採用難とは?原因と背景、企業が採用難を乗り越えるポイント

採用難とは、企業が必要とする人材を計画どおりに確保できない状態を指し、応募不足・ミスマッチ・内定辞退・早期離職といった現象が重なって起きます。本記事では、採用難とは何か、なぜ起きるのかを整理しながら、自社で取れる具体策までわかりやすく解説します。

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採用難は人材を計画どおりに採用できない状態

採用難とは、企業が必要とする人材を計画どおりに確保できない状態を指します。応募不足・ミスマッチ・内定辞退・早期離職といった現象が重なって起きることが多く、単なる応募数の不足だけでは語りきれない課題です。

この状態を正しく言語化できていないと、打ち手が場当たり的になりやすくなります。例えば「応募が少ない」のか、「応募はあるがミスマッチが多い」のかで、とるべき対策は大きく変わるでしょう。

採用難・人出不足・求人難(応募不足)の違い

用語意味典型的な状態
採用難必要な人材を計画通りに確保できない状態応募不足、内定辞退、早期離職が重なる
人手不足現場の業務を回せる人数が足りない状態採用しても配置が追いつかない
求人難(応募不足)求人を出しても応募が集まりにくい状態母集団形成が進まない

採用難が起きる原因

採用難の主な原因は、少子高齢化による労働人口の減少、売り手市場の長期化、仕事選びの価値観の多様化の3つです。まず押さえておきたいのは、採用市場そのものの前提が変わっていることです。ここでは採用難が起こる要因を3つの角度から見ていきます。

▍採用難が起きる原因
・少子高齢化と労働人口の減少
・売り手市場と採用競争の激化
・仕事選び・企業選びの価値観の多様化

少子高齢化と労働人口の減少

全職業平均の新規求人倍率と有効求人倍率の月次推移(パート除外)

少子高齢化に伴い、働き手の絶対数は減り続けています。厚生労働省が2026年7月に発表した「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」では、有効求人倍率(パートタイムを除く)は1.13倍でした。全職業平均の求人倍率は、中長期的には高水準で推移しつつ、足元はやや軟化の兆しがみられる状況です。

需要と供給のバランスが崩れたことで、企業は「待っていれば応募が集まる」前提では採用できなくなりました。特に中長期では、この構造的な不足が続く見込みです。

出典:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)について」

売り手市場と採用市場の競争激化

人材が不足する市場では、求職者が企業を選ぶ売り手市場が続きます。こういった状況では、大企業や有名スタートアップに応募が集中しやすく、中小企業は母集団形成の段階から不利になりやすいのが実情です。

職種やエリアによって差はありますが、限られた人材を多くの企業が奪い合う状態では、条件面だけで勝つのは難しくなります。採用市場では、知名度や待遇だけでなく、候補者が「ここで働く意味」を感じられるかが重要です。
【関連記事】売り手市場とは?

仕事選び・企業選びの価値観の多様化

候補者の価値観も大きく変わりました。給与や安定性だけでなく、リモート可否、成長機会、社会への貢献、カルチャーへの共感など、選ぶ基準が多様化しています。特に若年層は、仕事の意義や自分らしい働き方を重視する傾向があります。つまり、企業が採用活動で成功するためには、条件を並べるだけでなく「何を目指す会社なのか」「どんな人が働いているのか」を伝える必要があるでしょう。

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採用難にあえぐ企業の共通点

採用難は外部要因だけでなく、企業内部の要因も重なって起きます。応募が集まらないのか、応募者の質が合わないのか、内定辞退や早期離職が多いのかによって、見直すべきポイントは変わってきます。ここでは、自社で採用難が生じる主な原因を、次の5つの観点から解説します。

▍採用難が起きる企業の原因
・条件・働き方が市場ニーズとずれている
・企業の魅力が十分に伝わっていない
・採用体制やプロセスが整っていない
・求人情報・面接でミスマッチを生む
・構造的な制約がある

条件・働き方が市場ニーズとずれている

給与水準、残業時間、休日数、リモート可否、働き方の柔軟性が市場ニーズとずれていると、候補者に選ばれにくくなります。特に中小企業では、待遇だけで大手と競うのは容易ではありません。

そういった場合は、条件面で勝とうとするのではなく、働き方や裁量、事業への関わり方など、別の価値を明確に打ち出す必要があるでしょう。

企業の魅力が十分に伝わっていない

知名度が低いこと自体よりも、「何をしている会社か」「どんな人が働いているか」が見えないことが採用難を招きます。候補者は、求人票だけでなく、その会社で働くイメージを求めています。

