リファラル採用の社内告知はどうやる?失敗しない4ステップ

リファラル採用とは、社員から共に働きたい友人・知人を紹介してもらって採用する手法です。

求人広告や人材紹介会社に支払う金額を抑えられるためコスト削減になるほか、入社後のミスマッチ防止などのメリットもあり、近年とくにリファラル採用を行う企業が増えてきました。

一方、「リファラル採用をしたいが社員にどう協力してもらえばいいかわからない」「実施しているもののなかなか紹介がこず、形骸化してしまっている」

と悩む経営層や採用担当者も少なくありません。今回は、リファラル採用の社内告知を成功させる方法を解説します。

告知のやり方やポイント、起こりやすい失敗事例まで幅広くピックアップしますので、是非参考にしてみてください。

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リファラル採用の社内告知をする前に準備すべきこと

リファラル採用を成功させるためには、社内告知前の準備が大切です。社内周知に取りかかる前に、次の3点を必ず実施しましょう。

1.不採用でも気まずくならない採用フローを設計する

「紹介した友人が不採用になったら気まずいから」と、リファラル採用に対して協力的になれない社員もいます。そのため、万が一不採用になったとしても、紹介者と被紹介者の関係に不和が生じない体制づくりが重要です。

紹介者と被紹介者の関係に不和が生じないようにするためには、いきなり面接へ案内するのではなく、社内見学やミートアップなどのイベントに参加してもらってから選考案内するのがポイントです。企業理解を深めてもらった後に、本人の意思で選考に参加するかどうか決めてもらいましょう。

【参考】リファラル採用で起こりうるトラブルとは?防止策を紹介https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_trouble/

2.リファラル採用の目的・ペルソナを明確にする

リファラル採用の目的や導入の背景がわからなければ、社員は当事者意識をもてず、なかなか行動を起こす気になれません。リファラル採用の重要性を理解されていない状況で社内告知をくり返してしまうと、社員にとってはただのノイズになってしまう恐れがあります。

また、「どんな人でも歓迎」といったスタンスでは紹介数は増やせません。「バックエンドの開発経験がある人」「チャレンジ精神の高い人」など、ペルソナを明確化することではじめて具体的な友人・知人が思い浮かぶようになります。

紹介してほしい人物像を社員にきちんと理解してもらえれば、母集団の質が高まり、不採用時の「紹介者と候補者の関係が悪化するリスク」も回避できるでしょう。

【参考】採用ペルソナとは?簡単な作り方を新卒・中途別に徹底解説https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/persona/

3.KPIを設定する

明確な目標なく社員に協力を仰ぐだけの体制では、せっかく導入したルールも形骸化してしまいます。

そのため、実際にリファラル採用を導入する前に、「紹介者数」「面談後の選考移行率」「選考通過率」などのKPIを設定しましょう。

KPIによって目標と現状の差異を細かく数値化できれば、「紹介数自体が少ないのか」「面談での動機づけが弱いのか」「ペルソナ設定が甘いのか」など、運用体制の課題をいち早く見つけられます

【参考】採用KPIの設定方法|項目例や成功のポイントも解説
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/kpi/

リファラル採用の社内告知でよくある失敗

告知方法を説明する前に、よくある失敗例をご紹介します。陥りがちなパターンを事前に把握することで、似たような失敗をくり返さないようにしましょう。

1.社内告知の頻度が少ない

社内告知の頻度が少ないと、リファラル採用の社内認知度を上げられません。数少ない告知では社員の目にとまらなかったり、忘れられてしまいます。

何度も根気強く社内告知をくり返すことが、リファラル採用成功への第一歩です。

2.オンライン上だけの淡白な告知になっている

社内告知をオンライン上のみで行っている場合も失敗してしまいがちです。

社内ポータルサイト・メール・チャットなどによるオンライン上の社内告知は、多くの社員へ効率よく訴求できる一方で、熱量が伝わりにくいのがデメリット。他の通達と同じような手法・頻度では、機械的で淡白な印象を与えてしまいます。

そのため、全社会議での定期報告や口頭でのコミュニケーションなど、温度感を伝えられる手法も適宜取り入れましょう。

3.なぜ取り組むべきかが理解されていない

リファラル採用に取り組むべき理由や背景が周知できていない場合も失敗してしまいがちです。

リファラル採用が導入された背景や重要性がわからなければ、社員は当事者意識をもてず、自ら行動を起こす気にはなれません。多くの社員から協力を得るには、リファラル採用の存在だけでなく「なぜ取り組むべきか」まで伝えることが重要です。

