デュアルスクールのメリット・デメリット。今後のまとめ

●今回はデュアルスクールのまとめです

(2016.10 お別れ会でもらった写真のプレゼント)

こんにちは、ヒトカラメディアの杉浦です。デュアルスクール(※)について書くブログも一旦これで最後。今回は実際に利用した者から見た「デュアルスクールのメリット・デメリット」「今後デュアルスクールを利用する家族を増やすためには」をの二つを中心に書きます。

(※「デュアルスクール」は徳島県発・全国初めての地方と都市で学校を行き来する仕組みのこと。通常の転校とは違い住民票の異動なしで手続きができる。現在モデル試行中。詳細についてはこちら

(※前々回『親子で都市と地方を行き来。デュアルスクールをはじめた理由』と前回『東京と徳島、どう変わる?リモートワークとデュアルスクールの日常』もご覧ください)

●旅行ではできず、「デュアルスクールだからできること」とは

(2016.10 友達と学校へ。滞在当初は夏日が続き、蚊取り線香が現役で活躍)

10月に徳島へ行く前に、自分の周囲のパパさん・ママさんに「デュアルスクールについてどんなことが気になるか」を聞いてみました。最も大きな関心事は、「元の学校を離れて、他地域で学校生活を送る。学習や学校生活が分断されても、子どもにとって見合うだけのメリットがあるのか」ということです。学校のない夏休みの短期滞在で十分メリットを享受できるのではないかという意見もありました。あわせて、保護者の負担もどんなものがあるのかと。

これらの質問に答えつつ、メリット・デメリットについてご紹介します。

●デュアルスクールのメリット

(1)友達と一緒に、自然豊かな環境で過ごす機会を得ることができる

(2016.10 日和佐秋祭りにて、同級生と)

8月に1週間滞在しましたが、その時息子は2人の友達と知り合いました。10月の滞在で知り合った友達は1クラス(21人)以上ですから、学校へ通うことで10倍以上の知り合いができます。

ちょうど秋祭りの時期であったこともあり、一緒に神輿を担ぐ友達がいたからこそ、はっぴを着て海に入ることも、町を練り歩いた後に海辺でお弁当を食べることもできたと思います。また、私も子どもを介して友達のお母さんと知り合うことができました。

外で過ごす時間が長くなったので、秋口にも関わらず黒くなった気がします。何が一番楽しかったかと息子に聞けば、「魚釣りと波との追いかけっこ」と。釣った魚を友達のお母さんに煮付けにしていただいたのですが、普段は苦手とする魚もぺろりとたいらげました。

(2)友達を介して、得意なこと・知っていることが違うと面白いと知ることができる

(2016.10 NHK徳島『とく6徳島』より)

野球が好きな友達や釣りに詳しい友達から話を聞いたり、阿波踊りや太鼓が習い事としてあったり。毎日何かしら新しいことを発見して、帰ってきます。もちろん、東京でも同じように友達の良さを発見してくるのですが、生活環境が変わったことに加えて「私と息子が顔を合わせる時間が、平日1日あたり3時間長くなったこと」「空間的にも時間的にも余裕があり、息子の話をじっくり聞けたこと」も作用しています。ひざは傷だらけでも、顔をテカテカにして帰ってくる子の話は面白いです。

また、授業内で担任の先生が東京と徳島の小学校の違いをクイズにしてくれたとのことで、息子だけでなく同じクラスの子も違いを面白がってくれたそうです。

(3)地元と呼べる場所が二つできる

(2016.10 日和佐秋祭りちょうさにて。地元企業のあわえさん・サイファー・テックさんとヒトカラメディア。担ぎ手の男衆)

ヒトカラメディアのメンバーがちょうさ(太鼓屋台)を担ぎに来てくれ、さらに息子本人も子ども神輿を担ぐ。秋祭りを挟んでの滞在したので、学校以外でもたくさんの知り合いができました。短期滞在の旅行となると、観光客として祭りを楽しむことはできても、知らない子ども達の中で息子が神輿を担ぐところまでは難しいかなと思います。

