人柄採用とは?メリット・デメリット、成功させるためのポイントを解説

「人柄採用」とは、応募者のスキルや経験に加え、価値観や仕事への姿勢といった人柄を重視する採用の考え方です。労働人口の減少や採用競争の激化が進む中、こうした人柄採用に取り組む企業が増えている一方、「人柄をどのように評価すればよいかわからない」「面接官の主観に左右されてしまう」といった課題を抱える企業も少なくありません。

本記事では、人柄採用のメリット・デメリットのほか、人柄採用を成功させるための方法や採用プロセスの工夫について解説します。

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人柄採用とは

人柄採用とは、応募者のスキルや経験だけではなく、価値観、仕事への姿勢、周囲との関わり方などを重視する採用の考え方です。「人柄重視採用」「人物重視採用」と呼ばれることもあります。
入社後の活躍や定着を見据え、自社での働き方との適合性を重視する点が特徴です。

スキル重視の採用との違い

スキル重視の採用は、専門知識や実務経験、資格、実績など、業務に直結する実績を主な評価軸とします。履歴書や職務経歴書の確認に加え、スキルテストや実技試験で能力を測り、入社後すぐに戦力となることを期待するケースが多いでしょう。

一方、人柄採用では、価値観や仕事への姿勢など、人柄に関する要素を重視します。面接や適性検査、構造化面接などを活用し、数値化しにくい特性を多面的に見極め、組織への定着と長期的な活躍を目指します。

どちらかを選択するというよりは、職種や採用目的に応じて評価の比重を調整することが大切です。

ポテンシャル採用との違い

ポテンシャル採用は、現時点のスキルや経験だけでなく、学習意欲や将来的な成長可能性を重視する採用手法です。

人柄採用が価値観や仕事への姿勢など、現在の人柄や行動特性を重視するのに対し、ポテンシャル採用は入社後に必要な能力を身に付けて成長できる可能性を重視します。

ポテンシャル採用は、特にスキルや経験の浅い若手採用などで用いられることが多いでしょう。
【関連記事】ポテンシャル採用の考え方と見極め方

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人柄採用が注目される背景

なぜ人柄採用が注目されているのでしょうか。ここでは、代表的な3つの背景を紹介します。

・採用競争の激化による採用基準の見直し
・AI時代に求められる人材像の変化
・カルチャーフィットの重要性の高まり

採用競争の激化による採用基準の見直し

少子高齢化に伴い、労働人口が減る中、スキルや経験のある人材の採用競争は厳しさを増しています。特に中小企業やスタートアップでは、必要な人材が集まらないケースも少なくありません。

こうした状況を背景に、入社後の活躍や定着を見込んで、スキルや経験だけでなく価値観や仕事への姿勢といった人柄の面を重視して自社に合う人材を採用する動きが増えています。

スキル・経験だけで絞り込むと母集団が小さくなりやすい職種では、人柄という軸を加えることで、経歴だけでは候補に挙がりにくかった人材にも目を向けやすくなり、母集団を広げやすくなるでしょう。

AI時代に求められる人材像の変化

AIやデジタル技術の発展により、定型業務の自動化が進む一方で、顧客対応やチーム内の調整、新しい課題への対応といった対人コミュニケーションや判断が求められる場面の比重は相対的に高まっています。

このような場面では、スキルや経験に加えて、協調性や仕事への姿勢といったソフトスキルも重要です。そのため採用では、業務に必要な専門性を確認しつつ、価値観や行動特性も含めて総合的に評価する動きが見られます。

カルチャーフィットの重要性の高まり

カルチャーフィットの重要性が高まっていることも、人柄採用が注目されている背景のひとつです。

スキルや経験が十分でも、価値観や仕事の進め方が自社の文化や働き方と合わない場合、本人が能力を発揮しにくくなったり、入社後のミスマッチや早期離職につながったりする可能性があります。

そのため、カルチャーフィットを見極めたい場合は、価値観や仕事への姿勢など、応募者の人柄に関する要素を確認するケースも少なくありません。
【関連記事】カルチャーフィットの考え方

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人柄採用のメリット

人柄採用には複数のメリットがあります。ここでは、代表的な3つのメリットを紹介します。

・採用ターゲットを広げられる
・定着率の向上につながる
・組織内の意思決定がスムーズになる

採用ターゲットを広げられる

スキルや経験重視の採用から、人柄を重視する選考へと軸を広げることで、経歴だけでは候補に挙がりにくかった人材も選考対象に含めやすくなります。

例えば、異業種からの転職者であっても、基本的なスキルや経験を満たした上で、働き方や価値観が自社と近ければ、適性を評価して前向きに検討しやすくなるでしょう。

スキルや経験のベースラインを保ちつつ、人柄をプラスの評価軸として組み込むことで、これまで見落としていた候補者まで採用対象を広げることができます。

定着率の向上につながる

人柄採用は、入社後の定着率向上に寄与する可能性があります。早期離職の理由として、スキル不足よりも「社風や価値観が合わなかった」ことを挙げる人材は少なくありません。選考段階で価値観や仕事への姿勢を確認しておくことで、こうした価値観のミスマッチに起因する離職を抑えやすくなるでしょう。

