説してきました。
しかし、労働人口の減少によって採用競争が激化している今、さらに採用成功の確率を高めるためには、求職者が企業を認知してから応募にいたるまでのプロセスにも注力し、転職潜在層に対して積極的にアプローチしていくことが重要です。採用広報やカジュアル面談によって、いかに企業認知度・志望度を高められるかが採用成功のカギといえるでしょう。

「求職者に企業を認知してもらい、興味・関心をもってもらうための考え方」を、ウォンテッドリーでは「リクルートメント・マーケティング」と定義しています。リクルートメント・マーケティングの基本的な考え方や、マーケティング起点の採用戦略の立て方はこちらで詳しく解説していますので、ぜひあわせてご確認ください。
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転職潜在層にアプローチするならWantedly

Wantedlyは、企業のミッションや価値観への「共感」で求職者とのマッチングをはかる採用サービスです。
Wantedlyには「ストーリー」というブログ機能があり、企業理念やカルチャーを自由に発信できます。
また、Wantedlyの募集ページには「話を聞きに行きたい」ボタンがあり、候補者側からカジュアル面談を申し込めるようになっているのが特徴です。通常の求人広告と違って応募のハードルが低いため、「よい企業があれば転職しよう」と考えている優秀層との接触がはかれます。
Wantedlyでできることや具体的な料金は、以下のサービス資料にまとめています。ぜひ一度確認してみてください。
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- 採用戦略を感覚ではなく、根拠を持って立てたい
- 自社の採用課題がどこにあるのか、整理できていない
採用の悩みは、フレームワークを活用し可視化することで打ち手が見えてきます。
3C分析やファネル分析など採用戦略の立案に役立つ代表的なフレームワークの使い方・記入例・ポイントをまとめた実践ガイドをお配りしていますので、ぜひご活用ください。