東京へ向かう日に戎町の方から息子に「来年は太鼓叩く練習をしに早く来るんだよ」など声をかけてもらえたのは嬉しかったです。また来年の話ができるのもデュアルスクールの良さです。


(4)支援員の方がいるおかげで、学校での様子を詳しく知ることができる

(2016.10 四国放送(日テレ系列)『フォーカス徳島』より)

デュアルスクール中は、専任の支援員の方がいて、息子の学校での様子を毎日教えてくれます。担任の先生もいるので、この期間は2名担任制です。授業では何をした、給食はゆずが食べられなかった、先生が捕まえたトンボを見て興味津々だったなど。おかげさまで、徳島生活の間は学習でも学校生活でも特段心配なことはありませんでした。慣れない生活の中、学校の様子を把握できるのは助かりました。

他方で、東京での学校生活では特に大きな問題がなければ、学校から電話がくることはありません。徳島生活の方が、学校の様子を詳しく知ることができました。

●デメリット

(1)「新しい環境に入る直前」に、学習に関する情報が詳しく入ってこない

(2016.10 課外授業の様子(提供:時事通信))

8月の滞在時に徳島の学校へ行き、学校生活を送る上でのルールや時間割について、丁寧に教えてもらいました(体育館シューズがいるとか制服通学だとか)。ただ、10月の徳島へ向かう直前では学習や学校生活についての情報がなかったので「何か学習面で準備がいるのかな?」と私が少し心配でした。学校間では通常の転校と同様に、学習情報を含めた息子の情報のやりとりがあったようです。

徳島へ行ってからは、私から支援員の方にお願いをして、東京の学校では国語と算数はどこまで進んでいたかを調べてもらい、徳島滞在中に教えていただきました。息子は教科書に準拠した通信講座を受講していたので、該当のページまで教材を進めておき、ある程度東京での学習の準備もできました。

保護者の負担として、徳島入り前に私が行った手続きは、「区域外通学届」という1枚の紙に連絡先を記載しただけです。結局、デュアルスクール開始前に保護者として準備に必要な時間は、東京で事業の説明を受ける(1時間)、徳島で学校の説明を受ける(1時間)、区域外通学届を書く(5分)の合計2時間程度。

そして、東京に戻った時には支援員の方はいません。東京生活2日めに、私から学校に電話をして、図工の作品進度を確認して家で作ったり、国語と算数のドリルの確認を行いました。小学2年生の息子の場合、2週間不在にした元の学校生活に戻るために私がかけた時間は、図工の工作(2時間)と国語(30分)と算数(30分)の合計3時間程度です。

(2)学年があがると馴染むにも戻るにも時間がかかる

(2016.10 授業中の様子(提供:時事通信))

これは単純に年齢の問題かなと思います。性格によるところもありますが、年齢が低い方が馴染みやすく年齢が上がれば馴染みにくくなります。初回は低学年でトライするほうがハードルが低いですね。学年が上がるほどに1回あたりに進む授業の差や学校生活の変化が大きくなります。けれども、子どもの順応性は高いので親の杞憂で終わることが多いでしょう。

デュアルスクールではないですが、秋祭りに参加した中学生のお子さんの中に、普段は遠方で暮らしており、この祭りに合わせて滞在している中学生(太鼓の打ち子さん)がいました。元の中学校からは1週間分の課題を与えられ、それを提出するならばOKと許可を得たそうです。


(3)滞在期間が長くなると、元の学校に戻った後に時間がかかる

(2016.10 2年生クラスの後ろの黒板)

最短期間が2週間。それより短い期間ですと、新しい生活に馴染む間もなく元の生活に戻ってしまう感じになります。行きと帰りの2日はまるまる移動で使ってしまうためです。水を得た魚のように日焼けをして自由にのびのびとしている息子を見ていると、3~4週間ぐらいの滞在もチャレンジしてみたいなと思います。

しかし、それだけ長くなると、東京の学校生活の情報が全くないというのは厳しいかなと思います。1週間から2週間に1度、元の学校の出来事を親子でも知る仕組みがあるといいかもしれません。

(4)チームで戦うスポーツをしていると行き来がしにくい

(2016.10 日和佐小学校の運動場で野球の練習。整理運動かな?)

