インフラエンジニア採用が難しい理由|成功に導く5つのポイント

インフラエンジニアの採用が難しいと感じている企業は少なくありません。「求人を出しても応募が集まらない」「選考しても見極めが難しい」といった課題の背景には、採用市場の問題だけでなく、自社の採用要件や評価、訴求の設計に原因があるケースも考えられます。
本記事では、インフラエンジニア採用が難しくなる理由と、うまくいかない原因、成功に導く5つのポイントを解説します。

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インフラエンジニアの採用が難しい理由

インフラエンジニアの採用が難しい背景には、IT人材全体の不足に加えて、職種定義の広さやスキル評価の難しさがあります。自社が求める役割を曖昧にしたまま募集すると、候補者に仕事内容が伝わりにくく、採用のミスマッチにつながる可能性があります。

ここでは、インフラエンジニア採用が難しくなりやすい理由を3つに整理して解説します。

▍インフラエンジニアの採用が難しい理由
・需要に対して人材が少ない
・職種の範囲が広く、定義が企業ごとに異なる
・成果が見えにくく、評価が難しい

需要に対して人材が少ない

インフラエンジニアの採用が難しい背景には、IT人材全体の不足があります。経済産業省の調査では、2030年時点でIT人材が最大約79万人不足する可能性が示されています。これはインフラエンジニア単体の不足数ではありませんが、IT人材全体の採用競争が続くなかで、インフラ領域の採用にも影響していると考えられます。

また、近年はオンプレミス環境だけでなく、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudなどのクラウド環境を活用する企業も増えています。そのため、サーバーやネットワークの知識に加えて、クラウド設計、セキュリティ、運用自動化、可用性設計などに対応できる人材へのニーズが高まっています。

一方で、これらのスキルを実務で身につけた人材は限られます。特に即戦力人材を採用しようとすると、他社との競争が起きやすく、条件面だけでなく、担当できる技術領域やキャリアパスを丁寧に伝えることが重要になります。

出典:経済産業省「- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」

職種の範囲が広く、定義が企業ごとに異なる

インフラエンジニアという呼称ひとつをとっても、企業によって期待する役割は大きく異なります。担当する技術領域や業務範囲は幅広く、設計・構築を重視するケースもあれば、運用保守や改善業務を中心に担うケースもあります。

また、求められるスキルレベルや役割も企業によって異なるため、「インフラエンジニア」という名称だけでは、具体的な仕事内容をイメージしにくいのが実情です。このように職種の定義に幅があることが、採用を難しくする要因のひとつになっています。

成果が見えにくく、評価が難しい

インフラエンジニアの仕事は、「何も起きていない状態」を維持することに価値があります。システムの安定稼働こそ成果ですが、トラブルが発生していない平時においては、その貢献度が周囲から意識されにくく、評価基準も曖昧になりやすい領域です。そのため、採用や定着で課題が生じるケースも少なくありません。

また、候補者側も、「安定運用を支えた」「障害を未然に防いだ」といった成果を定量的に説明しにくく、採用時にも実力を見極めにくいことがあります。
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インフラエンジニアの採用がうまくいかない原因・失敗理由

「とりあえずインフラエンジニアを採用したい」という状態のまま要件設計が進んでしまうケースは少なくありません。採用がうまくいかないと感じたときにまず確認したいのは、自社の採用プロセスです。

以下の4つの観点で見直してみましょう。

▍インフラエンジニア採用のよくある失敗理由
・採用要件の設計が曖昧
・評価基準が設計できていない(機能していない)
・訴求が候補者に届いていない
・競合と比較したときの自社の魅力が弱い

採用要件の設計が曖昧

インフラエンジニア採用で最初につまずきやすいのが、採用要件の設計です。インフラエンジニアは担当領域が幅広いため、採用要件の設計が曖昧なままだと、仕事内容の解釈が分かれやすくなります。また、社内で求める人物像の認識がそろっていないと、求人内容や訴求にも一貫性がなくなり、自社が採用したい人材に魅力を伝えにくくなります。
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評価基準が設計できていない(機能していない)

採用要件を整理していても、面接での評価基準がうまく機能していないケースもあります。インフラエンジニアは、障害を未然に防いだり、安定稼働を維持したりといった成果物が見えにくい職種です。そのため、面接官によって評価の観点が変わりやすく、合否の判断基準もぶれやすくなります。

訴求が候補者に届いていない

インフラエンジニアは、積極的に求人を探していない転職潜在層が多く、転職サイトでの訴求が候補者に届いていないこともあります。特に、現職で安定した環境にいる人ほど、日常的に転職サイトを見ていないケースが多いでしょう。求人票を出して待つだけでは、接点を持てる候補者が限られます。そのため、自社に合う人材と出会えないまま採用が長期化するケースは珍しくありません。

