採用の失敗はなぜ起こる?原因やケース別の失敗例、独自調査から見る成功する企業の共通点

採用の失敗は多くの企業が直面する課題で、成功に導くには原因や失敗例を踏まえて、自社に最適な採用フローを構築する必要があります。
本記事では、採用失敗の定義から、原因、中途・新卒・リファラル・エンジニアなど、ケース別の失敗例まで徹底解説します。また、独自調査データを踏まえて、採用に成功する企業の共通点まで網羅。自社のボトルネックを解消し、優秀な人材に選ばれる採用体制を整えましょう。

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そもそも採用失敗の定義とは?

▍採用失敗とは大きく分けて、次のふたつの失敗を指す。
・採用目標人数を達成できない
・採用しても早期離職してしまう

採用活動における「失敗」とは、大きく量的な失敗と質的な失敗に分けられます。自社の採用課題を本質的に改善するためにも、失敗の基準を明確にしておきましょう。

採用目標人数を達成できない

採用失敗の定義として、まず挙げられるのが「計画していた採用目標人数を達成できない」という量的な失敗です。必要な人員が確保できなければ、業務過多や組織の成長鈍化に直結します。

昨今の採用市場は売り手市場が続いており、企業が望む人数を採用しきれないケースが深刻化しています株式会社インディードリクルートパートナーズによる「就職白書2025」では、2025年卒の新卒採用において、採用予定数を充足できた企業はわずか37.2%でした。また、マイナビの調査では全体の採用充足率は70.0%と3年連続で低下しており、過去最低を記録しています。

「人が集まらない」「期日までに採用できない」という状況は、現代の企業が直面しやすい採用失敗の典型例と言えるでしょう。

出典:リクルート 就職みらい研究所「就職白書2025」
出典:株式会社マイナビ「2025年卒企業新卒内定状況調査」

採用しても早期離職してしまう

採用目標人数を達成できたとしても、入社後すぐに辞めてしまう場合は質的な失敗(ミスマッチ)にあたります。早期離職は、採用コストや教育に費やした時間の損失だけでなく、現場のモチベーション低下にもつながる大きな痛手です。

実際の調査データでも、新卒・中途ともにミスマッチの深刻さが浮き彫りになっています。株式会社マイナビの調査では、2024年入社の新入社員のうち、入社後半年足らずで「すでに退職者がいる」と答えた企業は28.1%に上ります。中途採用においては、選考時に離職リスクを懸念しつつも採用した結果、辞めてしまった「やっぱり離職」を経験している企業が約4割(39.6%)に達しています。

入社後の定着・活躍まで結びついて初めて「採用成功」と言えるため、早期離職も採用失敗の典型例と定義できます。

出典:株式会社マイナビ「2025年卒企業新卒内定状況調査」
出典:株式会社マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」

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採用に失敗する6つの原因

▍採用失敗につながる原因
・採用ペルソナが明確に設定されていない
・採用担当者のスキルが不足している
・自社の良い面だけを伝えている
・内定者フォローがおざなりになっている
・新入社員のフォロー体制が整っていない
・採用失敗の原因を分析していない

採用に失敗する企業には、いくつかの共通するボトルネックが存在します。自社の採用活動と照らし合わせながら課題を特定し、採用成功率の向上につなげましょう。

採用ペルソナが明確に設定されていない

採用ペルソナが曖昧だと、自社が求める人物像と応募者の間にギャップが生じ、採用活動のブレにつながります。誰にどのようなメッセージを届けるべきかが不明確なままでは、求人広告やスカウトの訴求力が弱まり、優秀な人材の獲得が難しくなります。また、面接官によって評価基準がバラつく原因にもなり、採用の質も担保できません。
【関連記事】採用ペルソナとは

採用担当者のスキルが不足している

労働人口の減少に伴い、求職者から「選ばれる」採用スキルが求められています。しかし、担当者のノウハウや経験が不足していると、自社の魅力を十分にアピールできず、競合他社に優秀な人材を奪われかねません。また、面接での見極め力や惹きつけ(動機形成)のスキルが低いと、内定辞退の増加や入社後のミスマッチを招きます。

自社の良い面だけを伝えている

採用したいという思いが先行し、求職者へ自社のメリットや魅力だけを伝えることは、失敗の大きな原因になります。残業時間や泥臭い業務といったリアルな課題を伏せられたまま入社すると、入社後にギャップを生むためです。このリアリティショックは、新卒・中途を問わず早期離職の引き金となります。
【関連記事】採用のミスマッチとは

内定者フォローがおざなりになっている

内定から入社までの期間にコミュニケーションが不足すると、内定者が不安を抱き、他社への目移りや内定辞退を招く原因になります。特に売り手市場の現代では、求職者は常に複数の選択肢を持っています。入社までの不安を払拭し、エンゲージメントを高めるフォロー体制が欠けていると、採用活動が水の泡になりかねません。
【関連記事】内定辞退の防止策

