【事例紹介#1】企業ブランディングを目的とした「70周年記念プロジェクト」~長編~

企業によって、抱えている問題はさまざま。JBAでは、ブランディング、広告・マーケティング、広報PR、人材育成など、幅広い解決策を提案・企画し、実行まで支援しています。

 だから、JBAって何やってるの?って言われると、ちょっと答えづらい。だって、お客様によって、提案することが全然違う。一言で、「○○する会社です」って言えないんです。

…とは言え、外から見ると何をやっているのか分かりづらいのも事実。求職者の方からも、「何をやっているのかよくわからない」なんて声が多く寄せられていました。

 一言では、言い表せない。けれども、JBAのことをもっと知ってほしい。

 なので、事例紹介をすることにしました。

 とある企業が抱える課題に対し、JBAが何を考え、どう行動したのか?そしてそれが、企業にとってどのような効果をもたらしたのか?実際にプロジェクトに携わったコンサルタントが、やりがいや苦悩、自らの仕事観に至るまで、赤裸々に語ります。記念すべき第一回は…

大手機械メーカーA社の70周年プロジェクト。

こんにちは。JBA入社6年目のコンサルタント江口です。大手機械メーカーのA社は、2017年に70周年を迎えるということで、「価値のある周年をやりたい」とご相談を受けたことから、このプロジェクトが始まりました。

A社に関しては、これまでの広報支援を通じて、事業内容や組織の情報、企業が抱える問題について全体的に把握できている状況でした。すでに計120人以上の社員とお会いしており、十分な信頼関係を築いていました。

「70周年プロジェクト」の話が持ち上がった際は、まず社長との対談をセッティング。社長とはすでに年に2~3回会う仲です。気軽な形でのヒアリングを行いました。社長が語ったのは、「70周年イベントで意味のないことはしたくない。インパクトのあることをしたい」ということ。

「とんちで有名な一休さんの歌に、『門松は冥土の旅の一里塚めでたくもありめでたくもなし』というものがある。周年も同じ。めでたいようで、実は終焉に近づいているという見方もできる。当社の70年の歴史など、何かあればすぐに吹き飛んでしまう。100年くらいの未来を見越して必要な手を打たなければならない」そう決意をあらわにしました。

特に社長が危機感を感じていたのは、社内の連携。社員の多くは、自社の製品や技術にプライドはあるれども、会社の経営状態には興味がないという状態でした。また、縦割り意識が強く、部門や拠点間のコミュニケーションはほぼ皆無な状態。もっと社内の風通しをよくし、社員全員が同じ方向に走っていける会社でなければならない。そのような想いを抱えていることが分かりました。

会社を変えるなら、理念から。理念を変えるなら、社員の手で。

A社の組織の課題を解決するためにはどうすればいいか、私は考えました。これまでの経験やノウハウから、いくつか解決策は思い浮かびます。しかし、周年のコンサルティングにおいては、そのまま解決策を提案すればいい、という単純なことではありません。A社が抱える一番の課題は、『組織内のコミュニケーション』。外部のコンサルタントがどんなに素晴らしい解決策を実行しても、社員が「やらされ」と感じてしまえば、成果は上がりません。組織の課題は、社員が「自分事」として捉え、自らの手で解決する必要があるのです。

 そこでまず私が提案したのは、理念の見直し。

そしてそれに伴う幹部候補を選抜したプロジェクトの結成です。会社を変える前提を作るためには、理念を変えるのが一番。そして周年は、理念を見直す絶好の機会となりえます。

しかし、理念をトップの意向で勝手に決めてしまえば、社員にとっては「他人事」でしかありません。そのような事態を避けるため、100周年の時に会社の第一線で活躍することになる幹部候補が理念を考える、という形式を提案しました。社員自らが、自社の課題と未来を考えさせる機会を設けることで、「自分事化」を図ったのです。こうして、将来の幹部候補10名を選抜した理念改定プロジェクトが結成されました。

JBAはプロジェクトメンバー10名に対し、周年企画のための研修プログラムを立案しました。プログラムは、経営課題や未来に必要なこと、会社が世間にどう思われているかをディスカッションし、その解決策を共に探していこうというものです。メンバーは将来の幹部候補とは言っても、経営や理念のことについては素人。私は、そのプログラムの司会兼講師を務め、必要な情報を必要なタイミングで伝えることで、議論の活性化を促しました。

 結果的に議論は大盛り上がり。参加した幹部候補からも、「自社のことを深く知るいい機会になった」「自分の部署にこの経験を還元したい」という声が多く寄せられました。

 こうして、社員自らの手による「理念改定」が動き出したのです。

70周年記念の当日に向けて、周年ロゴ、全社員アルバムの配布など、社内を盛り上げていく。

周年には、これをすべきといった決まりはありません。企業によって周年の取り組みはさまざま。とはいっても、どの企業も重視しているのが「周年当日」。多くの企業は、周年当日に式典やイベントを開催します。内容はそれぞれ。社員が集まって、これまでの企業の歩みを振り返ったり、将来に向けて決起したり、芸能人を呼んで盛り上がったり…。企業の数と同じだけ、周年当日の迎え方があります。

企業の中には、周年当日の式典やイベントだけを重視して企画しているところがあります。でも、実はこれ、すごく危険なんです。社員からしてみると、突然、式典に強制的に参加させられて、「楽しんでください」なんて言われても、「はあ…、そうですか…」って感じ。中には、「こんな忙しいときに何でこんなこと!」なんて憤る社員もいるかもしれません。これでは、社内のコミュニケーションを良くしようなどの目標は到底達成できません。むしろ、逆効果。トップへの不信感を煽る結果となってしまいます。