また、リファラル採用の背景が理解されていない状態で社内告知をくり返してしまうと、「しつこい」「紹介を強要されている気がする」などと社員の不満や不信感につながる恐れがあるため注意しましょう。

4.全社へ向けた告知のみを行っている

全社員に向けて同一の内容を告知している場合も採用成功は難しいでしょう。

社内認知度を高めるためには全体への告知も重要ですが、全社員に対して同じ情報を発信し続けてしまうと「誰かがやってくれるだろう」と他人事として捉えられてしまいます。

社員の当事者意識を高めるには、採用担当者が一人ひとりへ声かけしたり、各部署のトップから部下へ直接コミュニケーションしてもらうなど、告知の規模や手法を変える工夫が必要です。

リファラル採用の社内告知のやり方4ステップ

続いて、リファラル採用の社内告知方法を4ステップで解説します。

見切り発車で始めて途中で迷走することのないよう、初期段階からしっかりゴールを見据えておくことが大切です。

Step1 プロジェクトのキックオフ
Step2 社員へのインセンティブを設計する
Step3 さまざまな場所で告知する
Step4 途中経過を公開する

Step1 プロジェクトのキックオフ

まずは、リファラル採用に関わるプロジェクトメンバーを選定し、キックオフミーティングを開催します。

メンバーは、特定の部署にだけ偏らないよう注意します。採用に関わる部署だけでなく、営業や開発など現場部門からも人を集めましょう。

多角的な視野をもって進めやすくなるほか、実行時の協力を得やすくなります。

キックオフミーティングで特に話し合いたい項目は、以下の通りです。

1. 今の採用手法にある問題点は何か(問題意識)
2.なぜリファラル採用をするのか(目的意識)
3.どんな人材を採用したいか(ゴールの共有)
4.紹介から内定に至るまでのステップ(手段・手法)

はじめに、採用について自社が抱えている問題点や懸念点をリスト化します。

「このままでは優秀な人材を採用できない」「会社の業績に関わる」という問題意識を共有することで、プロジェクト発足の意義を確認しましょう。

次に、複数ある採用手法のなかでなぜリファラル採用を選択するのか話し合います。

リファラル採用にどんなメリット・デメリットがあり、コストがどれくらいかかり、どんな効果を期待するのか確認し、自社に合った手法であるかを見極めます。

次に、どんな人物を採用したいか話し合います。

人手不足が深刻化しているからとにかく人数重視で大量採用したいのか、管理やマネジメントができる少数のハイクラス層を望むのかで、戦略は大きく変わってきます。メンバー内で採用のゴールを共有しておきましょう。

最後に、どう紹介してもらうか、どう告知するか、内定に至るまでの選考フローなど、細かい実務面について話し合います。

これらのステップを繰り返しおこない、実行案を固めるのです。

以下の記事では、これからの採用に必要な基本的な考え方や、採用のトレンドについてわかりやすくまとめています。

「なぜ採用活動がうまくいかないのか」と悩んでいる方は、ぜひご一読ください。

【採用の新常識】上手くいかない採用から脱却するために必要な考え方
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/recruiting_textbook

Step2 社員へのインセンティブを設計する

次のステップとして、社員へのインセンティブ設計に移ります。

リファラル採用は友人・知人を紹介する側にもメリットが生じるよう、報酬を与えるのが一般的です。

「採用につながれば〇万円」とする会社もあれば、「最終面接まで進めば〇万円」とする会社もあり、目的に合わせて設定するのが良いでしょう。

紹介への大きなモチベーションとなりますから、求人サイトやエージェントを使ったときの金額と比較しながら十分な報酬を用意しましょう。

また、紹介することが社員にとってメリットとなるよう工夫することも大切です。たとえば以下のような施策も考えられます。

・期間限定キャンペーン
・成功インタビュー
・表彰

半期集中でリファラル採用をする(もしくは半期だけ報酬額を上げる)、無事に内定し活躍をはじめたら紹介した人もされた人も社内報上でインタビューする、全社会議の場で表彰をおこなうなど、協力してくれた社員を労う姿勢を示しましょう。