新入社員のフォロー体制が整っていない

明確なオンボーディング計画やメンター制度がないと、新入社員は孤立感を深め、業務への適応が遅れてしまいます。特に、入社直後のギャップや不安を相談できる窓口がない場合、不満や悩みが解消できず、最終的に早期離職という最悪の結果を招くケースもあるでしょう。
【関連記事】オンボーディングとは

採用失敗の原因を分析していない

採用失敗の真因を検証せず、PDCAサイクルを回さないままでは、次回の採用活動でも同じミスを繰り返すことになります。「応募者の質が低かった」など外部環境だけを原因にするのもNGです。母集団形成、選考基準、内定辞退の理由など、どのフェーズにボトルネックがあったのかをデータをもとに分析・改善する必要があります。

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採用の失敗例【ケース別】

採用活動の課題やボトルネックは、採用するターゲット層や手法によって大きく異なります。それぞれの失敗例をあらかじめ把握することで、自社の採用活動に潜むリスクを未然に対策できるでしょう。

ケース例失敗の例根本的な原因
中途採用入社後のミスマッチ・早期離職/優秀人材の獲得失敗カルチャーフィットの軽視、自社訴求力の不足
新卒採用内定辞退の多発/母集団形成の失敗認知・差別化不足、内定後フォローの欠如
リファラル採用紹介者の肩身が狭くなる/連鎖退職不採用・ミスマッチ発生時の関係性へのダメージ
エンジニア採用優秀層に認知されない/スカウトが刺さらない技術情報の発信不足、条件面のみの訴求

中途採用における失敗例

・入社後のミスマッチ(早期離職やギャップなど)
・人材獲得競争の激化で優秀人材が獲得できない

即戦力人材を狙う中途採用では、ターゲット層の市場価値が高いがゆえに、上記のような失敗パターンが見られます。前職の実績や技術面ばかりを重視し、自社とのカルチャーフィットを軽視した結果、社風になじめず早期離職を招くケースも多いです。また、優秀な経験者は他社との争奪戦になるため、自社の強みを魅力的に訴求できなければ、母集団形成すら困難になります。
【関連記事】中途採用が難しい理由

新卒採用における失敗例

・内定辞退が多い
・母集団形成が難しく、応募者が集まらない

新卒採用では、学生特有の動きや売り手市場のトレンドを捉えきれず、上記のような失敗に陥る企業が少なくありません。近年の新卒採用は深刻な売り手市場であり、知名度の高い大手企業に学生が集中しやすいため、認知不足や差別化の失敗が「応募者が集まらない」状況に直結します。また、内定の複数持ちが主流となっているため、母集団形成後も適切なフォローを怠ると内定辞退が多発します。
【関連記事】新卒採用の課題と解決策

リファラル採用における失敗例

・不採用や入社後のミスマッチで紹介者の肩身が狭くなる
・紹介者と被紹介者が連鎖退職してしまう

社風へのマッチングや確度の高さが期待されるリファラル採用ですが、上記のような失敗に陥るリスクがあります。「知人の紹介」という心理的ハードルから、スキル不足による不採用や、入社後の早期離職が発生した際、紹介者のエンゲージメント低下に直結します。また、入社後に被紹介者が退職した場合、元々良好な関係だった紹介者もその影響を受け、後を追うように連鎖退職するケースも少なくありません。
【関連記事】リファラル採用が「やばい」といわれる理由

エンジニア採用における失敗例

自社を認知してもらえない
・条件面で気を引くことはできても、他の魅力がなく結果として採用につながらない

エンジニアの採用市場は極めて激しい売り手市場のため、優秀人材は独自のコミュニティや技術発信を通じて転職先を探す傾向にあります。そのため、技術的な魅力や開発環境といった情報発信を怠っている企業は、そもそも選択肢にすら入りません。また、給与・待遇などの条件面のみを訴求軸にスカウトを送っても、エンジニア特有のキャリア志向や現場の技術スタックへの言及がなければ入社意欲を喚起できず、面接に進んでも辞退されてしまう可能性が高いです。
【関連記事】エンジニア採用ガイド
【関連記事】エンジニア採用が難しい理由

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失敗のリスクを減らす採用フローの組み立て方

▍失敗リスクを減らす採用フローの組み立て方
1.採用ペルソナの明確化
2.選考プロセス、採用体制の見直し
3.面接内容の精査
4.内定者フォローの強化

採用の失敗を未然に防ぎ、自社に最適な人材を確実に獲得するためには、戦略的な選考フローの設計が必要です。自社の採用プロセスを見直し、母集団形成から入社・定着までの成功率を向上させるヒントにしてください。