 成功のコツは、徐々に社内を盛り上げていくこと。社員に周年当日を迎える心の準備をしてもらうことで、当日の盛り上がりを下支えします。

 私はA社に、周年ロゴの全社員投票を提案しました。周年ロゴは、いわば目印。1年間あわゆるところで目に付きます。全社員が投票に参加しているので、普段は会社に興味がない人でも、見かけるたびに「あ、僕たちで決めたやつだ」という気持ちになります。自然に社員の「参加感」が出るしかけをつくりました。

 とはいっても、周年ロゴの策定は一時的。周年当日まで徐々に盛り上げていくために、定期的に発行している社内報で特別企画を組みました。歴史の振り返りや理念策定プロジェクトの進捗を共有する記事を載せ、周年への意識付けを図りました。

 そして直前のダメ押し。式典の1か月前、全社員の顔写真とプロフィールが分かるアルバムを作成し、社員全員に配布しました。実は、私が一番効果を実感したのがこれ。どの部署でも大盛り上がりでした。コミュニケーションとは、すなわち話すこと。話すことはそもそも、顔と名前が分からなければできません。アルバムは、コミュニケーションを起こすトリガーとなったのです。

 さらに、アルバムを式典の必須持ち物に指定。興味がなくても絶対に開かなければいけない状況を作り出しました。以上のようなしかけで、社員に周年当日への「心構え」をしていただきました。

まさに絶景!全社員2,500名が集う、周年式典は「会社そのもの」。

 いよいよ式典当日。2,500名の全国の社員が一堂に会しました。事前準備で手の込んだ企画をしても、周年当日がつまらないものだったら意味がありません。式典においても、「一体感」をつくるためのしかけを用意しました。

 まず、チーム対抗の会社のトリビアクイズを行いました。チームは、異なる拠点・部門の人で構成されるミックスチーム。クイズを解くためには、コミュニケーションが絶対に必要となります。今まで話したことがなかった人との会話の機会をつくるだけでなく、「うちの部署ではこうしている」「私のところでは…」というような今まで知らなかった社内の生の情報を得る機会となりました。

 心配していたのが、「社員に楽しんでもらえるだろうか」ということ。正直なところ、嫌々参加する社員も一定数いるだろうと考えていました。周年は「和」が大事。一人でも嫌々な人がいれば、それが伝染して広がってしまいます。そうなると、式典は失敗です。しかし、そんな心配は杞憂でした。社員みんなが笑顔だったのです。集まるということ自体が、勇気をもらえたり元気になったりするきっかけとなるのだということを、A社を通じて学ばせていただきました。

 そして、式典のメインイベントである新理念の発表。TEDのようなプレゼン形式で行いました。素人ながらも社員が一生懸命説明する姿は、社員の参画感を高めました。社員からの評判も上々で、「うちの会社に合っている」という意見が多く寄せられました。こうして式典は大盛況のうちに幕を閉じました。

私にとっても、この式典に参加できたのは貴重な経験でした。2,500人の全社員が一堂に会する機会というのは、すなわち「会社そのもの」を見る機会です。そこに会社のすべてが集結されていて、それを俯瞰できる。まさに「絶景」でした。

全社員が集えば、否が応でも所属意識や一体感というものが生まれます。普段は工場の、さらに一部門しか知らない社員であっても、式典に参加すれば視野が広がっていくのです。社員の目の色が変わる、その瞬間を間近で堪能できたのは、コンサルタントとして働く私にとって、かけがえのない経験となりました。

周年は、式典をして終わりじゃない。理念は作るよりも、浸透させることが重要。

 式典後、楽屋で社長と握手を交わしました。「ありがとう。でも、これは始まりに過ぎない。これからが勝負だ」感謝とともに危機感のあるメッセージをいただきました。社長がおっしゃる通り、式典をやっただけでその後に何もしなければ、「楽しかった」という思い出だけで終わってしまいます。周年は、当日の後のケアが大事なのです。。

 式典の1か月後、式典の様子を盛り込んだ社史を配布し、式典時に撮影した写真は自社サーバー内で配布しました。写真はプロが撮影したもの。当日のことを思い出せるしかけをつくりました。さらにダウンロードのパスワードは式典で発表した新理念。ここでも理念の定着を図りました。

 周年当日から現在も継続して、理念定着施策を行っています。全社員に向けて理念を発表したとはいえ、実際はピンと来ていない人がほとんど。せっかく理念が変わっても、触れる機会がなければ印象に残りません。社内外への理念定着のため、ロゴの作成や、名刺、HP、理念に関する座談会等の取り組みを実施しました。

座談会は、2017年度は全国で8回行われ、私はファシリテーターとして入りました。そこで感じたのは、やっぱり理念は浸透していないということ。理念について議論している際に、「そういうことだったのか!」という社員の心から漏れ出した言葉を耳にしました。周年当日のプレゼンでは、社員は「聞き手」。なんとなく分かった気にはなるけれど、実際のところ「理解」まではできていなかったのです。座談会というリアルなコミュニケーションの機会を設けることで、社員が自分事として理念を深く理解することに繋がりました。さらにその様子を社内報で発信することで、理念の定着を促しました。

周年の主役は社員、コンサルタントは「黒子」。

私がA社のプロジェクトでやったことは、直接的な提案や解決策の実行ではありません。あくまで主体はA社の社員であり、A社の社員が「やり遂げた」と感じられるよう、影からサポートをしたのです。いわば「黒子」のような存在です。

 周年の主役は、社員自身にほかなりません。社員が自分事として捉えられる場を作り出すこと、そしてそれらの設計をすべて行い、最後はクリエイティブまで自社で作り上げ、成果を出すところまでご支援を続ける。全てはその企業が抱える課題解決のために。

それが、JBAのコンサルタントの仕事です。

日本ビジネスアート's job postings
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