新卒採用を取り巻く環境は、少子化や学生の価値観の変化により、年々難易度が高まっています。「応募が来ない」「内定辞退が止まらない」といった課題を解決するには、従来の手法にとらわれない最新の対策が必要です。
本記事では、現代の新卒採用における7つの主要課題を特定し、それらを打破するための12の解決策を整理しました。
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新卒採用の企業課題は市場変化により深刻化
はじめに現在の新卒採用を取り巻く環境について、2つの面から説明します。
企業の人手不足感の高まり
2018年の厚生労働省による調査によると、企業の人手不足感は2009年以降一貫して強まっており、帝国データバンクの調査では2019年時点で半数以上の企業が正社員の不足を訴えていました。
2021年には前年比6.2%増の37.2%と再び企業の人手不足感が強まりを見せています。
さらに少子化による生産年齢人口の長期的な減少を背景に、企業の人手不足は今後ますます強まる可能性が高いと言えます。
そのため、新卒採用を取り巻く市場環境もさらに厳しくなっていくと考えられており、新卒採用のあり方に影響を与えています。
出典:【厚生労働省】雇用を取り巻く環境と諸課題について
出典:【帝国データバンク】人手不足に対する企業の動向調査
早期選考・通年採用の広がり
早期選考や通年採用の広がりも企業の新卒採用活動に影響を与えています。
インターンシップやイベントへの参加者に対し、いわゆる「就活ルール」に定められた時期よりも早い段階で内定を出す企業がベンチャーや外資系などを中心に目立ちはじめています。
また通年採用には春から夏にかけての就職活動に間に合わない留学経験者をカバーでき、内定者が辞退した場合でも補完しやすいというメリットがあります。
そのため通年採用を取り入れる企業が増加しており、2021年卒で19.2%あった通年採用導入企業は2022年卒では27.0%まで増える見込みとなっています。
早期選考は新卒採用活動の早期化に、通年採用は長期化につながることから、企業の新卒採用環境は厳しさを増していくと考えられているのです。
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新卒採用の7つの課題

新卒採用で企業はどのような点を課題として認識しているのでしょうか。ここでは多くの企業にとって課題となりやすいポイントについて、7つ説明します。
1.母集団形成が難しい
応募者を募集する段階で課題となりやすいのが母集団形成の難しさです。母集団とは自社の求人に関心を持ち応募してくれる候補者の集団を指します。
知名度の高い大企業を除いた大多数の企業にとって母集団形成は採用担当者の頭を悩ませるプロセスでもあります。求人広告を掲載しても多くの企業の求人に埋もれてしまうため、中小企業や知名度の低い企業は特に苦戦を強いられてしまうからです。
採用活動では応募の段階から書類選考や筆記試験、面接を経て内定そして入社と進んでいくに従って対象者の数が減少していきます。
そのため、十分な採用人数を確保するためには、採用活動の入り口である母集団形成は絶対にクリアすべき課題と言えるのです。
2.ターゲット人材を獲得できない
母集団を形成できた場合でも、採用に結びつく人材が含まれていなければ新卒採用は成功しません母集団の質はターゲット人材を確保できないという形で多くの企業にとっての課題となっています。
採用したいと思える人材に対してどのようなアプローチなら自社の求人がリーチするのかという視点が重要です。
ターゲット人材を確保し新卒採用を成功させるための母集団形成にあたっては、数だけでなく質についても高める必要があるでしょう。
3.競合他社との差別化と魅力付け
数多くの求人情報に触れる学生に対し、自社を選ぶべき明確な理由を提示し、動機形成を行うことも大きな課題です。
近年では、優秀な人材を確保するために給与条件や福利厚生の引き上げが市場全体のトレンドとなっており、資金力のある大手企業との競争はさらに激化しています。
一方で、就職サイト上のスペック情報だけでは他社との差別化が難しく、学生が「ここで働きたい」という強い動機を持つに至りません。自社ならではの社風や仕事の意義をいかに候補者に届け、他社と差別化していく力が求められています。
4.候補者の「見極め」の難化
選考プロセスのなかで、学生の本音や潜在的な資質を見極めることが難しくなっているという課題もあります。 生成AI技術の進化によって、AIを活用して作成された精度の高いエントリーシートが担当者の元へ押し寄せているためです。
また、多くの学生が就活生向けサービスやSNSで共有されている「正解に近い回答」を準備して面接に臨むようになり、回答が画一化していることも要因の一つです。 面接での受け答えは好印象であるものの、実際の資質や適性が判断しきれず、採用判断に迷う現場担当者が増えています。表面的な対策に惑わされず、入社後の活躍を見通すための選考精度向上が急務となっています。
