面接における採用基準とは、応募者が自社にマッチし、入社後に活躍できる人材かどうかを判断するために、面接官の間で共有しておく評価項目と指標のことです。評価項目や指標が共有されていないと、面接官ごとに判断基準がばらつき、採用のミスマッチにつながりかねません。
本記事では、面接における採用基準の位置づけやフェーズ別の決め方、評価のブレを防ぐ質問、運用のポイントを解説します。
【関連記事】採用基準とは?決め方ガイド
▶︎ 欲しい人材の言語化に役立つ採用ペルソナシート【テンプレート無料ダウンロード】
▶ 面接の質問設計にも役立つ | カジュアル面談の質問集(100問)を無料ダウンロード
▶︎ 採用プラットフォームWantedlyの無料トライアルを始める
<無料配布中>カジュアル面談の質問集Excel版ダウンロード

カジュアル面談で候補者から本音を引き出すための質問を100問収録した、実践用テンプレートです。導入のアイスブレイクから、転職理由のヒアリング、営業やエンジニアなど職種別の質問まで、そのまま面談メモとして使える形でまとめています。質問ごとに聞くときのポイントも記載しているので、読んだその日の面談から活用いただけます。
面接における採用基準とは?
面接における採用基準とは、応募者が自社にマッチし、入社後に活躍できる人材かどうかを面接の場で判断するための評価項目や指標のこと、つまり採用面接時の評価基準を意味します。
「採用基準」は本来、書類選考や適性検査など選考プロセス全体で使う評価の物差しを指します。その中でも面接に特化した基準は、履歴書や職務経歴書だけでは伝わらない人柄やコミュニケーション能力、価値観といった要素を、対話を通じて確認する役割を担っています。
書類上のスペックが同じ候補者でも、実際に話してみると自社との相性が大きく異なるケースは珍しくないため、面接特有の見極め方を持っておくことが欠かせません。
面接に採用基準が必要な理由

面接官が複数いる場合、評価項目や指標を共有していないと、面接官ごとに重視するポイントが異なり、合否判断にばらつきが生まれやすくなります。例えば、ある面接官は経験年数の長さを高く評価する一方、別の面接官は熱意や人柄を重視するといったように、評価の軸がずれてしまうことも珍しくありません。
指標が曖昧なまま面接を進めると、入社後のミスマッチや早期離職につながるおそれもあるでしょう。
こうした評価のばらつきを防ぐには、面接官同士があらかじめ同じ評価の物差しを持っておくことが前提になります。
採用基準そのものが持つメリットや目的については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

面接での採用基準の決め方
採用基準全体の決め方は、求める人物像の明確化から評価項目の優先順位付けまで多岐にわたりますが、それだけでは面接の現場で実際に運用できるとは限りません。面接というフェーズに落とし込むには、以下の3つのステップで整理することが有効です。
| <面接での採用基準の決め方> ステップ1.面接のフェーズごとに評価項目を分ける ステップ2.評価項目ごとに質問をセットで用意する ステップ3.評価の尺度(指標)を数字だけに頼らず言語化する |
ステップ1.面接のフェーズごとに評価項目を分ける
一次面接では基礎的な項目、二次面接では実務面、最終面接ではカルチャー面といったように、フェーズに応じて評価項目を分けると、限られた時間の中でも無理なく見極めやすくなります。
| 面接フェーズ | 評価項目の例 |
|---|---|
| 一次面接 | マナー、コミュニケーション能力 |
| 二次面接 | 実務スキル、志望動機の深掘り |
| 最終面接 | カルチャーマッチ |
例えば、一次面接で実務スキルの細部まで深掘りしようとすると時間が足りず、かえって基本的なコミュニケーション面の確認がおろそかになることもあるでしょう。
1回の面接ですべての項目を評価しようとすると、ひとつの項目を深掘りする余裕がなくなったり、候補者が質問攻めのように感じてしまったりすることもあるため注意しなければなりません。フェーズごとに評価項目を絞り込むことで、面接官も候補者も余裕を持って対話に臨めます。
ステップ2.評価項目ごとに質問をセットで用意する
評価項目のフェーズ分けができたら、次は項目ごとに聞くべき質問をあらかじめ用意しておきます。
面接官によって質問の内容が異なると、同じ基準で候補者を比較できなくなるため、質問リストの形で事前に共有しておくと良いでしょう。すべての候補者に同じ質問を同じ順序で投げかける面接手法は「構造化面接」と呼ばれ、評価のブレを抑える代表的な手法として知られています。
自社で運用する際は、質問項目を厳密に固定する構造化面接にするか、基本の質問は統一しつつ一部は面接官の裁量に委ねる半構造化面接にするか、自社の面接体制に合わせて検討するとよいでしょう。
【関連記事】構造化面接の始め方
ステップ3.評価の尺度(指標)を数字だけに頼らず言語化する
評価項目が決まったら、評価尺度の明確化が必要です。曖昧な評価尺度は面接官の主観的な判断を招き、ミスマッチの原因になりかねません。
そこで有効なのが「ルーブリック評価」です。評価項目ごとに3~5段階程度の「レベル」を設定し、段階が上がるほど発言や行動の質がどう変化するか、あらかじめ具体的な言葉で決めておく方法です。数字の尺度だけに頼らず、レベルごとの基準を言語化しておくことで、面接官が同じ基準で候補者を評価できるようになります。
| ▍ルーブリック評価の例 自社への共感性(志望動機や入社後のビジョンについて評価) レベル1:志望動機を一般的な言葉で説明できる レベル2:自社の価値観と自身の考えを結びつけて話せる レベル3:自社のビジョンと自身のキャリアの方向性が一致していることを具体的に語れる 主体性(積極性や能動的アクションについて評価) 人間関係構築力(チームワークやマネジメント力について評価) |
同様に「主体性」という項目であれば、レベル1は「これまでの取り組みを説明できる」、レベル3までいけば「入社後に自社でどう再現するかまで具体的なビジョンを示せる」というように整理すると、面接官によって評価の甘さ・厳しさが偏る事態を防ぎやすくなります。
▶︎ 欲しい人材の言語化に役立つ採用ペルソナシート【テンプレート無料ダウンロード】
▶︎ 採用プラットフォームWantedlyの無料トライアルを始める
<無料配布中>カジュアル面談の質問集Excel版ダウンロード