インセンティブの細かい運用方法はこちらの記事で詳しく解説しています。

【参考】リファラル採用の報酬制度(インセンティブ)の相場と適切な設定方法
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/referral_incentive/

Step3 さまざまな場所で告知する

リファラル採用の告知では、正しい知識を社員に共有し、「〇〇さんを紹介してみようかな」と自分事として考えてもらうことが欠かせません。

そのためには社内のさまざまな場所で告知を行い、リファラル採用への関心を高めてもらいましょう。たとえば以下のような場所が考えられます。

・社内ポータルサイトやグループウェア
・社内報
・メーリングリスト
・社内SNS
・社内会議
・ポスターの掲示

役職・地域・勤続年数・部署による情報格差をなくし、全社的にPRする必要があります。

会議や動画を使って直接声かけをするだけでなく、社内報・メーリングリスト・ポータルサイトなどを使って積極的に協力をお願いしましょう。

また、掲示物で告知する際は、コピー機・ドア・社員食堂の入り口など、ふと立ち止まった瞬間や日常的に目に入る位置に掲示するのがオススメです。

ただし、リファラル採用を一部の部署で行うのであれば注意が必要です。対象を限定するのであれば、告知やインセンティブの範囲を見直しましょう。

Step4 途中経過を公開する

リファラル採用が形骸化してしまわぬよう、途中経過を公開するのもおすすめです。

「4月のリファラル採用結果:3人」「それぞれ経理部・営業部・企画部に配属」など簡単な情報を載せるだけでも、自然と意識が向くものです。

「知り合いのあの人なら経理部に向いているかな?」
「自分の部署にもリファラルで採用した人材が配属されるかな?」

とイメージさせられれば、リファラル採用が盛り上がっていくでしょう。紹介してくれた人の部署や人数を公開することで、部署間でいい競争心が生まれることもあります。

リファラル採用の社内告知を成功させる5つのポイント

次に、リファラル採用の社内告知を成功させるポイントや、紹介者数を増やすための具体的な施策をご紹介します。

1.社内告知の頻度・方法を見直す

リファラル採用の社内認知度を上げるためには、定期的な社内告知が重要です。しかし、社内告知の適切な頻度は企業規模や社員の特性によって異なるため、一概に「月◯回」などとはいえません。

そのため、メール開封率や紹介数の増減など、実際のデータをもとにPDCAサイクルを回しながら、自社での適切な告知頻度・タイミングを見極めていきましょう。

また、紹介数を増やすためには、社員の当事者意識を高めることが重要です。社内告知する際は、次の3点を意識しましょう。

1.オンライン告知+オフライン告知を行う
全社会議での定期報告や口頭でのコミュニケーションなど、オフライン告知で温度感を伝える

2.リファラル採用の背景や理由まで伝える
リファラル採用の存在だけでなく「なぜ取り組むべきか」まで伝え、社員の紹介活動を促す

3.部署別や個人別にもアプローチする
各部署のトップや採用担当者から直接コミュニケーションすることで、社員の当事者意識を高める

さらに、「告知メールを一度も開封していない人」や「1人以上紹介したことがある人」など特定の条件でグループ分けし、それぞれに向けた告知をすると効果が得やすいでしょう。

2.進捗状況や成果を公開する

紹介数を増やすためには、リファラル採用の進捗状況や成果を公開しましょう。今月何人採用したか、どの部署に配属されたかなど、簡単にまとめるだけでも社員の興味を引きますし、形骸化を防げます。

とくに「誰が何人紹介したか」「リファラル経由で入社した新人がどんな活躍を見せているか」などの報告はより関心を集められます。紹介者数を部署別・個人別のランキング形式で発表するのも、ポジティブな競争心をあおれるのでオススメです。

3.現場への影響力があるメンバーをアサインする

社員の紹介活動を促すには、現場社員への影響力がある管理職や勢いのある若手メンバーをプロジェクトにアサインするとよいでしょう。

社員の当事者意識を高めるには、直属の上司や同僚と直接口頭でコミュニケーションするのがもっとも効果的です。オンライン上で複数名に協力を仰ぐよりも、個別でお願いした方が自分事として捉えてもらえます。

普段コミュニケーションを取ることが多い上司から直接「誰かいい知り合いいない?」と聞かれたり、同僚から「最近リファラル採用で友人を紹介したんだ。いま最終面接までいっているらしいよ」といわれたりすれば、リファラル採用への意識がグッと高まるでしょう。

