採用の歩留まりとは?考慮すべき6つの数字|計算方法・平均値・改善策を紹介

「選考途中の辞退者が多く困っている」「自社の内定承諾率は平均と比べてどうなのか?」採用活動に疑問を持ちながらも、具体的な改善の仕方が分からない採用担当者の方、少なくないのではないでしょうか。

採用課題を分析、改善するために利用できるのが「採用の歩留まり率」です。今回は採用活動における歩留まりについて、計算方法や歩留まり率が低下する原因とプロセス、そして改善するための方法を解説します。

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採用の歩留まりとは?

採用活動における「歩留まり」とは、各採用フェーズに進んだ人数の割合のことを指し、パーセントで示した数値を「歩留まり率」と呼びます。

歩留まり率は、応募→書類選考→面接→内定承諾と採用が進んでいく中で、どのくらいの候補者が次のステップに進んだかを示す重要な数値です。歩留まり率が高ければ高いほど、辞退者・不合格者が少なく、採用活動の効率がよい状態といえます。

各フェーズにおける歩留まり率を算出すれば、自社の採用フローのどこに問題があるのかが明確になります。歩留まり率が低いフェーズを見つけ、その原因を追求して改善策を打てば、採用活動の効率を着実に上げられるでしょう。

採用の歩留まり項目と計算方法

採用活動の歩留まり分析は採用フローが明確になっていることが前提です。各項目ごとの歩留まり率を算出し、自社の採用活動でどのプロセスがボトルネックとなり歩留まりの低下を招いているのか洗い出しましょう。

<一般的な新卒採用の採用フロー項目>
募集 → 会社説明会 →  書類選考 →  筆記試験・適性テスト → 面接(集団・個別) → 最終面接 → 内定

<一般的な中途採用の採用フロー項目>
募集 →  書類選考 →  (筆記試験・適性テスト) → 個別面接 → 最終面接 → 内定

<採用歩留まり計算方法>
受験率:エントリーした人数に対する選考に進んだ人数の割合
受験者数÷エントリー数×100

面接通過率:面接を受けた数に対する通過者数の割合
面接通過者数÷面接受験者数×100

内定率:受験者数に対する内定者数の割合
内定者数÷受験者数×100

内定承諾率:内定者が内定を承諾した割合
内定承諾者÷内定者×100

内定辞退率:内定者が内定を辞退した割合
内定辞退者数÷内定者数×100

【参考】採用フローの設計方法や代表的なパターンを解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruit_flow