採用広報やオウンドメディア、SNSでの継続発信がないと、比較検討の土台にすら乗れない可能性があるでしょう。魅力の見せ方が弱いと、せっかくの良い会社でも埋もれてしまいます。
【関連記事】採用広報とは
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採用体制やプロセスが整っていない

「専任担当がおらず対応が遅れる」「面接回数が多すぎる」「フィードバックが曖昧」といった状態も採用難を悪化させます。候補者は複数企業を並行して見ているため、対応の遅さはそのまま機会損失につながりかねません。
特に、担当者が兼任で日程調整に時間がかかる、選考結果の連絡が遅いといった運用面の課題は、候補者側からは「本気度が低い」と受け取られやすく、志望度の低下に直結します。
【関連記事】採用フローとは
【関連記事】選考フローとは

求人情報・面接でミスマッチを生む

仕事内容、期待役割、カルチャーが曖昧なままだと、入社後に「思っていたのと違う」というミスマッチが起きやすくなります。応募獲得だけでなく、早期離職の原因にもなりかねません。

採用は、入社後の活躍まで見据えて設計する必要があります。候補者に実態を正しく伝えることが、結果的に採用効率を高めます。
【関連記事】採用のミスマッチとは

構造的な制約がある

中小企業やスタートアップでは、予算、人員、ノウハウが限られ、認知獲得や候補者との継続的な接点づくりに十分なリソースを割けないケースも少なくありません。

ただし、制約があるからこそ、闇雲に媒体を増やすのではなく、限られた施策に集中することが重要です。自社の強みを言語化し、候補者との接点を丁寧に育てる設計が求められます。

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低コストで自社にマッチする人材を採用する方法

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採用難を脱するための8つの方法

採用難が起きる外的要因は変えにくいですが、内的要因は改善できます。採用難を乗り越えるには、「認知→応募→見極め→定着」までをひとつのプロセスとして設計し、採用マーケティングやタレントプール、オンボーディングなどの施策を組み合わせることが重要です。
ここでは、採用難を脱するための具体的な方法を紹介します。

▍採用難を解決する8つの方法
1. 採用マーケティングに取り組む
2. 候補者に自社の魅力を伝え、ファンになってもらう
3. 明確な採用基準で自社に合う人を見極める
4. カジュアル面談でソフトに選考する
5. インターンシップを実施する
6. タイミングが合わなかった候補者をタレントプール化する
7. 内定後フォローで入社意向を高める
8. オンボーディングと育成施策で定着・活躍を支援する

1. 採用マーケティングに取り組む

採用マーケティングは、候補者との接点を「点」ではなく「線」で設計する考え方です。求人広告で応募を待つだけでなく、オウンドメディアやSNS、スカウトなどを通じて、自社にマッチしそうな層へ継続的に情報を届けます。どんな候補者に何を伝えたいのかを明確にし、「認知→興味→応募→入社」の流れを意図的にデザインすることで、限られた母集団の中でも、自社にフィットする人材と出会いやすくなります。
【関連記事】採用マーケティングとは?

2. 候補者に自社の魅力を伝え、ファンになってもらう

採用難の状況では、まず「この会社、いいな」と思ってくれる候補者層を増やすことが重要です。経営理念やパーパス、事業の社会的意義、カルチャー、働き方を、インタビュー記事や社員ストーリーなどで継続的に発信し、「この会社で働く意味」が具体的に伝わる状態を作ります。特に若年層は、給与や安定性だけでなく、仕事の意義や価値観のフィットを重視します。条件だけで勝負するのではなく、「共感してくれる人に刺さる情報」を積み重ねて、ファンになってもらうことが採用活動の土台です。
【関連記事】なぜ採用でファンづくりが重要なのか?
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3. 明確な採用基準で自社に合う人を見極める

採用難のときほど、「誰でもいいから採る」ではなく、「誰を採るべきか」を明確にすることが必要です。

自社で活躍している人に共通するスキル・経験・価値観・行動特性を洗い出しましょう。その上で必須要件と歓迎要件を整理し、採用にかかわる担当者間で評価軸をそろえます。また、面接では条件のすり合わせだけでなく、自社のカルチャーや期待役割も具体的に伝え、候補者自身にも「本当に自分に合うか」を判断してもらうことが重要です。基準にもとづいて一貫した選考を行うことで、採用の精度と入社後の定着率を同時に高められます。
【関連記事】採用基準とは