競合と比較したときの自社の魅力が弱い

求人票が見られていても、自社の魅力が伝わっていないケースもよくあります。年収や福利厚生だけが訴求になっていて、担当領域や技術環境、関われる課題といった候補者が知りたい情報が不足していると、比較検討の段階で他社に流れやすくなります。
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インフラエンジニアの採用を成功に導く5つのポイント

「インフラエンジニアを採用したい」という大まかな要件のまま募集を始めると、候補者に仕事内容が伝わりにくく、社内でも評価基準がぶれやすくなります。ここでは、インフラエンジニア採用の精度を高めるために見直したい5つのポイントを紹介します。

見直しポイントよくある課題具体的な取り組み例
1. 採用要件の見直し面接官ごとに求める人物像がぶれてしまうオンプレミスとクラウド(AWS等)の業務領域の明確化など
2. 求人票の見直し条件の羅列だけで働くイメージが伝わらない利用中の技術スタックや具体的な入社後の業務範囲の明示など
3. 評価基準の整理実務スキルを測れない過去の障害対応や設計の背景を深掘りする質問の共通化など
4. 効果的な媒体選定待ちの姿勢では転職潜在層に出会えない特化型媒体やダイレクトリクルーティングの併用・活用など
5. 技術発信による接点知名度が低く自社の魅力が伝わらない障害対応の振り返りやアーキテクチャの背景の発信など

1. 採用要件の見直し

採用要件は、求人を出す前に社内で整理しておきたい項目です。「インフラエンジニアを採用したい」という認識だけで採用活動を始めると、面接官ごとに求める人物像が変わり、採用基準も統一しにくくなります。

まず整理したいのは、自社のインフラ環境や、候補者に任せたい業務領域です。例えば、オンプレミス中心の環境とクラウド中心の環境では、求められる経験やスキルも異なります。

ケース求められる経験の例
オンプレミス中心サーバー・ネットワークの設計、構築、運用保守の経験など
クラウド中心AWS、Azure、Google Cloudなどの設計・構築経験、IaCや監視設計の経験など
ハイブリッド環境オンプレミスとクラウドの両方の知識、クラウド移行プロジェクトの経験など
セキュリティ重視権限設計、ログ管理、脆弱性対応、セキュリティポリシー運用の経験など
SRE寄り可用性設計、監視改善、障害対応、運用自動化の経験など

こうした前提を社内で整理しておくことで、面接官間での認識のズレを防ぎ、採用基準を統一しやすくなります。
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2. 求人票の見直し

採用要件が整理できたら、次はそれを候補者に伝わる言葉で求人票へ落とし込む作業です。採用要件を箇条書きで並べただけでは、候補者に「自分が活躍できるイメージ」を持ってもらいにくくなります。特にインフラエンジニア採用では、利用している技術スタックや運用環境、担当する業務範囲を具体的に記載することが大切です。

<求人票を記載する際に意識すること>
・利用中の技術スタックを具体的に明示する
・必須要件を絞り、歓迎要件と明確に分ける
・入社後の業務イメージを具体的に書く

求人票は候補者が「自分への募集だ」と感じられるかどうかが重要です。条件の羅列ではなく、働くイメージが伝わる記述を意識しましょう。

3. 質問内容と評価基準の整理

インフラエンジニアの選考で難しいのが、面接でのスキル評価です。開発エンジニアのようにコードを書いてもらう課題とは異なり、インフラの実務力は成果物が見えにくいため、質問の設計次第で評価の精度が大きく変わります。

よくある失敗は、経験年数や保有資格だけで判断してしまうケースです。年数が長くても担当領域が狭い場合もあれば、年数が短くても幅広い実務経験を持つ候補者もいます。実務に近い評価をするために有効なのは、以下のような深掘りの質問を活用することです。

<実務を深堀りする質問の例>
・過去に経験した障害対応で、どう判断しどう動いたか
・現在の構成をなぜその設計にしたか、トレードオフをどう考えたか
・コスト・可用性・セキュリティのバランスをどう取っているか

これらの質問を通じて、候補者の思考プロセスや判断基準が見えてきます。また、面接官によって合否基準がぶれないよう、評価の観点を事前に社内でそろえておくことも重要です。
【関連記事】エンジニア面接の質問42選
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4. 効果的な媒体選定

インフラエンジニアの採用では、媒体の特性を理解した上で使い分けることが重要です。主な選択肢としては以下が挙げられます。

<効果的な採用媒体の選択肢の例>
・総合型転職サイト
・エンジニア特化型媒体
・人材エージェント
・ダイレクトリクルーティングサービス

どれかひとつに絞るのではなく、自社の採用フェーズや予算に応じて組み合わせるのが現実的です。インフラエンジニアは転職活動を積極的にしていない潜在層が多いため、ダイレクトリクルーティングを併用するといいでしょう。ただし、メッセージが画一的だと返信率は上がらないため、相手のスキルや経歴に合わせた内容にすることが重要です。
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5. 技術発信による接点づくり

エンジニアブログや技術カンファレンスへの登壇、障害対応の振り返り公開など、自社の技術力や文化を外部に見せる取り組みも有効です。求人を見ていない層が「この会社はおもしろそうだ」と感じるきっかけになりやすく、長期的な母集団形成につながります。

特にインフラ領域では、アーキテクチャの意思決定の背景や障害対応のプロセスを言語化して発信することが効果的です。自社のインフラ環境への興味を引きやすく、採用ブランディングとして中長期的に取り組む価値があります。
【関連記事】技術広報とは?