採用歩留まりの平均値

歩留まり項目の中で特に重要な指標であるのが「内定率」と「内定辞退率」です。それぞれの歩留まり平均値とともに確認してみましょう。

・内定率
採用目標達成のために、何人の受験者が必要かを設定するために役立ちます。現時点の内定率を算出した後、どのプロセスの歩留まりを調整すべきかを検討します。

マイナビエージェントが公表している情報によると、転職エージェント経由の中途採用内定率はおよそ4%〜5%です。

・内定辞退率
自社の採用力を測る数値。内定の出し方や選考プロセスを見直すことに役立ちます。

株式会社リクルート「就職プロセス調査 (2022年卒)」によると、2021年7月1日時点での内定辞退率は 55.0%で、20卒・21卒は6割強を推移しています。

株式会社マイナビ「中途採用状況調査2020年版」によると、中途採用の内定辞退率は、2019年時点で約20%でした。

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採用の歩留まりが低下する4つの原因

採用活動の各プロセスで歩留まり率が低下する原因は、選考が厳しく通過者が少ないケースと離脱者、つまり辞退者が多いケース、ふたつに絞られます。

こちらでは、辞退に繋がる主な原因を4つピックアップして解説します。

1.他社との内定スピードの差

歩留まり率の低下を招く原因のひとつが、内定までに時間がかかるケースです。

株式会社マイナビ「中途採用状況調査2020年版」によると、一次面接から内定を出すまでの平均は、12.3日となっており、過去最短の日数となりました。

応募者は早く就職や転職したいと考えているため、面接の日程調整が遅れたり選考期間が長いと、先に内定を出した他社に流れてしまいます。

選考フローの開示、選考後はすぐに結果連絡を行う、選考回数をできるだけ減らすなど、内定出しまでのスピードを意識しましょう。

2.不十分な採用ブランディング

採用ブランディングが不足している場合も歩留まりの低下を引き起こします。採用ブランディングは採用活動で自社の魅力を高め、応募者選ばれるための取り組みです。

自社サイトだけでなくブログや動画、SNS、それにイベントなどさまざまな情報発信を通じて自社をブランド化する施策のことを指します。

応募者が競合他社に流れてしまわないように、常に自社の強みや魅力を発信し、他社との差別化を意識しておきましょう。

【参考】採用ブランディングとは?メリットや進め方、4社の成功事例を紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/branding/

3.SNS・クチコミによる評判の影響

ソーシャルメディアやクチコミサイトに投稿された企業の評判が、応募者の辞退につながるケースが増えています。

エン・ジャパン株式会社「面接辞退のアンケート」によると、辞退を決めた理由の上位に「ネット上で良くない評判やウワサを知ったため」(31%)が入っています。

SNSやクチコミによる辞退を防ぐ施策としては、自社社員によるポジティブなSNS投稿を増やしたり、カジュアルな面談の機会を設け、未来の同僚となる社員との接点を増やしたりする方法があげられます。

4.応募者へのフォロー不足

応募者へのフォロー不足も入社意欲を減退させ、採用活動の歩留まり率を低下させます。

採用は、人選の意味合いと応募者の志望度を高めること、両軸で捉える必要があります。企業側が応募者を評価している間、応募者も企業を見定めています。

面接では、入社への動機付けをしっかり行うこと、内定後は単に返事を待つだけでなく、一緒に働くメンバーとすぐに接点を持てる機会を設けるようにしましょう。

採用の歩留まりが低下しやすい3項目

採用活動では、特に離脱による歩留まり率低下が発生しやすいタイミングがあります。歩留まり率の低下が起きやすい代表的な4つのタイミングと、その原因を説明します。

1.応募率の低下

応募率低下の主な原因は、採用チャネルの選定ミス、または打ち出し方が合っていないことです。

まず、自社の求める人材を明確に設定し、そのターゲット層が多い採用チャネルを選びます。

次にそのターゲット層が魅力的に感じる、求人を作成します。

採用チャネルが適していても、訴求内容が合わなければ応募は増えません。ターゲットが欲している情報開示をしっかり行うことが必要です。

【参考】採用チャネルの種類と自社に適した選び方を解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/channel/

2.面接通過率の低下

書類選考を通過した応募者に面接を設定してから、実際に面接を実施するまでの期間も歩留まり率が低下しやすいタイミングです。

面接は担当者と1対1で話すため、応募者にとって心理的なハードルが高いプロセスと言えます。

応募者への配慮として、面接官の役職やプロフィールを先に開示したり、面接の内容を先に伝えておいたりすると良いでしょう。

【参考】はじめての面接官の手引き|役割や準備すべきこと・注意点
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/firsttime/

3.内定承諾率の低下

内定を出してから内定承諾までのタイミングは、内定承諾から入社までと並んで多くの企業が歩留まり率をもっとも重視するプロセスです。

内定承諾率を高めるためには、選考をすすめる中で不安を解消するプロセスを組み込む必要があります。内定を出した時には、応募者の不安が全て解消されている状態がベストです。

選考中に面接官から質問や不安な点はないか聞くだけでなく、選考に関わらない人事担当者が応募者とコンタクトをこまめにとり、信頼関係を築いておくと良いでしょう。

採用の歩留まりを改善する4つの方法

それでは、採用活動における歩留まり率を改善させる具体的な方法を紹介します。

1.採用フローの短期化

歩留まり率の改善にもっとも効果の高い対策が、採用フローの短期化です。

エントリーから会社説明会までの期間を短縮すれば、会社説明会の参加者数が増加し受験率の向上につながります。また、会社説明会と書類選考を同時に実施すれば選考を辞退する応募者の数を減らせます。

