【そねせん!第4回 】成長は失敗を糧に。非連続な成長は、アンラーニングと意識の変革から。

こんにちは。ランサーズの曽根です。「そねせん」シリーズ、今週で第4回目になります。キャリア・働き方編も後半に突入し、今週は自己成長・自己変革について書きます。ずいぶんビッグなテーマになりますが、ここは避けては通れないところだと思うので、あえて、真正面から語っていきたいと思います。


失敗=アンラーニングの機会。失敗から非連続成長のSカーブを描く

ずいぶん前から、大きな成長は失敗から生まれるものだ、と思っています。

「失敗は成功の元」、少しだけ恰好つけて英語でいうと、 “Failure as a Learning Experience”という感じでしょうか。

もちろん、失敗するよりは成功する方が気持ち良いし、失敗といっても取返しのつかない失敗はしたくありません。

でも、ぼく自身の経験からしても、10年強のキャリアを振り返ったときに圧倒的に成長したと自分で思う変化点がいくつかあるのですが、そのどれもが、失敗からの気づきによって引き起こされたものです。

理論で学んだものをそのまま実践できると思ったらひとつも実行に移せなかったり、考え方の前提が違うカルチャーでそれまで成功してきた手法が全く通用しなかったり、最後の自信や覚悟が足りなくて厳しい局面をのりきれなかったり、人の感情に向き合うことをおろそかにしてチームのパフォーマンスをあげられなかったり。

文字にすると短いですけど、一つひとつが、自分の中では大きな学びを与えてくれた失敗です。

失敗から学ぶ、というのはいったい何なんだろう、としばらく考えていたのですが、ひとつわかったことがあります。

それは、「連続的な成長はずっとは続かない。どこかで踊り場を迎える」ということです。ある意味、企業の成長もこれは同じだと思います。

当たり前のことに聞こえます。そう、とても当たり前のことに聞こえる。

でも、この当たり前のことに驚くほど気づかない。だって、自分の成長カーブなんて俯瞰的には見ることはできないし、勉強みたいにスコアで常に定量化されるわけではないですし、そもそも踊り場って平らで心地よかったりしますから。

成長をしようと思っている人はある日、突然気づくわけです。「あ、もしかして自分、成長が止まってる?」と。

それに気づいたときにやろうとするのが、それまでとは違う非連続な成長に向けたチャレンジ。でも、そういったチャレンジをすると、十中八九、失敗する。

で、そこではじめて、これまでの経験によって染み付いた考え方や価値観をすてて、「アンラーニング(Unlearning=学びほぐし)」をする必要性に気づかされる。今の自分に何が足りないか、とか、どうしたら次のステージに行けるか、とか。

これが、大きな成長・非連続な成長は失敗から生まれるものだ、とぼくが思う理由です。


リーダーに必要なこと=自己変革。変えられるものだけにフォーカスする

こういう非連続な成長を一番求められるのが、おそらく組織のリーダーだと思います。

リーダーが組織の器を決めるとか、リーダーシップは修羅場経験でしか育まれないとか、よく言いますよね。

リーダーの成長に必要なもの、それは自己変革の能力。そして、自己変革に必要な唯一の資質は素直さ。素直にまわりや環境の変化を受け入れ、自己変革することで、圧倒的なラーニングカーブ=非連続な成長を実現できる。

楽天にいたときに、創業メンバーの方に三木谷さんのことをうかがったときに印象的だったのが、三木谷さんがいかに貪欲に学習し、誰よりも成長しているかという話。

その方が話していたのは、創業期の三木谷さんが、実は口下手で、社員の前で話すのがまったく得意ではなかったということ。

ぼくが楽天にいたときはグローバル連結でたしか1万人くらいの従業員がいたのですが、そんな1万人の前で毎週10分のスピーチをする三木谷さんが、かつてはそんな状態だとはにわかには信じられませんでした。

じゃあ、なんでリーダーたちは自己変革できるのか。

半年ほど前、ランサーズでリンクアンドモチベーションのマネージャー研修を受けていたときに、その研修の責任者をされていた近藤さんが語ってくれた話をひとつ紹介します。いわく、「できる人は、自分が変えられるものだけにフォーカスをしている」ということ。

その日の朝、近藤さんの目の前で、閉まる間際のエレベータに滑り込みで入ってきて、あせった様子で「閉」のボタンを連打している人がいたそうです。おそらく、何かの会議に遅刻しそうで急いでいるのだろう、と。

気持ちはよくわかるけど、「閉」ボタンを連打したところで、遅刻するという状況は変わらない。関係者に遅刻の連絡をしたり、遅刻を挽回できるようにその後のプレゼンの精度をあげるイメトレをしたりする方がよっぽどよい。

