採用KPIの設定方法4ステップ|項目例や運用のポイントも解説

人材獲得競争が激化する中、KPIを活用した採用活動の見直しや効率化に注目が集まっています。

「KPIという言葉は聞いたことがあるけれど、詳しくはよくわからない」

「採用活動にKPIを導入をしたいけれど、何から始めたらよいかわからない」そんな企業の方、多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、採用活動にKPIを取り入れるために必要な知識やその手順を具体的に解説しています。

▶採用担当者なら知っておきたいマーケティング知識を公開中|資料を無料ダウンロードする

低コストで自社にマッチする人材を採用する方法

月額5万円から利用できるWantedlyは、会社の目指すミッションや価値観への共感でマッチングする採用サービスです。

成果報酬0円、募集の掲載も無制限なため、採用単価を大幅に抑えることができます。

350万人いる登録ユーザーの特徴や、詳しい料金を知りたい方は、ぜひ資料をダウンロードしてください。

まずは無料ダウンロード

採用活動におけるKPIとは?設定すべき2つの理由

KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、最終目標の達成度合いを測るために設定する目標数値のことです。

採用活動におけるKPIは企業によってさまざまですが、一般的に以下の項目が設定されます。

採用活動におけるKPIの例
・応募者数
・選考通過人数/率
・内定数/率
・内定辞退数/率
・採用チャネルごとの費用対効果
・採用コスト
・採用単価
・入社配属後の評価(本人・同僚・上司)
・採用後の離職率/定着率

採用活動では、自社の求めた人材が入社・定着し、成果を出すことが大切です。内定までのKPIだけではなく、入社後のパフォーマンスや定着率に関する指標も定めるようにしましょう。

またKPIは、KGIと混同しやすいので注意が必要です。KGIとは「Key Goal Indicator(重要目標達成指標)」の略で、最終的な目標数値のこと。採用活動においては、採用人数をKGIとして設定する企業がほとんどです。

KGI=最終目標
KPI=最終目標(KGI)を達成するための、過程を評価する指標

採用KPIを設定すべき2つの理由

採用活動でKPIを設定すると、次の2つのメリットが得られます。

1.採用活動の進捗状況を可視化し、共有・行動化を促す

KPIを設定すると、目標と現状の差異が数値化されるため、進捗状況が把握しやすくなります。進捗状況が可視化されれば、チーム内の情報共有がしやすくなり、今何をすべきかが明確になります。

2.客観的に評価を行い、採用活動の課題を発見する

KPIを設定すると、数値で客観的に分析できるようになります。KGIのみだと現状の課題・目標未達の原因の分析が困難ですが、KPIにて進捗管理すればいち早く課題を見つけられ、こまめな軌道修正が可能となります。

採用KPI設定の手順 

ここからは、採用KPIの具体的な設定方法を4ステップで解説していきます。

1.KGIを設定する

まず、最終目標となる「KGI」を設定します。KGIを設定するには、「採用人数」と「人材の質」二つの視点が求められます。人材の数を重視するのか、人材の質を重視するのかは、自社の状況に合わせて判断するようにしましょう。

・採用人数を重視
事業計画を基にいつまでにどの部署に何人必要なのかを明確にします。退職人数も考慮して算出しましょう。

・人材の質を重視
人材が必要な部署にどんな経験・スキルを持つ人材が必要なのかを明確にします。

2.採用チャネルごとに採用フローを設定する

求人媒体、エージェント、ダイレクトスカウト、リファラル採用など、複数の採用手法をとっている場合は、採用チャネルごとに採用フローを設定します。

採用チャネルごとにエントリーから内定までの選考ステップを可視化してみましょう。

どの経路で応募してきたかによって、応募者の志望度やマッチング度には大きな開きがあります。採用チャネルごとにKPIを設定することで、各チャネルの採用フローを最適化できます。