採用フローの短期化にあたっては、企業側からの連絡を迅速に行うことがもっとも重要です。応募者からの問い合わせには24時間以内に回答する、選考結果は3日以内に行うなど応募者の待ち時間を極力減らすことを心がけましょう。

2.柔軟な面接対応

面接への参加を促すための施策も歩留まり率の向上に効果的です。オンライン面接の導入や、面接の日程調整にSNSを利用するなど、応募者視点に合わせた対応を心がけましょう。

中途採用の応募者には、面接を夜間や土日に設定するなど柔軟な日程調整に対応することで辞退を減らすことができます。

さらに、カジュアル面談も心理的なハードルを下げる効果があります。「自社に興味を持っているが面接のプロセスに進むには抵抗がある」応募者が社員と気軽に話す機会を設けるのがカジュアル面談です。

企業にとっては自社の魅力を応募者に対して直接伝えられるため、その後選考段階へと移行させやすいメリットがあります。

【参考】カジュアル面談とは?効果的に面談を進めるコツを解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/casual_interview/

3.動機形成の強化

歩留まり率の低下を防ぐためには、応募者が高い入社意欲を持って採用プロセスに臨んでいることが重要な要素です。

そのためには企業が採用フローの各プロセスで応募者の動機形成を強く意識する必要があります。中でも面接では入社メリットややりがい、他社に勝る魅力を深く伝え、動機形成を強化する構成が求められます。

【参考】面接官としての心得|役割・質問例・NG行動も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/examination_point/

4.内定者へのフォロー強化

内定出しから内定承諾、入社までのタイミングにおける離脱は採用計画の成否に直結するだけに影響の大きなプロセスです。

この段階では、内定者の心情に寄り添うコミュニケーションが求められます。オファー面談の実施や内定承諾の期限を延長するなど、柔軟に対応することが重要です。

また社内見学会や社員との交流会、内定者同士の懇親会をオンラインも活用して実施すれば、内定承諾から入社までの懸念解消に役立ちます。

【参考】内定者フォローのユニークな事例を紹介|成功する秘訣も解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/follow_case_study/

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ここで、Wantedlyの利用企業で採用活動を成功させている2社を紹介します。

エンジニア内定承諾率100%|株式会社コーボー

株式会社コーボーは、「感動創造」を理念に、WEBマーケティング、クリエイティブ、HR事業を展開しています。採用競争率が高いと言われるエンジニアを、内定承諾率100%で獲得した実績を持っています。

候補者ひとりひとりに合わせたスカウト文面を作成していること、選考では自社の魅力だけでなく課題点も全て開示し、ありのままの状況を伝えていることがポイントです。

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ダイレクトスカウト返信率70%|Sansan株式会社

Sansan株式会社は、働き方を変えるDXサービスの企画・開発・販売を行っている企業です。新卒採用の内定辞退率を改善するために、個別に合わせた選考体験を設計、積極的にスカウトを行い、内定承諾率を高めることに成功しています。

スキルの要件定義だけでなく、志向性のマッチングを優先したことで、優秀な人材確保を可能にしました。Wantedlyのプロフィールから目的志向の学生を見つけ、スカウトを送ったことが成果に繋がっています。

【参考】株式会社Sansan|内定承諾率を改善するために取り組んだこと
https://www.wantedly.com/customer_stories/163

まとめ

本記事では、採用活動の歩留まり率の計算方法と低下の原因、改善方法を説明しました。歩留まり率の把握と改善は採用活動を成功させるための重要なファクターです。

しかし、すべてのプロセスで歩留まり率の向上を図る必要はありません。優秀な人材を採用するために書類選考や筆記試験など企業側が意図的に歩留まり率を低く抑えるプロセスもあるからです。

採用フローの各プロセスにおける歩留まり率から自社の課題がどこにあるのかを明確化して、採用活動の質の向上に取り組みましょう。

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