リーマンショック、3.11のHRを経験した取締役が語る「ウィズコロナ時代の人事戦略のために、今すべきこと」【PlayNextLab Interview】

"世界の才能と日本の可能性をつなげるプラットフォーム創出”をミッションとし、SI/SES事業、外国人エンジニアと日本企業のマッチングサービス「Talent Hub」を運営するプレイネクストラボ(以下、PNL)。2019年8月より外食産業特化の採用支援サービス「食リーチ」の提供を開始し、HR事業にも注力しています。

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の影響により、この数ヶ月間でHR市場がどう変化しているか、今後のために今企業の経営者や人事にできることなどを、HR事業を管轄する取締役・井出さんに伺いました。

新型コロナウィルスの影響で、飲食業界の採用はどう変わったか。3月上旬から時系列で解説

2019年8月よりスタートした食リーチ。

飲食業界に特化した採用支援サービスとして、上場企業から街の飲食店まで、数多くの採用をお手伝いしてきました。

自らも営業として企業の経営者や採用担当者さま、店長とやりとりをする井出さんは、3月上旬から下旬にかけ飲食業界の急激な変化を感じたといいます。


「3月上旬の時点でいち早く採用活動を停止したのは、大規模な商業施設にテナントを出している飲食店や、海外からのインバウンド需要を狙い観光地で営業する飲食店でしたね。

『人が集まる場所』を中心に自粛の呼びかけが行われたので、集客力があるロケーションで飲食店を営業をしていることが、裏目に出てしまったと言えます。

一方で、住宅街やロードサイドなどの郊外型を中心とした、独自の集客をしている店舗に関してはそれほど影響を受けておらず、『テイクアウトなど新たな需要も生まれ、調子が良い』という声も聞いており、採用活動を継続する判断をしていた飲食店も散見されました」


しかし、3月下旬に入り「緊急事態宣言」や「ロックダウン」という言葉が報道されるようになると、事態は急速に変わってきたといいます。

夜間に営業する飲食店やバーで感染した事例が増え、人々の新型コロナに対する危機感は一層高まっていきました。

通常通りの夜間営業を停止する企業が増え、ランチタイムも含めほぼ全ての業態が営業継続を検討する段階へ。

そして、営業活動と同時に、採用活動を止めるケースが急速に増えたのだそうです。

また、営業を停止する飲食店が増える一方で、転職を検討する求職者は増加の一途をたどっていきました。

「飲食店でシフトに入れなくなってしまったアルバイトやパートの方が、自店の先行きに不安を感じ、登録するケースが増えていきました。

 また、通常ですと転職を迷っている方や1〜2ヶ月先での転職を目指す求職者が多いのですが『すぐ仕事を開始したい』という声が多いのは、特徴的です」


※2019年11月撮影、PNL取締役・井出さん

東日本大震災やリーマンショックなどの経済難をHR業界で経験。過去から学ぶ「将来の採用に向け、企業が今すべきこと」とは

2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災などの際にも、HR業界に身を置いていた井出さん。
当時と今回の新型コロナウィルスのケースを比較して感じることについてお伺いしてみました。


「個人や企業単位ではコントロールできない経済難として、リーマンショックや東日本大震災が記憶に新しいかと思います。当時、採用市場への影響は一度に急速に、広がりました。

それらと比較すると、今回のコロナウイルスの影響はかなり異質なものだと感じています」


特定分野を中心に急速に影響が広がったリーマンショックや東日本大震災に対し、比較的ゆるやかに、しかし着実に影響が広がっている新型コロナウィルス。

当初井出さんは「一時的に採用活動が止まることはあっても、『人手不足』という大きな流れに影響を与えるものではない。だから、引き続き強気で採用を継続する企業が大半のはず」と考えていたといいます。

しかし、実際には「未知の・未経験の現象が引き起こす」社会全体の不安は、消費者の行動を大きく変え、いつ事態が終息するのか見通しがつかない状況となっていきました。 

「『自粛要請』という曖昧ながらもすごくプレッシャーを感じる表現。多くの飲食店では営業が困難な状況ですし、将来のことも考えにくいと思います。

まずは足元の資金が気になるタイミングだとは思いますが、クライアント企業には『再び雇用を生み出すために、今どうあるべきかを考えましょう』という1点だけを伝え続けてます。

この事態が発生する前の状態に戻すことに縛られず、新しいお店や事業へと転換する会社も出てくるでしょう。そうなれば、必要とされる候補者の人数も経験値も変わってきます。

しかし、ポジションや職種に関わらず、これからの採用では『新型コロナウィルスの影響下で、社員にどのような対応をした会社だったか』というのが鍵となるはず。

そんな将来を見据えたとき、今会社にいる社員やスタッフとどのように接するのか、休業をする経緯や理由をどう表現して、日々どんなコミュニケーションをとるのかは非常に重要になってくるのです」


休業の理由や経緯について「国や都道府県からの要請を受けたから」「入居しているテナントが休館だから」といった説明を行う飲食店も少なくありません。

しかし、この時期に経営トップや人事から発信すべきなのはそうした外的な要因よりも、会社のスタンスや想いが伝わる「社員へのメッセージ」だと井出さんは語ります。


「ある会社では、『休業期間中の過ごし方』を社長が直接指示しています。
 
具体的には、『通勤時間に相当する分を散歩すること』や『同僚社員との電話やオンラインメッセージでの雑談』を会社として指示しているそうです。

今回の社会的な混乱に対して受け身で対応するだけでなく『社員の健康を増進するために企業として取り組む』という会社としてのスタンスがうかがえますし、社員の健康を気にかける社長の想いが伝わります」


また、ある会社では今回の件を機に退職した社員にも、声かけや安否の確認を続けているという声もありました。

もちろん、将来アピールすることを目的に、本心でないメッセージの発信をするのでは全く意味をなしません。

お伝えしたいのは、窮地に追い込まれたときこそ、会社や経営層が本音で語る必要がありますし、近い将来それが人事戦略に影響を与えるということ。

新型コロナウィルスが引き起こした過去に例のない危機においても、その原則は変わらないと思っています。


最後に、飲食店さまやPNLと関わる企業に向けてメッセージをいただきました。


明日は今日よりも良い社会になっている、という根拠の無い確信を私はいつも持っています。

これまでの延長線上に戻ることはなくても、今日を経験した明日は間違いなくよりよい社会に出来ます。

事業活動も採用活動もこれまでと同じ形ではなくなっていく部分があるでしょうから、その先にある

今日よりも良い明日』を一緒に作っていきましょう!」

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