3.歩留まり率を設定する

歩留まり率とは各選考ステップに進んだ人数の割合を指し、「選考通過数」÷「選考対象数」×100で算出できます。

たとえば、採用チャネルの1つである「求人広告」において、以下のように選考が進んだとします。

この場合、書類選考通過率は50%、面接通過率は40%、内定承諾率は50%と算出できます。

・書類選考通過率=書類選考を通過した人数÷応募数×100
・面接通過率=面接に合格した人数÷面接に参加した人数×100
・内定承諾率=内定承諾した人数÷内定通知した人数×100

歩留まり率の目標は、前年度の実績を参考にしつつ、採用チャネルごとの特性をふまえて設定することが大切です。

たとえば、リファラル採用における候補者はマッチング度が高い傾向にあるため、書類選考通過率は80〜100%と高めに設定してもよいでしょう。

一方、誰でも応募可能な求人広告媒体の場合、リファラル採用・ダイレクトリクルーティング・人材紹介など他の採用チャネルよりも、書類選考通過率はかなり低く設定する必要があります。

【参考】採用の歩留まりとは?計算方法や要因を見つける方法を紹介https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_yield/

4.KPIを設定する

KPIは、ステップ1で決めたKGIから逆算して設定します。採用チャネルごとの採用人数を決め、ステップ3で設定した歩留まり率を使って、採用フローに数字をあてはめていきます。

1.採用チャネル別の採用人数比率を決める

KGIを「10人採用=内定承諾」として、チャネル1「求人媒体」のウェイトを10%とした場合、求人媒体での「内定承諾者数=1人」がKPIとなります。

2.採用フローに数字をあてはめる

採用フローに、ステップ3で決めた歩留まり率を埋め込みます。「内定承諾者数=1人」に対し、内定承諾率が50%の場合は、「内定者数=2人」必要だとわかります。

あとは同じように、面接からエントリーまでを順に算出します。

採用KPIの注意点と運用のポイント 

続いて、採用KPIを設定する際の注意点や、運用していくうえでのポイントを解説します。

1.期限までに達成できるものにする

設定された目標には期限が必要です。KGIの期限から逆算し、各KPIの達成期限を必ず設けましょう。

KPIは、採用メンバーのモチベーションが下がらないように、「これなら達成できる」という根拠をもとに設定することが大切です。

2.リアルタイムで数値を管理する

採用状況は刻々と変化します。常に最新の数値を押さえ、設定したKPIに近づけるよう意識しましょう。

また、リアルタイムで数値を追えれば、現状の課題をいち早く見つけられます。KPIと実際の数値が乖離している原因は何か、採用フローのどこに問題があるのかなど、週単位で数値管理・分析を行い、採用活動の精度を高めていきましょう。

3.KPIを下回る原因を特定して対策を打つ

KPIを大きく下回りそうな場合は、すぐに原因を特定して対策を打ちましょう。よくある失敗事例としては、以下のパターンがあります。

面接通過率がKPIに達していない

原因1.選考基準が厳しすぎる
対策1.選考基準(ペルソナ設計)を見直す

原因2.候補者の多くが求める人物像とズレている
対策2.募集要項の書き方・スカウト対象を見直す

原因3.面接官ごとの評価基準にズレがある
対策3.面接評価シート・質問項目を見直す

【参考】面接評価シートの作り方と必須項目|新卒・中途別の無料サンプルつきhttps://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/interview_sheet/

内定承諾率がKPIに達していない

原因1.企業の魅力を十分に伝えられていない
対策1.カジュアル面談を導入する

原因2.候補者が特別感や納得感を得られていない
対策2.採用理由・歓迎の意をしっかり伝える

原因3.採用通知後のフォローが弱い
対策3.懇親会・面談を行い、候補者の不安を払拭する

【参考】内定承諾率を上げるには?採用担当者が実践すべき改善策https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/offer_acceptance_rate/