5.選考・内定段階での辞退
応募者側からの辞退を新卒採用における課題として挙げる企業も少なくありません。選考中の辞退や内定承諾後の辞退です。
内定を承諾してもその後に条件の良い他社からの内定に魅力を感じ、内定辞退につながってしまう場合があります。
選考段階から内定・入社に至るプロセスで発生する応募者側からの辞退は応募者側の事情に起因することが多いため、ゼロにすることは難しいと言えます。
6.入社後のミスマッチと早期離職
採用人数を確保することに注力しすぎるあまり、入社後の定着や活躍まで目が届かないことも大きな課題です。
入社前に抱いたイメージと実態のギャップ、いわゆる「リアリティ・ショック」から早期離職を招いてしまうと、それまでの採用コストや教育コストが無駄になってしまいます。
採用はゴールではなく、入社した人材が組織に定着し、成果を出せるようになるまでを見据えた一貫性のある情報発信とフォロー体制が求められています。
7.予算やリソースが不足している
企業側の採用リソース不足が新卒採用の課題となっている場合もあります。
十分な採用コストをかけることができない、採用担当者の数が不足している、社内に採用ノウハウがない、といったケースです。採用コストが不十分では求人広告を掲載しても媒体数や原稿サイズが競合他社より見劣りするため応募数の減少に直結してしまいます。
また採用担当者の人員不足は応募者へのレスポンス遅延から優秀な人材の離脱につながりかねません。
さらに社内に採用ノウハウが欠けていれば、母集団形成手法からターゲット人材の選考基準、そして内定・入社段階における応募者ケアまであらゆるプロセスで機会損失を招いてしまいます。
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新卒採用における課題別の解決策12選

新卒採用における「母集団形成」「差別化」「見極め」「辞退」「リソース」といった多岐にわたる課題を解決するためには、各フェーズに合わせた適切な対策が必要です。
ここでは、代表的な12の解決策を、その目的別に整理して解説します
母集団形成や差別化が課題の場合
自社に関心を持つ層の集団である母集団形成や他社との差別化が不十分である場合には、認知を広げ「選ばれる理由」を作ることで、より多くの応募者を集めるための対策が求められます。
1.掲載情報の見直し
母集団を形成する応募者の数を増やすために企業がまず取り組むべき対策は求人広告などに掲載されている情報の見直しです。
求人広告が単なる情報の羅列となっている企業は意外に多いため、このような場合には自社の魅力が十分に伝わるよう、内容を再検討する必要があります。
掲載情報見直しにあたってのポイントは他社との差別化と待遇の明確化です。応募者に対して自社が競合他社よりも魅力的な就職先であることを、わかりやすいキャッチコピーや写真で訴求しましょう。
また働きやすさやスキルアップを重視する応募者が増加していますので、研修制度や福利厚生まで含めた待遇を明確に記述しておくことも重要です。
掲載情報の見直しは求人広告だけでなく、採用広報やSNS・ブログなど多方面で実施しましょう。企業が発信する情報量が増えることに加え、近い年齢層である社員の声や職場の雰囲気を届けることができるため応募者が働くことをイメージしやすいためです。
【関連記事】採用広報とは
2.採用チャネルの見直し・最適化
母集団を形成するためには自社について多くの学生に認知してもらう必要があります。そのための効果的な手法が採用チャネルの見直しです。
掲載情報の再検討は自社に対する関心を高めるための施策ですが、採用チャネルの見直しは自社を認知する学生の数を増やすための施策と言えます。
自社がターゲットとする学生がどのプラットフォームを利用しているかを分析し、Wantedlyのような共感を軸とした採用広報ツールを組み合わせるなど、複数のチャネルを最適に使い分けることが求められます。
【関連記事】採用チャネルとは
3.SNS・短尺動画による等身大の情報発信
InstagramやTikTokなどのSNSを活用し、求人票だけでは伝えきれない「職場のリアル」を動画で発信することも、現代の学生に有効な施策です。 取り繕った広告情報よりも、実際に働く社員の姿やオフィスの雰囲気が伝わる等身大の情報を好むZ世代に対し、短尺動画を通じて親近感を醸成します。これにより、知名度だけに頼らない独自のブランドイメージを構築し、他社との差別化を図ることが可能になります。
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ターゲット人材の獲得や見極めが課題の場合
母集団形成に成功しても、採用ターゲットを的確に獲得し、選考で見極めきれなければ採用活動は失敗に終わってしまいます。
