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目標は数値で立てただけでは不十分!データを可視化して達成するためのエンジニアリングのしくみ

Goal

「 チーム で 目標を設定し 行動する 」

こんにちは、エンジニアの丹治です。Wantedlyでは「チームで目標を達成する」ことを目標にしています。
そして、そのために目標となるデータをためて可視化するための枠組みがあります。今日はその話をします。

まえおき

数値目標を立てる。これはどのチームでもやることです。
例えば、サービスを成長させたいと思ったときに、MAU(Monthly Active User)の数を1ヶ月で5%成長させることを目標とします。もしそれが12ヶ月続いたら複利効果で1.8倍の規模になります。すごいですね!毎月5%だったらなんとかできそうな気がしてきます。


でも、数値目標を立てただけで満足してないでしょうか。継続的に数値をみることを誰かに任せてないでしょうか。
目標を設定したあとは、チームでその目標を追うことが重要です。
Wantedlyでは、「データの収集・分析」と「データの可視化」という観点から、チームで行動し、目標を達成するための仕組みを作っています。

なぜデータを可視化するの?

突然ですが、カンブリア紀に生物種の種類が爆発的に増えたという事実があります。

この一つの説として「目」が発生したため、という話があります。他の生き物が「見える」ようになったため、能動的に追跡するためにヒレを付けたり逆に防御するような外見を発達させ、最適化が行われて種類が増えたという話です。(詳しく知りたい人はこちら


「見える」ことはそれだけで優位性をもたらします。Wantedlyでも、データを「見える」ようにするが、目標を達成するための不可欠な要素になっています。

具体的には、Wantedlyのエンジニアは全員が自分の目標とするKPIのグラフを自分で作っています。作ったグラフはチームやチームを超えて共有されて、誰でも見たければ見れる状態が実現されています。
データは、大規模な外部データベースに送信されて、全てが保存されています。自分の見たいデータに関してクエリを投げて分析を行うことが可能です。

「見える」ことで目標を達成するためです

なぜ、エンジニア全員がデータを可視化できる必要があるのでしょうか。データ分析の専任の人に任せればいいんじゃないかという意見もあります。
それは、「今」の意思決定を迅速にし、手持ちの情報からなるべく正しい選択を行うためだと考えています。
データは可視化することだけでは意味がありません。データを見えるようにすることで、意思決定の判断に必要な情報が得られ、具体的なアクションに結びつくことが重要です。
具体的なアクションに結びつく得られる情報とは、例えば以下の質問に応えるような情報です。

・施策Aと施策Bはどっちが上手く行った?

・サービスが、予測と較べてどの程度成長している?

・なにか異常なことが起こっている!?

・今までXX%まで目標を上げられた、あとYY%で目標に到達?

Wantedelyではどうやっている?

Wantedlyでは、以下のような枠組みでこれを実現しています。


データをためて解析する

ログの置き場所に困ったことはないでしょうか。WEBサービスではアクセスのログはほとんど全てのデータが入っていると言っていいほど重要なデータです。
しかし、十分なログを集めようとするとディスクスペースが一杯になり、DB上でクエリを投げて分析しようとしても現実的な時間では帰ってこなくなります。
Wantedlyでは数年前からログの収集と分析は外部サービス(Treasure Data)の上で行うという判断をしました。

ここでは、Wantedlyのサービス(Rails)からはログを投げるだけです。自前で分散環境を構築してHiveなどで分散計算をすると、メンテナンス性の問題や一部しか触れない職人芸が生まれてしまいます。また、サービス本体から切り離すことで障害などから問題を切り分けられます。Wantedlyの場合は、アクセスログが大量に蓄積され、Hiveクエリをなげて分散計算から高速に分析することが可能です。
これらは通常スケジューリングされたクエリとして保存され、解析データとしてWantedlyのDBにも格納されます。
たとえば、ページ毎のMAUをだすクエリや、募集一覧の中での何番目の募集がクリックされやすいかの分布の情報、アプリの中であるページを見た後にアクションをした数の分析などが考えられます。
意外とここらへん、手作業でアドホックにデータを出していないでしょうか。

データを「見える」ようにする

解析したデータを「見る」ときは何をしていますか?
アドホックにデータを出すときは、使い捨てのSQLやプログラムを書いて数値をだせばその時の数値がわかります。自作の秘伝のSQLを毎回実行するかも知れません。

Wantedlyでは「全てをグラフ」にして、「毎日データを出さなくてもデータがみれる」環境を作っています。
例えばチームでこんなグラフが共有されます。


こうすることで変わるのが、以下の点です。

●グラフにすることで直感的に理解できる

●チームのみんなが同じ情報を見る

●データを毎日みる習慣がつく

特にチームのみんなが毎日見る習慣がつくというのは、PM職のいないWantedlyの中で、目標を達成するが可能な大きな要因になっています。チームの全員が「目」を持っているチームです。

「チームで目標を設定し行動する」

おわりに

データを分析して可視化することは、未来がわからない中で「見える」ことを武器に行うべき行動を選択するためだと思っています。

Wantedlyではこの武器を手に戦うために、データを蓄積・解析して継続的に見るしくみづくりをしています。

まだまだ試行錯誤して仕組みを作っている段階ですが、「見える」ことでチームで目標を達成することで、Wantedlyのサービスは日々改善されています。

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