1.採用ペルソナの明確化

採用の失敗を防ぐ最初のステップは、自社が求める人物像(ペルソナ)を詳細に作り上げることです。単に年齢や経験年数といった「属性(ターゲット)」で絞り込むのではなく、価値観、行動特性、現職への不満やライフスタイルなど、細部まで落とし込みます。採用ペルソナを明文化することで、会社として求める人物像への共通認識が生まれ、主観による評価のブレや入社後のミスマッチを防げます。
【関連記事】採用ペルソナとは

2.選考プロセス、採用体制の見直し

ペルソナ設定後は、選考プロセスや社内体制にボトルネックがないか見直します。長すぎる選考ステップやレスポンスの遅さは、他社への離脱や内定辞退を招くため、応募者がスピーディーに動機形成できるフローへ最適化します。また、採用担当者のスキル向上や現場との連携強化も欠かせません。全員が共通の評価基準を持ち、自社の魅力と課題を等身大で伝えることで、ミスマッチを防止できます。
【関連記事】採用フローとは

3.面接内容の精査

面接官の主観や印象だけで合否を判断すると、入社後のミスマッチを招く原因になります。あらかじめ設定したペルソナに基づき、「どのような質問で、何のスキルや価値観(カルチャーフィット)を見極めるか」という質問項目と評価基準の構造化が必要です。また、一方的に質問するだけでなく、自社の魅力やリアルな課題を伝える動機形成の時間を面接内に組み込むことで、応募者の離脱リスクを軽減できます。
【関連記事】初めての面接官マニュアル

4.内定者フォローの強化

内定を出してから入社までの期間は、内定辞退のリスクヘッジが必要です。合格通知後も求職者の意向や不安に合わせた、継続的かつ戦略的なコミュニケーションが欠かせません。具体的には、定期的な1on1面談や懇親会の実施、社内報の共有などを通じて入社前の心理的ハードルを下げていきます。組織へのエンゲージメントを醸成する丁寧なフォロー体制を構築し、内定辞退を防ぎましょう。
【関連記事】内定者フォロー事例

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採用に成功している企業の共通点

▍採用に成功している企業の共通点
・採用広報に注力している
・自社への共感度が高い人材を採用している

激しい人材獲得競争の中でも、着実に優秀人材を確保し、組織を成長させている企業には共通点が存在します。成功企業のリアルな取り組みを詳しく紐解き、定着率や採用コストを改善するヒントにしましょう。

採用広報に注力している

採用に成功している企業は、求人媒体に頼るだけでなく「採用広報」へ戦略的に投資しています。

以下のデータは、Wantedlyが企業を対象に、採用広報をスタートした理由を調査したものです。回答を見ると、「ターゲットからの応募が集まらなかったから(28%)」が最多であり、次いで「応募が集まらなかったから(26%)」という結果が出ています。データが示す通り、深刻な人材不足が続く現代では、単に募集要項を出すだけでは求職者から認知を得ることも難しい状況です。成功企業は、自社のミッションやカルチャー、働く社員のリアルな声を主体的に発信することで、競合との差別化を図っています。

また、同調査では「入社後のミスマッチが多かったから(11%)」という課題に対しても採用広報が機能していると読み取れます。事前の情報開示が「質の高い母集団形成」と「早期離職の防止」の双方につながっているのです。

出典:HirinGeek by Wantedly「採用広報は実際効果あるの?100社に聞いた調査結果を報告します」

自社への共感度が高い人材を採用している

採用に成功している企業は、スキルや条件面だけでなく、自社の存在意義(パーパス)やミッションへの「共感度」を重視して選考を行っています。

以下のグラフは、Wantedlyが求職者を対象に、パーパスへの共感度合いと仕事へのモチベーションの関連性を調査したものです。企業のパーパスに「かなり共感している」と答えた層は、仕事へのモチベーションが「とても高い(40%)」「まあまあ高い(48%)」と回答。合計88%が仕事へのモチベーションが高いことが読み取れます。一方で、パーパスに「全く共感していない」層では、高いモチベーションを持つ割合が計35%にとどまり、明確な差が表れています。

調査結果が示す通り、企業の目指す方向性や価値観に深く共感して入社した人材は、業務に対するエンゲージメントが非常に高く、主体的に貢献する傾向にあります。また、共感軸の採用は、入社後のリアリティショックを軽減し、早期離職の防止にもつながります。

出典:HirinGeek by Wantedly「ウォンテッドリー、企業のパーパスと採用に関する調査結果を発表」

まとめ

労働人口の減少に伴う売り手市場の加速により、現代の採用活動は「目標人数の未達」や「ミスマッチによる早期離職」といった失敗リスクと常に隣り合わせです。
これらの課題を解決するには、曖昧なターゲット設定や場当たり的な選考プロセスを見直し、自社のペルソナに最適化された採用フローを構築することが欠かせません。
採用に成功している企業は、条件面だけの訴求から脱却し、自社のミッションやカルチャーを「採用広報」で正しく発信して「共感軸」の人材募集を行っています。

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