例えば、成果へのフィードバックを重視する組織であれば、面接で「進捗はこまめに確認してほしいか、裁量を持って任せてほしいか」といった働き方の好みを確認しておくことで、入社後に感じるマネジメントスタイルのギャップを事前に減らせます。

結果として、早期離職に伴う再採用コストや、教育投資の目減りを防ぎやすくなる点も、人柄採用のメリットといえるでしょう。

組織内の意思決定がスムーズになる

価値観や仕事への向き合い方が近いメンバーが増えることで、日々の業務における前提のすり合わせにかかる時間を抑えやすくなる点も、人柄採用のメリットのひとつです。

例えば、「スピード重視か、慎重な合意形成重視か」といった判断基準が社内である程度そろっていれば、都度の説明や調整に割く時間を減らし、現場の意思決定を進めやすくなります。

ただし、これは価値観の近さが行き過ぎると、後述する組織の同質化につながる可能性もあるため、人柄採用における評価軸の設計とあわせて検討することが重要です。

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人柄採用のデメリット

人柄採用には注意すべき点もあります。ここでは、代表的な3つのデメリットを紹介します。

・評価が属人的になりやすい
・組織の同質化を招くリスクがある
・即戦力化までに時間がかかりやすい

評価が属人的になりやすい

人柄採用における評価は、面接官個人の主観や印象に左右されやすいというデメリットがあります。「人柄をどう評価するか」の基準が言語化されないまま運用されると、面接官ごとに評価が分かれやすくなります。

例えば、同じ応募者に対して、ある面接官は「自分の意見をはっきり言えて頼もしい」と評価する一方、別の面接官は「協調性に欠ける」と感じるなど、同じ言動でも解釈が面接官によって割れるケースは珍しくありません。

こうした評価のばらつきを防ぐには、「主体性がある」といった抽象的な言葉のまま評価するのではなく、確認したい行動や判断基準を事前に言語化し、面接官間であらかじめすり合わせておくことが重要です。
【関連記事】面接評価シートの作り方

組織の同質化を招くリスクがある

自社に合う人柄を重視しすぎると、似たタイプの人材ばかりが集まり、組織が同質化しやすくなるという側面もあります。

同質性の高い組織は、意思決定のスピードや一体感といった強みを持つ一方で、異なる視点や発想が入りにくくなり、変化への対応力や新しい発想を取り込む力が弱まる可能性があります。

そのため、「求める人物像」を設計する際は、価値観の中でも譲れない軸(例:顧客への向き合い方など)と、多様性を許容してよい軸(例:仕事の進め方や強みの種類など)を分けて整理しておくことが、同質化を防ぐ工夫のひとつになります。
【関連記事】採用基準の考え方

即戦力化までに時間がかかりやすい

人柄採用のデメリットとして、選考で人柄を重視した結果、業務に必要なスキルや経験の確認が相対的に手薄になり、入社後の即戦力化までに時間がかかるケースがある点も挙げられます。特に、育成リソースが限られるスタートアップや中小企業では、この遅れが事業への影響として表面化しやすいでしょう。

そのため、職種やポジションごとに、人柄とスキルのどちらをどの程度重視するか、あらかじめ評価の比重を決めておくことが、このデメリットを抑える鍵となります。

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人柄採用を成功させるための方法

人柄採用は、限られた時間や情報の中で、応募者の人柄を客観的かつ一貫した基準で評価することが難しい側面があります。

そのため、採用要件を具体化した上で、適性検査や構造化面接、リファレンスチェックなど複数の評価方法を組み合わせ、さまざまな情報をもとに総合的に判断できる仕組みを整えることが、人柄採用を成功させる上で重要です。詳しく見ていきましょう。

・採用要件を具体化する
・適性検査を活用する
・構造化面接を実施する
・リファレンスチェックを行う

採用要件を具体化する

採用要件を具体化する際は、まず職種や採用目的に応じて必要なスキルや経験を整理し、人柄についても抽象的な表現を避け、具体的な行動レベルまで言語化することが大切です。あらかじめ評価する項目や基準を具体化しておくことで、面接などで応募者を評価する際の判断基準をそろえやすくなります。

例えば、「主体性がある」であれば「指示を待たずに次のアクションを提案できる」、「協調性がある」であれば「意見が異なるメンバーとも冷静に話し合える」といったように、実際の行動として観察できる形に落とし込むとよいでしょう。