各KPI・採用プロセスでさまざまな原因が推測できます。すぐに改善策を考え、PDCAを回していくことで、原因の特定・採用活動の最適化を目指しましょう。

Wantedlyを活用したKPI管理の仕方

Wantedlyは、採用広報、求人掲載、KPI運用を一括して行えます。

Wantedlyで運用できるKPI項目例:募集記事ごとの訪問者数、応募数、反応している層、アクセス元のパーセンテージなど

▶Wantedlyサービス資料を無料ダウンロードする

1.アナリティクス分析で現状把握

応募者数だけでなく、募集、ストーリー、会社ページのホーム、それぞれの訪問数も閲覧することが可能です。

また、各募集の職種・年齢・アクセス元も確認できるため、自社に興味のある層の分析も簡単に行えます。
Wantedlyのアナリティクス機能についてはこちらにまとめられています。

2.募集の編集追加が自由自在

KPIを基に募集内容をテコ入れしたい場合、すぐに修正が可能です。

また、募集掲載に制限はないので、募集要項に変化をもたせた同職種の募集を複数掲載し、反応を見る試験的な運用もできます。

3.ミートアップ機能を母集団形成に活かす

ミートアップとは、選考を目的とせず、会社に興味を持っている人や特定の興味・関心を持った人が集まる交流会のことです。

Wantedlyでは、告知記事の掲載や参加者との個別のやり取りも行うことができ、自社のファンづくりの一助にもなります。

ミートアップについてはこちらの記事もご覧ください。

▶︎Wantedlyサービス資料を無料ダウンロードする

KPI設定により採用成功した企業事例3選

最後に、KPIを設定したことで採用成功した企業を3社ご紹介します。ぜひ各社の目標設定や施策を参考にしてみてください。

1.株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは、「Wantedlyのフォロワー数」を採用広報のKPIとして設定。「Wantedlyのフォロワー数=自社に興味をもっている候補者数」であるため、自社のファン・応募を検討してくれる候補者をいかに増やすかを常に意識して情報発信しています。

また、Wantedlyのブログ機能「ストーリー」における記事数も月単位でKPI設定し、年間で30本以上投稿。「ファンづくり」「候補者に対して可能な限り情報を届けること」を目標に、長期的な視点で採用広報に取り組んでいます。

【参考】マネーフォワードが語る採用広報の本質と体制の作り方https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/eventreport_20210224/

なお、採用広報におけるKPIの項目例や成功のポイントは、こちらで詳しく解説しています。ぜひあわせてご確認ください。

【参考】採用広報を成功させる3つのポイント|オススメ媒体・成功事例も紹介https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_pr/

2.株式会社ツクルバ

株式会社ツクルバは、「面談参加者数」をダイレクトリクルーティングのKPIとして設定。スカウト送信数をKPIとして設定してしまうと、送信しただけで満足してしまう恐れがあるため、あくまで「何人に会えたか」を重視しています。

スカウト送信相手が人であることを忘れずに、「一筆入魂」で熱意のこもったメッセージを一人ひとりに送ったことが採用成功の要因です。

【参考】ツクルバが語る事業規模に合わせたダイレクトリクルーティング
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/eventreport_20210324/

3.アソビュー株式会社

アソビュー株式会社は、「一次面談数」をKPIとして設定しています。

一次面談の数を増やすためには、その分多くの面談担当者が必要です。そのため同社の採用担当者は、各部署の協力が得られるよう、日頃から採用活動の情報を細かく開示し、密な社内コミュニケーションを心がけています。

また、一次面談のKPIを達成した後は、その後の採用フローに関するデータもきちんと分析し、どのフェーズに問題があるか検証・改善を行っています。

【参考】驚異の内定承諾率を実現する、徹底した「ビジョン共感型」採用
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/award2022_bronze/

まとめ

採用活動になぜKPIが必要なのか、そしてKPI設定の手順と運用について解説してきました。

限られたリソースの中で採用活動を成功させるためには、指標となるKPIが欠かせません。

KPIの設定は、目標達成までのプロセスを可視化することで、目標に対する進捗状況をリアルタイムで把握し、具体的な次のアクションをとりやすくします。

感覚に頼った採用を脱し、戦略的に採用活動を行うために、KPI設定にチャレンジしてみましょう。

以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。こちらもぜひご一読ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook

Wantedlyのサービス資料を見る
タイトルとURLをコピーしました