4. カジュアル面談でソフトに選考する

自社に合う候補者を見極めるためには、すぐに本選考に入るのではなく、カジュアル面談で候補者とフラットに話す場を設けることが有効です。

職務経歴書や堅い志望動機を求めるのではなく、これまでの経験やキャリア観、仕事で大事にしていることを聞きながら、自社の事業・カルチャー・これからの方向性を率直に共有します。この段階では「評価する」のではなく、「お互いを知る」ことに軸足を置くのがポイントです。結果として、候補者の不安を減らし、志望度とカルチャーフィットを同時に高めることができます。
【関連記事】カジュアル面談とは

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5. インターンシップを実施する

新卒採用では、インターンシップを通じて早い段階から候補者と関係を築くことが有効です。

短期インターンでは、ワークショップや社員との交流を通じて、事業内容・仕事の流れ・社風を体感し、「どんな会社か」を具体的に知ってもらうことが期待できます。長期インターンでは、実際のプロジェクトや日常業務に関わってもらうことで、「ここで働くリアルなイメージ」を持ってもらうことができるでしょう。企業側も、仕事の進め方や価値観のフィット感を見極めやすくなり、相互理解に基づく採用につなげられます。
【関連記事】インターンシップとは

Wantedlyでは、長期インターンを活用して優秀な学生を採用するノウハウをまとめた資料を作成しています。ぜひ参考にしてください。

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6. タイミングが合わなかった候補者をタレントプール化する

今すぐ採用に至らなくても、「将来自社に合いそうな人」をタレントプールとして蓄積し、中長期で関係を育てていくことが大切です。選考でご縁がなかった人や、タイミングが合わなかった人もデータベース化し、ニュースレターやイベント招待、カジュアルな面談などで接点を持ち続けます。継続的な関係構築によって、いざ採用ニーズが生まれたときに、自社に合う人材へすぐアプローチできる状態をつくれます。
【関連記事】タレントプールとは

7. 内定後フォローで入社意向を高める

内定後は配属予定チームとの顔合わせや、業務・キャリアの具体的な説明などを通じて不安を解消し、「ここで働きたい」という気持ちを高めていきます。内定から入社までの空白期間をどう過ごしてもらうかが、内定辞退の防止と入社後の立ち上がりの早さを左右します。
【関連記事】内定者フォローメールの書き方

8. オンボーディングと育成施策で定着・活躍を支援する

採用コストの投資を成功させるには、候補者が入社後に定着し、活躍することが欠かせません。

内定から入社までのあいだに、チームとの顔合わせや業務内容の具体説明を行い、不安を減らすとともに期待感を高めましょう。入社後はオンボーディングプログラムを通じて、ミッション・バリュー、事業の全体像、役割期待を段階的に伝え、メンターや1on1などで立ち上がりを支援します。さらに、フィードバックや学習支援、キャリア面談などの育成施策を組み合わせることで、「ここで成長していける」という実感につながり、早期離職の抑止とパフォーマンス向上を同時に実現しやすくなります。
【関連記事】オンボーディングとは

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事例紹介:採用難を克服して人材の採用と定着に成功している企業

採用難の中でも、採用の考え方とプロセスを変えることで、着実に人材の採用と定着に成功している企業があります。ここでは、その取り組みから自社のヒントになるポイントを紹介します。

株式会社コーボー|SESのネガティブイメージを乗り越え、即戦力エンジニアを採用


Webマーケティング、システム開発、システム・エンジニアリング・サービス(SES)事業を展開する株式会社コーボーは、2011年設立のIT企業です。クライアントに技術者を派遣するSES事業の強化に向け、Wantedlyを活用して2018年から即戦力エンジニアの採用に取り組んできました。

同社はまず、SESエンジニアとして働くことに否定的なイメージをもつことも多い候補者の誤解を解くため、採用ブログを通じて経営理念や人材育成の考え方を継続して発信しました。まず訴求したのが「一人ひとりのエンジニアの情熱を注いだ仕事を通して、関わる全ての人の心に感動を生みだす」というビジョン。そして、企業としてエンジニアのキャリア設計を中長期的にサポートしている姿勢を伝え、徐々に候補者の認識を変えることに成功しました。