変えられないもの(過去とか、他人とか)にとらわれて、本当に変えるべきもの(今とか、自分とか)を見失っている。

言われれば当たり前なんですけど、思わずやってしまうことのひとつ。

ランサーズの中で、秋好さんもよく、「他人を変えるのは難しい。そもそも他人を変えるなんておこがましい。でも自分を変えることはできる。自分が変わったら、もしかすると他人も変わってくれるかもしれない」と言っています。

これ、ほんとその通りだな、と思うんですよね。

まずは変えられるものに自分の意識を向ける。たいていの場合、変えられるものは自分自身、己の中にあるんだと思います。


究極の成長は心の成長。心の器を成長させるために、HowよりWhyを問い続ける

じゃあ次の質問として、いったい己の何を変えるのか。結論からいうと、己の心の内を変えるんだと思います。

サッチャーの「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる」ではないですが、すべての元になるのは考え方=心の内です。

実は少し前まで、本多喜久雄さんというエグゼクティブコーチにコーチングをしてもらっていました。期間としては、約半年間。2週間に一度のペースで、ただ話を聞いてもらう。アジェンダは自由。ビジネスのことから、プライベートなことまで。

そのコーチングのベースとなっていたのが、ロバート・キーガンというハーバード大学教授の発達心理学の理論。成人の「意識レベル」を以下の4つに分けています(詳しくは加藤洋平氏の『組織も人も変わることができる!なぜ部下とうまくいかないのか 「自他変革」の発達心理学』を読むとわかりやすいです)。

道具主義的段階(利己的段階):「自分の欲求が一番大事」という考え方
他社依存段階(慣習的段階)」:「自分=役割」という考え方
自己主導段階:「自分の内側から出てくるものにしたがう」という考え方
自己変容・相互発達段階:「多面性を持つ、全体としての自分」という考え方

通底しているのは、心の成長=人間としての器の成長であるという考え方。そして、器が大きくなるということは、認識の枠組みが変わる、もっというと、色々な人の考え方を受け入れられるようになる、ということ。

ここで少し、個人的な話をしようと思います。

ぼくにはもうすぐ4歳になる一人娘がいます。ぼくの娘は、レット症候群という難病を抱えた障害児です。

女児の約1万人に1人の割合で起こる、とある遺伝子の欠損が原因となって、生後半年後から1年後くらいに発症し、身体のいっさいの発達が止まってしまう、というものです。立ったり、座ったり、ハイハイしたり、もちろんしゃべったりすることもできません。

娘の異変を感じ始めてから、1年くらい様々な検査を受けて、2年くらい前に、自分の娘がレット症候群であることが判明しました。

当然のことながら、ショックを受けました。でも、ぼく以上に一番ショックを受けたのは嫁だったと思います。だって、毎日ほとんどの時間を娘と過ごしていましたから。

でも彼女がすごかったのは、娘の難病のことを受け入れて、向き合って、前に進もうとしたところでした。

ぼくはというと、受け入れはしたものの、治療方法がないということもあり、心のうちであきらめて、思考停止して、娘の難病という事実に真正面から向き合いきれなかった。

当然、嫁との心の距離は広がっていきます。結婚して10年近く経ちますが、たぶんその時期、彼女と一番距離が広がったと思います。

娘に向き合いきれない自分には愛がないのかもしれないと思い悩んで、大学時代の親友に金沢まで会いにいって色々と話を聞いてもらったりもしました。

そんなこんなでもがく中、嫁に言われた一言がぐさりと心にささりました。

「あなたは、夫として、家族として、親として、私たちの何を支えてくれているの?」

がつんとやられました。

ああ、僕は自分のことばかり考えていたな、と。彼女がどんな気持ちで娘に向き合っているのか、そこにどんな意味を見出そうとしているのか、ひとつも考えていなかったな、と。

先ほど紹介した発達心理学の理論でいうと、道具主義的段階(=利己的段階)の状態。僕は初歩のステップにいたんですね。とても人間としての、親としての器が小さかった。

嫁の一言をきっかけに、心の底から目の前のことに向き合うことを決めて行動に移すと、見えてくる景色が変わりました。

まず、娘の変化に気づくようになりました。なんだか以前より笑うようになったなとか、表情が豊かになったような気がするなとか、こっちのことを見るようになったなとか。

一言もしゃべりはしないし、からだは発達しないんだけど、この子の内面は確実に何かを感じとって、成長しているんだな、と。嫁はこれを日々の糧にして、娘に向き合っているんじゃないかな、と。