ここではターゲット人材を獲得し、選考フェーズで適切に見極めるためのポイントについて説明します。
4.採用ペルソナの設定
採用活動でターゲットを選考するためには、採用したい人材の要件定義を明確にしておく必要があります。人材要件定義は自社が採用したいと考える人物像を「ペルソナ」という形で設定します。
「ペルソナ」は架空の人物を想定して、その人物像を詳細に作り上げていく点で大まかな人材層を指す「ターゲット」とは異なるのが特徴です。
年齢や性別、学歴、家族構成といった項目だけでなく、学生時代にどのような点に力を入れてきたのか、就職活動ではどんなポイントを重視しているのかなど、詳細に作り込みましょう。自社が採用したいと考える人物像を「ペルソナ」という形で明確化することで、ミスマッチを防止することができるためです。
【関連記事】採用ペルソナとは
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5.評価方法と評価基準の統一
採用活動における選考基準を統一しておくこともターゲット人材を採用するための欠かせない要件です。
特に一次面接など複数の採用担当者が選考に関与することの多いプロセスでは、評価方法や基準のズレが採用活動に影響を及ぼしてしまいます。
評価方法や評価基準の統一にあたっては、評価する項目を明確化して選考基準とする評価シートを予め作成しておきましょう。面接であれば応募者に質問する項目や見極めの視点、評価の基準などを明記しておくことで選考に携わるスタッフごとのズレを防止することができます。
また、作成した評価シートは採用担当者だけでなく、配属予定部門の管理職や最終面接を担当する役員とも共有しておくべきです。
採用活動は内定出しや入社で終了するわけではないため、入社後の研修や教育、採用活動後の振り返りに評価基準を役立てる必要もあるためです。
6.カジュアル面談による相互理解の深化
選考の前段階で、合否判定を伴わない「カジュアル面談」を取り入れるのも効果的な対策です。
AIを使って作成されたエントリーシートや、緊張感のある面接だけでは見えてこない学生の本音を引き出し、お互いの相性を確かめる場として機能します。
リラックスした雰囲気で会話することで、企業側も自社の魅力をじっくりと伝えることができ、結果として選考に進む際の志望度向上とミスマッチの低減を同時に実現できます。
辞退者が多い場合
選考期間から内定出し、入社と採用活動のプロセスを通じて応募者側からの辞退が発生することがあります。
7.「タイパ」を意識した選考スピードの向上
就職活動においても効率(タイパ)を重視する学生が増えるなか、選考プロセスの迅速化は大きな競争優位性となります。
面接回数の精査や、オンライン面接の積極的な活用、合否連絡のスピードアップを図ることで、学生の意向が高い時期を逃さずにクロージングへと繋げます。
連絡の遅さは学生の不安を煽り、他社への流出を招く直接的な要因となるため、徹底したレスポンスの改善が求められます。
8.選考フローの改善と評価に応じた柔軟な対応
選考期間中に応募者からの辞退が多い場合には、選考フロー自体の見直しが効果的です。面接回数の精査や、会社説明会と適性検査を同日に実施するなどの手法で、意思決定までの期間短縮を図りましょう。
また、インターンシップでの高いパフォーマンスや、リファラル(社員紹介)を通じて一定の評価が既に得られている候補者に対しては、評価済みのプロセスを免除するなどの柔軟な選考フローを設けることも有効です。
候補者の実績や資質を適切に評価に反映させ、迅速に内定へと繋げるアプローチは、学生側のタイパ(タイムパフォーマンス)を尊重することにもなり、自社の採用競争力を強化につながります。
9.フォローとコミュニケーションの充実
内定承諾後の辞退や入社後の早期退職が目立つ場合は、フォロー体制や応募者とのコミュニケーションを改善する必要があります。
学生は内定を承諾してから入社するまでの期間、企業に対して不安や心配を抱いています。
そのため企業は学生へのフォローを充実させ、いつでも疑問に答えたり相談に乗る体制を用意しておく必要があります。電話やメール、SNSをはじめ社員との交流会に内定者懇親会などを通じて学生との接点を強化しておきましょう。
【関連記事】内定承諾率の改善
採用リソース不足や効率悪化が課題の場合
10.AI・DXツールの活用による業務効率化
生成AIや採用管理システム(ATS)を活用し、定型的な業務の効率化を図ります。
例えば、メール連絡の自動化や面接の日程調整、評価シートの管理など、AIを活用することで事務作業の時間を大幅に削減できます。
浮いた時間を学生一人ひとりと向き合う時間に充てることで、リソース不足のなかでも採用の質を向上させることが可能になります。
11.現場社員を巻き込んだリファラル採用やSNS採用の推進
