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タマルとカンパイとメドレー。(後編)

こんにちは。広報の加藤です。

今週のメドレーはいろいろと盛りだくさんでした。

詳しくはオフィシャルブログ「週刊メドレー」でまとめましたが、

・NHK「首都圏ネットワーク」さんで「CLINICS」を大々的に取り上げていただいたり

・医師200名以上の方にお越しいただいた「CLINICSサミット」を開催したり

・「WIRED Audi INNOVATION AWARD 2016」で表彰いただいたり

・「ヘルス2.0」に豊田が登壇させていただいたり

と、ホント盛りだくさんでした。

昨日公開したMEDLEYニュース編集長の大脇の「私がメドレーに入社した理由」ブログも無事5万PVを超え、弊社の田中が持っていたWantedlyフィードのブログでもPVギネスを更新できたようです。

インターネット上にある医療情報の正確さについていろいろと叫ばれているこの時期に出すものとして、編集としてもとりわけ気合いの入るブログになりました。


広報冥利につきる、バタバタした1週間でした!

さて、遠隔診療に関する法律のお話、後半戦です。

前回は、第1回の「遠隔診療に関する規制」のお話として、

「平成27年に出た実質的な規制緩和以降、多くのプレイヤーが参入することになった」というお話をしましたが、この中には「診療」に該当するものと該当しないものがありました。

この話を、第2回目の記事「遠隔診療と遠隔医療相談」で書いています。

「診療」と「医療相談」の違いは??

という話なのですが、ざっくり言うとこうです。

・診療 : 医師が患者に診察・治療を行う。医師法の規制を受ける。

・医療相談: 医師等が医療・健康に関する相談を行う。診療・治療を行わないことから、医師法の規制対象外。

こう見ると、「診察・治療」と「医療・健康に関する相談」って実際どんなところが違うの??という話が出てくるかと思いますが、ここでいう相談というのは「その患者に対する個別具体的な回答ではなく、一般的・抽象的なアドバイスの提供」というイメージなんですね。

例えば

ある患者から医師に対して「なんだか心臓のあたりが痛い気がします、ネットで検索したところ、●●、▲▲、■■のような病気の可能性がありそうなのですが、実際どうなんでしょうか?」

という相談をして、それに対して医師が(一切の追加質問などをせずに)

「それは一般論としては●●、▲▲、■■の可能性が高そうですね。不安であれば医療機関を受診してみてください」

と回答をする。これが医療相談ですね。診療ではないので、お薬を出すこともできません。

ここで、医師が色々と具体的な状況について問診をした上で、「あぁ、それならば●●の病気の可能性が高そうですね」と伝えてしまうと、それは「個別具体的な状況」を問診して、診断してるんじゃないの?という疑問が出てきます。

このように、実際の場面では「どこまでが相談で、どこからが診療なのか」の線引きはどうしても曖昧になりがちで、「法律を適用するか?」であったり、「法的な責任がどこにあるのか?」の整理は難しくなってしまう、という懸念が挙げられています。

(参考)「連載第2回追記 遠隔医療相談で子供を『診察』?」

遠隔診療を受けたら薬ってどこでもらえるの?

ちなみにさきほど「医療相談は診療じゃないからお薬を出せないよ」、という話をしましたが、じゃあこの薬って、遠隔診療だとどのタイミングでどうやってもらえるんでしょうか?

っていう話を第3回目の「遠隔診療における医薬品の処方」という記事で書いています。

診察を受けたら、薬をもらいますよね。でも、病院(※:ここでは病院と診療所を総称して病院と呼んでいます)に行かずに家や職場で診療を受けたら、どこで薬をもらえばいいんでしょう?

ざっくり言うと、こうなっています

まず、医師が直接薬を出してくれる病院の場合は、CLINICSを使ってオンライン診療をした後にお薬を家に送ってもらうことができます。これは非常に便利ですよね。

しかし現在、身近にあるほとんどの病院は「薬を出すのは薬局」という形で分業しているので、その場合にはオンライン診療を受けた後に薬局に持って行くための処方せんを郵送してもらうことになります。

この流れだと、結局お薬をもらうためには郵送された処方せんを持って薬局に足を運ばなければならず、すべてがオンラインで完結しているとは言えなくなってしまうわけです。

なんでこうなっているのか??

っていう背景なんですが、関連して2つの規制があるからなんですね。

(1)処方せんで薬を受け取るときには、原本の紙を薬局に渡さなければいけない

(2)お薬の飲み方を指導するのは薬剤師が対面で行わなければいけない

処方せんをデータとして電子化することは、実はすでに今年の4月から解禁されています。なのでそれをオンラインで送れればよいのですが、現在は「医薬情報の安全なやり取りを(オンライン送信では)完全には確保できない」として認められていないんです。

また、もし仮にこれをオンラインで送っていい、ということになっても、今度は(2)のお話があるので、結局薬局にいく必要が出てきてしまいます。今の医師法や薬剤師法は、対面での診療や指導を基本とするスタンスで設計されているからなんですね。

一部の特区では規制緩和されている

この点、一部国の特区では「テレビ電話で薬の飲み方指導を行っても構わない」という形で規制緩和されていますが、まだまだ一般的には適用されていないのが現状です。

ただ、この(1)と(2)の規制についても、徐々に緩和が進んで行くことになれば、日本中の病院でオンライン診療を受けたときに、受診から薬の受け取りまでがオンラインで完結する日が来ることになります。

そうなってくると、直接の通院が難しい人たちにとっても、より医療サービスにアクセスしやすい日が来ることになりますね。

「新しい産業を作る」ということ

このように、前半と後半に渡って遠隔診療と法律上の論点についての基礎の「き」のところを説明してみましたが、いかがでしたでしょうか。僕自身、転職してみてはじめて気づきましたが、基礎の「き」、のところでも随分と論点がありますよね。

法律上の論点や解釈の整理を重要な柱としていきながら、これから官民力を合わせて産業を作っていく領域なんだなと感じています。

その中で「できる理由」を追求していく

新しい産業やサービスを作るとき、目の前には「できない理由」が山ほど落ちています。ですが、そこに目を奪われていては、いつまでたっても新しい価値は生まれてきません。

自分で課題を発見し、その課題を正しく解決するために法的にも医療的にも「できる理由」をかき集めていきながら形にしていく地道な作業の繰り返しが求められますし、それでないとベンチャーはできないんだろうと思う。

田丸がいいなと思うのは、常に法務の側面やその関連する幅広い側面を考慮しながら、医師チームと対話して、「適法であること」「公正であること」を前提としながら「できる理由」を一緒に考えようとしてくれているところです。

外部の弁護士としてではなくチームとして、個々の専門性を活かしながら前向きに未来を見れることが、共に産業を作っていくことの醍醐味であり、メドレーでの面白みなのかなと感じているところです。


というわけで2週にわたりお送りしてきた「タマルとカンパイとメドレー」は今回で終了です。

来週はそんな田丸がメルカリさん、ビズリーチさんの弁護士の方と登壇予定です。よければぜひご参加ください!

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