通常業務に影響が出ないよう最大限配慮する必要がありますが、各部署のパイプ役となり得るメンバーをプロジェクトに巻き込めば、現場社員の協力が得やすくなります。

4.採用広報を強化する

社内のメンバーをうまく巻き込むだけでなく、体外的な取り組みを増やすのも効果的です。たとえば、採用広報の強化が挙げられます。

・採用特設サイトをつくる
・オウンドメディアをつくり、採用や育成に関する記事を掲載する
・採用動画を作って公開する
・広報用SNSで採用に触れる

などの手法を取り、全社的に採用を強化している姿勢を示しましょう。

自社に興味を持ってくれたひとが見れば、より志望度が高くなる効果が期待できます。

また、誘う側の社員も、このような体外的な取り組みがあった方が友人へのアプローチをしやすくなります。

「こんな採用ページがあるから見てみてよ」と声をかけやすくなりますから、採用広報の強化案を複数考えるのがオススメです。

Wantedlyでは、採用広報を活用して採用に成功した2社をお招きし、持続可能な採用広報の施策についてトークセッションを行いました。イベントの内容は以下の資料にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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5.イベントを開催する

リファラル採用は企業や紹介者にとってメリットが高い一方、選考にチャレンジする求職者側にとってはハードルが高く感じられるケースがあります。

その不安や心配を払拭すべく、ラフに参加できるイベントを開催するのもよいでしょう。

たとえば複数の求職者が参加する簡単な立食パーティーや、少人数で参加するランチ会などが挙げられます。

オフィスやメンバーの雰囲気を見たり仕事内容について聞いたりするいいチャンスとなりますから、「応募前にどんな企業か自分の目で見ておきたい」「働いている友人の姿次第で決めたい」というニーズに応えられます。

ミートアップなどのイベント施策についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

【参考】採用ミートアップを手軽に開催するには?集客媒体や事例も紹介
https://www.wantedly.com/hiringeek/recruit/meetup/

【参考】「約半数をリファラルで採用するSalesforceの成果を支える「コアバリュー採用」とは
https://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_20210909

社員を巻き込んだリファラル採用にはWantedlyがオススメ

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リファラル採用の社内告知成功事例3選

最後に、実際にリファラル採用の社内告知に成功した3社の事例をご紹介します。ぜひ各社の取り組みを参考にしてみてください。

1.株式会社アンドパッド

株式会社アンドパッドは、以下の方法でリファラル採用を促進し、1か月あたりの紹介数が6倍に飛躍しました。さらに、紹介から選考に進んだ候補者の90%が内定承諾となっています。

・数ではなく質にこだわり、具体的なペルソナを設ける
・リファラル採用のプロジェクトにアサインするメンバーを絞る

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2.キャディ株式会社

注目のスタートアップ企業であるキャディ株式会社は、創業期から数々の採用施策を積極的に行っています。具体的な施策はこちらです。

・各採用ポジションにおけるペルソナの言語化
・候補者とより密度が高くなるようなクローズドなミートアップの開催
・全社でのチーム対抗戦・優勝チームへのノベルティの設計

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3.株式会社セールスフォース・ドットコム

株式会社セールスフォース・ドットコムは、CRMプラットフォーム“Salesforce”を販売し、世界中の顧客から高い評価を集める企業です。

経営陣からの「会社のために社員紹介を!」という強いメッセージと共に、「こういう枠(ポジション)が空いているので力を貸して欲しい」という具体的な内容を、社内コミュニケーションツールで配信しています。

また、紹介してくれた社員に対して旅行券をプレゼントするなど、社員が進んで知人や友人を紹介したくなるようなキャンペーンも実施しています。

【参考】約半数をリファラルで採用するSalesforceの成果を支える「コアバリュー採用」とはhttps://www.wantedly.com/hiringeek/interview/eventreport_20210909/

まとめ

リファラル採用を成功させるには、社内告知を浸透させるのが鍵となります。

採用の必要性やリファラル採用のメリットを伝え、インセンティブを示すことで、より社員からの協力が得られるようになるでしょう。

成功すれば、採用コストの削減やエンゲージメントの高い人材の採用に寄与します。

まずは自社がリファラル採用に踏み切る要因やゴールを設定しながらキックオフミーティングをおこない、少しずつ形にしていくことをおすすめします。

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