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インフラエンジニアが転職で重視するポイント

求人票や訴求を見直す上で、候補者が何を重視しているかを把握しておくことも重要です。インフラエンジニアが転職先を選ぶ際に重視するポイントを押さえておきましょう。

▍インフラエンジニアが転職で重視するポイント
・技術的な裁量
・技術スタックの新しさ
・働き方
・キャリアパス
・年収・報酬水準

技術的な裁量

アーキテクチャの意思決定に関われるか、技術選定に携われるかは、優秀なエンジニアほど重視する傾向があります。言われたことをやるだけの環境では、スキルアップの機会が限られると判断されやすく、候補者に選ばれにくくなります。求人票や面接でこの点を具体的に伝えられると、技術へのこだわりが強い候補者に刺さりやすいでしょう。

技術スタックの新しさ

レガシーな環境だけでなく、新しい技術に触れられるかどうかも判断基準になりやすいでしょう。現職と変わらない技術環境では転職の動機になりにくく、応募につながらないケースもあります。自社で利用しているクラウドサービスやIaCツール、監視基盤などを具体的に求人票に記載しておくことで、候補者が技術面での成長イメージを持ちやすくなります。

働き方

リモートワークの可否やオンコールの頻度、夜間対応の有無は、応募前に候補者が気にするポイントです。求人票に明示されていないと不安要素になり、応募を躊躇する原因になることがあります。特にオンコール対応や夜間の緊急対応がある場合は、その頻度や手当・代休の有無を正直に伝えることが重要です。不安を残したまま入社につながっても、早期離職のリスクが高まります。

キャリアパス

チームを牽引するプロジェクトマネージャーや、上流工程から課題解決に携わるITコンサルタント、セキュリティ領域のスペシャリストなど、入社後にどんな成長が見込めるかが見えないと、長期的なキャリア形成の観点から見送られやすくなります。入社後のキャリアパスの例や、社内でどのようなポジションに進んだ先輩がいるかを具体的に示せると、候補者の長期的な志望度を高めることができます。

年収・報酬水準

年収や報酬が市場相場より低い水準だと、比較検討の段階で選ばれにくくなります。インフラエンジニアの市場価値は年々上昇しており、高い報酬を期待していることが少なくありません。自社の報酬水準が市場とどの程度乖離しているかは、事前に確認しておくことをおすすめします。

ただし、報酬水準だけで差をつけるのは難しいものです。そういった場合は、技術的な裁量やキャリアパス、企業のミッションへの共感を軸にした採用アプローチが有効でしょう。
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インフラエンジニア採用は、設計と発信の見直しから

インフラエンジニアの採用が難しい背景には、市場の需給バランスだけでなく、要件設計・評価基準の設計・訴求という自社側の課題が重なっていることが少なくありません。インフラエンジニアの採用を成功させるためには、まず自社がどこでつまずいているかを特定することが重要です。

求人を出しても応募が集まりにくい場合は要件と求人票の見直しから、選考で判断がぶれている場合は評価基準の設計から手をつけるのが現実的でしょう。

また、転職潜在層が厚いインフラエンジニアの採用では、求人票を出して待つだけでは限界があります。自社の技術的な挑戦や文化を発信し、共感をベースに候補者との接点をつくる継続的なアプローチが、長期的な採用力の底上げにつながります。

Wantedlyで転職潜在層のインフラエンジニアにアプローチできる

インフラエンジニアの採用では、求人票を見ている転職活動中の層だけを狙っていては、母集団が限られます。特に優秀な人材ほど現職に満足していることが多く、積極的に転職サイトを見ていないケースが多いでしょう。

Wantedlyは、給与や条件ではなく、ミッションや仕事のやりがいへの共感を軸にした採用プラットフォームで、転職を前提としていない層とも接点を持ちやすい特徴があります。記事コンテンツやブログ機能の「ストーリー」を通じて、企業の考え方や取り組みを継続的に発信できるため、「今すぐ転職をするつもりはないが、おもしろそうな会社は知っておきたい」という潜在層にもリーチしやすい点が強みです。

インフラエンジニア採用においては、障害対応の振り返りや、アーキテクチャの意思決定の背景をストーリーとして公開することが有効です。技術的な挑戦や判断のプロセスを言語化すると、「この会社のインフラはおもしろそうだ」と感じてもらいやすくなります。

また、スカウト機能を活用すれば、潜在層に直接アプローチも可能です。継続的な発信とスカウトを組み合わせることで、中長期的に関係性を築き、母集団形成につなげられるでしょう。

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