求人媒体だけに頼るのではなく、自社の社員から知人を紹介してもらう「リファラル採用」や自社の社員とともにSNSで魅力発信・拡散する「SNS採用」も有力な解決策です。
社風をよく知る社員を介したアプローチは、カルチャーマッチの精度が高く、入社後の早期離職も防ぎやすいというメリットがあります。
また、外部のサービス利用料を抑えることができるため、採用コストの高騰に対する有効な対抗策としても注目されています。
12.採用代行(RPO)やシステムの活用
社内に採用ノウハウや人手が不足している場合には、専門のアウトソーシング(採用代行)サービスの利用を検討しましょう。
求人広告の運用などのノンコア業務を外部に委託することで、社内の採用担当者は「面接」や「戦略立案」といった、自社でしかできないコア業務に専念できるようになります。リソースを最適化することで、機会損失を防ぎ、採用成功率を高めることができます。
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新卒採用の課題解決事例
ここでは新卒採用で抱えていた課題を克服し成功に結びつけることができた企業の事例について紹介します。
1.株式会社TBM
株式会社TBM様は、以下の方法で3ヶ月という短期間の中で内定承諾率9割以上、11名の新卒採用に成功しました。
・Wantedlyにおけるトップページ広告
・リクルーターによる学生への魅力づけやフォロー
・オウンドメディア「Times Bridge Media」の活用
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2.ディップ株式会社
ディップ株式会社様は、以下の方法でコロナの影響を受けながらも結果として2000名以上の応募、5名の内定承諾、過去最速の採用活動終了と21卒新卒採用に成功しました。
・オウンドメディアの運営
・Wantedlyにおけるストーリー投稿、スカウト
・選考過程での長期間のリモートインターン
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3.リスタンダード株式会社
リスタンダード株式会社は、ポテンシャルが高くビジョンを体現できる人材を採用し、組織を拡大させるために新卒採用をはじめました。
学生からの認知度が低く、就活ナビサイトでは大手企業に埋もれてしまうことが課題だったため、新卒採用ではダイレクトスカウトサービスを利用。
自社とマッチングの高い人材へ直接アプローチしたことで、1年間で7名の採用に成功しています。
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4.株式会社スタートライン
株式会社スタートラインは、企業カルチャーを浸透させ、社員の教育環境を整えるために新卒採用をはじめました。
企業理念に共感する学生を集めることが課題でしたが、Wantedlyの「フリーワード検索」を利用することで、自社とマッチングのある学生に絞ってスカウトを送ることに成功。
結果として、スカウト経由で接触した学生のうち4人に1人が内定となり、採用における工数を減らすことにも成功しています。
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5.株式会社オープンエイト
株式会社オープンエイト様は「会社のカルチャーは、やはり新卒が作って行くもの、新卒に作ってほしい」という想いから新卒採用を開始しました。
コスト削減と今までにない採用数の新卒採用の成功を目的とし、Wantedlyを導入。導入後は無制限に出せる募集とスカウトを利用することで想定していた以上の応募を集めることができ、当初の目的を達成することができました。
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まとめ
今回は新卒採用の課題と解決策について解説しました。
早期選考や通年採用の広まり、また長期的な人口減少によって新卒採用を取り巻く環境は厳しさを増しています。
このような状況であるからこそ、自社が抱える課題をしっかりと認識し、解決するための対策に取り組んでおきましょう。
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人材の質にこだわった新卒採用をしたいならWantedly
Wantedlyに登録する学生は、ベンチャー企業の長期インターンを探す目的で、就活が始まる前から利用する場合が多く、一般的な就活媒体にはあまりいないキャリア形成意欲の高い学生が多いのが特徴です。
会社の知名度や評判よりも、事業への共感や自己が成長できる環境を求めているチャレンジングな学生に対して、以下の方法で攻めの新卒採用を実現することができます。
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