「成長が大事」なんて偉そうに言っておきながら、いま、目の前にある、一番身近な成長に、まったく気づけていなかった。

いったんそれに気づくと、不思議なもので、会社でも自分の周りにいる人の成長がそれまでと比べてすごくよく見えてくるようになったんです。

新卒のキャリアを自分ごと化=自分を主語にすることで当事者意識をもった人事の内藤さん。「次世代=自分の子供に残る仕事をする」という目的・大義を見つけたエンジニアの土屋さん。「私はこの会社のことが好きなんだろうか?」から「仲間たちとつくるこの会社が私は好き」へと意識変革したマーケ部長の宮沢さん

ランサーズの月次全社集会で毎月表彰をやるんですが、その中で、古くからいるメンバーが表彰されたときに、そんな内容のスピーチをしていくんです。

みんな、相当もがき苦しんでいたはず。誰かに意地悪されたわけではない。能力が圧倒的に足りないわけでもない。でもなぜか思うような結果が残せない。

スキルやノウハウも大事だけど、究極は、その仕事に向き合っている自分自身を変えること。もっというと、自分自身の心のありようを変えること。これが実は一番難しくて、でも一番飛躍的な成長につながるということに、あらためて気づかされました。

どうやるか(=How)ではなくて、なぜいるか(=Why)を問い続ける。

エグゼクティブコーチで問われていたのもまさにそれだったと思います。答えがない、変化の大きい世界の中で、確実に変えられるもの、それが自分自身であり、自分の意識なんだ、と。非連続に行動や結果を変えるためには、意識や考え方が変わるしかない。

少しエモい話ではありますが、これはぼく自身、かなり実感をもってそうだと思っています。ぜひ、Whyを掘り下げて大義を見つけることで、飛躍的な心の成長、器の成長をしていただければと思います。


今回のポイント

というわけで今回のまとめです。

失敗=アンラーニングの機会。失敗から非連続成長のSカーブを描く
リーダーに必要なこと=自己変革。変えられるものだけにフォーカスする
究極の成長は心の成長。器を成長させるために、HowよりWhyを問い続ける

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。次回はこの「自己成長」の続編的な感じで、「働く大義」について書こうと思います。ここまで読んでくださった方で、まだフォローいただいていない方は、良ければぜひフォローしてください!



これまでのバックナンバー

【キャリア編】
第1回:キャリアを「えらぶ」のではなく「つくる」方法―キャリアの「タグ化」のすすめ
第2回:市場価値の磨き方―ステージ×役割でとらえるキャリア論
第3回(前編):1億総デザイン社会の未来―モデルなき時代に、働き方をハックする
第3回(後編):1億総デザイン社会の未来―働き方は、よりフリーに、スマートに、クリエイティブに
第4回:成長は失敗を糧に―非連続な成長は、アンラーニングと意識の変革から
第5回:「乾けない世代」と「好き嫌い経営」―働く「個人的大義」を大切にせよ


【ノウハウ編】
第6回:「ネクタイ事件」で学んだ、本当の問題解決―ポジティブ思考でいこう
第7回:「伝わる」プレゼン―聞き手が「自分ごと化」できるストーリーをつくる
第8回:ブレストはアイデアをひきだす脳内スパーク―「ブレスト筋」を鍛えよう
第9回:SMARTなゴール設定と早めのトレードオフ決断でプロマネを成功させる
第10回:知的生産性の上げ方―時間の使い方を設計し、会議をプロデュースする


【事業編】
第11回:「4次元チェス」的戦略―不確実な未来のシナリオに、骨太な仮説をそえて
第12回:『新規事業のつくり方―アセットを活用するか、リーンに立ち上げるか』
第13回:予算計画のつくり方―楽観と悲観、経営と現場を反復横跳びする
第14回:本質的なKPIをモニタリングし、計画と予測の「ギャップを埋める」
第15回:M&A、それは究極の意思決定。PMI、なんて深淵な人間ドラマ


【経営/組織編】
第16回:ユーザーに学び、社会に訴えかけ、組織を動かすミッション・ビジョン
第17回:強い言葉で行動指針をつくり、模倣困難なカルチャーづくりに投資する
第18回:安心感×成長実感でエンゲージメント・ドリブンな組織をつくる
第19回:マネジメントに必要なのは、矛盾に向き合い、乗り越えるための真摯さ
第20回:「開き直り」の境地で51/49の意思決定し、自らの人生の主権を握る


【番外・総集編】
番外編①:エン・ジャパン主催の「ワーク&プライベート・シナジー勉強会」での登壇
番外編②:ランサーズ勉強会(L-Academy)の「戦略ケーススタディ」のレポート
総集編(前半):「一億総デザイン社会」を生きるためのキャリアと仕事の考え方
総集編(後半):「VUCA時代」を勝ち抜くための事業と組織の考え方

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