また、現場のメンバーといっしょに、自社で活躍している人材に共通する特徴を整理することも、採用要件を具体化する際の参考になります。

こうして整理した採用要件は、採用ペルソナシートに落とし込んでおくと、現場や経営層とも認識をすり合わせやすくなり、面接官が変わっても評価基準がぶれにくくなります。
【関連記事】採用ペルソナの設計方法

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適性検査を活用する

面接だけでは捉えにくい性格特性や行動傾向を把握するための参考情報として、適性検査を活用する方法もあります。ただし、検査結果だけで合否を判断しないことが大切です。面接を補完する位置づけで、検査結果をもとに面接で確認すべき点や深掘りする質問を設計するとよいでしょう。

面接での評価と検査結果を照らし合わせ、総合的に判断することで、評価の偏りを抑えやすくなります。

構造化面接を実施する

構造化面接を行うことで、面接官ごとの評価のばらつきを抑えられます。構造化面接とは、あらかじめ質問項目と評価基準を設定し、応募者に共通する質問と同じ評価軸にもとづいて面接を実施する手法です。

人柄や行動特性を確認する際は、STAR法などの質問フレームを参考に、過去の具体的な行動や判断の背景を確認する方法もあります。

例えば「チームで意見が対立したときにどう対応しましたか」のような質問を用意し、状況・課題・行動・結果について順に確認することで、応募者の価値観や行動特性を具体的に把握しやすくなります。

また、評価シートを用意し、あらかじめ設定した評価項目にもとづく評価と、面接官が受けた印象などの所感を分けて記録する運用も有効です。
【関連記事】構造化面接の始め方
【関連記事】STAR面接の質問例

リファレンスチェックを行う

過去の同僚や上司など第三者からのフィードバックを通じて、応募者の勤務態度やチームでの働き方を確認する「リファレンスチェック」も、人柄を見極める上で有効です。応募者本人の自己申告だけでは把握しきれない、実務上の人柄や働き方を補完する情報として活用できます。

実施する際は、応募者本人の同意を得た上で、選考の後半段階に取り入れるケースが多いでしょう。面接だけでは見えにくい、日々の仕事の進め方や周囲との関わり方などを知る手掛かりとなります。

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人柄採用における採用プロセスの工夫

人柄採用では、面接時の評価だけではなく、応募前後の接点や、候補者とつながりやすい採用手法を組み合わせることも有効です。

応募前から入社に至るまでさまざまな接点を通じて候補者の考えや仕事への姿勢を知るとともに、自社の価値観や働き方を伝えることで、相互理解を深めることができます。

その際、求める人物像や仕事の実態、職場の雰囲気などを一貫して伝えるようプロセスを整えることで、候補者自身も自社との相性を判断しやすくなり、入社後のミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

■人柄の相互理解に役立つ接点・採用手法の例

接点・採用手法概要
カジュアル面談選考を前提とせず、候補者と気軽に対話し、相互理解を深める機会
社員との座談会社員との対話を通じて、社風や働き方への理解を深める機会
インターンシップ実務体験を通じて、仕事内容や働き方について相互理解を深める機会
リファラル採用社員から候補者の紹介を受ける採用手法
アルムナイ採用退職した元社員とのつながりを活用し、過去の勤務経験などを踏まえて再雇用する手法
SNS採用(ソーシャルリクルーティング)SNSを活用して、自社の企業情報や採用情報、社内の雰囲気などを発信し、候補者との接点を作る手法

上記のような接点を通じて候補者との相互理解を深めることが、人柄採用の実効性を高めます。
【関連記事】カジュアル面談の進め方

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人柄採用を成功させるには評価の仕組みづくりが重要

人柄採用とは、応募者のスキルや経験だけではなく、価値観や仕事への姿勢、周囲との関わり方などを重視する採用の考え方です。こうした要素を評価することで、従来のスキルや経験だけでは判断しにくかった人材を検討できる一方で、人柄を客観的に評価するのは難しい点に注意が必要です。

人柄は面接官の印象だけで判断すると評価がばらつきやすくなります。そのため、採用要件の明確化や適性検査、構造化面接などを組み合わせ、複数の情報をもとに評価する仕組みを整えることが重要です。加えて、候補者との接点を増やして双方の理解を深めることで、ミスマッチを防ぎやすくなるでしょう。

人柄採用を成功させるには、選考時の評価体制を整えるだけでなく、「自社の価値観や社風に共感した候補者を集める」プロセスが不可欠です。どれだけ厳密に面接を行っても、最初から価値観の合わない候補者ばかりでは採用に至りません。

Wantedlyは、条件面だけでなく「シゴトへの情熱」や「企業の想い・カルチャー」を中心としたマッチングを行う採用プラットフォームです。

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