学校の方は徳島で出席した分を東京の出席分として扱うことができます。また、東京と徳島の年間学校行事表を見ながら、運動会や学芸会などの練習期間を外してデュアルスクール期間を選ぶこともできました。

もしも息子が野球やサッカーなどのチームスポーツを習っていて、練習や大会があるとなれば、徳島へ行くタイミングを見つけるのが難しかったかもしれません。特に学年が上がってレギュラーになれば難易度は上がります。その一方で、野球やサッカーなどのメジャーなチームスポーツは都市でも地方でも練習でき、友達を増やすきっかけになります。行き来のタイミング調整は親の仕事の自由度を高めることができればカバーできます。

●まとめ さらにデュアルスクールを利用しやすくするためには

(2016.10 NHK徳島『とく6徳島』より。学校間の申し送り書類が大変だと聞きました。書類の簡素化ができると本事業をやろうという学校が増えると思います。)

(1)新生活スタート時の学習進捗情報の共有(家庭もどちらの学校も同じ情報を持つ)

(2)元の学校での出来事を1週間に1度連絡をもらう仕組み(家庭と元の学校との間で)

(3)不明な点があれば、保護者が自ら情報を取りに行くこと

(4)(親に対して)自由な働き方に対して会社に理解があること

(5)(推奨)教科書準拠の通信講座の受講

(6)(推奨)徳島生活プレ体験(子どもの友達づくり)

とはいえ、子どもの適応力も高く、学校側も長期休みの子に対する対応などもしているので、子どもの生活においては現状の仕組みでもさほど問題を感じません。それになんと言っても子どもが「また来たい」と言ってくれればオールOKだと思います。

●さようならって、おれ来年も来るから

(2016.10 四国放送(日テレ系列)『フォーカス徳島』より)

「『さようなら』っておれ来年も来るから、『さようなら』はいらない」

そうです、来年も帰ってくるのです、徳島に。美波町の優しく美しい大浜海岸の近くに。

出会いを別れを繰り返し、今まで知らなかったことを見聞きし、嗅ぎ触れ味わう。次回息子はさらに深く知ることになるでしょう。継続した行き来が前提のデュアルスクールだからこそ、この言葉が出てくるのです。

私達親子の都市と地方の行き来は始まったばかりです。着替えるような軽やかさで、会いたい人・知りたいこと・やってみたいことの近くへ行ける人生を送りたい。息子にも「これだけしかない」ではなく「これもそれもあれもあるけど、やっぱりこれ」と、その時々に環境を選ぶことができるといいなと思っています。息子に負けず、私も来年までにたくさんのことを知り、できるように頑張らねば!

それでは、東京から徳島へ想いを馳せて。


【御礼】今回のデュアルスクールでお世話になったみなさま

(2016.10 徳島駅に到着2分後。すだちくんと一緒に写真撮影。徳島新聞の方が撮影している様子を撮影)

●徳島県と美波町の皆様(五十音順)
株式会社あわえ 吉田さんご一家、村松さんをはじめとする皆様
イワキ医院の院長先生、スタッフの皆様
戎町 大城さんご一家をはじめとする皆様
大浜海岸に関わる皆様
OKITAのスタッフの皆様
odoriの林さんをはじめとする皆様
海部病院の整形外科の先生、スタッフの皆様
サイファー・テック株式会社 中西さんご一家をはじめとする皆様
つくしのスタッフの皆様
てこ屋のおかみさんをはじめとする皆様
徳島県 県教育委員会 久原さま、白井さま、枝川先生をはじめとする皆様
日和佐秋祭りに参加された皆様
日和佐八幡神社に関わる皆様
日和佐小学校 校長先生、教頭先生、水口先生をはじめとする皆様
ひわさやのスタッフの皆様
美波町教育委員会 武田さま 
美波町役場 鍛治さま 
その他、デュアルスクール期間中にお世話になった皆様


●メディアの皆様(五十音順)
朝日新聞 記者さま
NHK徳島 的場さま
共同通信 添川さま
四国放送 岩井さま
時事通信 山本さま
徳島新聞 佐藤さま
毎日新聞 記者さま

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