カジュアル面談で候補者から本音を引き出すための質問を100問収録した、実践用テンプレートです。導入のアイスブレイクから、転職理由のヒアリング、営業やエンジニアなど職種別の質問まで、そのまま面談メモとして使える形でまとめています。質問ごとに聞くときのポイントも記載しているので、読んだその日の面談から活用いただけます。
面接で採用基準を満たしているか見極める質問例

採用基準を面接で見極めるには、あらかじめ用意した質問を通じて、候補者の話から具体的な情報を引き出すことが大切です。ここでは、実際に使える質問例を紹介します。
スキル・経験のマッチ度を見極める質問
スキルや経験のマッチ度を見極める際は、履歴書や職務経歴書からスキルや経験の事実を引き出した上で、自社での再現性を問う質問につなげましょう。実績の数字や役職だけを聞いて終わらせず、成果に至るまでのプロセスを深掘りすることが、経験の質を見極めるポイントです。
以下の観点で経験を深掘りすると、候補者の考え方や行動パターンが見えやすくなります。
| <スキル・経験のマッチ度を見極める質問の例> 1. もともとあった課題と目標は何か 2. 目標に対してどの程度の成果を出せたか 3. チーム内でどのような役割・ミッションを担っていたか 4. 成果を出すために、自ら主体的に取り組んだことは何か 5. その経験で得たスキルや強みは、自社の業務でも再現できそうか |
これらの質問を掘り下げていくと、候補者が置かれていた状況、とった行動、得られた成果の関係性が見えてきます。単純に「できる・できない」で判断するのではなく、環境が変わっても成果を再現できそうかといった観点で評価しましょう。
カルチャーフィットを見極める質問
カルチャーフィットを見極めるには、候補者自身も気づいていない価値観や仕事観について、質問を通じていっしょに言語化していく姿勢が大切です。表面的な回答をそのまま受け取るのではなく、「なぜそう思うのか」を丁寧に掘り下げると、候補者本人も言葉にできていなかった価値観が見えてくることがあります。
以下のような質問を通じて価値観や仕事観を掘り下げると、候補者の考え方や仕事への向き合い方が見えやすくなります。
| <カルチャーフィットを見極める質問の例> 1. 会社選びで何を重視しているか 2. 入社して得たいスキルや経験は何か 3. 応募できる仕事はほかにもある中で、なぜ興味を持ったか 4. 自社で活躍している人材に、どのようなイメージを持っているか 5. 前職・現職での不満や課題は何か 6. 働く上でモチベーションが上がること、下がることは何か |
これらの質問を通じて得られた回答は、自社のカルチャーや働き方と照らし合わせながら評価します。回答の内容だけでなく、話す際の表情や熱量といった非言語的な情報も確認すると、解像度の高い見極めにつながるでしょう。
【関連記事】候補者の価値観を引き出す質問設計
▶ 面接の質問設計にも役立つ | カジュアル面談の質問集(100問)を無料ダウンロード
▶︎ 欲しい人材の言語化に役立つ採用ペルソナシート【テンプレート無料ダウンロード】
面接で採用基準を運用するときの注意点
ここでは、採用基準を設けて面接を実施する際の注意点を紹介します。
| <面接で採用基準を運用するときの注意点> ・面接官の思い込み(バイアス)に気をつける ・複数の面接官で評価をすり合わせる ・適性検査を取り入れる ・選考通過率などのデータをもとに基準を見直す |
なお、就職差別につながる項目を採用基準に含めないことは選考全体を通じた大前提です。この点については以下の関連記事で詳しく解説しています。
【関連記事】面接で聞いてはいけない質問
面接官の思い込み(バイアス)に気をつける