次の段階では、候補者ごとにカスタマイズした文面でスカウトメールを送り、カジュアル面談につなげています。面談の場では選考上の判断を一切せずに共感をベースに対話し、候補者のカルチャーマッチを確認。そこからさらに候補者ごとに志望度を高めるコミュニケーションを重ね、1年間で4名の即戦力エンジニアを採用しています。

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株式会社DONUTS|採用ブログと社員発信で「人」を起点にファンを増やした事例


2007年設立の株式会社DONUTSは、勤怠管理や採用管理などの人事・業務系クラウドサービスを軸に、ゲーム事業や動画配信事業などを展開するIT企業です。Wantedlyを活用してコストを抑えた採用マーケティングを推進しながら、人事部と各事業部が密接に連携できる体制づくりに取り組みました。

週1本のペースで更新してきた採用ブログは、採用ニーズの高い部署の社員の協力を得て、主に「人」を切り口にコンテンツを制作してきました。採用ブログの記事経由での応募数や入社した方の数を指標とし、効果の高かったコンテンツの手法を取り入れながら継続的な発信を重ね、採用につなげてきました。

現在では、全社的な協力体制のもとで採用広報を推進しています。Wantedlyのストーリーは社内広報の効果も大きく、エンゲージメントの向上に役立ち、業務における事業部間の連携も以前より円滑になったそうです。

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and factory株式会社|ストーリー発信でカルチャーへの共感を起点に母集団を拡大


and factory株式会社は、マンガアプリ、ゲーム攻略・占いアプリなどの提供、宿泊施設の企画・運営という複合的な事業を展開する2014年設立のスタートアップです。企業の認知形成にWantedlyのストーリーを活用して継続的な採用広報を展開し、WANTEDLY VISIT AWARDS 2019の「Awareness(認知)賞」を受賞しています。

採用ブログでは、代表メッセージや社員インタビューから、オフィス風景や福利厚生、社内スポーツサークルの活動レポートまで、活気あふれる社員の姿を投稿しています。候補者に入社後のはたらくイメージが広がる記事づくりを継続してきました。

また同社は、Wantedlyを組織やチームを横断して社員のつながりを広げていくツールとしても活用しています。社内広報によるインナーブランディング効果を活かして、全社が連携して採用活動に取り組む体制を強化しました。

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株式会社TBM|ミッションと裁量を前面に出し、共感ベースで人材を惹きつける


【参考】理念への共感をエンジンに。躍進する組織の「変わるニーズと変わらない価値観」|NEXT UNICORN RECRUITING #2 TBM 舟木祐介氏

プラスチックや紙の代替となる革新的な新素材「LIMEX」を開発・製造・販売する株式会社TBM(2011年設立)。21年卒から新卒採用をスタートし、社会・環境問題に関心のある若年層に対して、持続可能な地球環境に貢献できる事業への共感をベースに採用活動を実施しました。

新型コロナウイルスが猛威を振るう時期にも、オンラインでミートアップやグループワークの機会を提供しています。人事部は母集団形成と採用オペレーションを担い、各本部のリクルーターが見極めとアトラクト、継続的なフォローを担当。500名弱の母集団から最終的に11名の採用に成功しました。

また、入社直後のギャップ解消や社員の早期活躍を支援するため、オンボーディング施策に注力。3日間の導入研修で企業理念や事業・組織の理解を促しています。さらに、上司との定期的な1on1の面談機会を設け、他部門の社員と斜めの関係を構築できる「バディ制度」の運用にも取り組み、入社後の活躍をサポートしています。

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採用難は「外部要因×自社要因」の両面から解く

採用難は、少子高齢化や売り手市場といった外部要因に加え、条件・働き方の設計、魅力の伝え方、選考プロセス、オンボーディングなど自社側の要因が重なって起きる現象です。応募不足・ミスマッチ・辞退・早期離職のどこでつまずいているかを分解し、「認知→応募→見極め→定着」を一連のプロセスとして設計し直すことで、厳しい市場環境でも自社に合う人に選ばれる状態へ近づけます。

一方で、こうした取り組みをすべて自前で設計・運用するのは、中小企業やスタートアップにとって大きな負荷にもなります。Wantedlyは、ミッションやビジョン、カルチャーへの共感を起点に候補者と出会える仕組みを備え、ストーリー発信やカジュアル面談、スカウトを通じた継続的な関係構築など、本記事で紹介した打ち手を実践しやすくするサービスです。採用難から脱却するためのパートナーとして、まずは自社の採用課題に照らしながら活用を検討してみてください。

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