前述の評価軸のばらつきに加えて、面接官一人ひとりの中にも、第一印象や学歴・経歴など目立つ情報に引きずられ、ほかの評価項目まで歪んでしまう「ハロー効果」などのバイアスが存在します。話し方が流暢だったり、有名企業での経験があったりすると、それだけで全体の評価を高く見積もってしまうことがあります。
面接前に評価シートや採用基準を見返し、印象だけで判断していないかを意識することが大切です。評価項目ごとに根拠となる発言やエピソードをメモしておくと、後から振り返った際にも判断の経緯を確認しやすくなります。
【関連記事】面接官が押さえておきたい心得
複数の面接官で評価をすり合わせる
面接時は、可能な範囲で複数の面接官が対応し、多角的な視点から評価をすり合わせると、一人の主観に偏るリスクを減らせます。年齢層や職種の異なる面接官を組み合わせれば、候補者の新たな一面を引き出せる場合もあるでしょう。
評価シートや面接メモを共有し、面接官同士で認識の違いがないかを確認する機会を設けるのも有効です。評価が大きく割れた項目は、その場で意見交換をしておくと、次回以降の面接基準のすり合わせにもつながります。
適性検査を取り入れる
面接官の主観だけに判断を委ねず、客観性を補うために適性検査を取り入れる方法もあります。
面接前に適性検査を実施しておくと、性格傾向や思考特性を事前に把握した上で面接に臨めるため、限られた面接時間の中でも深掘りすべきポイントを絞りやすくなるでしょう。ただし、適性検査の結果はあくまで参考情報のひとつとして扱い、面接での対話とあわせて総合的に判断することが重要です。
選考通過率などのデータをもとに基準を見直す
面接の採用基準は一度決めたら終わりではなく、選考通過率や内定辞退率などのデータをもとに定期的に見直す必要があります。
例えば、特定のフェーズで通過率が極端に低い場合は、評価項目が厳しすぎたり、質問の意図が候補者にうまく伝わっていなかったりする可能性があります。また、入社後の早期離職が続く場合は、カルチャーフィットの見極めが不十分なのかもしれません。
市場や候補者の状況は変化するため、データを踏まえて評価項目や質問内容をアップデートしていく姿勢が、面接の精度を保つポイントといえるでしょう。
▶︎ 欲しい人材の言語化に役立つ採用ペルソナシート【テンプレート無料ダウンロード】
▶ 面接の質問設計にも役立つ | カジュアル面談の質問集(100問)を無料ダウンロード
面接評価のブレをなくし、自社にマッチする人材を見極めよう
面接における採用基準は、フェーズごとの評価項目の設定、質問のセット化、評価尺度の言語化という3つのステップで、実際に運用できる形に落とし込むことが重要です。採用基準を設けた面接の運用を積み重ねることで、面接官による評価のブレを抑え、自社にマッチする人材を見極めやすくなります。
面接での評価精度を高めるには、選考前の段階で候補者の価値観や人柄を理解しておくことも有効です。Wantedlyは「想い」や「共感」を軸にした情報発信で候補者との接点を広げられる採用プラットフォームです。カジュアル面談を通じて、面接だけでは見えにくいカルチャーフィットの手がかりを事前につかむこともできます。面接評価の仕組みとあわせて、候補者との接点づくりから見直したい企業は、Wantedlyの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】カジュアル面談の進め方
▶︎ 採用プラットフォームWantedlyの無料トライアルを始める
<無料配布中>カジュアル面談の質問集Excel版ダウンロード

カジュアル面談で候補者から本音を引き出すための質問を100問収録した、実践用テンプレートです。導入のアイスブレイクから、転職理由のヒアリング、営業やエンジニアなど職種別の質問まで、そのまま面談メモとして使える形でまとめています。質問ごとに聞くときのポイントも記載しているので、読んだその日の面談から活用いただけます。


